1人の男子生徒は学園生活部の一員として『日常』を取り戻したい   作:Kagura_fbk89

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やぁ戦友、君達の良き(?) (いつの間にか名前を変えていた)ライター、FUBUKIことKaguraだ 夏休み以来か。


積もる話(小説)はあるが、本題に入ろう。







(某ヴェスパーⅣ語録から引用)


















…よし、前置きはともあれ 前の失態は回避したな…良かったよかった…







……







…ってなるかい!!(セルフツッコミ)


はい、てことで 2学期スタートからはや2ヶ月と少し…前回の更新からは約3ヶ月と 中々時間が空いてしまいましたが、更新となります


これに続いて次話の方も7000文字くらいは書き上げてるので 次回更新までは1週間も掛からないと思います


それでは、進行ペースが亀より遅いと定評がある本編へ どうぞ



















あ、あと 最後に2回目の“アレ”があるので、“皆様ご協力”の程 よろしくお願いします。















第13話 いざ征かん、食糧のために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…た、貴依 ちゃん?…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆっ、由紀ッ!!」

 

 

「うぉっと?!」

 

 

俺たちが話しながらトイレの外へ出ると、突然聞こえてきた由紀の声

 

 

その声の元へ目をやると、そこには信じられない物を見るような 目を見開き驚いた顔をした由紀がこちらを見つめていた…いや、正確には今俺が肩を貸している彼女を見ているようだ

 

 

更には、先程まで歩くのも辛そうだった彼女が 由紀の声を聞き、実際に対面した瞬間 肩に回していた手を振り解き転けそうになりながらも勢いよく駆け出した

 

 

そして…

 

 

「由紀っ!!」「貴依ちゃん!!」

 

 

駆け出した…貴依さん?は 由紀の元へなんとか辿り着いた途端、由紀へと勢いよく抱き付いた

 

 

だが、それは由紀も同じで…満更でもなさそうな というか由紀自身も嬉しそうな顔をして、それを受け止めて抱き合っている

 

 

…由紀がここまで心を許す相手なら、警戒する必要はなさそうだ

 

 

なんて思いながら、2人の感動の再会を黙って見守る

 

 

「由紀っ…本当に、無事でよかった…!」

 

 

「貴依ちゃんも…もう、3日も経ってるから…てっきり…!」

 

 

お互いに、互いのことを心配していたとは…なんて素晴らしい友情だろうか

 

 

「ずっと、トイレに隠れてたんだよ…心配掛けたね、由紀…」

 

 

「謝らなくて、良いよぉ…た、たかえちゃんが無事で よかったぁぁぁ。」

 

 

「ふ、2人とも 良かったですねぇ…!!」

 

 

「め、めぐねぇ ティッシュいるか?…」

 

 

「なんで先生も泣いてるんですか?…」

 

 

由紀に至ってはこの再会を泣いて喜び、貴依さんも少し目が潤んでおり 由紀の頭を撫でる手はよく見ると震えている

 

 

 

 

 

 

…だが、当事者じゃない佐倉先生が1番泣いているのは何故なのだろう?

 

 

 

 

 

 

…まぁ、昔から思いやりや感情移入 共感性が*1高いので 今回もそれと同じだろうと俺は割り切り、未だ抱き合うままの2人を背景に 大泣きする先生へポケットティッシュを渡す胡桃と、ガスマスク越しでもわかる程の それを見て少し呆れたような表情を浮かべた美紀を眺めていた

 

 

 

 

それから、約3分ほどして…

 

 

 

 

「…とにかく、由紀が元気そうで 良かった」

 

 

「貴依ちゃんも、生きてて良かったよぉ…」

 

 

先ほどよりも落ち着いた2人の顔に浮かぶのは満面の笑みだった

 

 

 

 

…こう見ると、2人が並んでる姿って姉と妹みたいだな 性格も身長的にも…

 

 

 

 

などと、2人の再会にひと段落がついたところで 本来の目的を果たすべく階段にバリケードを設置する運びとなった

 

 

そして、この後の貴依さんの処遇についてだが…

 

 

「貴依さん、あなたは私とこちらについて来てください 3日ほど飲まず食わずだったのでしょう?ひとまず何か胃に入れておきましょう」

 

 

「す、すいません…食料も限りがあるだろうに…」

 

 

