お許しくださいエリカ様!   作:ヴィルヘルム星の大魔王

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ポケモン始まるよ〜


#1  堪忍してくださいエリカさん!

 

 ポケットモンスター。縮めてポケモン。

 空、海、大地で人間達と共に暮らしている不思議な生き物。そんな世界に暮らしている一人の少年を中心とした物語が今、始まる。

 

 物語の最初の舞台は、カントー地方にあるハナダシティ。

 

 

 

 

  

 

 俺は、ショウリ。

 イッシュ地方出身の母とランセ地方出身の父の間に生まれた15歳の少年だ。身長は、162cm。好きな食べ物はモモンとマトマのブレンドカレー。

 

 

 ハナダシティ生まれだが、幼い頃にタマムシシティとヤマブキシティに引っ越した経歴を持つ。ややこしい経歴ですまんな。現在は、ハナダシティに住んでいるぞ。

 

 

 今思えば、11歳から様々な冒険を繰り広げてきた。

 最初に、幼馴染が住んでいる町と密接に関わっていたロケット団を倒し、カントー地方を制覇。

 12歳の時に、アローラ地方でウルトラビーストと戦い、途中までガラル地方を旅した。

 13歳の時には、シンオウ地方でチャンピオンとリーグで対戦して優勝。その後にカロス地方で冒険。

 14歳のときには、母の実家があるイッシュ地方に家族で帰省中にプラズマ団の野望を阻止したりと、一般人からして波乱万丈な人生を歩んでいると自覚している。

 

 まあ、色々な土地のかわい子ちゃん達と仲良くなれたけどね!あっはっは!!って、イタァ!?

 おいコラ!そこのポッポ!人に向かって、『すなかけ』で砂を掛けるんじゃあない!

 

 

 そんでもって、15歳を迎えた現在は、どうしているかと云うと

 

 

 「オレンの実ウマッ!最近平和だなー」

 

 

 近くの河原に寝そべり、オレンの実を齧りながら、川を眺めていた。4年間激闘の日々だったから休みたいのだ。

 川でコイキングが一生懸命に跳ねている。あ、ピジョットに捕獲された。現実は非情なり。

 一応、説明すると、この世界には人間とポケモンの他に牛・豚・鳥はいるが、旧生物に分類される。

 また、この世界では、旧生物は食用として認知されている。ポケモン食う事例とか少ないし、食われるとしたら海に住むポケモン位だ。

  

 

 ポケモンは、生物が新たな次元に進化した姿であると一部の学者が発表していた。世間では、眉唾物として扱われているが、俺はその説を支持する。大昔には、犬や猫といった生き物がいたらしく、たまに化石が発見されているからな。浪漫がある。

 

 俺は一体、誰に説明してんだ?

 

 「まぁ、いいや。寝るか〜」

 

 

 暫しの昼寝タイムに突入した。

 

 目を開けると、右腕に重みを感じて、顔だけ動かすと、一瞬、身体が硬直したが重みの正体に安堵した。右腕には、モンスターボール柄のカチューシャを頭に付けた和装の少女がスヤスヤと寝息を立てていた。

 

 少女の名前はエリカ。代々、タマムシシティのジムリーダーを務める家系に生まれ、本人もジムリーダーとしての実力がかなり高い。

 

 

 「ふわぁ、私も釣られてお昼寝してしまいました」

 

 

 独り言を呟きながら、寝ぼけ眼を擦るエリカ。ぱっちりとお互いの目が合う。

 

 

 目と目が合う瞬間〜

 

 

 「ショウリ君!」

 「どわあっ!」

 

 

 ふざけた事を考えていると、エリカにたいあたりされた。

 

 

 「ショウリ君、お久しぶりです!」

 

 

 「エ、エリカ!何でここに!?ジムはどうしたん?」

 

 「おばさまからショウリ君がカントーに帰って来ると聞いて、遊びに来ました!ジムは、代理の方にお任せしました」

 

 「そ、そうなんだ」

  

