1人の男子生徒は学園生活部の一員として『日常』を取り戻したい   作:Kagura_fbk89

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よ、ようやく出せたぁ〜…

めっちゃ時間空いちゃって申し訳ない!


第5話 セーフエリアの外へ

 

 

 

 

 

 

 秋乃家2階、多目的室にて

 

 

「…構える時はもうちょい肩の力抜いて…そうそう、それでまっすぐブレないようにまっすぐ上に振りかぶって…」

 

 

俺は自宅の2階にある多目的室(なんであるかは知らない)で美紀に木刀の振り方を教えていた

 

 

ついでに、この我が家2階に位置する多目的室について話しておこう、そもそもこの部屋はどう言った物なのかは…はっきり言ってよくわからない、イメージ的には…学校とかにある体育館の他で存在する特別活動室みたいなもんだ、ぐるっと部屋の中を見回してみるとまず正面にあるのがバランスボールやヨガマット、ベンチプレスにダンベルやランニングマシンと言ったごく一般的なジムにあるような備品が用意されてある、それ以外は特に変わった物は無く強いて言うなら部屋中央の天井に結構大きな空調が嵌め込まれているくらいだろうか、外の庭でやるのも考えたが、この部屋は窓が無く完全に外からの視線をシャットアウトできるため、付近にいるかもしれない『奴ら』の事を考えずにこうやって美紀に木刀の振り方をレクチャーできているのだ

 

 

「こ、こんな感じで良いんでしょうか?」

 

 

「筋は良いと思うよ、実際俺が今言った事をちゃんと意識して振れてるしブレも少ない…まぁでも、こんな綺麗に振ることなんて実戦じゃそんなに無いと思うけどね、乱戦になったら尚更だ」

 

 

美紀のセンスはかなり良いと思う、今は剣道をやっていた人なら分かると思ういわゆる正面素振りを教えていたのだが、振り下ろす速度は速く、それでいて切先が相手の頭上あたりでピタッと止めてきっちりと腕を伸ばし脇はちゃんと閉めている、昔に剣道でも習っていたのかの思うほど美紀の素振りは文句なしだった

 

 

だが実際のところこのように一々振りかぶって素振りをする要領での戦闘はしないだろう、もっと次の行動に移しやすく力が伝わり易い自分なりの振り方を見つけてもらわないとダメだ、まぁ木刀を振るという動作にある程度慣れてもらうためにもこの素振りは必要だと思ったからやらせているわけだ

 

 

そのまま素振りを続け、そして実際に同じ木刀を持った俺に打ち込ませてみたりもしたが…ある程度慣れてきたのか、一撃一撃が鋭く ある程度の重みを帯びてきた…これなら外に出ても自衛する程度なら問題無いだろう、何かしくじっても俺がカバーすればいいしそういう時の為の装備もあるからな

 

 

そうして俺はチャンバラをレベルアップさせたような稽古を続けていたのだが…

 

 

「ハァ…ハァ、こ、これで…私も外に、出ても問題無い…ですか?…」

 

 

…あ、美紀が頑張って打ち込んで来るからついつい調子に乗ってやりすぎたかもしれない、息も絶え絶えといった状態でこちらに木刀を構えたまま問いかけてくる

 

 

 

「ごめんごめん、美紀が予想以上にやるもんだからちょっと熱くなっちゃった…うん、現段階でこのくらいやれるなら外に出ても大丈夫だと思うよ、最初の素振りも綺麗な形だったけど、もしかして昔剣道とかやってた?」

 

 

「い、いえっ!特にそれと言った事はしてきませんでした…あの、こういう事を聞くのもアレですけど、その…私って先輩と同じように才能とか…ってありますか?」

 

 

美紀からこんな事を聞いてくるなんて珍しい…ん?なんだ、この期待が見え隠れする瞳は…おや?さてはこれ、褒めて欲しいのか?

