第70話
何か華扇が小泉紅子から妙な混じりの波長がするって呟いていたけど、もしかして彼女には何か人外血が混じっていると言いたいのなら、それは恐らく小泉家の初代魔女が関係しているわよね。
確かあれは江戸幕府が成立したばかりの頃、南蛮貿易を経緯してヨーロッパから移り住みに来た放浪者だったのよね、確か過激化した魔女狩りから逃れる為にジャパンに来たとかどうとか、その当時の本人が言っていたことと、何か人間と魔女の混血児だとかどうとか、何か言っていたような記憶がぁ。
「うーん混じりの波長ね、小泉家の初代が何か言って居たような?ちょっと思い出せないわねぇ」
と小泉紅子から妙な混じりについて、私は心当たりがあったが、この場で語ることでもないかと思い、何か意味深なことを告げながら、小泉紅子の方へと視線を向けて、観察する。
ふむそれにしても、幼いながらもここまでの魔性の美貌を有しているとは、確かにこれはまじっく快斗の魔法の鏡らしきキャラが、世界中の男が虜になる程とお世辞的な評価だとしても、素直に納得の美貌だと思えるわね。
(それにしても本当に幼いながらも綺麗な容姿をしているわよね、だけど将来は悪役令嬢みたいな高笑いをしたり、プライドが高い如何にもな高飛車な美女に成長すると思うと、中々に現実の残酷さを感じ取れるわね)
と私は改めて小泉紅子の優れた魔性の美貌に感心しながらも、将来どのように成長して行くかを知っている身としては、現実とは残酷であると風見幽香に転生してから幾度も抱いた感想を心の中で呟いていると。
小泉紅子の視線が私の方へと向いたと思った瞬間、何故か瞼を大きく開いたまま固まって立ち止まってしまい、白子衣装の御付きの1人が、少し慌てた様子で声を掛けたことで、正気に戻ったかのような表情を浮かべてすぐに、笑顔で何やら会話したと思えば、そのまま小泉家用の座布団席へと移動して行った。
「何か急に私を見ながら、立ち止まって固まったのだけど、一体どうしたのかしらね?」
「「「「あぁなるほど、可哀そうに…」」」」
と私は小泉紅子が瞼を大きく開いたまま立ち止まって固まってしまったのかと疑問符を浮かべるが、裕也と鈴音と華扇と菅原傑はすぐに原因に察したのか、小泉紅子へと同情するような視線を向け始めたので、私はますます首を傾げて疑問符を浮かべてただただ困惑する。
「えぇごほん、まぁ話題の人物の片方を見る事が出来ましたが、もう片方の人物である次期風祝の方はまだ来ないのですかね、あと数分後には、定例集会が始まるのですが」
と菅原傑が空気感を入れ替える為か、もう一人の話題の人物である次期風祝の東風谷早苗がまだ来ていないことを語りながら、大部屋に飾られたカラクリ時計へと視線を向けると、あと数分程経ったら定例集会が始まることを告げて来る。
「あら、もうそんなに時間が経過していたのね、もしかして何かあって到着が遅れているのかしら?」
と私も菅原傑につられてカラクリ時計の方へと視線を向けると、確かに予定されていた定例集会が行われる時間まであと数分と言ったところであり、何気なく周囲を見渡せば、土御門家や賀茂家の術師一門も既に座布団席に座って待機しており。
そして先程まで大部屋に到着した小泉紅子の様子を眺めていた術師界隈の関係者達も、予定時間が迫って来たのを確認し、各々は自身の座布団席へと移動し始めており。
このまま東風谷家は初めての定例集会に、遅れて出席してしまうのかと、心配に思い始めていたところで、大部屋の入り口から誰かが慌てて走って来た足音が響いてきたので、一体何事なのだとこの場に居た全員がそちらへと視線を向けてみる。
そこには蛙の顔模した髪飾りを頭に付け、胸の位置まで長く伸びた鮮やかに輝く緑色の髪に、細丸い輪郭と清純な顔立ちをした幼い少女が、疲れているのか息も絶え絶えにしており、服装に視点を移すと白地に青の縁取りの上着と水色の点々模様がある青色のスカートと言う珍しい色合いをした巫女服姿しており。
