明けましておめでとうございます。
今年も引き続き投稿していきたいと思います。
前回終盤からの引き続きのお話になります。
また、独自解釈が多分に含まれます。
「先生、起きてるんだよね?」
先生に呼びかけてみても反応はなく、瞳を閉じたまま。
「ねぇ、セイアちゃん? 先生、本当に起きてるの? 返事してくれないけど。」
『あぁ、起きているはずだ。狸寝入りをしているだけだろう。だけどミカ、本当に先生を起こすつもりかい? 先生としても、理由があってそうしていると思うのだが?』
「もっちろん! だって私、先生とお話したくて仕事を終わらせたんだから! ね、ヒナちゃんだって先生とお話したいでしょ?」
ヒナちゃんに聞くと、モジモジと恥ずかしそうにしながら答えた。
「う、うん……私も、先生とお話したい……」
「風紀委員長? あなた、さっきミカさんを止めてましたよね? まぁ、私も興味がないと言えば嘘になりますけどね。」
イロハちゃんもなんだかんだ乗り気みたい。やっぱりみんなも先生とお話したいんだね。もっと素直になればいいのに。
……あれ? もしかして、2人とも先生の事が好きなのかな? だとしたら私、ライバルに塩を送ってたりするのかな?
そう考えていると、セイアちゃんがため息をついた。
『はぁ……今ミカは、2人とも先生が好きなんじゃないか? って考えているだろう? その考えであっているはずだ。その2人も先生のことが好きに違いない。』
セイアちゃんの言葉に、ヒナちゃんたちは反応した。
「そ、そそそ、そんなこと、どうして初対面のあなたにわかるというの!」
「私はマコト先輩に先生を懐柔しろと言われてるだけですよ。……まぁ、先生のことは嫌いではないですけどね?」
ヒナちゃんはお顔を真っ赤にして、すごく慌ててるからわかりやすいなぁ。
イロハちゃんもなんだかんだ先生のことが好きみたい。指で頬をかきながら少し赤くなっているし。2人とも、先生のことが好きなんだ……
先生をちらっと見ると、まだ寝たフリをしているみたい。
「先生、今も聞いてるんだよね?」
先生に聞いても、相変わらず反応はない。
……このまま起きないつもりなんだ? そうはさせないよ。
先生を起こすためには、2人の協力が必要だね。
私は先生に背中を向け、ヒナちゃんたちに向き直った。
「ふーん、2人とも先生を狙ってるんだ? やっぱり、ゲヘナの子は油断できないねー。それなら、ここでわからせておくべきかな☆」
そう言いながら、私はヒナちゃんたちにウインクをしながら、銃を手に取り、コッキングハンドルを引く。
部屋にガチャリと撃鉄を起こす金属音が響き渡った。
一瞬の沈黙のあと、ヒナちゃんたちは話し始める。
「……なるほど、ミカはそういう選択をするのね。残念だわ。」
「はぁ……面倒ですが、仕方ないですね。お供しますよ風紀委員長。」
そう言うと、2人とも銃の撃鉄を起こす。
部屋中が緊張感に包まれ、ピリピリとした空気になった。
『……なるほどな。ここにナギサがいなくて良かったよ。いいだろうミカ、私が君を見届けてやろうじゃないか。トリニティの威信を賭けて、思い切りやるといい。』
「オッケー、セイアちゃん! それじゃ、いっくよー☆」
私がそう言うと、腕を掴まれた。
「ちょっと待って!」
振り向くと、先生が起き上がっていた。
「ケンカはダメだよ! みんなも落ち着いて……って、あれ?」
先生はキョトンとした顔でみんなを見ていた。
まぁ驚くのも無理はないよね。先生は私たちを止めようとしたんだろうけど、私たちは音を出しただけで、最初から銃なんて構えてなかったんだから。
「あはっ☆ 先生やっと起きたね。」
「えっ? これはどういうこと? みんなケンカをしようとしてたんじゃ……」
先生がキョロキョロと私たちを見ながら驚いている。
ふふっ、目を丸くしちゃってる先生、ちょっとかわいいかも。
「もー、まだわからないの? 先生はまた騙されたんだよ。私が悪い子だってこと、忘れちゃった? セイアちゃんみたいな小難しいことは無理だけど、簡単な演技くらいなら、私だって出来るんだから。」
