ミカ「留学?」   作:森竹

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給食部から風紀委員会へ移動する道中の話です。
間が空いて、前回までの話、忘れちゃってたらごめんなさい……


ミカ「覚悟はできてる?」

 美食研究会の4人を拘束したあと、風紀委員会に引き渡しに行こうとしたけど、一つ問題があった。

 

 「あ、この子たちをどうやって連れて行こうか? 虎丸にはもうスペースないよね?」

 

 私が尋ねると、フウカちゃんがそっと手をあげた。

 

 「あの、良かったら私たちの車を使ってください。荷台の荷物を下ろせば、なんとかなると思います」

 

 「いいの? ありがとうフウカちゃん!」

 

 私がお礼を言うと、ハルナちゃんが口を開けた。

 

 「フウカさん! 私たち、あれだけの苦楽を共にしてきた仲間じゃないではありませんか! それなのに敵に塩を送るだなんて、あんまりですわ!」

 

 それを聞いたフウカちゃんの顔つきが変わる。

 

 「誰が仲間よ! いっつもこっちのことを顧みないで巻き込んでくるじゃない! これまでに車を廃車にされたり、簀巻きにされたり!! 仕舞いにはあなたたちのせいで、巷では私、美食研究会の一員だなんて言われたりするんだから! 誰がテロリストよ! 私は給食部なんだから!」

 

 う、うわぁ……フウカちゃんって、こんな風に怒るんだね……でも、迷惑って言わないフウカちゃんは優しいね。…だから付け込まれると思うんだけどなぁ?

 

 「さぁ、ミカさん? このバカたちを積み込んじゃってください♪」

 

 「う、うん……それじゃあ、車借りるね?」

 

 給食部の車にハルナちゃんたちを乗せ、牽引用のロープを取り付けた。

 

 「よしっ! イロハちゃん? こんな感じでいいかな? 上手く結べたと思うなー!」

 

 「……良く結べていますが、こんなにガチガチでいいんですかね?……これでは私では解けないので、解く時もミカさんがやってくださいね?」

 

 「オッケー! 任せてよっ!」 

 

 虎丸に乗り込もうとしたらフウカちゃんが駆け寄ってきた。

 

 「皆さん! あの……言いたい事があるんですけど……」

 

 「やだなぁフウカちゃん。別にお礼なんていらないよー? だって私たち友達でしょ? 友達を助けるのに、理由なんていらないじゃん?」

 

 私がそう言うと、フウカちゃんはきょとんとした顔をする。

 

  あれ……フウカちゃんは、私のこと友達だって思ってくれてなかったのかな……

 

 「……あはは。ごめんね? 急にそんなこと言ったら迷惑だよね?」

 

 「い、いえ! 違います! そう言って貰えると思ってなくて……私もミカさんのこと、友達だって思ってますよ」

 

 そう言いながら、少し頬を赤くしながらモジモジとするフウカちゃん。

 

 「フウカちゃん、赤くなっちゃってかわいいー! それで? 何を言おうとしてたのー? 私で良ければなんでも言ってね♪」

 

 上機嫌になって尋ねる私に、フウカちゃんは笑顔で応える。

 

 「わかりました! では、改めて、助けてくださってありがとうございます! それと、給食室の床の修繕をお願いしたいので、よろしくお願いします!」

 

 「あっ……」

 

 フウカちゃんに言われるまですっかり忘れちゃってた……

 

 ティーパーティーの特権が使えたら何とかなったけど、今の私にはそんなお金は用意できない……こうなったらもう……イロハちゃんに泣きつくしかない!

 

 「イ、イロハちゃ〜ん!」

 

 「はぁ……まぁ、建物一棟倒壊させているわけではないですし、今回もウチで補填しておきます」

 

 やれやれと言った顔をしながら、イロハちゃんはボヤいた。

 

 「どこか業者に連絡しないと……良いところないですかね……」

 

 「業者かぁ……ねぇ、先生? 心当たりはないかな? 先生なら知ってそうじゃない?」

 

 「うん、一人心当たりがあるけど、連絡してみようか? レッドウィンターの工務部の生徒なんだけど、すごく良い子で、良い仕事をしてくれるよ。ただ、ケチをつけたり支払いが滞るとストライキをしたり、工事途中のものを爆破されたりするけど……」

 

 「先生? 私が言うのもなんだけど、それって良い生徒なの? 危ない子にしか聞こえないよ?」

 

 「真面目な子なんだよ? ただ、趣味がストライキで、そのための知識集めだったりする子だから、下手に刺激しない方がいいかもだけどね。あの子たちのペースで、かつ適切な報酬で仕事をしてもらう分には問題ないはずだよ。あ、おやつにプリンを出してあげたらすごく喜んでくれると思う」

 

 それを聞いて、ユウカちゃんが渋い顔をして言う。

 

 「先生? その生徒って以前、連邦生徒会の前でストライキをしていませんでした?」

 

 「あはは……あの子にとって、あのくらいのストライキは挨拶にもならないんじゃないかな? レッドウィンターで舌戦の技術を磨いているからね……でも、建築や工事の技術力も凄いんだから!」

 

