1人の男子生徒は学園生活部の一員として『日常』を取り戻したい   作:Kagura_fbk89

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深夜テンションで一気に書いてやったぜベイベー!!
ただ結構ガチで睡眠時間削って書いたので正直言って変な部分や誤字脱字 しまくってると思います
読み終わったと後に誤字脱字っぽい所があったら教えてくれると助かります!
では 第6話 どうぞ


第6話 初陣と、力の象徴

 

 

 

 

 

 

「美紀、俺の声はちゃんと聞こえてるか?」

 

 

「問題無しです!今の所はちゃんと聞こえてます…あ でも少し風切り音が気になります…でも無視できる程度なのでこのまま行ってもらって大丈夫です」

 

 

「了解!だったらこのまま50km/hくらいで走るけど、何かしんどかったら気にせず言ってくれ」

 

 

俺は今現在、住宅街の中をバイクで走り抜けていた

 

 

走りながら美紀との会話が問題無いかを確認するが…大丈夫そうだ

 

 

そんな事を考えていると『奴ら』が2体、道路の端をゆっくり歩いているのが遠目でも確認できた

 

 

「おっと…横すり抜けるか、美紀!ちょっと飛ばすわ!捕まってて!」

 

 

俺はできるだけ早くアイツらの横を走り抜けるために3速に入れていたギアを1段上げアクセルを捻る

 

 

途端に先ほどと比べ周囲の景色が移りゆくスピードが早くなり、そのまま俺達は無事横をすり抜ける事ができた

 

 

「よし!…追っては…来れないみたいだな」

 

 

すれ違いざまに目をやった際に俺達に気づいたようでこちらに向かって来ていたのを確認したが、チラッと再びミラーで見てみるとその時点ですでにその歩みを止めていた

 

 

「1 2 3…今ので5…」

 

 

「どうした?美紀」

 

 

小さい美紀の呟きがマイクに聞こえて来たためどうかしたのかと問いかけてみる

 

 

「いえ、バイクに乗ってから見かけたら奴らの数を数えていたんですが…思っていたよりも少ないですね…」

 

 

「あ〜…確かにそうだな、俺ももう少しいる物だと思っていたけど、ここまで少ないとは思ってなかったな」

 

 

どうやら家を出てから見かけた奴らの数を数えていたそうだ、だがその数はかなり少ない

 

 

先日、家に帰る時点で何となくこの地域の奴らの数が少ない感じはしていたが、まさかここまでとは思っていなかった、それでも…

 

 

「ま、アイツらは居ないに越した事は無いし 嬉しい事には変わりないな」

 

 

「ですね。」

 

結局アイツらが居ないせいで困る事はないしむしろ嬉しいくらいだ、これぞまさに嬉しい誤算ってやつだ

 

 

「おっと前に放置車両が…回避回避…」

 

 

そのまま俺達は時折見かける奴らと路上に放置されている車両や事故車に気をつけつつ、着々と目的地へと向かって行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…多分もうそろそろだと思うんだが…」

 

 

「…あ、もしかしてあの緑の看板の所じゃないですか?」

 

 

「え?…あ、本当だ この前見たお店の写真と同じ看板だ!……ていうか、それにしてもよくこの距離でわかったな、美紀って結構視力良かったりするのか?」

 

 

「そんなに目は良くないですよ…まぁ理由としては他の建物群より少し離れた場所にありますから、先に目が行って気づいただけですね」

 

 

家を出てから1時間ほど、時々道が事故車で塞がれたりしていて迂回してたせいか当初の予想よりやや遅れてしまったが無事に目的地へと辿り着く事ができた

 

 

目的地である『巡ヶ丘東古村銃砲店』は危険物を扱う為か他の建物より少し離れた場所に位置しており、しかもこの辺りは巡ヶ丘ではかなり田舎な方であるためこの店は周囲に広がる畑を背景にしポツンと位置していた、尚この店は名前で察せるように店主のお爺さんが個人営業でやっているためあまり有名になる事は無く地域の人間や俺のような1部の人間が知っているマイナーなお店だ

 

 

でもそのおかげで市場に出回ってもすぐに買われてしまうような銃や商品が入荷されても比較的残っている事が多く 欲しいものがスッと買えることが結構ある…と、ここを贔屓にしているサバゲーで知り合った猟師のおじさんが言っていた

