1人の男子生徒は学園生活部の一員として『日常』を取り戻したい   作:Kagura_fbk89

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更新が数ヶ月後だって?…アレは嘘だ














てわけで 公立入試前ギリギリですが、初投稿です。




…いやほんと、何でこんなタイミングにやってんだか…。
はい、ってことで 結局入試前までにもう1話出せましたわ( ^ω^ )
あと、初めて予約投稿ってのを使います…これを見れているなら成功ですね()

まぁ、いつもよか文字数は少ないですか、第16話 どうぞっ











第16話 出撃

 

 

 

 

 

 

 

 

「……()()、どうすっかなぁ」

 

 

「…なんか、増えてません?()()…」

 

 

「だよなぁ…」

 

 

俺たちは今、学校の屋上から あるものを見ていた

 

 

それは…

 

 

「…『奴ら』って、魚みたいに群れる習性でもあるのか?」

 

 

「まぁ、現れてから数日しか経ってないので なんとも…」

 

 

それは、2()()()にぶっ放したレミントンの銃声、サベージの銃声、鳴らした車の防犯アラームによって その周囲に集まった『奴ら』の群れである

 

 

「こりゃ、数えるまでもなさそうだ…逆の意味で」

 

 

「…この学校周辺の個体、全部寄ってきてるんじゃないですか?」

 

 

その群れは、もはや学校沿いの道路を埋め尽くすくらいに 数を成していた

 

 

群れの中に、かなりの数 巡ヶ丘の制服が見える

 

 

…予定通り、校内の奴らを誘き寄せれたのは良いが ここまで集まるのは予定外だ

 

 

「…あいつら、どうにかして どっかに引き連れて行けないかな」

 

 

「…難しいですね、ここにいるだけでは」

 

 

今の時刻は午前11時、朝食を終え 先日言っていた通り、美紀に銃に関する座学を教え終わった後だ

 

 

結局、昨日は夕食まで寝過ごした俺達

 

 

…起こしにきた貴依さんに、肩を寄せて寝ていたのを揶揄われたのは…至極当然のことであろう

 

 

それから、カップ麺を食べ 交代でシャワーを浴び、そのまま就寝した昨夜

 

 

シャワーに入れたおかげで、身体のベタつきは消え 身に纏うシャツや迷彩服も柔軟剤のいい香りがする

 

 

やはり、衣食住の『衣』は大事だ

 

 

隣に立つ美紀も同じく、コンディショナーやボディソープ 柔軟剤の甘い香りが……いや、これ以上は言及しないでおこう

 

 

ただ、気分爽快なのには間違いないが…やはり目先の()()をどうにかするのが 現在における急務だろう

 

 

「…いやほんと、どうにかしないと…夜も安心して眠れん」

 

 

そうやって、何か案はないかと頭を捻っていると 美紀が…

 

 

 

 

 

 

「…まぁ、やるなら 先輩のバイクで暴走して、銃撃ちながらどこかに誘導するとか_____」

 

 

 

 

 

 

「それだっ!!」

 

 

 

 

 

 

どうやら、策士はここにいたらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「   …えっ、それって冗談_____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____じゃないんですか…」

 

 

「でも、やるしかないだろ?それに、美紀の銃の練習も兼ねてるんだから」

 

 

「そうですが…」

 

 

美紀の天才的な思いつきにそれだと思った俺は、早速それを佐倉先生に伝えに行った

 

 

勿論、他の面子からも難色を示されたが 群れをどうにかしないといけないのもまた事実

 

 

分厚い装備、銃という火力、単車という機動力を鑑みて 帰還困難な場合の外泊準備を入念にした上で、その案は渋々ながら可決された

 

 

今は、いつもの部屋で準備をしていたところだ

 

 

「昨日洗ったんで、乾いてるとは思いますが…」

 

 

「防弾板どこに置いたっけ…あ、あったあった」

 

 

「…あ、マスクにマイク付けときますね」

 

 

ジャケットに袖を通し、各関節にバイク用プロテクターを装着

 

 

そこに 前後に防弾板をいれたチョッキを着込み、腕や脚にダンボールをガムテで貼り付ける

 