私がネタばらしをすると、ヒナちゃんたちも話し始めた。
「ご、ごめんなさい先生。でも、私も先生とお話したかったから……」
「私たちを差し置いてサボってるからドッキリなんてされるんですよ。先生の仕事を片付けたんですから、労いの言葉ぐらいかけてくれてもいいんじゃないですか?」
そこまで聞いて、先生は状況を把握したようだった。
「……あぁ、なるほど。私を起こすため、ケンカが始まると思わせるように一芝居打ったってわけだね。」
「正解ー☆ でも、先生ひどいよ。せっかくお話しようとしたのに、寝たフリなんてしてるんだからさー? なんでそんなことしてたの?」
先生にそう尋ねると、先生は顔を赤らめながら答えた。
「あはは……最初は本当に寝ちゃってたんだ。そのあと寝ぼけてミカを抱きしめちゃったみたいでね。夢かと思ったけど、触れた時の感触が妙にリアルだったから、これは夢じゃないって気づいて目が覚めたんだ。」
先生の説明を聞いて、私の顔は火が出そうなくらい熱くなっていた。
「え、先生? あの時起きてたの!?」
どうしよう……匂い嗅いだこと、バレちゃったかな……?
「うん。でも、生徒を抱きしめるなんて、先生がすることじゃないでしょ? 慌ててどうしようって考えた結果、寝たフリをしてやり過ごそうかなって……」
あ、バレてないかも。良かった……
「ごめんね、ミカ。急に抱きしめられて気持ち悪かったよね。ところで、なんでミカは私の隣で横になってたの?」
「え!? そ、それは……その……」
正直に言えるわけもなく、私が言い淀んでるとイロハちゃんが割り込んできた。
「ミカさんは先生の匂いを嗅ぐために密着してたんですよ。」
「い、イロハちゃんっ!! なんで言っちゃうのっ!? イロハちゃんだって、先生のことペタペタ触ってたでしょ!」
「まぁ触りましたけど、私は変なことしていないですよ。それに、生徒を抱きしめてしまうような先生が私を叱る……なんてことはしないですよね?」
ニヤリと笑うイロハちゃんに、先生は痛いところを突かれ、うっ……っとうめき声を上げていた。
「それを言われると……でも、今後は寝てる人にイタズラをしちゃダメだからね?」
『ふむ、確かに悪戯は良くないな。だが、元々は先生が寝ていたことから始まったわけだろう? それに、ミカは先生の仕事の手伝いを成し遂げた。であれば、それに見合う報酬があって然るべきだ。それこそ、大人としての責任、というものだろう? そこで先生、ミカを抱きしめてやってくれないかな? ミカが望んでいたことだからね。』
セイアちゃんがとんでもないことを言い出した。
「ちょ、ちょっとセイアちゃん!? なんでそういう流れになるの!?」
『それと、そこのゲヘナの生徒2人もきっと先生の抱擁を望んでいるはずだ。せっかくだから、3人にしてやるといい。先生なのだから、生徒には平等にしないといけないだろう?』
セイアちゃんの言葉を聞いて、ヒナちゃんが慌てだした。
「ゆ、百合園セイア!? あ、あなた、一体何を言っているの!?」
「へぇ、面白そうなことを言いますね。あ、良ければ私を最初に抱きしめてくださいね。そのあと二人の反応を楽しみますので。」
い、イロハちゃん、なんでそんな余裕そうなの? ……あ、よく見たら赤くなってる。
「いやいや! 私がなんで寝たフリをしていたか聞いてたよね!? やらないよ!? 私は先生で、大人なんだから、生徒にそんな事しないよ! それに、こんな私なんかにハグされたって嬉しくないでしょ?!」
「「「……」」」
「ほら、普通は押し黙るぐらい嫌がるんだから、セイアも変なこと言わないの! めっ!」
『……先生、君は実にバカだね。普通、何とも思っていない人間に触れたりしようなんて思わないさ。その証拠に、そこの3人を見てみるといい。』ジトー
「えっ?」
……ホント、先生って自分がどう思われているか、良く分かってないよね? こうなったら、ちゃんとわからせてあげないとね?