 

 

探索中にちょっかいを掛けられたくないので周囲の奴らに気付かれても振り切って付いてこられないようスピードを上げ離れた場所にある店へと急いだ

 

そして…

 

 

「…少し手前に停めるぞ、なんか変だ…」

 

 

俺は変な感じがし、万が一の事を考え少し離れた場所 店から50mほど手前の路肩にバイクを停めた

 

 

「…急にどうしたんです?」

 

 

「いや、なんか空気が重くなった気がしてな…一応手前で停めて歩いて見に行こうと思って…とりあえず俺が脚で支えとくから降りてくれ」

 

 

美紀に降りてもらうよう声を掛け、俺はエンジンを切り 美紀が降りたことを確認したらそれに続いて自分も降りバイクのスタンドを立てる

 

 

「よし…それじゃ、行こうか…あと、念には念をってことで…」

 

 

俺は腰に差していた刀を鞘から引き抜く

 

 

「先輩?…」

 

 

美紀が急に抜刀した俺に驚いたような、心配する様子で呼んできた

 

 

「もしかしたら奴らがいるかもしれないだろ?…だから、一応 ね…美紀もその木刀構えてた方が良いと思うよ」

 

 

「そう…ですね」

 

 

俺は両手で刀を持ち、切先を下に向けながら歩く…その後ろを木刀を抜いた美紀がついて来る

 

 

ここの店の入り口は道路に面しておらず、自分達がバイクを停めた場所は入り口がある方面とは死角になっていて店内の様子を伺うには少し歩かないと駄目だった

 

 

「…そろそろ中が見えて…ッ?!…そう来るか…」

 

 

「?…どうしたんですか、先輩…って、?!…ひどい…」

 

 

そろそろ店内が見えてくるだろうと思っていると、先に田舎特有の広い駐車場が視界に入ってくる…だが、そこに広がる惨状に俺達は衝撃を受けた

 

 

まず一番手前に見えるのはT字に他の車の側面から突っ込みフロントガラスは粉々に砕けボンネットがひしゃげてドアのフレームが大きく歪んだ2台の事故車だ

 

 

この2台は駐車場の入り口を塞ぐように停まっており、その後ろには数台の車がドアを開けたまま放置されている

 

 

「…やっぱり法的機関が機能しなくなると、こういう店はすぐ略奪の標的にされるよな…何と無く予想はしていたが……?あれは…」

 

 

そして…この中でも一番目を見張るものが…放置された車両のすぐそばに転がっていた

 

 

「…死体…か……いや、これは奴らの物か?腕に咬み傷がある……それにしても…頭部の損傷が激しすぎる…」

 

 

「先輩…それって…死体、ですよね?…」

 

 

「…ああ、見たくないなら見なくて良い…」

 

 

そう 車両のすぐ側に転がっていた物 それは人間、正しく言えば人間だった物の死体であった…だが やけに頭部の損傷が酷く体型的に男性だったことが伺えるだけで、それ以外に何かわかる事といえばこの死体は男性が奴らに変貌した後に殺されたと言った事だろう やけに青白い肌や浮き出た血管、噛まれた傷のある右腕がこの男性が奴らである事を示している…

 

 

俺が死体について調べていると、それに気づいた美紀が困惑と恐怖の混じり合ったような声で目の前に映るそれが本物かを問いかけてきた、無理して見なくて良いと先に言っておこう

 

 

だが、それよれりも俺が考えていたのがどうして頭部の損傷がここまで酷いのかについてだが…その答えはすぐそばにあった

 

 

「…ん?これは…ショットシェルの、空薬莢か……サイズ的に12ゲージの空薬莢か?」

 

 

その死体を中心に広がる血溜まりのどす黒い赤色とは違う、明るい赤と光を反射する金色が視界の端に映り目をやると、そこには散弾銃で使用する銃弾の空薬莢が転がっていた

 

 

どうやらこの男性は奴らに豹変した後他の人間に散弾銃で頭を撃たれたことが死因なのだろう…いや、でも奴らって既に死んでるわけだから死因っていう言い方は正しくないのか?