 

 

俺はこのように美紀が2日間の間で見ても珍しい、ちょっと期待した様子で自分の才能に関して聞いてきた事から褒めて欲しいという事を察した

 

 

無論、俺に褒めないという選択肢は存在しない、それにだが…はっきり言ってしまえばちゃんと剣術を学んだことの無い俺が美紀を叱ることのできるような立場では無い、それに美紀の腕やその能力は賞賛に値する物だろうと冗談抜きで思う…ということで

 

 

「…才能も何も、良い腕だと思うよ 本当に、昔に剣道習ってなかったっていう言葉が嘘に感じるくらいにね…はっきり言おう、美紀には才能があるよ、俺が言うのもアレだけどな、それでも 剣を振る事自体初めてでここまで出来るのは間違い無く美紀の才能だと思うね 俺は」

 

 

「ほ、本当ですか?!別に…煽てても何も出てきませんからね?…でも、そう言ってもらえて、嬉しいです…『パァァァァァァ』」

 

 

今の俺に出来るのはとにかく、美紀を褒めまくってモチベーション上げることや剣を振る事に良いイメージを持ってもらうと言った事だ、褒めて伸ばすのが一番だと俺は思ってるしな

 

 

そして今、実際に俺が褒めまくった美紀の様子だが…言ってる言葉の内容の割にはすっごい嬉しそうで満更でもなさそうだ…あれ、よく見ればまた光ってる…のか?……ま まぁとにかく、なんで美紀は光るのかという疑問は置いといて、美紀を褒めるという俺の選択肢が間違っていなかったようで何よりだ

 

 

「それじゃぁ、今の時間は…12時、ちょうどお昼時だしな…切り上げて昼食にしよう、美紀はリビングに降りて装備とか一旦外しちゃって良いよ、ご飯の準備も俺やるから」

 

 

「わかりました〜♪」

 

 

そうして、俺と未だにルンルンな美紀は2人とも多目的室を出て1階のリビングへと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そいじゃ今から昼飯作るけど、なんか食べたい物のリクエストある?出来る限りで応えるよ」

 

 

「だったら…あの、塩っぽい物だと嬉しいです」

 

 

「あー、まぁ動いた後だしな、見た感じ普段から運動して無い感じがするし、運動して汗かいた後の塩分補給は結構大事だから……塩っぽい物、ね 了解!そいじゃお昼にもちょうど良いアレでも作るか…」

 

 

「アレ?」

 

 

「うん、塩が味付けのメインで、お腹に溜まるガツンとしたやつ…って、言っても分かりずらいよな」

 

 

「…あ、もしかして塩焼きそばとか…ですか?」

 

 

「お!正解、でも もう少し正確に言えば海鮮塩焼きそばだね、これならある程度適当に作っても美味しくなるし冷蔵庫の中も減らせる、それでいてお腹にも溜まる、更には動いた後の塩分チャージもバッチリさ」

 

 

試しに美紀に昼食の献立は何か出題してみたが、1発で、しかもすぐに答えを当ててくるとは…こやつ、中々やりおるな…

 

 

そのまま俺はつい先日と比べ随分スッキリした冷蔵庫の中から、具材を取り出す

 

 

まずは…

 

 

キャベツ半玉 玉ねぎ1玉半 にんじん(小さめ)2本 もやし1袋 ピーマン3つ 中華そば3袋 冷凍エビ&イカ残り全て(半袋弱) レモン半分 を取り出した、結構具沢山な塩焼きそばになるが…まぁ冷蔵庫の中を減らせると考えたら別に良いだろう、残ったとしても焼きそば自体冷めてても十分食べれるだろうしラップして置いとけば問題無いだろう

 

 

「あ、何か手伝います」

 

 

準備をしていると、美紀がとっさに手伝うと言ってきたが…

 

 

「ありがとう、でも俺1人で十分だよ、それにさっきので結構疲れてるよね?」

 

 

「そ、それはそうですが…」

 

 

「あ、あと さっき動いて汗かいちゃったでしょ、まだ時間あるからサッとシャワーだけでも浴びて来たら?」

 

 

「えっ、もしかして私…匂います?」

 

 

「いやいや、そんな事ないよ、逆に良い香りがするくらいさ……って、なんだよ急に、ジッと見てきて…」

 

 

「いや…先輩って女性に対する接し方って、いつもそんな感じなんですか?」

 

 

「アハハ…いや、そもそもこんなまともに異性と話す事なんて無かったね…って、それがどうかした?もしかして言っちゃまずいような事言っちゃった感じ?…」

 

 

美紀が急に俺の事をジト〜っとした目で見つめてきた為、問い掛けるとイマイチよく分からない質問が飛んできた

 

 

もしや「良い香り」と美紀に言ってしまったのが不味かったのかもしれない、流石に女性に対するデリカシーが無かったか?などと考えを巡らせ慌てて聞いてみた、そして美紀の口から答えが出るのを待つ…だが予想していた内容とは違った返答が返ってきた

 

 

「…ま、別に良いんですけどね、あ でも先輩?私ならともかく他の面識が少ないような女性に似たような事を言うのは、あまりおすすめしませんよ?」

 