 「そんなことより!えへへ、久しぶりのショウリ君の匂い」

 

 

 そう言いながら、エリカは俺の胸板に頭を擦り付けながら匂いを嗅いでいた。その姿はまるで、イーブイのようだった。恥ずかしいのでやめて欲しい。

 

 

 「⋯⋯!!」

 

 

 匂いを嗅いでいたエリカの様子が可笑しかったので、顔を覗こうとするが、エリカの顔が前髪で隠れて見えない。思い做しか、黒いオーラを発しているように見える。視線に気付いたのか、エリカは俺の顔をじっと見ていた。

 エリカの目が怖い。ハイライトが行方不明になっている。一体、誰がエリカの目のハイライトのスイッチを消しました?と馬鹿な考えをしていると、両肩が握り潰されたかのように痛い。再び、エリカの方を見ると、エリカのしなやかな指が肩を掴んでいた。そのまま、腹の上に跨り、上半身を倒してきた。

 

 

 や、柔らかくてポヨポヨな部分が!胸板に!

 やめて!こっちは思春期で健全な年頃の男子なの!

 あー!お客様!!困ります!!あーっ!!

 

 

 「ショウリ君。少々お聞きしたいことがあるのですが、よろしいですか?」

 

 

 「ど、どうしたエリカ?」

 

 

 「何故、貴方から私以外の女子の匂いがするのデショウカ?理由をお話頂けマスヨネ?」

 

 エリカは、にらむをした。こちらを睨みすぎて三白眼になっている。エリカに対する恐怖とかわいいの感情が混ざり合っている。

 

 

 「あの、ちょ、エリカさん?」

 

 

 「少し、上書き⋯もといお仕置きが必要ですね」

 

 エリカはそのまま、瞳を閉じて近付いてきた。誰でも理解できますね。キスですね。

 エリカ程の美少女からキスされそうになる男は、全世界で俺位だろう。生憎だが、ロマンチストな為、こんな原っぱでファーストキスは嫌だ。名残り惜しくも理性で迫りくるエリカを止める。

 

 

 「エリカ、エリカからのキスして貰えるのは嬉しいが、互いのファーストキスは、もっと良いところでしたほうが良くないか?」

 

 

 「ショウリ君は、面白いですね。ファーストキスは、6歳の頃にお互いで捧げたじゃないですか」

 

 

 そう言って袖で口を隠しながら、コロコロと笑うエリカ。まじか、全然記憶にないわ。

 

 

 「では、お仕置き変更です」

 「へ?へばっ!?」

 

 エリカの細長く綺麗な指で両頬を抓られて、引っ張られた。何回か引っ張られると、エリカは手を離した。

 

 「これでお仕置き完了です。さあ、行きますよ」

 

 エリカは、立ち上がり、スタスタと俺の家がある方角へと歩み始めた。

 

 「ま、待ってくれよ!」

 

 エリカに置いていかれないように早歩きでエリカの元まで歩き出した。

 

 10分後に自宅に着いた。ドアを開けると、母親が出迎えてくれた。

 

 「母さん、親父。ただいま」

 

 「おばさま、おじさま、お久しぶりです。」

 

 「あら〜エリカちゃん久しぶり!」

 

 「息災だったか。エリカちゃん」

 

 

 母さんの名は、シナノ。旧姓はスワ。

 先祖が昔、カントー地方からイッシュ地方に移住したらしい。イッシュ地方の人間なのに、姓がカントーやホウエン寄りなのはそのせいだ。

 美人で料理が上手い。歳を知らない男からたまにナンパされる。ナンパの度に親父が凄んだ顔で追い払う。母さんに歳の話は禁句だ。前に親父がエラい目にあった。

 

 

 椅子に座り、緑茶を飲んでいるのが例の親父だ。

 親父の名はバントウ。本姓はオオヤシマ。

 背丈は185cm。総髪にした黒髪が特徴の大男。 

 片手で岩を握撃粉砕する超人。職業は、ポケチューバー事務所の社長だ。前職は格闘家だったらしい。

 