流石に3日の絶食明けでバリケードの構築という肉体労働は酷だと言うことで、先生と一緒に生徒会室へと戻ってもらい休息を取ることになった

 

 

「あ、だったら先生、自分の鞄に数は少ないですが カロリーバーやら粉末スープが入ってるんで、それ出してあげてください」

 

 

「あら?そうなんですか?だったらありがたく頂いておきますね」

 

 

「はぁ?!優也お前!まだ食料持ってんのかよ!」

 

 

そこで、全員の食料の消費をできる限り減らすべく、人数分の数がないと言う理由で先日の晩に出さなかった 自分で持ち込んだ食料を出しても良いと伝えておく

 

 

…尚、それを知った胡桃やら由紀やらに強請られてコンビニで見つけた駄菓子を渡すことになったのはまた別のお話…

 

 

「んじゃ、3階にはもう奴らはいないみたいだし…完全に封鎖して行くぞ〜」

 

 

「じゃあ あたしはちょっくら下の方見とくわ、ほとんどいないだろうが、一応な」

 

 

「私は机運んできますね、3階はもういないみたいなので」

 

 

そして、俺たちはバリケードの構築作業を始めた

 

 

先ほどの中央階段での作業は、3階廊下の警戒ということで作業に参加していなかった美紀がそのまま構築に参加するので先生が抜けた分までしっかりカバーできるし、ここの東階段は中央階段よりも横幅が狭いためすぐ作業は終わるだろう

 

 

「さーて…俺もやるか」

 

 

そして、作業に参加する皆の背中を追うように 俺は刀を鞘に納め、机を運び始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さーて…こんなもんか?」

 

 

「案外すぐ終わったな、アタシの方も結局奴らは来なかったし…」

 

 

「ひとまず、これで3階は完全制圧…でしょうか?」

 

 

結局、あれから作業を始めて20分ほど 2階3階間の踊り場と3階踊り場にバリケードを構築し終わり、3階の制圧が完全に終了した

 

 

当初の予定では、バリケード構築中に俺と胡桃は行動を開始しているはずだったが 先程トイレにまだ奴らが残っていたことや先生が抜けたのを理由に自分らが参加したおかげか作業は早く終わった

 

 

「それで…俺たちは今から購買行きか?」

 

 

「計画自体は今のところ上手く行ってるし、午前の戦闘で消耗してるとはいえ 2階にはもうほとんど奴らはいないはずだ、行く以外あるか?」

 

 

「じゃ、一旦教室に背嚢を取りに行くか」

 

 

「だな」

 

 

3階の制圧が終わったら、計画を次のフェーズに移すまで

 

 

今日中に食料及び必要な日用雑貨品を確保をするべく 戦闘員である俺と胡桃は2階の購買へと向かう予定だ

 

 

ひとまず そのまま全員でバリケードの構築現場から引き上げ、そのうち俺と胡桃は教室に置いて来た背嚢を取りに向かう

 

 

と言っても、行きよりも警戒して歩く必要もなく 目的の部屋へはすぐに辿り着いた

 

 

「背嚢と…銃はいらんな、代わりに…そうだな 超至近距離での戦闘用にマチェーテでも持って行くか?…」

 

 

「いっそのことアタシみたいにシャベル使うか?屋上にまだ5本くらい転がってるぜ?」

 

 

「うーむ…それも良いんだが、やっぱり刃が付いてた方が殴るよりも消費エネルギーが少なくて持久戦に向いてるんだよなぁ…」

 

 

目当ての背嚢を背負い、銃に代わる購買探索のお供を吟味する

 

 

今胡桃が言ったようにシャベルを持つのも良い…が、やはり純粋な殺傷能力やエネルギー効率を考えると刃のついたマチェーテに軍配が上がるわけで…

 

 

結局、数秒思考した末に選ばれたのはこれ(マチェーテ)となった

 

 

自身の獲物を選び、予定通り背嚢を背負った俺たちは再び廊下へと戻る

 

 

すると…

 

 

「お、全員揃ってのお見送りか?」

 

 

「らしいな…そこまでする必要はないと思うんだが」

 

 

胡桃と廊下へ出てみると、西階段のバリケード前には皆の姿があり その中には先ほど救助された貴依さんの姿もある

 

 

既にバリケードの一部は崩され そこには木刀を持った美紀が警戒に立っている

 

 