 

 

などと不謹慎な事を考えていると…

 

 

「せ、先輩!建物の中から奴らが!!」

 

 

「ッ?!くそっ、こっちに気づいて来やがったか!数は?!」

 

 

「1、2…後続で3、合計で3体です!!」

 

 

「3か…対処できるな…美紀!初陣と行くぞ!先陣は俺が切る!!」

 

 

俺は刀の切先を先頭の1体に向け構える、横を見ると美紀も木刀を構えている…戦闘準備はできたようだ

 

 

「よし…行くぞ!後ろついて来い!先陣は俺が切ってひとまず正面の2体から崩す!!」

 

 

「はいッ!!」

 

 

そして俺は駆け出し奴らとの距離を詰める、まず最初 先頭のやつはおそらくここへ略奪に来ていた人間の1人であろう 半グレと言った言葉がぴったりの派手な服装をした奴からだ

 

 

『…ぁ、ゔぁぁ』

 

 

「…許せ、恨むなら馬鹿なことして噛まれた自分を恨め……ッ!南無三!!」

 

 

手を伸ばし、呻き声を漏らしながらこちらに向かってくる…そのまま自分の間合いに入った瞬間、俺は構えていた刀を真っ直ぐと振り下ろした

 

 

刀は相手の胴体をまっすぐ縦に切り裂き、少なくない量の返り血が飛び散り服に着く…これほどの出血と傷、普通の人間なら痛みでまともに動けなくなるはず

 

 

だが、コイツらは人間ではない…そのため…

 

 

「くそっ!!やっぱり頭潰すなり何なりしないと駄目かよ!だったら…オラァっ!!」

 

 

振り下ろした刃は確かに胴体に大きな傷を作ったはずだ、だが やはりコイツらは普通ではないようで、刀による斬撃を受けても何も無かったかのようにこちらへ向かって来る

 

 

まずいと思ったが、俺は学校で奴らと相対した時の事を思い出し相手の腹に蹴りを入れてみる…すると

 

 

「…やっぱりお前らは押されるのに弱いみたいだな!!」

 

 

そう、実は学校でコイツらの相手をした際に気づいたが 奴らは押されることに弱いらしく、このように蹴る 殴る 押すなどで簡単に倒れるのだ、もしかして感染すると普通の人間と比べ平衡感覚が退化するのだろうか?

 

 

とにかく、倒れたことで無防備になった事には変わらない、アスファルトの地面でもがいてるが…立ち上がれないようにするため胸の中心部を踏み付け押さえる

 

 

俺は刀のの持ち方を変え刃を下に向け狙いを付ける…狙う場所は目、もう少し詳しく言えば脳 頭蓋骨に当たって刃こぼれしないよう慎重に狙いを合わせ、頭の動きが止まった瞬間 そのまま切先を白く濁った目へ突き立てる、俺が考える通りならこれでもう動かなくなるはずだ…

 

 

そして、一瞬だけ踏み付けている体が大きく痙攣したと思えば、先ほどまでもがいていたのが嘘のよう ゾンビは操り人形の紐が切れたように1mmも動かなくなった

 

 

これで1体…俺が殺した、既に1度死んでいるなどは関係なく、間違いなく俺が終わらせた 人生初の『殺し』という行為だ

 

 

「…っ!!…」

 

 

やはり この時がいつか来ると覚悟はしていたが…多少なりとも来るものはある、だが 今は感傷に浸っている場合じゃない

 

 

こうしている間にも2体目は着々と距離を詰めて来ており、もう少しで俺の間合いに入る場所まで近づいていた

 

 

「…一々地面に倒してからじゃ連戦になった時にしんどいな…できるかは分からんが、やってみるか…」

 

 

俺は刀の峰を左肩に乗せた状態で構え、間合いに入るのを待つ

 

 

「……許せ…」

 

 

俺は相手が間合いに入った瞬間、真っ直ぐと水平になるよう刀を振り 相手の首を斬ろうと試みる

 

 

一応 首の骨を断ち切ろうとしているので、刃が欠けないよう力を均一に 折れないよう真っ直ぐ振る事を意識して臨んだが、その結果は…

 

 

「…斬れた、か…」

 

 

結果としては無事に奴らの首を刎ねる事ができた、刎ねられた首は少し離れた場所に転がり 胴体は1体目と同様でピクリとも動く事なく活動を停止した

 