 台所から親父の手持ちであるローブシンがエプロンを身に纏いながら、お茶菓子の饅頭を持ってきた。

 

 「ブシン」

 

 「おぉ、ローブシンありがとう」

 

 「ブシンブシン」

 

 ローブシンから受け取った親父は、饅頭をモニュモニュと食べている。いつ見ても食い方が堅気じゃねえよ。親父は、お茶を飲んで、一息ついてから話し始めた。

 

 「ショウリよ。お前も15だ。俺の地方では、12〜15歳は成人の仲間入りよ。故に、儀式がある。

 これを『元服』という。中々やる機会に恵まれなかったからな。来月には元服の儀式を行う。一旦、ランセ地方に帰るぞ」

 

 

 思わず、机を叩きながら立ち上がる。

 

 

 「ま、まじかよ!」

 

 「なーに、一週間滞在するだけだ。心配はいらん」

 

 「一週間か⋯なんだ良かった」

 

 「久々の帰省だろう。せめてもの1ヶ月間。ゆっくりと休むんだ」

 

 「分かった」

 

 

 横目でエリカを見るとモクモクと饅頭を頬張っていた。呑気やな。

 

 親父との諸々の話を終えたあと、エリカを庭に連れて歩いていた。エリカが尋ねてきた。

 

 

 「ショウリ君。久々にポケモンを見せてもらえませんか?」

 

 「分かった。みんな、出てこい!」

 

 モンスターボールから出てきたのは、ドドゲザンのモノノフ、リザードンのレウス、イーブイのブイちゃん、サーナイトのサイナ、ラプラスのソウスイに加え、ゲッコウガのイガの6体だ。ニックネーム付けていると更に愛着が湧くんだよね。

 

 「あら?モノノフちゃんのお姿が」

 

 「ドドゲザン。パルデア地方を少し旅していた時にとこしえの森っていう場所でバトルしまくったら、キリキザンが進化した」

 

 エリカは、進化したキリキザンの姿に小首を傾げていた為、説明する。

 

 

 エリカのポケモンとも触れ合った。久々に会うがエリカの持つ草タイプのポケモンは不思議だな。ナゾノクサとか可愛らしいのに進化したら、クサイハナになって臭い匂い出すからな。

 

 

 母親から電話が掛かってきた。お泊りについて、エリカの両親は承諾したらしい。

 

 「あなた達は、同じベットで寝てね☆」

 

 「「へ?」」

 

 ーー寝室ーー

 

 まさか、エリカと同じベットに同衾するとは、煩悩退散!煩悩退散!いや、待て!確か、少し前に親父がランセ地方の諺を言っていたな。

 

 「いいか、ショウリ。男女7歳にして同衾せずという言葉がある。性別による認識の年は、7歳位からが丁度よいとされている。だが、お前はもう15歳だ。好きな娘出来たら、同じ寝具に寝ろ!」

 

 「父親が言う台詞じゃねえだろ!阿呆親父!?」

 

 

 なんてやり取りも今は懐かしい。正直、エリカとは幼馴染だが、どうしても異性として見てしまう。

 恥ずかしさから横にいるエリカを見る。

 

 「すぅ〜すぅ〜」

 

 気持ち良さそうに寝ていた。俺の心情も知らずにスヤスヤと。

 

 心配は杞憂に思い、目を閉じると全身に温かいナニカが抱きつかれたような感じがした。再び、目を開けると、エリカが寝返りして抱きついていた。

 

 エリカの柔らかい腕と寝間着越しの温かさが俺の心情を再び震わせた。

 

 (静まれ〜!静まるんだ!俺のディグダ!)

 

 ヤバいヤバい!ディグダ(意味深)が『かたくなる』をしてきた!このままじゃ、ダグトリオになっちまう!