「ヒナちゃん? イロハちゃん? 一緒に先生を抱きしめるっていうのはどうかな?」
「……そうね。なら、私は左側からいくわ。」
「しょうがないですねぇ。私は右側から行きましょうか。ミカさんが一番力が強そうだし、正面からでいいんじゃないですか? そしたら、抵抗も出来なくなりますよね。」
先生ににじり寄り、包囲していく。
……途中、トテトテと足音が聞こえたような気がしたけど、気のせいかな?
「み、みんな? そんな獲物を見るような目でどうしたの? 寝たフリをしたのが嫌だったのかな? ご、ごめんね?」
「ううん、怒ってないよー? これから先生の時間をちょっともらうだけだから、気にしないで?」
「ごめんね先生、ほんのちょっとだけだから……」
「別にやましいことをするわけじゃないですからいいじゃないですか。先生は大人しくしていてくださいね?」
『お楽しみの邪魔をするのも無粋だし、私はこれで失礼するよ。あ、そうだ先生。今度トリニティに来たら、私にも頼むよ?』
そういうと、セイアちゃんは通信を切った。
「ちょっとセイア!?」
「先生? 今は他の女の子の名前は呼ばないで、目の前の私たちに集中してほしいなー? ……覚悟は出来たかな?」
そういうと、私たちは先生に触れる……
ーー寸前で、さっき聞こえたトテトテという足音が、部屋の外からした。
足音のする方向へ顔を向けると、先生の部屋のドアが開く。
「ミカお姉ちゃんー? イロハ先輩ー? ヒナ先輩ー? どこに行ったのー?」
眠そうな目をこすりながら、イブキちゃんが入ってきた。
「い、イブキちゃん?」
「あー! みんないたー! イブキ、一人で寂しかったんだよー?」
「……まぁ、あれだけ騒げば起きてきますよね。」
さすがにイブキちゃんの前で、力尽くで先生を抱きしめるっていうのは良くないよね……
そう思いながら諦めようとしていた時。
「ねー? どうしてみんなで先生を取り囲んでるのー? もしかして、先生にぎゅーってするのー?」
トテトテとかけ寄ってきたイブキちゃん、でも、結構勢いがあるかも……
「先輩たちだけずる〜い! ねーねー! イブキも混ぜてー!」
そういうと、イブキちゃんが私たち目掛け飛び込み、抱きついてきた。
「きゃっ!」
その勢いで、私たちも先生に抱きついてしまった。
「えへへー♪ みんなでぎゅーってするの、楽しいねー!」
「そ、そうだね……」
嬉しいけど、恥ずかしさの方が勝っちゃってるよ……!
さっきは私から先生を抱きしめようとしてたのに……!
……あ、ヒナちゃんは真っ赤になってるし、イロハちゃんはなんかポーっとしてる。
「はぁ……みんな、今日だけだからね?」
少し困ったような顔をしていた先生だったけど、観念したのか優しい笑顔を向け、私たちに腕を伸ばして抱きしめてくれた。
きっと顔は真っ赤になってる。それに、自分でも聞こえるくらい、心臓がドキドキしてる。
それでも、先生の腕の中は不思議と安心した。
許されるなら、ずっとこのままでいたいなーって思っちゃうくらい。
……今日のことは、きっと忘れられないだろうなぁ。
公式から、年始にあんな動画やショートがアップされたものですから、延々とリピートしていました。
そのため、次回のお話はまだ考えていません……