 

次、リグに外していたマガジンポーチを再度取り付け その中には______

 

 

「…派手に音鳴らして誘導するんだ、バックショットは20発くらい持って行こう…スラッグ…10発あればいいか」

 

 

「…サボット弾?…でしたか、2箱分あれば良いですよね」

 

 

マガジンポーチには 正しい使い方として、弾薬を入れる

 

 

今回持ち出すのは、美紀のを含めて40発

 

 

チューブ内とマガジンに装填する分を含めたら…47発か

 

 

保有する弾丸の半分近くを持ち出すこの案…もとい 作戦は、それだけ重要なのだと嫌でも認識させれる

 

 

…シュコッ シュコッ______

 

 

1発1発、装弾口から チューブ内にシェルを送り込む

 

 

隣では、同じように美紀がサベージの薬室へ 弾薬を詰めている

 

 

「…変わっちまったんだな、この世は」

 

 

「…そうですね」

 

 

一応俺は成人しているとは言え、未だ学生である俺らが 銃を持つ

 

 

先進国である、この日の本において 前までは空想上でしかあり得ない物が、今目の前にある

 

 

その事実に、何だか現実感が湧かないのは…美紀も同じみたいだ

 

 

弾込めを終え、ポーチにも予備弾を入れた

 

 

他にも、万能ナイフ・ライト・地図・ペン・メモ帳・止血帯・医薬品などを詰めていく

 

 

左腰ベルトには刀、後ろにはマチェーテ、右太腿にはナイフを差す

 

 

背嚢には野営道具一式、保存の効く食糧に水、予備の包帯や着替えを詰め込み それを背負う

 

 

そして、コンバットグローブに手を通し ガスマスクを被れば、左耳にスピーカーを嵌める

 

 

「…よしっ」

 

 

頭に88式鉄帽を乗せ、顎紐を引き締める

 

 

「…出撃準備、完了…なんてな」

 

 

最後 仕上げと言わんばかりに、ショットガンを手に持つ姿は…誰が見ても ()()と言うだろう

 

 

「先輩、こちらも…出撃準備完了です」

 

 

美紀も、刀に代わって木刀を ショットガンに代わりハーフライフルを手に持っている

 

 

「…よろしい、では 行こうか」

 

 

「了解…」

 

 

先ほどより、20kg近く重くなった体を動かし 廊下へと出る

 

 

「おー、優也…準備は…万端みたいだな…美紀も…これまた勇ましくなったもんだ」

 

 

「…これが、今の俺たちに出せる()()ってやつだ…そうじゃないと困る」

 

 

「それもそうか…1階までの護衛(エスコート)は私が担当する…そこからは 任せたぞ」

 

 

「おう、大人しくここで俺のコール*1でも聞いとけ」

 

 

そう言いながら、足は校舎東階段へと向かう

 

 

「…来ましたね、2人とも」

 

 

「佐倉先生…」

 

 

たどり着いたその場所には、佐倉先生が立っていた

 

 

背後には他の面々の姿がある

 

 

「…変わってしまいましたね、優也くんも 美紀さんも…」

 

 

先生は俺と美紀の姿を なんだか悲しそうな目で、ゆっくりと目を通していく

 

 

「…腕は、大丈夫ですか?」

 

 

「ええ、流石に 2日も寝ればバッチリです」

 

 

「…美紀さんも、大丈夫ですか?」

 

 

「はい…覚悟はできています」

 

 

そうですか…と、神妙な顔つきで 再度沈黙が広がる

 

 

すると、突如として こちらへ歩んでくる先生

 

 

その瞬間

 

 

「…どうか、どうか 無事に帰ってきてくださいね」

 

 

先生は、俺と美紀の頭を抱き寄せると 愛しむように、祈るように 優しく撫で始めた

 

 

「…そうですね、俺も 怪我なんかしたくないんで…無事に帰る以外の選択肢なんて ハナからありませんよ」

 

 

「私も…ちゃんと、ここに戻ってきます…勿論 無事に」

 

 

「……結構です…待っていますからね、私は…私達は この場所(学校)で…」

 

 

