少しでも暇つぶしになれば幸いです。
〜とある場所〜
私には前世の記憶というものがあるらしい。
はっきりした記憶は無いけど、自分の名前、とあるゲームが好きだったこと、友達がいなかったことぐらいは覚えてる…。
何で友達がいなかったことを覚えてるの!?転生して記憶がない状態ならそういうネガティブなことは忘れさせてほしいなー!?
こ、こほん。ところで、好きだったゲームについての話なんだけど、東方Projectっていう作品のゲームなんだよね。原作は私自身、弾幕ゲーが全然得意じゃないってのがあってストーリーを最後まで読めてないんだよね〜。なんなら、やったことある作品も3面までしか進められてないから誰が敵として出ててくるとかほとんど知らないんだ〜。
どうして東方Projectの話をしてるかって?それは、前世の記憶があるって言った時点で察してたとは思うけど、今私がいるのは、東方Projectの世界なんだよ!
好きな作品の世界に転生できるって素敵なことでしょ?だから、ここが東方Projectの世界ってわかったときにはとってもテンションが上がっちゃって!まあ、ここが東方Projectの世界だって気付くのに結構時間がかかったんだけどね…。
何でわかったのかっていうと…ってその前に自己紹介を忘れてた!私の名前は、
自己紹介もすんだところで話を戻すんだけど、何でここが東方Projectの世界ってわかったのかっていうと特別なことは何もなくて、単純に登場人物に出会ったからなのです。はい。ホントに、東方Projectが好きって言っときながら登場人物に会うまで気づかないってファンの風上にも置けないよね。申し訳ない…。
そんな私の身の上話は置いといて!転生してからの私の物語を聞いていってほしいな。では、どうぞ。
・ ・ ・ ・
私が目を覚ましたのは、見覚えのない部屋の中だった。はて、どうしてここにいるのかと、記憶を掘り起こそうとしても、布団の中でゲームをしながらうとうとしていたところで途切れている。
「落ち着け、まだあわてるような時間じゃない。私は、音琴香苗、16歳、ゲームが大好き。よし、覚えてる。」
と独り言をつぶやきながら、外につながってそうな障子を開け、部屋の外に出て辺りを見回す。どうやらここはあまり舗装されていない地面がアスファルトじゃない、土でできたタイプの農道のようだ。
「道幅はけっこう広いね。農道っぽいし、あまり舗装もされてないようだけど、車が余裕を持ってすれ違えるくらいには道幅ありそうだし、人がよく通るのかな?」
異常事態なのにも拘らず、我ながら冷静な判断ができたなと少し自分を褒めながら、自分が出てきた部屋を振り返る。そこには、
しかし、私の優秀()な頭はこれらの事実から一つの仮説を立てていた。
「もしかして私、ちっちゃくなってるぅぅぅ!?」
そう、広い道も、大きな果物も、果物に対してやけに小さいと思った社も、自分が小さくなったがゆえに感じていたことだったという仮説だ。それを裏付けるように、地面をよく見てみると、いつもよりやけに地面が近いように感じるのだ。
「これってやっぱり、異世界転生ってやつかな!?いやでも、赤ちゃんになってないし、異世界転移ってのもあり得る?どっちにしろ、ワクワクしちゃうね!おや?」
ふとそばを見ると、近くに澄んだ水たまりがあったので、なんとなく覗き込んでみた。水たまりから覗き返してきたのは、いつもの自分の姿ではなく見知らぬ黒髪赤眼の美幼女だった。
「うえええええっ!?」
自分が小さくなっていることはすぐに受け入れられていたが、容姿まで変わってしまっていることに驚き、大きな声を出してしまった。そのままポカンと立ちすくんでいた私は、道の向こうの方から人が近づいてきているのに気づかなかった。
・ ・ ・
「そこの小さなお嬢さん、大きな声を出してどうしたんだい?」
「あっ、えっ、はい?わたし?いやなんでもないです。大丈夫でs(ぐぅぅぅぅ〜」
突然話しかけてきたおじさんに、大丈夫ですと言おうとした途端にお腹がなってしまうというテンプレじみた流れに恥ずかしくなってしまい、顔が赤くなる。おじさんはきれいな服の懐から小さめ(私にとっては大きめ)のおにぎりを取り出し、笑いながら聞いてきた。
「はっはっは!お嬢さんのお腹は正直だな。ちょうどここに食べきれなかった昼の残りの握り飯があるんだが、食べるかい?」
「い、いただきます…」
「ああ、遠慮なく食べな。」
おじさんから貰ったおにぎりはミニサイズになった私には少し大きく、食べきるのに時間がかかってしまった。
「おじさん、おにぎりごちそうさまでした」
「こっちこそ、食べきってくれてありがとうな」
「お礼に、このくだものどうぞ!」
「いやいや、これってこのお社に供えてあったものじゃないか。勝手に人の物をとっちゃ駄目だろう。それに、このお社に祀られてる神様はどんな願いも叶えてくれる強そうな神様なんだぞ?そんな神様のお供え物を取るってぇと後々怖いぞ〜?」
「
「そういう冗談はよしたほうが良いぞ?まぁでも、もし本当にお嬢さんが神様ってんならこの革袋いっぱいの酒をひとつ呑みてぇな。もともと水が入っていたんだが、なくなっちまった。仕事終わりなもんだから」
「
お腹がいっぱいになってから、なぜか口が思うように動かない。それに、なんだか体の奥底から温かいものが感じられる。そんなことを思っていると手が勝手に動き、おじさんが持っている革袋に手をかざす。すると、ぺらぺらだった革袋がどんどん膨らんでいく。
十分に革袋が膨らみ止まると、またもや私の手が勝手に動き、小さい子がよくやる〈えっへん〉のポーズをとった。手に持った革袋が膨らんでいくのを見ていたおじさんは、驚いた様子で革袋の口を開き、匂いを嗅ぐ。
「こりゃ驚いた。こいつは本物の酒だ!お嬢さん、いや貴女は本当に神様でしたか!とんだご無礼を、申し訳ございません」
「
「お嬢さんがそう言うなら敬語もやめさせてもらうな。何で信じるかって?そりゃあ妖怪がたくさんいるくらいだから神様もいるだろうってことさ。それに、何もないところから酒を作り出すなんて人間には到底できないことだ。それをやってみせたんだから嫌でも信じるさ」
「
「ありがとうな。おやすみ」
そうしておじさんとの会話を終え、私の体は勝手に社の中へ戻ろうと動く。障子に手をかけたところで体が自分の意志で動くようになり、おじさんの方を振り返ると、少し離れたところでお酒を飲みながら歩いてるのが見えた。むこうは見えていないだろうが、小さく手を振ったあとに社へ入った。
社へ入り、障子を閉めると勝手に口が離していたように、確かに凄く眠気を感じる。それに、体の奥底から感じていた温かいものは、消え去っていた。1度目が覚めてからあまり時間が経っていないが、考えるのは後にして一旦寝てしまおう。それくらい眠かった。
「何が起きたか考えるのは、次に起きたときでいいや。おやすみなさ~い」
自由に動く口で独り言をつぶやき、部屋の真ん中に置いてあった縦長のクッションに横になり、目を瞑るとすぐに意識が遠のいていった。
はじめまして。ハリボテインパクトです。
この作品は見切り発車かつ初投稿でプロットなんぞありません。次話がいつになるかも未定です。
それでもよろしければ、しおり、お気に入りなどしていただきまして、気長におまちください。
2024/12/15追記 おじさんとのやりとりの口に出していないセリフに線を引いてみました。