「あ!ゆーくんと胡桃ちゃん来たよ!!」

 

 

「2人とも、銃は…持ってないんですね」

 

 

すると、こちらに気づいた由紀が声を上げると同時に 先生は自分が銃を持っていない事にホッとしたような顔をしていた

 

 

「まぁ、せっかく追っ払ったのにまたおびき寄せちゃ元も子もないのねで…それで、みんなはどうして?お見送りか?」

 

 

「ええ、本当は全員で行きたいところなんですが…私含め 皆さん午前の時点でだいぶ消耗している様子で、行っても足手纏いになってしまうかと思いまして…ですが、せめてこれくらいはさせてもらおうかと」

 

 

「いえいえ、お構いなく…ですが お気遣いありがとうございます、やはりお見送りがあった方がそれだけ頑張れますから」

 

 

確かに、先生が言うようにこの場に集まっている皆 朝のように元気な雰囲気はほとんど感じられず全員の顔に『疲れた』と言う文字が浮かんで見えるほどだ

 

 

…俺とは胡桃はって?まぁ 俺に関しては普段からサバゲーとかで走り回ってたし、胡桃も運動部…陸上部に入っていたようで 実際まだある程度は動けるほどの体力は残っている…胡桃も同じみたいだし

 

 

そのまま俺たちは開けられたバリケード正面へと進む

 

 

「さぁて…どうなってるかな、2階は」

 

 

「ま、さっきまで見てて奴らは全然いなかったから ある程度注意して行けば大丈夫だろ」

 

 

皆と顔も合わせたし、じゃあ行こう…となったそのとき

 

 

「あの、先輩…」

 

 

「ん どうした?美紀」

 

 

バリケードの隙間を通ろうとしたその時、すぐ横で今まで歩哨に立っていた美紀が控えめな声量で声を掛けてくる

 

 

「…無事に、戻って来てくださいね」

 

 

既にマスクと鉄帽を外し素顔が見えるようになった美紀の顔に浮かぶのは、疲労ではなく『心配』と言った表情

 

 

俺はその言葉を聞き 一度、その場でマスクを外す

 

 

そして、お互いに素顔が見える状態で再び口を開く

 

 

「…ああ、勿論 無事に帰って来てみせるとも、たんまり食料抱えてな」

 

 

そう言い、俺は右手を美紀の頭上に乗せる

 

 

「ちょっ?!」

 

 

「気にしない気にしない…それに、美紀のおかげで 今の校舎内にはほとんど奴らはいないだろうしな、ヘマしない限り噛まれることなんかないさ」

 

 

周りからの視線が一気に変わった気がするが気にせず、美紀にその言葉を伝える

 

 

「皆で駄弁って待ってな…“俺を信じろ”」

 

 

続く美紀の言葉を待つ…そして 数秒開けて出てきた美紀の返事は…

 

 

 

 

 

 

「……チョコレート」

 

 

 

 

 

 

「…え?なんだって?」

 

 

「…購買に行くんでしょう?…だったら、チョコレート 昨日コンビニで食べたやつ…取ってきてください」

 

 

…まさかのお使いだった

 

 

「…ハっハっハッ!!まさか美紀が先輩をパシらせるようなやつだとは思わなかったぞ?」

 

 

「あっ、いや 別にそんなつもりで言ったんじゃ…」

 

 

「大丈夫、わかってるよ」

 

 

まぁでも…

 

 

「わかった、チョコレートだな?昨日と同じ種類の…まかせろ、あったら根こそぎ持ってきてやるよ…そしたら 笑顔で送り出してくれるか?」

 

 

「…!……はい!!」

 

 

美紀に笑顔でいてもらうためなら、喜んでパシられようじゃないか

 

 

見送りが不安そうな顔だと、こっちも不安になるしね

 

 

「…じゃ、そろそろ」

 

 

そして俺は美紀の頭から手を退けて、再びガスマスクを装着する

 

 

「あっ それと、美紀…」

 

 

俺は、開かれたバリケードの隙間を通る際 美紀へ一言伝えておくことがあった

 

 

脚の歩みを止めて、踵を揃え 足先を少し開き、肩と脇が90度の直角に開いた状態で肘までの腕を水平にし右眉の前へ持ってくる…まあ、いわゆる“敬礼”ってやつだ

 

 