 

…とのことだ、そうか 「良い香り」 と言った言葉はあまり接点の無い異性に伝えるのはあまり良く無いようだ…それでも、美紀と俺も今までそんなに接点は多く無かったがあの言いよう…まぁそこまで深くは気にしなくて良いか

 

 

そうやって自分の中で話を自己完結させたが、そこで一つ、結局シャワーを浴びるのかの答えを聞かせてもらってない事を思い出し再び美紀に問いかけた

 

 

「…それで結局 シャワー浴びてくる?」

 

 

「あ、そしたらお言葉に甘えさせてもらいます」

 

 

「水道も電気もガスも、使えるの今のうちだからじゃんじゃん使って行こうぜ」

 

 

「ですね、それじゃぁ少し失礼します」

 

 

「おう、着てる服も変えたかったら予備持って行っちゃって良いぜ〜」

 

 

「はーい」

 

 

そうして美紀はちょっとスキップしながら変えの服を取りに行った、人間 休める時に休むのも大事だからな、それに…

 

 

「…やっぱどんな世界になっても、年頃の女の子には笑顔が1番だな」

 

 

そんな想いを口にしながら、俺は食材のカットや下処理、使用する調味料の用意を行い 美紀が出てくるまでに完成させれるようテキパキと、手際良く調理を進めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そろそろ美紀も上がってくるかな…」

 

 

俺はフライパンで昼食を作っていた、美紀がシャワーに行ってから20分程度、この時点でほとんど塩焼きそばは完成しており後は皿に盛り付けるだけと言った感じだ、そろそろ出てくると思った俺はコンロの火を止め適当な平皿を2枚取り出し麺と具材の割合がちょうど良くなるように気をつけながら皿に料理を盛り付け始める

 

 

するとそこに

 

 

「シャワー頂きました…あ、もう料理は出来上がってるんですね…何から何までありがとうございます」

 

 

「良いってことよ、それに今時の男は料理とか家事できた方がモテやすいって言うからな、ま とにかく、席ついちゃってくれ、焼きそばは冷めたら本来の美味しさが消えちゃうからさ」

 

 

丁度よくシャワーを終えた美紀が戻ってきた、とにかく俺は出来立ての焼きそばが冷めてしまう前に席に着くよう促す、どの料理も温かいうちに食べるのが1番だ

 

 

俺は美紀が席に着くのを確認し割り箸を渡す、箸を割って食べれる準備が整ったのも確認した俺は…

 

 

「はい、それじゃ…いただきます!っと…」

 

 

「いただきます」

 

 

いざ、眼前の皿に盛り付けられた具沢山海鮮塩焼きそばに箸をつけた

 

 

エビとキャベツ、適量の麺と細く切られたニンジンを纏めて箸で掴んで口に運び、咀嚼する……うん、急いで作ったのと冷蔵庫の中にあった食材だけで作った割にはうまく作れていると思う

 

 

それぞれの野菜には最初に炒めたエビとイカから出たシーフードのエキスが染み込んでおり野菜だけでも十分美味い、今回調味に使ったのがかの有名な中華調味料である味◯の青い方を使っている、あと 塩っぽいものと言われていたので少し塩そのものや調味料の量を増やしている、他にも少しだけオイスターソースやちょっとした香辛料を入れ、仕上げに程良いサイズに千切ったレモンの果肉を混ぜ込んだ、魚介とレモンは合わないはずがないからな

 

 

投入したレモンは思った通り、味付けが濃い為舌が鈍くなってきたところを果肉の酸味で一気にリセットされる、エビとイカとの相性も抜群だ

 

 

そしてここで、美紀のリアクションを見てみる…するとそこには

 

 

「…美味しい…!『パァァァァァァ』」

 

 

…どうやら口にあったみたいだ…だが、そこにはまたもや光る美紀がいた…もうこれに関しては突っ込まないでいよう、なぜ美紀が光る(ように見える)のかはきっと今後の人類史上永久の謎になるだろう。

 

 

何はともあれ…俺たちはそのまま黙々と食事を続け結局、フライパンの中にあれだけあった塩焼きそばは食事が終わる頃にはすでに無くなっていた

 

 

「ふー…食べ食べた…」

 

 

「ですね…ご馳走様でした、焼きそば とっても美味しかったです!」

 

 

ラップして置いておこうとか言う話もあったが…思ったよりお腹が空いていたらしい、案外2人でも1度で食べ切る事ができた

味の方も食事中のリアクションですでにわかってたが、口にあったらしく美紀からの太鼓判をもらえた、やったぜ

 