すると、撫でる手を離したと思えば 首に掛けていた物を手に取る

 

 

「…それって」

 

 

 

 

 

 

「…主よ、どうかこの勇気ありし者達に御加護を…献身を讃え、その旅路に導きのあらんことを」

 

 

 

 

 

 

取り出したのは十字架のネックレスだった

 

 

先生はそれを両手で握り、祈りの言葉…?を、唱えている

 

 

「…そう言えば、佐倉先生ってキリシタンでしたね」

 

 

「……と言っても、元々は祖母がキリシタンだったので、それから母に 母から私に…みたいに、成り行きみたいな一面もありますがね」

 

 

「…先生の祈りがあれば、何があっても大丈夫だな」

 

 

「そうですね、期待しておきましょう」

 

 

「そ、そこまで頼りにされると困ります!…あくまでも お祈りですからね?」

 

 

そうやって話していると、出発の時間はすぐに訪れ…

 

 

「優也、いつでも出れるぞ」

 

 

「お、もうか…では先生 続きはまた帰ってからでお願いします」

 

 

先生と話している間に、他の皆がバリを退かしてくれたらしい 胡桃がシャベルを肩に担いで出発の時を待っている

 

 

するとその時

 

 

 

 

 

 

「…2人共っ…!」

 

 

 

 

 

 

「?どうしたんだ、りーさん」

 

 

「若狭先輩、どうかしましたか?」

 

 

先程から先生の背後にいたりーさんが、声を掛けてくる

 

 

どうかしたのかと、そう問いかけると

 

 

「…あの…余裕があればで良いんです、その上で お願いが…」

 

 

「…なんだ?聞かせてくれ、りーさんのお願いだ できる限りは善処しよう」

 

 

「…!!…だ、だったら…______」

 

 

一呼吸開けて…

 

 

 

 

 

 

「…私の、妹を…探してほしいの…っ!!」

 

 

 

 

 

 

「…妹が、いるのか?」

 

 

どうやら、お願いとは 人探しだったようだ

 

 

「…ええ…巡ヶ丘小学校に通う…3年生の…」

 

 

「…何か、特徴は?…最後に着ていた服でも 身長でも…何でも良い 情報をくれ」

 

 

「…!!ってことは…」

 

 

「…こんな世になっちまったし、はっきり言って 妹さんと無事に再会できる可能性は…限りなく低い…学校が避難所にでもなってたら別だがな」

 

 

だが…

 

 

「…だが それで諦め切れるほど、薄情な人間じゃないんでね……その願い 聞き入れた」

 

 

「…ありがとう…本当に、ありがとう…!」

 

 

「おいおい、まだ見つかると決まった訳じゃないんだぞ?」

 

 

「そう、よね…でも 探してくれるだけで…嬉しくて…!」

 

 

何だか泣き出しそうな様子だったので、まだ早いとそれを制す

 

 

「…まぁ、あくまでついでだからな…難しい場合や、何かあったら すぐ引き上げる…そこはわかってくれ」

 

 

「勿論…わかってるわ」

 

 

「じゃあ、決まりだ」

 

 

「…でも先輩、バイクって2人乗りですよね?…そこ、どうするんですか」

 

 

「 あ 」

 

 

「…考えてなかったんですか」

 

 

…一番大事なところを失念していた

 

 

「…適当なデカいトラックでも探して、バイクごと載せるか…バイクショップとか行けば、車体配送用のトラックでもあるだろ」

 

 

「…まぁ、それが妥当ですね…でも先輩、運転できるんですか?」

 

 

「ふっ…これを見たまえ」

 

 

そう言って、美紀に一枚のカードを渡す…それは勿論…

 

 

「…普通自動車免許…って、先輩 車も乗れるんですか?!」

 

 

「18なって速攻で取ったからな、中型免許持ってたおかげで筆記試験はパスできたし」

 

 

あんまり運転する事は無かったが、これでも車は乗れるのだ 合法的にね

 

 

「ま、移動手段は何とかなりそうだし…ある程度の予定立てもできたな」

 

 

「全部やるとしても、泊まりがけになりそうですね」

 

 

「そうだな…と言うことで、先生 帰ってくるの明日になりそうです」

 