「…俺達がいない間、ここに残る戦闘要員は美紀だけになる……万が一にも 俺たちに何かあった際は…任せたぞ」

 

 

すると美紀も、俺と同じように 多少不恰好ながらも答礼として敬礼を行い…

 

 

「はいっ」

 

 

…うん、いい返事だ

 

 

「…じゃあ、行くとするか」

 

 

色々挟んだが、いざ征かんと言わんばかりに 俺はバリケードの向こうへその一歩を踏み出した

 

 

 

 

 

 

「「「「「………」」」」」

 

 

 

 

 

…背後から5つの目線を感じながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…なぁ、お前らって 一体どう言う関係なんだ?…」

 

 

「俺と美紀の関係…ってことか? そんなの、ただの先輩後輩ってだけ…なのかな?」

 

 

「いや、当の本人がそれだと何もわからんだろ」

 

 

先ほど、文字通り()()()()()で見送られた俺と、そのうちの1人であった胡桃は 2階へ続く階段を下っていた

 

 

今のところ『奴ら』の声はしないためこのように胡桃と話しながら進んでいるわけだが…

 

 

「ま、俺が命張ってでも守るって決めた後輩だな」

 

 

「…いやそれもう答え出てんじゃねぇか!!」

 

 

まぁ応援しとくわ…と、続けた胡桃は話題を変えるようこの後の行動プランについて話始める

 

 

「それで…どう動くかだが、このまま歩いて 直接購買に行くんだよな?」

 

 

「ああ、食糧以外に必要なものは特にないからな…あと、道中でいる奴らは可能な限り潰していくぞ 次の回収に来る時邪魔になる」

 

 

「違いないな」

 

 

「…あ、あと 回収終わった後で1階にちょっと行っても良いか?」

 

 

「それまたなんでだ?」

 

 

「いや、この階も言わずもがなだが 1階階段の防火扉あるだろ?あれ閉めたら2階もそこそこ安全になるんじゃないかなって」

 

 

「あー…良いなそれ、今くらいしか安全に閉じれるチャンスないだろうし」

 

 

この後の動きと予定を話しながら お互い廊下の真ん中を歩き、俺を先頭に右側を 胡桃が続いて左側を見ながらゆっくりと購買へ歩みを進める

 

 

と言っても、購買までの道のりはまっすぐで 2階に降りたらすぐそばにトイレや小さな休憩エリアと購買部のバックヤードがあり 目的の場所である購買がある校舎中央へ向かう廊下は、左に図書室 右に食堂が位置している

 

 

…言っておくと、バックヤードは防犯上の理由から購買部の担当生徒・教師が持つ鍵が無いと扉が開かないことを知っているので無視した、もしかしたら購買のカウンターやらに予備キーがあるかもしれないため後で探すのもありだろう

 

 

廊下の所々にある 食堂・図書室内部が見える引き分け窓から 室内に奴らの姿が無いかを注意して見ながら歩みを進める

 

 

「…現時点で、食堂内部に2…いや、少なくとも3体だ そっちは?」

 

 

「電気が付いてないせいで棚の間が暗いのと、物陰が多いせいで分かりずらいせいで…それっぽいのは見えても確証が持てない、もしそれがあってるなら今のところ2だ」

 

 

「…図書室制圧は骨が折れそうだ、盾か何かがあった方が良いな」

 

 

「一応、扉は閉めとくぜ」

 

 

「音立てないようにな…しっかし、あれだけやってもまだいるか…やっぱ室内にいるのは面倒だ」

 

 

図書室の前扉を閉める胡桃を横目に、俺も開いていた食堂の扉を閉めるべく動く

 

 

扉へと近づき、食堂の中を覗いて近くに奴がいないかを確認したのち ゆっくりと扉を閉める

 

 

「…よし、これで帰り道はまぁ安全だろ」

 

 

「そうだな、ただ ここからは室内に入る事になる、至近距離での戦闘を想定しろよ」

 

 

食堂と図書室を超えたらもう購買はすぐだ

 

 

俺は胡桃にその旨を伝えながら構えていた刀を納刀し、背中に回していたマチェーテを抜く

 

 

これは薪割りも可能な刃が分厚い合金性なため、多少無理に扱っても問題ない

 

 

胡桃は掃除用具入れの中に転がっていた50cm程度の鉄パイプに持ち手としてガムテープを巻いた物をサブで持っているが…使う様子はなさそうだ

 