 

刀の方も、刃こぼれや折れたりは無く 刃先から滴る血液がポタポタと足元の血溜まりに落ちる音がする

 

 

「…もう、戻れないな…」

 

 

俺は今、もう戻れない場所に来てしまった事を理解した…だが

 

 

「…それでも…後悔はしてない」

 

 

それが俺の本心だった、もう戻れない 既にその一線を越えた…でも、後悔はしていない それが自分の生き残る為に必要なことだったと自分の罪を受け止めよう

 

 

再び刀を構え直し最初に確認できた奴らの最後、遅れてこちらに向かっていた3体目に対して向き直る まだ距離は開いており俺は距離を縮めようと歩き出す…だが、その一歩目を踏み出した瞬間…

 

 

「待ってください!!…」

 

 

俺の後ろにいた美紀が声を上げた

 

 

「…どうかしたか?美紀…何か問題が?」

 

 

「最後は、私も…いえ…私がやります…」

 

 

はっきり言って意外だ…美紀が自分から言い出すなんて、思ってなかった だが、ここで一度…美紀も殺しというものを経験しておくのもありかもしれない

 

 

幸いにも残り1体、複数体を相手にするわけではなく すぐ俺がカバーできる状態で…言い方は悪いが『練習』できると考えれば、悪くない

 

 

「…やばそうだったら俺がカバーする…無理はしないで良いからな…」

 

 

「はい…」

 

 

俺は美紀に戦わせるという選択肢を選んだ、今後奴らとやり合う事も増えるだろう…その時になって咄嗟に行動に移す事ができなければ、最悪の場合 『死』 だ

 

 

先ほども言ったように美紀がしくってもすぐに俺がカバーできるよう、俺は構えを解くが納刀はしない

 

 

俺が美紀と位置を変わるように後ろに下がり、美紀が前へ出る

 

 

すれ違う瞬間、俺は美紀の肩に手をやり声を掛ける

 

 

「…俺が行く時に言った言葉は?」

 

 

「…命大事に、ですよね」

 

 

「そうだ、まずいと思ったら俺を呼べ…」

 

 

「…了解です」

 

 

その瞬間、美紀の纏う空気が鋭くなった気がした

 

 

そうして 最後の1体と相対した美紀は木刀を正面に構え…間合いに入った瞬間

 

 

「…ごめんなさい…」

 

 

駐車場に鈍い音が響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…大丈夫か?」

 

 

俺は血と脂で汚れた刀を殺した奴らの1体から剥いだ上着で拭いていた、刀は血のついたまま鞘に入れると中で血液が酸化し固まって抜刀しづらくなるしさらにそこから錆が発生するから出来る限り拭き取っている、その時 先ほどのこともあり美紀の心ここに在らずと言った様子を見兼ねた俺は声を掛けてみる

 

 

「…あっ、いえ……少しボーッとしてただけです…」

 

 

「そうか……あんまり気にするな…って訳じゃないが、抱え込みすぎるのも良くないぞ…」

 

 

あの後、結局俺が手を貸す事なく 美紀は自分1人で奴を殺した

 

 

胴体に突きを放ち倒したあと、上に乗りひたすら木刀で頭を殴って 活動が停止するまで殴り続けていた…最後、動かなくなったのにも関わらず殴り続けていたのは流石に止めたが、それでも美紀は1人で『奴ら』を前に勝利を収めた

 

 

「…いつかこの時が来ると思ってたが…まさかパンデミック発生から2日目で伏線を回収するなんてな……ま、俺で良ければいつでも相談に乗るさ」

 

 

「…先輩は怖くなかったんですか?…その…殺すのが…」

 

 

「…怖くないと言えば、嘘になるな」

 

 

「…だったらなんで…奴らを相手にして、殺して どうしてそこまでケロッとしていられるんですか?…」

 

 

よく見ると、美紀の手先や肩は震えていた 俯いておりその顔は今どうなっているかわからない

 

 

「…俺だって、怖いものは怖いさ もしかしたらヘマして噛まれて、そのまま奴らみたいになって…そのまま誰かに殺されるまで彷徨い続けるなんてな…」

 

 