 

「…わかりました」

 

 

先程からりーさんとのやり取りを黙って聞いていた先生に 遠征の期間延長を伝える

 

 

先生も、あまり良い顔はしないが…わかってくれたみたいだ

 

 

「さて…他に何かお使いは……大丈夫みたいだな」

 

 

「…じゃあ、出発ですね」

 

 

…今一度、装具の確認を行う

 

 

……異常は無さそうだ

 

 

そして、止めていた足を再び動かし始めると

 

 

 

 

「…行ってらっしゃい、2人とも」

 

 

 

 

「行ってらっしゃーい!ゆーくんもみーくんも、気を付けてね!」

 

 

 

 

「無事に帰って来いよ!借りがまだ返せてねぇんだからっ」

 

 

 

 

先生の言葉を境に、皆が見送りの言葉を掛けてくれる

 

 

 

 

「「…行ってきます!!」」

 

 

 

 

勿論、元気な見送りには 元気な返事で返すまで

 

 

 

 

「…さあ、行こうか」

 

 

「…ええ」

 

 

 

 

俺と美紀は、刀と木刀を抜くと ゆっくり、階段を下り始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…よし、いないな…今の内だお前ら」

 

 

胡桃が防火扉を少し開き 外の様子を確認する

 

 

「出たらバイクまで走るぞ、美紀」

 

 

「はい」

 

 

その後ろでは俺と美紀が各々の獲物を構えて その時を待っている

 

 

場所は1階、先日閉めた防火扉の前だ

 

 

胡桃と共に階段を下り切った俺達は 外のバイクへ走り、乗り込んでからが勝負

 

 

現に、右手には刀を 左手には愛車の鍵が握られている

 

 

「…こっから先は、お前らに任せる」

 

 

「おうよ、上手くやってみせるさ」

 

 

「…美紀も、しっかり先輩について行くんだぞ」

 

 

「無論です」

 

 

なら良い、そう胡桃は言い放つと…

 

 

 

 

 

 

「…アタシからも…そうだな、武運長久を祈っておくよ」

 

 

胡桃は、俺の言葉を覚えていたみたいだ

 

 

…3

 

 

「ハっ、良いね…あいつら全部蹴散らしてやるよ」

 

 

自然と、拳に力が入る

 

 

……2

 

 

「怪我して帰ってきたらゆるさねぇからな!2人ともッ!!」

 

 

「上等!」

 

 

「わかってます!」

 

 

ドアノブが捻られ、金属の軋む音がする

 

 

………1

 

 

そして…

 

 

 

 

「______…行ってきやがれ!命知らず共!!良い結果を期待しとくぜ!」

 

 

 

 

扉は、勢いよく開かれた

 

 

 

 

 

 

 

 

「Move move move!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

それと同時に、駆け出す俺ら

 

 

「美紀っ!こっちだ!! 走れ走れ!!」

 

 

「はいっ!!」

 

 

階段を下りたら、駐車場へ届く扉はすぐそこだ

 

 

学校へ来る際に閉めたはずの扉は…破られているな

 

 

真っ赤な手形が山ほど付いている

 

 

だが、開ける手間が省けたと思えば良い

 

 

外に『奴ら』は…いない!

 

 

「よしっ、乗れ 乗れッ!!」

 

 

俺は倒れた扉を踏みつけ、外へと飛び出した

 

 

スーフォアは扉の側に停めていたため、すぐに見つける事ができた

 

 

「周りに…2か、よし そこまで慌て無くても良さそうだな」

 

 

愛車の元へ向かう途中、周りを見渡すが 奴らの数はそこまで多くはなかった

 

 

ダッシュから小走り程度に移動速度を下げても すぐに辿り着いた

 

 

「…バッテリーは…まぁ2日程度じゃ流石に上がっては無いわな」

 

 

キーを差し込み、右へ捻ってイグニッションをONにする

 

 

ニュートラルランプなどが点灯したため、バッテリーには問題ないようだ

 

 

「…1体、こちらに気付きました」

 

 

「無視しても良いだろ、後ろ乗りな」

 

 

2日ぶりのオートバイだ、変にミスらなければ良いが…

 