 

「購買内部は外から中を覗けない、入り口近辺のクリアをしてからゆっくり回るぞ」

 

 

「合点」

 

 

そして、戦闘することなく購買 正確には購買前まで辿り着いた俺たちは、この後の動きを確認してから 購買と書かれ手書きのポスターがいくつか貼られているスライド扉のノブに手を掛ける

 

 

…鍵は掛かっていないようだ

 

 

施錠の有無をチェックした俺は、胡桃とアイコンタクトを取り 向こうも準備ができていることを確認する

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…!行くぞっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マチェーテを正面に突き出した状態で、開け放った購買の扉から 俺は一気に飛び込んだ

 

 

全身が扉の枠を潜ると同時に、突き出していたマチェーテをやや上段気味に構えて 扉の死角、正面、見える限りの棚の間、カウンターの裏など 周辺を素早く見渡し…

 

 

「…入り口付近、敵影無し」

 

 

「…こりゃ中もいない感じか?」

 

 

結局、戦闘に備えて飛び込んだが 見える範囲のエリアには奴はいないようだ

 

 

もしかしたらこの中は安全なのではないか?

 

 

そう、一瞬気を緩ませた俺たちだったが…

 

 

「…いや、それはなさそうだ…見ろ」

 

 

「何だよ…って…あぁ、なるほどな」

 

 

そのような淡い希望は、購買の奥へと続く 床の血痕によって掻き消された

 

 

「…かなりの出血量だな、擦り傷やら切り傷程度じゃありえない出血量だ…動脈からの出血レベルだろう」

 

 

「動脈ってなると、分かりやすいのは首と手首とかか…“噛まれやすい”位置だな」

 

 

「動脈出血は少なくともその手の応急手当の心得があるか、止血帯やら止血剤による適切な止血を行わないとすぐに出血性ショックを起こす」

 

 

「…なぁ、もしそうなだとして 適切な処置ができてなかったら?」

 

 

「そうだな、今頃_______ 」

 

 

今頃処置しら間に合わず奴らに…そう続けようとしたその時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…構えろ」

 

 

「…言われなくても」

 

 

突如、俺と胡桃の声しかしなかった購買の中に響いた物音

 

 

音的に何か金属製の金物だろうか

 

 

金属製となるとある程度の質量がある、そのような物が勝手に落ちることなど 他の干渉がない限りあり得ない

 

 

「…音的に奥の方か…確か、奥にはハサミやらホッチキスとかが置いてたな…左から回るぞ」

 

 

「…品揃えが多いのがここまで憂鬱に感じるのは初めてだ」

 

 

「同じく、だ」

 

 

そう言って、俺たちは手始めに左側の通路からクリアリングを開始する

 

 

が、今言ったように この学校の購買は中々に品揃えが多い…何が言いたいかだって?それは…

 

 

「…無駄に広いぜ、まったく…」

 

 

…こういうことだ

 

 

品揃えが多いということは、その商品を並べる棚が多くある、棚が多くあるということは その分部屋が広くなる…簡単なことだ

 

 

おかげで、この部屋だけで教室3つ分ほどの広さを持っており、中々に全部を回るのに時間を要する…しかも 見通しの悪い棚付きと来た

 

 

「…くそっ、声が聞こえない…外に出た痕跡は無いし 絶対この部屋にはいるんだ…どこだ?…」

 

 

棚に並ぶ菓子パンやらジュースやらを横目に、足音を立てないようゆっくりと歩き 耳を澄ます

 

 

「…手前側にはいないみたいだな…てなると、やっぱり奥か?」

 

 

「どうする?二手に別れるか?…」

 

 

「そうだな…」

 

 

購買のおよそ半分はクリアしたはずだ、ここからのもう半分は 効率を考えると胡桃の言うように二手に別れるのも悪く無い考えだろう

 

 

それに この閉所だ、お互い戦うにしたって満足に獲物を振れなきゃ碌に相手すらできない…リスクは上がるが、それらの要素を鑑みて考えると…

 

 

 

 

「…よし、二手に別れよう…胡桃はこのまま正面へ、俺は反対側から右回りで奥へと向かう」

 

 

 

 

「わかった、何かあったら声を上げてくれ」

 

 

「そっちもな」

 

 

考えた結果、胡桃の言うように二手に別れる事にした

 

 