「…それでも俺は「ゲームがしたい」「美味しい料理が食べたい」「漫画の続きが読みたい」…なんてしょうもないけど、何よりも『楽しい人生の続き』が見たくて…まだ見ぬ楽しみや幸せを知りたいから、全部諦めて手放したく無いから、もがいて 足掻いて どんなに辛い事があっても前を向き続ける……それが、俺の心の原動力になってるんだと思うよ」

 

 

「…楽しい人生の、続きですか…」

 

 

「そう……俺は中学の頃に両親を失くしたって話はしたよね…」

 

 

「確か、交通事故 でしたっけ…」

 

 

「そう あの時の俺は思ったよ…「どうして俺の親が死ななくちゃいけないんだ?…」ってね、もう荒れに荒れたよ…最後は結局、俺も親の後を追おうと本気で考えるくらいにはね…でも、それでも俺は そんな馬鹿な事して自分も死ぬのは辞めようと思うようになった…」

 

 

「それは…どうしてなんですか?…」

 

 

「…まず、ある人から言われた事がきっかけになったんだ…「貴方までも死んで、それで本当に良いの?その決断は 本当に、亡くなった貴方のご両親が望んでいる事なの?」…ってね、勿論 最初は俺もその人に対して「あんたに一体何がわかるってんだ!」なんて言ったりして、口論にもなった……でも、その人だけは最後まで 俺が自殺するのをやめると言うまで、親身になって 寄り添ってくれたんだ……両親の遺産だけが目当ての親族とは違ってね…本当 自暴自棄になっていた俺を止めてくれたあの人には、今でも頭が上がらないよ…」

 

 

「…ちなみに、その人とは今も?…」

 

 

「ああ、何ならほぼ毎日顔を合わせるくらいだ…もしかしたら美紀も知ってるかもね…」

 

 

「?…」

 

 

「ま、いつか知る時が来るよ、きっとね……それで それからの俺は変わった」

 

 

「その人と話をしてから、親戚に引き取られる予定だった俺は…自分でそれを拒否したんだ、両親との思い出を手放したく無いって言ってね…そんな身勝手な話だったけど、その親戚…まぁ俺の叔父に当たる人なんだが、その人は他の親族と比べて 本当に、唯の善意で 下心無く俺を引き取ろうとしてくれた人だったんだが…その事を伝えるとその俺の選択に満足したように、最初から分かっていたように 快く俺の選択を受け入れて尊重してくれた」

 

 

「…すごい、良い人なんですね…」

 

 

「ああ……ま、それで そのまま親の住んでいた家に1人で暮らし始めて、高校に上がってからは集めていたミリタリーグッズでサバゲーに行ってみたり、免許取って親の遺したバイクでツーリングやらキャンプやらに行って、バイトで貯めた金で美味いもの食べたりとか新作のゲームやら漫画やらを買って…少ないけど、出来た知り合いとかと遊びに行ったりなんてして…人生って楽しいんだって改めて、いい意味で思い知らされてね…」

 

 

「俺はいろんな人の助けを借りて、『親の死』という悲劇を乗り越えて、人生何事も明るく前向きに…そして、失いかけて、それでも寸での所でしがみ付いて再び手に入れた『日常』を、こんな世の中になってしまったからこそ取り戻す為に、こんな所で挫けている訳には行かないのさ…ま、これが 俺が前を向き続けるる理由かな…」

 

 

随分長々と話したが…その間も 美紀は俺の話を聞いてくれていたようで

 

 

「…先輩って、凄いんですね…他の人が手を貸してくれながらもその様な出来事を乗り越えて 立ち上がって、それで前を向いて進み続けるなんて…」

 

 

「人は強い、心さえ折れなければ本人が望む限り何処までも成長し続ける事ができる…限界なんてないさ、人一倍濃い人生を送ってきたと自負している俺が言うから、間違い無しだ」

 

 

「何ですかそれ…でも、先輩がそうやって前を向き続けようとする理由、何だか少しわかる気がします…生き続けようと頑張る理由は、楽しい人生の続きを見る為…覚えておきます」

 

 

「…今はそれで良いさ、だが その自分が何の為に生きるのか…その答えは自分で見つけ出すんだぞ?」

 

 

「はい!」

 

 

「…そいじゃ…これで幾分か、気分はマシになったか?」

 

 

「はい…それでもやっぱり罪悪感はありますね…」

 