そしてその後ろには、似たような色合いをした神主装束を着たご老人が、今にも疲れ果てて倒れそうな程疲労している様子は、ここまで自身の持久力を超えた速度で走って来たのだろうと、容易に察せられるだろう。
「うひぃ~間に合ったぁ、時間はギリギリセーフかな、奇跡的に運悪く乗っていた電車が、事故のトラブルで遅延したり、走って行った先が悉く道路の工事中だったせいで、何度も遠回りすることになった時は、ダメかと思っちゃたけど」
「ささ早苗よ、ちょ爺はとんでたから、ごしたいずらよぉ、ちょっくらぁ息を整えまちぃね」
と緑髪に白青巫女服少女は額の汗を拭きながら、行き道中で交通トラブルに巻き込まれたり、道中で工事の為遠回りして来たことを独り言で語り、そして神主装束の老人は諏訪弁で疲れたから息を整えるから待てと言って、荒れた呼吸を落ち着かせようとしている光景は、思わず困惑と大丈夫かと言う心配を抱いてしまう。
あの神主装束のご老人は大丈夫かしら、結構無理して走ったのか息が荒いのだけど、そしてあっち緑髪の巫女服の少女のことを早苗って呼んでいたわよね、つまりあれが噂に聞く東風谷早苗ってことなのね。
前世の頃、よく東方projectで見かけた容姿だし、清純な雰囲気からは想像できない元気活発な性格のようだし、これは成長したら間違いなく常識に囚われて居なさそうな子になっていそうな予感がしてくるわね。
(それと何か纏う霊力の流れが読みにくいわね…うん?東風谷早苗が頭に着けている蛙の顔を模した髪飾りって、以前会った時に、酒片手にミシャクジが自慢げに語っていた霊力を抑制し出力を安定化させるアーティファクトじゃないのよ、へぇちゃんと親身に子供に接してられているのが、察せられるわね)
と私は緑髪の巫女服少女こと東風谷早苗の霊力が読みにずらく、分からなかったので、何故なのかと疑問を浮かべたところで、頭に身に着けている蛙の顔を模した髪飾りが、以前出雲大社での宴会にて、ミシャクジが自慢げに語っていたアーティファクトであることに気付き、そういう貴重品を身に着けさせても良いぐらいには、親密な関係なっているようで、微笑みが表情よりこぼれてしまう。
「あれ何か視線が集まっている、ええーとお騒がせしちゃってすみません、ほら爺もそこで立ち止まってないで、早く指定された座布団席に移動しちゃいますよ、歩きやすいように肩も貸してあげますから」
と東風谷早苗は周囲の視線が自身と神主装束のご老人に集中していることに気が付き、お騒がせしてすみませんと、お辞儀してから、走り疲れ果てている神主装束のご老人を連れて、指定された座布団席の方へと向かって行くのを見送ると、各術師家系の人々はあれが噂に聞く次期風祝なのかと、驚きと戸惑いを含んだ語り合いが小声で始まってしまうが。
私はとりあえず神友であるミシャクジのところ子が、無事に定例集会に出席出来たことに、安堵を憶えながらも、とりあえず定例集会が終えたら、早速東風谷早苗に話かけに行こうかと思うのであった。
と言ったところでここまでです。
如何でしたか、この世界における小泉家の術師界隈における立ち位置とか察せられるように書けてましたかね?。
そしてようやく、東風谷早苗の登場となりましたが、当初だとカリスマ性に溢れた登場を予定していましたが、書いていて誰だこいつ、早苗は常識に囚われてちゃだめ、もっと弾けた方がそれっぽいかと、流れるままに書いたら。
何か遅刻回避の為に巫女服姿で全力疾走して登場と言う感じになっていた、ちなみに蛙の顔を模した髪飾りは、東方project原作で東風谷早苗がつけていた謎アクセサリーです、効果はそれっぽいのを独自設定で決めました。
ちなみに東風谷早苗の強さですが、現時点で実力は☆20以上30未満を想定しています。
いやだってこいつ東方project原作で描写された能力的にも実力的にも、小泉紅子より強いし、生きたまま現人神になれる奴は違うね。