 「……うーん、一応連絡して、見積りを聞いてみます。情報提供ありがとうございます」

 

 複雑そうな表情をしながらイロハちゃんがお礼を言うと、虎丸に乗り込もうとしたところで振り返り、私を見た。

 

 「あ、ミカさんは、給食部の車に乗ってください。拘束しているとはいえ、抑止力は必要ですから。しっかり見張っておいてくださいね?」

 

 「えーっ!? 私が!?」

 

 「ミカさんが適任ね。異論ないわ。それじゃあイブキちゃん? 今度は私の膝の上に座りましょうねー?」

 

 「うん! わかったー!」

 

 「ユウカちゃんまで! 酷くない?」

 

 私がボヤくと、先生が手を挙げた。

 

 「じゃあ、代わりに私が給食部の車に乗ろうかーー」

 

 「ダメです。先生が乗ったらそのまま拉致されかねません。こういう時こそ、ミカさんの武力が必要なんです」

 

 ぴしゃりとイロハちゃんが言う。

 

 「武力って……イロハちゃん、私のことどう思ってるの?」

 

 「おや? ご不満ですか? 給食部の修繕費を万魔殿で負担するんですから、これぐらいのことはしてくれますよね? ミカさん?」

 

 「うっ、それを言われると……わかったよ……」

 

 トボトボと給食部の車に乗り込む。

 

 「それでは出発しますよー」

 

 イロハちゃんが虎丸のエンジンをふかし、進み始めると、給食部の車が引っ張られていく。

 

 「あーあ、先生も一緒だったら良かったのになぁ……」

 

 ぼやいていると、ハルナちゃんたちが話しかけてくる。

 

 「あら、あなたも先生のことをお慕いしているんですね。せっかくですし、道中お話でもどうですか?」

 

 「ふふっ、今日は失敗しちゃいましたけど~今度は先生も連れてどこかに遊びに行きたいですね~♪ その時は先生を……ふふっ♡」

 

 「別に先生のことなんて……でも、会長たちがどうしてもっていうなら、私もついて行くけど……」

 

 「私は先生といっぱいご飯を食べに行きたいなー!先生となら何でもおいしく感じるんだ~!」

 

 「……こうしてると、あなたたちも普通の生徒なんだねー。なんで悪さばっかりしてるの? 普通に先生に会いに行けばいいのに」

 

 「愚問ですわミカさん。そこに美食があるなら、私たちは追及するだけですわ」

 

 “EAT OR DIE”と書かれたエンブレムを見せながら、胸を張って言い放つハルナちゃん。

 

 「へぇ~、そんなに自分に正直だと、生きてるのも楽しそうだね!」

 

 「……何やら言い方にトゲを感じますが、大変充実しておりますわ♪」

 

 「楽しいですよ~♪ もしよかったら~ミカさんもご一緒しませんか~? 先生も連れて行けば~とっても楽しいですよ~♡」

 

 「それはダメかな~? だって、あなたたちは風紀委員会に引き渡さないといけないからね」

 

 「あら、手厳しいですわね。ですが、よろしいのですか?」

 

 ハルナちゃんが意味ありげな言い方で聞いてくる。

 

 「あは、ムリムリ~♪ 私を揺さぶろうとしたって無駄だよ? これでも悪の親玉だったんだから☆」

 

 「あらそうですか。では、風紀委員会と、先生の関係です。ご存じありませんか?」

 

 その言葉に、思わずドキリとする。

 

 「か、関係って?」

 

 「なんでも足を舐めさせ、首輪をつけて犬のようなプレイをして、匂いを嗅がせるということもあるそうですよ」

 

 「あー、それ? 昨日聞いたよ~。まぁ、最初は驚いたけどね~?」

 

 「それでしたら、混浴をした方がいらっしゃるのもご存じでしたか?」

 

 「えっ!? ……先生がそんなことする?」

  

 「裸のお付き合いをするほど仲が良いだなんて~そんな生徒のこと、放っておいていいんでしょうか~?」

 

 わざとらしく言うアカリちゃんに、何か言い返す気力も湧かない……

 

 先生……私はお姫様じゃなかったの? 言葉だけだったのかな……

 

 「それに~私の下着の匂いを嬉しそうにクンクン嗅いじゃうくらいなんですよ~♡ そんな先生だから、誘惑され続けたら、堕ちちゃうんじゃないですかぁ~♡」

 

 ――それを聞いた瞬間、アカリちゃんに銃口を向けていた。

 

 「ふーん、ゲヘナは本当にダメな子ばっかりだね。先生を誑かすなんて……先生に何してくれてるの?」

 

 アカリちゃんは表情を変えるどころか、瞳孔を妖しく光らせて笑みを向けてくる。

 

 「あら~? ミカさん、怒っちゃいましたか~? それなら~どうしますか~?」

 

 銃を握る手に力を込めて、笑顔を返す。

 

 「全然反省してないみたいだし、もう少し強めのお仕置きが必要かな☆」

 「――覚悟はできてる?」




仕事が忙しくて更新遅れました……
短めですが、許してください……

不定期になるかもしれませんが、納得のいくところまで更新していきます。
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