 

「それで良い、むしろその罪悪感を忘れたら駄目だぞ」

 

 

「肝に銘じておきます」

 

 

「よろしい」

 

 

美紀のSAN値もある程度回復したようだ…そしたら次にやることと言えば…

 

 

「…それじゃ、本命の店内探索 行くとするか」

 

 

「そうですね…今の時刻は…15時半って言った所ですか…」

 

 

俺達は今回の外出での本命であると言っても過言ではない、銃砲店の探索に移る事にした

 

 

美紀が腕時計で現在の時刻を教えてくれた、15時半か…もう1箇所の寄り道も考えて…探索に充てられるのは30分程度だろうか?

 

 

「…それじゃあ、内部に入っていこうか…」

 

 

「まだ中に奴らはいるでしょうか…」

 

 

「うーん…それっと言った嫌な気配はもう特にしないから大丈夫だと思う、それに ここでずっと話してたけど1体も出てこなかったしね」

 

 

まぁそれでも警戒はしていこうか と、俺は付け足し リグのホルダーからフラッシュライトを取り出して、暗い店内を照らし足元に気を付けながら店の中へ入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…やっぱり粗方持って行かれちゃってるかぁ…」

 

 

「今見つかってるのが、銃のクリーニングキットと潤滑油にスリング、あと…12ゲージ?の弾がバラで13発と、25発入りの箱が2つ…あとは、えっと スラッグ弾?の15発入りの箱が2個…ついでにサボット弾ってやつが20発きっちりだけ…ですね」

 

 

「弾薬だけあってもなぁ…」

 

 

俺達はまず店内をぐるっと1周したが、所々中で撃たれた死体が転がっていたりするだけで動く奴らの姿は確認されなかった

 

 

ただ、トイレの中から呻き声が聞こえてきたので、近くにあった棚などを音を立てないよう慎重に扉の前に移動させ出てこれないようにした

 

 

と言う訳で、それ以外からは呻き声も気配もしなかったので俺達は探索に集中できているわけだ

 

 

だが、今見つかっているのは弾薬やその他整備用品などが中心で 肝心の銃本体が見つかっていない

 

 

「うーん…弾薬はもう十分あるしなぁ…いっそのことバックヤードでも見に行くか?…」

 

 

弾薬自体は棚に残っていた物や、焦って箱を開けて取りこぼしたのであろうバラの12ゲージ弾薬で充分だろう

 

 

だが、それらを撃ち出す銃本体が無ければ宝の持ち腐れだ

 

 

しかも見つかった弾薬が見事に12ゲージ(詳しく言えば鹿撃ちなどで使うバックショット弾)だけだったので見つかったとしてみこの口径に合う物じゃないと駄目だとという…

 

 

結局、美紀と俺はバックヤードを探す事にした

 

 

そうして、俺達はバックヤードに向かい…

 

 

「…ここの棚にもないか…奥の方も調べ、て……これは…」

 

 

「…?どうしたんです?先ぱ…い…」

 

 

バックヤードの中を調べてみたが、入ったすぐの所には銃は見当たらず 奥へ行ってみる事に…だがそこには、予想外の光景が広がっており、俺と美紀は言葉を失った

 

 

「…これは……そう言うことか…」

 

 

まず先に動いたのは俺だった、俺は止まっていた足を再び動かして俺達を驚かした ソレ の元へ辿り着く

 

 

「…噛まれたから、誰かを襲う前に 自分でケリをつけたってわけか…」

 

 

バックヤード最奥、そこにあった物は…1つの遺体だった

 

 

その遺体の手には、俺達が探し求めていた銃である『レミントンM870』が握られていた、この人…首から掛けてある名札から見るにここの店主のようだ

 

 

だが、すでに生き絶えたその遺体の腕には噛み傷があり、頭は手に持っている散弾銃で撃ったのかグッチャグチャだ…噛まれたあと、ここに逃げ込んでは誰かに迷惑を掛ける前に自分でケリをつけたのだろう

 

 

「…先輩…この人…」

 

 

「…ああ、腕を噛まれてる……もう自分が助からないのを悟り、誰かに迷惑を掛ける前に銃を使って自分で……と言った感じだろうな…」

 

 