 

なんて思いつつ、俺は右ハンドルのスイッチボックス下部にある セルスイッチを押し込んだ

 

 

すると、若干セルの回転が多かった様に感じたが、問題なく機械の心臓へ火が入り 力強い鼓動を始める

 

 

試しにN(ニュートラル)の状態で何度かアクセルを捻る

 

 

水冷4気筒エンジンのけたたましい唸り声が、周囲の空気を震わせる

 

 

…やはり良い音だ、純粋マフラーこそ至高 はっきりわかんだね

 

 

「先輩、乗りました!」

 

 

「よし…そいじゃ、出るぞ!!」

 

 

クラッチを握りしめ、シフトペダルを踏み込み ローギアへ落とす

 

 

アクセルをゆっくり開きながら、同時にクラッチを離していく

 

 

「校庭を突っ切って門から出る!ホーン鳴らすぞ!!」

 

 

「はいっ!」

 

 

加速し出した車体を脚でしっかり挟み込み、校庭へとハンドルを切る

 

 

ギアは敢えて1速のまま、高回転域でぶん回すことでVtec*2を起動させ 少しでも多い数を引き寄せる算段だ

 

 

勿論、その上でホーンも鳴らして行く

 

 

左スイッチボックス下部にある、ラッパのマークが描かれたスイッチを押し込めば 気の抜けた高音が辺りへと響き渡る

 

 

「効果絶大だな、漏れなく全部こっちに来てやがる」

 

 

「反対方面の道路からも、かなりの数です…速度を上げては?」

 

 

「そうだな…んじゃ、こっから先は_______」

 

 

そして俺は 肩に掛けていたレミントンを手に持つ

 

 

()()()の出番だ」

 

 

「…そうですね、1発目はどこで撃ちますか?」

 

 

「この先の交差点、真ん中で停車する…目に入った奴を撃て」

 

 

「…了解」

 

 

ミラーには 後ろで美紀が、サベージの安全装置(セーフティ)を外す姿が映る

 

 

段々と近づいてくる校庭の端

 

 

数日まともに踏まれることのなかった校庭上が タイヤが巻き上げる砂によってうっすらとボヤける

 

 

「よし、公道に出るぞ!!」

 

 

やがて 走り出してから30秒もせず、校門の金属レールを踏み越える衝撃がサスペンションを通して伝わってくる

 

 

一瞬、左右を確認してみるが…左からはそこそこ…右は______

 

 

「…Oh…jesus…」

 

 

「…下手なB級映画の方がまだマシですね…」

 

 

散々騒ぎ立てたせいで、車周辺に集まっていた奴らは 当たり前だがこちらへ向かってきていた

 

 

道路全体を埋め尽くし、横列を成すその集団は ニュースなどで見るデモ隊のように見える

 

 

「よし、それじゃ 一時停車するぞ…ぶちかましてやれ」

 

 

「…はいっ」

 

 

そして、予定通り交差点へ差し掛かった俺はクラッチを切り、1段ギアを上げてN(ニュートラル)へと入れると ゆっくりブレーキペダルを踏み込む

 

 

景色の流れるスピードが遅くなり、体に受ける風の勢いも収まってきた

 

 

そうして、バイクは完全に停止する

 

 

「…よし、いつでも撃て…周囲は見ておく、一瞬降りて 立射でも構わんぞ」

 

 

「…降ります」

 

 

「よし、それじゃ 俺も撃つか…乗ったまま撃つ練習もしないとだし」

 

 

後輪のスプリングが軋み、美紀が降車する

 

 

俺はその間、左右と前方を警戒し 接近してくる個体がいれば…撃つ

 

 

ハンドルを離し、フリーになった両手でレミントンを構える…いや 片手の方がいいか?

 

 

なんて、考えていると…

 

 

 

 

 

 

ズガァァァァァッン!!!