俺はそのまま、左右の通路に気を付けながら 部屋の反対側へと移動する

 

 

だが、その間も奴の姿を見ることはできず…

 

 

「…これ、いるのか?…」

 

 

こう思い始めるのも、無理はないだろう

 

 

そうして、もうすぐ一番奥まで来てしまうところまで 俺の視界にあるものが映った…

 

 

 

 

 

 

それは…

 

 

 

 

 

 

「…血溜まり…だいぶ酸化してるから、パンデミック発生初期の物か?」

 

 

自身の視界に入ったのは、白い床タイルに対比するように浮かぶ 黒く酸化した血溜まりだった

 

 

周囲には引きずるような血痕と、血で描かれた上履きの足跡が見られる

 

 

…ただ、それが意味するのは…

 

 

 

 

 

 

「…この部屋の何処かを歩いてるのか…」

 

 

 

 

 

購買の扉は入った時点で閉ざされており、ここに入った後出て行った痕跡は見られない

 

 

つまり、どこかで知らないうちにすれ違っているか 見落としていると言うことだ

 

 

「…どこだ、どこにいる…」

 

 

そう理解すると同時に、湧き出る恐怖心

 

 

見通しの悪い場所で奇襲を恐れる兵士の気持ちはこれと似たり寄ったりなのだろう

 

 

俺は少しでもその恐怖心を押さえつけるべく、右手に持つマチェーテを周囲へ向ける

 

 

今の所、自身の視界で動くものは見当たらない

 

 

ただ、それでも見通しが悪い事には変わりなく 臨戦体制は維持したまま、そのまま最奥へと向かう

 

 

「…!!」

 

 

そして、奥へと辿り着いた俺の視界に 動くものがあった

 

 

すぐさまマチェーテをすぐに振れる形で構え、向こうの動きを見る

 

 

棚の角で動く影…こちらに向かって来ているようで、いつでもその刃を振れるよう腕に力を込め始める

 

 

…そうして ついにその影の正体が姿を現した…だが

 

 

 

 

 

 

 

 

「「 あ 」」

 

 

 

 

 

 

 

 

2つの声が重なる

 

 

その動く影の正体は…胡桃だったようだ

 

 

「「……」」

 

 

互いに曲がり角で 目が合ったまま固まる…見ると、胡桃も胡桃で 手に持つシャベルを上段に構えており、向こうにも俺がマチェーテを構えているのを見て これがこの気まずい空間を作り上げる要因となっているらしい

 

 

「…あー…そっちはどうだった」

 

 

俺はその空気をどうにかすべく、そのまま振りかぶっていた腕を下げ 刃先を床へ向けると胡桃に話しかける

 

 

「あ、ああ…こっちは大丈夫…ではあったが、足跡を見つけたな」

 

 

「そうか…こっちじゃ血溜まりがあってな、そこには何もいなかったから 恐らくこの部屋の中に奴は彷徨いてる」

 

 

「マジかよ…」

 

 

「だから胡桃_____ 」

 

 

気をつけろ

 

 

そう胡桃に伝えようと、胡桃の方に目をやる

 

 

俺はその瞬間背筋が凍った

 

 

 

 

…なぜなら そこには、胡桃と“もう1人”が立っていたからだ

 

 

 

 

正確な位置を言えば、胡桃の背後…制服の首から下を血で染め上げた 1人の“元”生徒が…声にならない呻き声を出して…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今にも胡桃に飛びかかろうしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
道徳や人権学習でちょくちょく泣いてるレベルで




いやはや…無理ある切り方な感じがしますが これから先の詳細は次回を待っててください、できる限り早く仕上げます…


あと、前書きで触れたのと下にあるように…




第2回、登場させたい銃器アンケートを実施します!!




「その他」で回答した方は感想か個人メッセージの方で何が良いかを伝えてくださると 実際に私が調べ「良いじゃんこれ」ってなったやつは登場させて頂こうと考えております!

期限は次の次に当たる話を公開したくらいにしようと考えてますので 片手間でも良いのでアンケート回答ご協力のほど、よろしくお願いします!!









“登場させるならどれが良い?”第2回銃器アンケート

  • 89式小銃
  • 64式小銃
  • 64式小銃“狙撃型”
  • 豊和M1500ライフル
  • M360J
  • H&K SFP9
  • Grock19
  • その他
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