「…凄い精神力ですね…自分で、自分の頭に引き金を引くなんて…」

 

 

「ああ……よし…少し、失礼しますよ…」

 

 

「先輩?何を…」

 

 

俺は遺体の…古村さんの握っていた銃を手に取り床に置く、そのまま壁に寄りかかって事切れていたいた古村さんを床に横たわらせ胸の上で手を組ませ近くにあったハンドタオルを原型を止めていない顔に掛ける

 

 

そのまま俺はすぐ横で正座し、古村さんのその決断に敬意を払い 合掌する

 

 

俺の意図を理解した美紀は俺の隣で同じく正座し、手を合わせる

 

 

10数秒の間、俺達は黙祷を捧げ 俺はせめてあの世では安らかにと祈っておいた

 

 

「…古村さんの銃…大変身勝手ながら、お借りします…全てが終わって、平和になれば お返しに参りますのでどうか、私のわがままを聞いてください…」

 

 

そして俺は、再び銃を手に取り 届くかは分からないが、古村さんの銃を拝借する旨 伝えておいた…

 

 

                              …チャントカエシニコイヨ

 

 

「…ちょっと、先輩 流石にそんな悪ふざけは笑えないと思いますよ…」

 

 

「え?今のって美紀が言ったんじゃないのか?…」

 

 

「「…え?」」

 

 

「…うん、今のはきっと古村さんに声が届いたんだよ…」

 

 

「…逆にそうであってほしいです」

 

 

まぁそんなハプニング?もあったが、俺達はとうとう銃を手に入れる事ができた

 

 

「…でもやっぱ、実銃って重いんだな…使用弾薬は12ゲージっぽい…あ、てかこれスコープ乗ってるし…倍率は2〜4って感じか…スリングも付いてるじゃん…カスタムしてたんだろうな…」

 

 

「実銃となるとやはり玩具と違ってほぼ全ての部品に金属を使ってたりするから重くなるのでしょうか?」

 

 

「確かにそうかもね…ちなみにこれ弾は?…入ってるっぽいな、今は空薬莢だと思うけど、セーフティ掛かってないじゃん…危なかった〜」

 

 

俺はフォアエンドを少し引き、薬室内を確認すると中には空薬莢が入っており、すぐさま連続でフォアエンドを引きチューブ内と薬室内にあった空薬莢と実包を排莢させた

 

 

日本国内で売られているのは薬室含め3発までしか弾が入らなかったりするが、まぁ銃を手に入れれただけで十分な収穫と言えるだろう

 

 

「…他にも銃があったりしないか?」

 

 

「まだ、部屋の中をくまなく探したわけではないので…探してみますか」

 

 

「ああ、それに できれば美紀の分も確保しておきたいんだ」

 

 

「…仮にあったとしても私に扱えるでしょうか…」

 

 

「安心しろ、ネットとかゲームで何度も練習したから人に教えるなんて余裕だ」

 

 

「いや逆にそれめっちゃ心配なんですが?…」

 

 

などと話していたら…

 

 

「…あ!普通に壁のラックに掛かってんじゃん!?」

 

 

「え?あ、本当だ…どうして気づかなかったんでしょう?」

 

 

「ウッドストックだし、若干壁の模様に見えなくはないからか?」

 

 

「まぁそれがらしいっちゃらしい理由ですね」

 

 

なんと、バックヤードに入ったすぐ真横の、恐らく修理などで使用する机の横にあるラックに1丁のライフルが掛けられているのに気がついた、意識して見ないとよく分からないほど背景の壁に溶け込んでおり、改めて探していなかったら見つけれずショットガン1丁のみの成果で止まるところだった

 

 

俺はスリングでショットガンを首に掛けて後ろに回し、掛けられているライフルを手に取りよく見てみる

 

 

「これは…『サベージ220』か?…スコープも付いてるし…倍率は6〜10って言ったところか、スリングもちゃんと付けてある…」

 

 

その銃の名前は『サベージ220』と言いボルトアクション方式のハーフライフル(弾丸に回転を掛け弾道と飛距離を良くする溝 ライフリングを銃身の半分(half)まで掘った猟銃)である、使用する弾薬はサボット弾と言いショットガンで使用するスラッグ弾(1つだけの弾を発射する熊などを仕留めるのに使う弾)をレベルアップさせた感じの弾である、こちらも数は少ないが拾っているので持って行っても使えるだろう