 

「そう言ってくれたなら何よりだ……そいじゃ、チャチャっと片付けちゃおう」

 

 

「あ、それだったら私がやります、作ってもらったのでそれくらいはさせてください」

 

 

どうやら美紀は作ってくれたお礼にと洗い物をしてくれるらしい、ここは素直に美紀の言葉に甘えさせてもらおう

 

 

「おっ、だったらお任せしちゃっても良いかな?」

 

 

「もちろんです!お皿もフライパンもピッカピカにしておきます!」

 

 

「そいじゃ、後は任せたわ」

 

 

そしてそのまま美紀は台所のシンクまで洗い物を運び、洗剤を付けたスポンジで丁寧に食器洗いを始めた

 

 

その間に俺は…

 

 

「…よし、準備するか…」

 

 

いよいよ、外に出る準備を始めた、今の時刻は13時30分 美紀の準備も考えて14時頃には出発したいところだ

 

 

今回の目標は周辺の確認、及びちょっとした寄り道をしたいところが2箇所ほどある、尚 外出する時間は4時間ほどにしておこうと考えている

 

 

「…こんなもんか…」

 

 

そうして俺は、外していた装備類を再び装着し美紀に声をかけに行こうと思った…が、そこで俺は1つ 何か足りない気がして足を止めた

 

 

「…なんか心許ないと言うか…なんだ?この感じ…」

 

 

俺はバイク用の化学繊維で作られたグローブで顎に手をやり考える…

 

 

「…顎……顔…あ!」

 

 

そう言えば1つ、見落としていた要素があった

 

 

「戦闘中に『奴ら』の血液が目とか口に入ったら駄目なのでは?…」

 

 

そう、これだ

 

 

本来、ウイルスや病原菌は唾液や血液、空気中に出た飛沫などで媒介される、この騒動では『奴ら』に噛まれた人間が再びアイツらになって周囲に襲い始めているわけだが、このことから考えられるのが「奴らには人をゾンビ化させるウイルス・病原菌を持っており それらは噛んだ際口内の唾液から傷口に入り込み噛まれた人間が感染し奴らのように変貌する」と言った事が考えられる

 

 

俺はメイン武器として刀を使うわけであって木刀の美紀よりも激しい返り血が予想される、そんな中でうっかり開けていた口や目などに血液が一滴でも入ってみろ、その時点で終わりだ そんな悲しくてあっけない死にかたは御免だ

 

 

「うーむ…ネックウォーマーみたいなのでも着けとくか?いやでも布だったら染みてきそうだし…化繊とか撥水加工されたやつ持ってないしな〜…」

 

 

俺はこれの対策で何か出来ることは無いかと頭を捻っていた

 

 

「何か…口や目を保護できる布製じゃ無い頑丈な物……あ」

 

 

そこで俺は1つ思い出した

 

 

そう言えばあったじゃ無いか、このような状況にうってつけで機能性や耐久性も兼ね備えた顔全体を保護するものが…

 

 

それは何か…

 

 

「そう言えば持ってたわ、ガスマスク」

 

 

そう、これ ガスマスクである

 

 

某有名ゾンビゲーで登場する傘のロゴがチャームポイントの会社が保有する特殊部隊のコスプレをしてサバゲーをすることになったことがあり、昔買っていた俺の保有する実物装備の1つでもあるガスマスクでこいつの正式名称は『M50 ガスマスク』である、米軍の放流品でその時になんとかオークションで購入していた物が1つと、パンデミックの発生する1ヶ月ほど前に奇跡的に手に入れれたもう1つがあったのを思い出したのだ、最近買った方に関してだが 案外安く(それでも6万ほど)買えたので、サバゲーのフィールドで知り合った人に売り飛ばそうかなどと思っていたが、結局売ること無く家に残り続けていたわけだ

 

 

まぁその様にして奇跡的に2人分あるわけだし、後で美紀にも渡しておこう

 

 

あと、両方ともフィルターが左右に付いており、一緒に付いてきた予備が3つだけある

 

 

まぁ普通に付けていて呼吸するだけならそんなにフィルターも汚れないだろうし付けたままで良いだろう、それにそっちの方がカッコいいからな(これが本音)

 

 

そのまま俺はガスマスクを装着し、その上から脇に抱えていた鉄帽を被る、ちらっと近くにあった姿見鏡で自分の姿を見てみたが…完全防備だ、少し過剰な気もするが『備えあれば嬉しいな』って言ったりするし…別に良いだろう