 

 

 

 朝になりました。2時間しか睡眠できなかったヘタレです。そもそも、寝ている女の子を襲うほど人間を止めていませんよ。

 

 午前8時、2人でリビングに降りた。母さんと父さんがリビングのテーブルで朝食を食べていた。

 

 「エリカちゃん!ショウリ!おはよウルガモス」

 

 「いつも仲良しでいいわね〜」

 

 「おはようございます。おばさま、おじさま」

 

 「おはよう。親父、母さん」

 

 朝食は、オレンジャムを塗ったトーストとラッキーのたまごを使った目玉焼き。エリカは、白米とバスラオの塩焼きを食べている。

 

 午前10時。庭に出た俺達は、朝食中に母さんから言われた待ち人を待っている。

 

 「そうそう!今日の10時頃に貴方達に会いたいって人が来るから。よろしくね」

 

  

 「だ〜れだ?」

 

 突如、視界を奪われ、甘い声が耳を支配する。

 しかし、その声に聞き覚えがあった。

 

 「もしかして、ミカンちゃんか?」

 

 視界がクリアになったことで直ぐ様、後ろを振り向いた。

 

 

 「ショウリ君久しぶり!来ちゃった♪」

 

 先程のイタズラの正体は、ジョウト地方で仲良くなったミカンちゃん。白いワンピースに胸元にはリボンと可愛らしい。鋼タイプ使いだからか、お胸も鉄壁なぁあ!足の指が!?

 

 

 「何か失礼なことを考えているでしょ?」

 

 「め、滅相にもございません」

 

 ミカンが俺から離れると前髪ぱっつんの少女が近付いてきた。

 

 「ショウリ、私に連絡無しとはどういう意味かしら?」

 

 

 もう一人の幼馴染でヤマブキシティのジムリーダーのナツメ。気の強い性格のエスパータイプ使いでありながら、本人も超能力者だ。ツンデレ属性だと推測している。三人の中では、豊かなお胸をお持ちだ。

 

  

 「な、なんで2人がここに?」

 

 冷や汗ダラダラだし、後ろからの圧が怖いし、修羅場だし。

 

 

 「これよ」

 

 ナツメがスマホ型ライブキャスターを操作して、ある動画を見せてきた。画面を覗き見ると親父が映っていた。

 

 

 『バンハロ〜!みんな、ポケチューブ楽しんでいるカイオーガ?明日は、俺の息子が久しぶりに帰省して来るんだ。彼女とか出来てたら楽しミツハニー!今日は気分がいいから、近くの森にいるリングマと相撲でもするか!リングマとお相撲対決してみた!はじまるよ!』

 

 

 「貴方のお義父様が動画で言ってたわ」

 

 

 怖い。三人の此方を見る目が怖い。まだオニゴーリに睨まれたほうがマシだ。ここは、軽いネタで空気を変えねば

 

 ナツメ、ミカン、エリカの前に立ち、息を吸いこみ、頭の中で考えていた台詞を声に出した。

 

 「む、胸が立派な順でいったら、ナツメ>エリカ>ミカンだよなって考えていたから聞いてなかったー」

 

 「それは」

 「どういう」

 「意味かしら?」

 

 空・気・悪・化!

 

 や、やらかした。ここはおちゃらけたフリをして、場を和ませねば!

 

 

 「あ、あはは、なんつって、冗談だよ冗談。

 俺は大きくても小さくても好きです!」

 

 

 「「「有罪」」」

 

 

 パチンッ!ビシッ!バシッ!ドカ!バキ!チ〜ン!

 

 

 「「「変態!ふんっ!」」」

 

 そっぽを向いて機嫌を悪くしたレディ達。俺はボロボロになり、立ち上がることすら出来ない。

 

 

 良い子の皆、セクハラはダメ絶対!お兄さんとのお約束だぞ☆⋯ガクッ

 

 

 




余計な一言で怒らせた主人公。三人のご機嫌取りをしなければ、男が廃れるぞ主人公。
 
 次回 『そうだ、オーキド研究所へ行こう』 
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