 

 

 

 

 

 

______隣から銃声が響いた

 

 

少し驚いたが、煙が漂う中 急いで後方を見る

 

 

すると、群れの最前列にいた1体の頭が弾けており たった今、アスファルトへと倒れ込んだ

 

 

「…う、撃ち ました…1体、撃破」

 

 

「…グッキルだ、その調子で 慌てず…続けて撃て」

 

 

「はい…」

 

 

シャコンッ   カランカラン______

 

 

排莢された薬莢が 白煙とともに地面へと転がる

 

 

そして、薬室へ次の弾が込められたサベージを構え直した美紀

 

 

「_______…っ!!」

 

 

ズガァァァァァッン!!!

 

 

彼女は狙いを定め、再びその引き金を引いた

 

 

「…2体同時撃破…おいおい、中々にやるじゃないか」

 

 

流石はハーフライフルと言うべきか、それとも美紀の実力なのか…

 

 

2発目は、先日のゼロイン調整の甲斐あってか 寸分の狂いも無く先頭にいた1体の頭を撃ち抜き 貫通した弾頭はその後ろにいた個体の頭までも粉砕した

 

 

「…こっちも寄ってきたな…俺も撃つか…」

 

 

ふと周囲を見渡すと、路地裏や店の中 集合住宅の敷地内などから奴らが集まって来ていた

 

 

そのため、こちらも…射撃練習と洒落込もう

 

 

手に持っていたレミントンを…右手にいた 一番距離の近い個体へ向ける

 

 

近いと言っても、距離は20M以上ある

 

 

「…ちょっとはゼロイン確かめてみるか」

 

 

自身の呼吸によるブレを限りなく減らし、照準器(スコープ)の十字線の真ん中を サラリーマンの格好をした奴の頭部へと重ね…

 

 

眉間と鼻筋の中間、文字通り ど真ん中に十字が重なった、その瞬間

 

 

「…ここだっ…!!」

 

 

ズドォンッッッッッ!!!

 

 

引き金を引いた

 

 

それと同時に、腕と肩を通じて全身へと伝わる衝撃

 

 

「……」

 

 

ジャッコンッ カランカラン_______

 

 

2回目の実射という事もあってか 衝撃や銃声で痺れる腕、キーンとする耳を除けば それ以外は平常運転と言っても差し支えない状態である身体

 

 

その為、取り乱す事なく すぐさまポンプアクションを行い着弾の様子を確認する

 

 

「……若干左寄りだな…ってことは、レティクルの縦軸を…左に動かせば良いのか」

 

 

放たれたバックショットは、しっかり奴の頭部を破壊し 2度目の死を与えた…が、着弾点が左に寄ったのか 奴の右目周辺から上がごっそりと抉れている

 

 

「狙撃銃ほど遠い距離で撃ち合わないし、()()だしな…大雑把で良いだろ」

 

 

そう言って、適当にダイヤルを弄り 再度別の標的を選定しては…

 

 

ズドォンッッッッッ!!!

 

 

ズガァァァァァッン!!!

 

 

2種の銃声が響く

 

 

どうやら、美紀も同じタイミングで撃ったらしい

 

 

「…ハハっ」

 

 

なんだか、前までの日本じゃ考えられなかったハモりに 可笑しく思えて笑いが込み上げてきた

 

 

だが、目の前の事に集中するのが先だろう

 

 

調整して放った2発目だが…

 

 

「…元の顔がわかんねぇな、あれじゃ…ま、別に知る必要は無いし良いか」

 

 

ジャッコンッ カランカラン

 

 

8粒の鉄球は、見事 狙った通り顔面のど真ん中へ飛び込み、元の顔がわからないほどに着弾点を破壊した

 

 

言うなれば…抉れたスイカ、だろうか?

 

 

シャコン カランカラン

 

 

「先輩、弾倉内含め 全弾撃ち切りました」

 

 

すると。3発撃ち切った美紀が報告してくる

 

 

尚、その間もマガジンポーチ内から新たに弾を取り出し しれっと再装填している

 

 

その佇まいは、まだ銃を撃ったのが2回目とは思えないほど 研ぎ澄まされているように見えた

 

 

「わかった…再装填して、すぐ移動しよう…2、3km走ったら もっかい撃とう…リロード終わったらすぐ乗れ」

 

 

「了解です」

 

 

そう伝えながら、俺も弾を取り出しリロードしておく

 

 