 

 

部屋を出るついでに近くにあった荷物を詰め込みまくった俺の背嚢を背負い、一緒に美紀のリュックも持っていく事にした

 

 

「…行くか」

 

 

そうして俺は美紀の待つ1階のリビングへと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい 美紀〜、そろそろ準備…って、もうしてたのか?」

 

 

「はい 既に洗い物も終わりましたので、それに 食事が終わったら外に行くと聞いていたので早めに準備しておこうかと思いまして」

 

 

1階に戻ると既にチョッキを着用し渡して装着していたベルトの帯刀ホルダーへ木刀を差し込もうとしている美紀がいた

 

 

「先輩も既に準備してたんですね…ていうか、そのガスマスクはどうしたんですか?」

 

 

「そうそう、これ美紀も着けておいた方がいいよ」

 

 

俺は『奴ら』と戦う際 返り血が目や口に入らない様にする為だと説明し、美紀にガスマスクを手渡した

 

 

美紀は少し難しそうだったが俺が少し手伝いなんとか装着することができた、そして初であろうガスマスクに対する美紀の感想は…

 

 

「…着けてても普通に呼吸できるものなんですね、もう少し息苦しいと思ってました」

 

 

「まぁこれ軍用品だしある程度戦闘中の着用も考えられてるわけだからね、呼吸自体は難なくできると思うよ…あ、後これ美紀のリュックね」

 

 

美紀がガスマスクの機能性に感嘆としているついでに持ってきていたリュックを渡しておいた

 

 

後はキッチンに向かい背嚢に追加でペットボトルの水やカロリーバーに粉末スープ、チョコレートや飴と言った食料や手早くカロリーを接種できる嗜好品を入れておいた

 

 

最悪外で1夜を過ごす羽目になるかも知れないので水も食料もある程度の量は入れておいた

 

 

「…こんなもんか…」

 

 

「先輩、私も準備…完了しました」

 

 

必要な食料品も背嚢に入れた、野営用の道具も、武器も持ったし装備も過剰なレベルで着けた

 

 

これ以上必要な物は無いだろう、美紀もリュックを背負い鉄帽も被っており 腰には木刀、背中にはマチェーテ、そして太腿にはナイフが一本、準備は出来たようだ

 

 

「…それじゃ、行こうか」

 

 

「…はい」

 

 

美紀とマスクのレンズ越しで目が合う、その眼は覚悟が決まっており 真っ直ぐな目だった

 

 

だが、少し肩が震えている

 

 

やはり、覚悟は決まっていても恐怖心は完全に拭いきれないのだろう

 

 

俺は少し腰を落とし美紀の目線に合わせる、そして俺のとった行動は…

 

 

「…大丈夫、何かあったら俺が全力でカバーに向かう…命大事に だ、OK?」

 

 

「…い、命大事に ですね、わかりました」

 

 

俺はヘルメット越しだが、美紀の頭に手をやり 撫でながら自分が全力でフォローするから安心するようにと伝え、俺のモットーである『命大事に』を徹底するように伝える

 

 

美紀は少し驚いたようだが、ちゃんとわかってくれたらしい

 

 

そうなれば、後はいざ外へ行くだけだ

 

 

美紀の頭を撫でていた手を止め、俺は玄関へと向かう そしてその後ろを美紀がついてくる

 

 

「…ほい、これが美紀の分の半長靴ね」

 

 

玄関についた俺は用意しておいた2セットの半長靴の片方、サイズが小さい方を美紀に渡す

 

 

「このタイプの靴紐の結び方はわかる?」

 

 

「はい、ブーツも履いたりするので大丈夫です」

 

 

「走って脱げないように結構キツめに結んでおいた方が良いよ」

 

 

「了解です」

 

 

美紀は少しキツめに靴紐を結び、立ち上がった、既に結び終えていた俺は美紀が結び終わったのを確認しドアを開け外に出る

 

 

「…門の先にアイツらは居ないな…」

 

 

玄関の扉を開け門の外を確認するが、『奴ら』の姿は確認できない

 

 

「じゃぁまずはガレージに行ってバイクを出そうか」

 

 

俺は完全に外に身を出し美紀にも出てくるよう促す

 

 

2人とも家を出た事を確認し扉の鍵を閉める、いついかなる時も家の施錠は大切だ

 

 