 

 

「…これは美紀が持っておこう」

 

 

「でもさっき言ったように撃ち方知らないですよ?」

 

 

「今度時間があれば教えるよ…それじゃ、それを持ち運ぶケースを探そう…」

 

 

「それなら店先に置いてありましたね」

 

 

そうして俺達は、バックヤードを出る際 振り返り、横たわる古村さんに対して1礼してからその扉を閉めた…

 

 

「…全てが終わったら、返しにきましょうね」

 

 

「…だな、ちゃんと 返しにこよう」

 

 

俺と美紀は全てが終わり平和になった際には 再びこの場所に戻ってこようと、1つの目標ができた

 

 

そのまま店先でガンケースを選ぶ事になったが…互いに迷彩柄の化学繊維でできた物に決定し、俺は散弾銃 美紀にはハーフライフルと各々に1丁ずつ、人類を食物連鎖の頂点に君臨させた 鉄の猛威 『銃』 を手に入れる事ができた

 

 

これで他の友好的では無い生存者と遭遇した際、抑止力として 単純な『力』として その猛威を奮ってくれるだろう

 

 

なんて考えながら俺たちは店を後にし、バイクの元へ戻る

 

 

「えーっと…今の時刻が…16時過ぎ…って言ったところか、予定通りだな」

 

 

「確か、もう1箇所 行くところがあるんでしたっけ?」

 

 

「ああ、銃を手に入れれなかった場合は行かないつもりだったが、無事弾薬と銃を手に入れれた訳だから 少し見に行ってみようかと思ってな」

 

 

「どこにですか?」

 

 

「ああ…その行き先ってのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        俺達の学校 巡ヶ丘高等学院だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、て事で第6話 どうでしたか?
冒頭でも言っていたように睡眠時間削りまくって書いてるのでミスとか連発してると思います(て言うか絶対してる)
誤字脱字に気づいた方、お気軽お声かけください♪

あと今回 とうとう入手した今作品初の銃に関してまとめておきます


1.『レミントンM870』 使用者 秋乃

ジャンル 散弾銃

使用弾薬 12ゲージ バックショット弾&スラッグ弾 
      (両方合わせて95発分になり、今後はこれを切り崩しながら使わせていきます)

装弾数 3発 (薬室の分含めて)

アタッチメント スリング スコープ(2〜4倍)

備考:元は銃砲店の店長、古村さん所有の物だが 本人が噛まれ既に自決しおり、その銃を『借りる』という条件で持っていくため全てが終わった後には返しに来る必要がある。


2.『サベージ220』 使用者 直樹

ジャンル ハーフライフル

使用弾薬 サボット弾 (全てで20発しか無い、どこかで補給した方が良いかもと思っている)

装弾数 3発 (薬室の分含めて)

アタッチメント スリング スコープ(6〜10倍)

備考:こちらは恐らく整備(修理)が終了した物と思われるため、所有者が現れ次第返却する必要がある…かも


尚両方の銃にセットでガンケースがあるので持ち運びも安心!




…以上です、明日…今日も学校あるのでもう寝ます…おやすみなさい





P.S 途中主人公の回想?で出てきた「あの人」誰か予想できますか?
結構ヒント出しているので、わかった人は…その人のビジュアルを感想の方で教えてください♪
(名前は出さないで欲しいかも)

追記 その2
アンケートで見事に1票も入らなかったサベージくんですが…個人的には結構好きな銃なので「美紀にも銃持たせたいけど主人公と同じ散弾銃にするのもな…」と思い登場させて頂きました、最初はM360Jとか持たせようと思ってたんですが、やはり銃自体を撃ったことの無い女の子に拳銃は難しそうだったって言うのも理由の一つです
(実際 初心者が銃を撃つとなると拳銃よりライフルなどの長物の方が命中率が高かったりする)

ぶっちゃけどれくらいの文字数が読み易い?

  • 0〜2500文字(余裕)
  • 2500〜5000文字(まぁまぁ余裕)
  • 5000〜7500文字(ふぅ…ぜ
  • 7500〜10000文字(仕上がった…)
  • 10000文字以上 (΄◉◞౪◟◉`)
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