すると、車体が揺れる…美紀が乗ったみたいだ

 

 

「…じゃ、行くか」

 

 

「はい」

 

 

再びクラッチを繋ぎ、動き出す車体

 

 

今度は徐行でもなく、法定速度近くで走る

 

 

アクセルオフ、クラッチ、ギアアップ、半クラ、アクセルオン

 

 

このプロセスを計5回、6速まで上げ できる限り燃料の消費を抑える

 

 

いっそ、どこかでスタンドに寄るべきか…いや、一度大きな車を用意するのが優先事項か、りーさんの妹の件もあるし…

 

 

なんて、この後の計画を立てながらも 俺たち2人と1台の単車は進み続ける

 

 

横目に映るのは、変わり切った街と 道路上を彷徨く『奴ら』の影

 

 

その間をすり抜けながら、俺は思い付いた次の目的地へとハンドルを切った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初の目的地は…バイクディーラーショップだ_______

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
夜中にバイクがブンブンやってるやつ

*2
6500回転程度より2バルブ運転から4バルブに切り替わり力強い加速や甲高いエンジン音を楽しめる機能






ってわけで、どうでしたか?16話
元の構想では、もう少し書く予定だったんですが…(そこそこ)キリが良いのと これ以上書く時間が無かったので、ここで更新になります。
オリジナル展開MAXになりまずが、次回もしっかり書きたいと思ってますんで、また暫くお待ちください。

あ、あと アンケートはこれで締め切ります。
89式、やっぱり人気なんだねぇ…ワイも好きやでハチキュウ。
兎に角 ご参加いただき、ありがとうございました( ^∀^)

ではまたいつか…。

“登場させるならどれが良い?”第2回銃器アンケート

  • 89式小銃
  • 64式小銃
  • 64式小銃“狙撃型”
  • 豊和M1500ライフル
  • M360J
  • H&K SFP9
  • Grock19
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憑依転生きよぽん(作者:笑っちゃうよね〜たはー)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

きよぽんに憑依転生した。とりあえずホワイトルーム脱出するか


総合評価:1274/評価:8/連載:5話/更新日時:2026年04月23日(木) 21:00 小説情報

百合の間に挟まりたくない男はどうしたらいい(作者:かぐいろ大好き侍)(原作:超かぐや姫!)

▼ 田舎から都会に飛び出した、高校生の天野尊(あまのみこと)。▼ 実家が田舎の農家で一生をそこで過ごすのが嫌で、高校生でありながら一人で東京に。家賃38,000円の映ないボロアパートであるが都会で青春を謳歌する。▼ 思いがけず、同じ苦学生の友人と謎の月のお姫様を育てる事に!▼ 尊の青春はどうなってしまうのか!▼*当作品は『超かぐや姫!』に脳を焼かれ[俺の理想…


総合評価:2048/評価:7.5/連載:12話/更新日時:2026年05月11日(月) 05:30 小説情報

一番星は消えない(作者:ディバル)(原作:推しの子)

▼児童養護施設で暮らす少年・天城彼方は、推しの星野アイと出会い、この世界が【推しの子】の物語だと知る。彼女に待つ残酷な未来を変えるため、彼は“運命”に抗う………一番星は、消えない。▼アニメ勢の方はネタバレ有りなので注意。▼新作▼「あかねちゃん………煙草買ってきてくれない?」▼:https://syosetu.org/novel/413237/▼よければ此方も…


総合評価:2373/評価:8.28/連載:73話/更新日時:2026年05月22日(金) 20:21 小説情報

よう実でおにぎり売ってみた(作者:ちあさ)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

よう実に転生したから、とりあえずおにぎり売ってみた。


総合評価:3145/評価:8.11/短編:6話/更新日時:2026年05月22日(金) 21:01 小説情報

で? どれが実在する記憶なんです?(作者:RGNGNO)(原作:ブルーアーカイブ)

先生「“彼女らの話が全部本当なら、君は同時に30人くらい存在した事になるけど”」▼主人公「そんなわけねぇだろ」


総合評価:4229/評価:8.01/連載:3話/更新日時:2026年03月13日(金) 22:19 小説情報


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