そのままガレージのシャッターを開け愛車とご対面し、ガレージの外へ車体を押し出す、ついでにサイドバックの中から予備のグローブと2組のマイク(吸盤で引っ付けるタイプ)&スピーカー(耳に嵌めるタイプ)を取り出し美紀に渡す

 

 

「ほいこれ、グローブも着けときな…あとは、これ マイクとスピーカーね、前バイクに乗った時あんまり声聞こえなかったでしょ?」

 

 

「確かにそうですね、でもこのマイクってどこに…あ、これ吸盤付いてるんですね」

 

 

「そうそう、結構強力だから取る時めんどくさくてそんなに使って無かったけど、これならガスマスクの外側に付けてても取れないだろうからうってつけだと思ってね」

 

 

俺はフィルターのすぐすぐ横にマイクをペタッと貼り付け、それを見た美紀も同じ位置にマイクを付ける

 

 

片耳にスピーカーを嵌め込みボタンを押して美紀のマイクとリンクさせる、美紀にもやり方を教え自分の物とリンクさせる、これで普通にやり取りできるだろう

 

 

「そいじゃ、俺が先に乗るから後ろ乗ってね」

 

 

「わ、わかりました」

 

 

俺はハンドルを握りバイクを少しだけ起こしてスタンドを払い刀が変に当たったり車輪に巻き込まれないよう位置を気にしながらシートに跨る、リグのポーチからキーを取り出しキーシリンダーに差し込む、イグニッションを入れてニュートラルランプが点灯している事を確認し美紀が後ろに乗るのを待つ

 

 

そして美紀がタンデムシートに跨りステップに足を乗せたのをミラーと目視で確認した

 

 

「エンジン掛けたらアイツらが寄ってこないうちに急ぎで出るぞ!!」

 

 

「はい!」

 

 

美紀に出発する旨を伝え、遠隔操作で門を開く、あの門は開いたら20秒で勝手に閉まるように設定しておいたので急いで出ないといけない

 

 

そしていよいよ俺はクラッチを握ってセルスイッチを押し込み 愛車の心臓に火が入った、すぐさまシフトペダルを踏み込みギアを1速に入れる、アクセルを開きながらゆっくりとエンストしないようにクラッチを繋いでいくと同時に動き出す視界

 

 

「行くぜ!しっかり肩掴んどけよ!!」

 

 

「え!?あっ、はい!!」

 

 

美紀の肩を掴む力が強まったのを感じた俺は一気にアクセルを開き門から道路に飛び出す、まだ言ってなかったが、最初の行先は『巡ヶ丘東 古村銃砲店』だ

 

 

この店は名前の通り散弾銃やライフルと言った実銃を取り扱う巡ヶ丘唯一の店だ、行った事は無いが18歳になって猟銃免許を取ったらここで銃を買おうと考えていた為店の場所や道順は頭の中に入っている

 

 

もしかしたら銃が手に入るかも知れないと言う希望を胸に抱き、俺はバイクのギアを上げ目的地へと走り始めた

 

 

 

 

 

 

 

 




…読んでくださっている皆さんの気持ちはわかります

「なんでこんなに遅れたん?」「話のペース遅くね?」「戦闘シーン無いやん」
「て言うか前回の最後で銃出すとか言ってたのになんで出て来てないん?」 etc etc …


醜い言い訳ですが聞いてください

はい。まずは遅れた事に関してですが…まぁ年末年始色々と行事がありますよね?一応活動報告の方で新年の挨拶と軽い近況の報告はさせていただいてますが何かと執筆に充てられる時間が足りなくてですね、期間が空いてしまいました…。
そして仮にも自分、まだまだ学生の身なので学校が休みでも宿題や塾の冬季講習があったりなどの理由もあります。

話の進むスピードに関してはまだまだ自分の書く技術が足りないのと何かと話の内容を細かく書きたくなっちゃうんですよね。

戦闘シーンは入れたかったんですけど…投稿できるのが更に遅くなりそうだったので次回に回す事にしました。

あと今回、結局銃の登場が無かった事ですが…戦闘シーンの件と同じようにこのまま書いてたら投稿できるの1週間後になりそうだったので一旦区切らさせてもらいました、最後にチラッと触れたように次回は絶対に銃を出せるようにしておきましたので申し訳無いですが次まで待ってもらえるとありがたいです。


この3連休の間に頑張って次回の分を書いておきますので読者の皆様、お待ち頂けると幸いです


気を付けているつもりですが誤字脱字があればご報告お願いします

感想、ご指摘 いつでもお待ちしておりますのでお気軽にお声掛けください!!

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