ミカ「留学?」   作:森竹

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閑話的なお話になります。
というのも、いつもの半分しか書けてなくて……
内容的にはキリがいいかなと思い、投稿します。


ミカ「行政官?」

 遅めの昼食後、ミカたちは談笑をしながら次の目的地に向かっていた。

 

 「フウカ先輩のご飯、美味しかったたねー!」

 

 「そうだね。今日のご飯もとっても美味しかったね。フウカのご飯は美味しいから、ついつい食べ過ぎちゃうんだよ。」

 

 満足そうに笑うイブキと先生とは相反して、ミカとイロハは少し機嫌を損ねているようだ。

 

 「先生はさ〜? ホントに良かったよね〜? 大好きなフウカちゃんのご飯が食べれたんだからさ〜?」ジトー

 

 「そうですね。フウカさんからのアプローチもありましたし、心から満足されたことでしょうね。」ジトー

 

 「あ、あのねぇ? いつも言ってるけど、私は大人で、みんなの先生だからね? 生徒にそういう思いを抱くことはないんだって……」

 

 たじたじになりながらも、先生は答える。しかし、ミカは納得していない様子だった。

 

 「それはそれで、困るんだけどなぁ……」ボソッ

 (私にチャンスがなくなっちゃうじゃん……)

 

 小声で呟くミカに、先生は近づいていく。

 

 「ん? 今何か言った?」

 

 ミカの顔を覗き込む様に、先生はミカに顔を近づけた。

 

 「なっ、なんでもないよっ!」

 (近っ! そ、そんな急に近づかれると、心臓に悪いじゃん……!)

 

 顔を赤くしながら、ミカは先生から顔を逸らす。

 

 ……逸らした先には、イロハが「ミカさんって案外初心なんですね?」と言いたげな表情で見ていた。

 

 「……イロハちゃん? 何か言いたい事でもあるのかなー? あ、そう言えば、私はイロハちゃんがしてた、先生を籠絡するためのアプローチって言うのを詳しく聞いてみたいんだけどなー☆」

 

 そう言いながら笑顔でイロハに近づく。

 

 「……はい? 私ですか? 大した事はしてませんよ? 2人っきりでサボ……休憩したぐらいですよ。ミカさんだって、先生に色々としていたみたいじゃないですか。私としてはその話を詳しく聞いてみたいところですけど。」

 

 気づけば、双方笑顔を浮かべたまま、正面に向き合う形となった。

 

 「……そう? じゃあ、イロハちゃんが先生にしたアプローチ、もうちょっと詳しく聞いちゃってもいいかなー?」

 

 ミカの笑顔は引きつり気味で、その目は明らかに笑っていなかった。

 

 「……えぇ、ミカさんこそ自分の部屋に先生を連れ込んだという話、聞かせてもらいましょうか?」

 

 イロハも笑顔を浮かべてはいるものの、眼光は鋭くなっている。

 

 2人の様子を見かねて、先生は恐る恐る提案をする。

 

 「……あの、2人とも? そろそろ校舎に行かない?」

 

 「先生は黙ってて!」

 「先生は黙っていてください!」

 

 「は、はい……」

 

 先生の言葉を遮る様に、2人は同時に声を上げた。そんな2人をイブキは心配そうに見ている。

 

 「イロハ先輩? ミカお姉ちゃん? ケンカしてるの? イブキ、みんながケンカしてるの、イヤだな……」

 

 イブキの言葉に少し冷戦さを取り戻した2人だが、やはり気になるものは気になる様子。

 

 「ううん、ケンカじゃないよ? すこーしイロハちゃんとお話がしたいだけ☆」

 

 「そうですよイブキ。ミカさんとは、お互いの事を知りたいだけなんですから。」

 

 「そうなの? よかったー!」

 

 イブキはニコニコしながら2人の手を取り喜んでいる。そんな姿を見せられては、2人はこれ以上話を続ける事が出来なくなってしまった。

 

 それを見て、先生はみんなに促すように声をかける。

 

 「よし、それじゃあ、次の場所に行こうか。次は校舎に行くんだったよね。」

 

 ミカとイロハは笑顔のまま先生に近づき、小声でボソリと話す。

 

 「先生、続きは後で聞かせてもらうからね?」

 

 「当然ですよね? 私たちだけでは、真偽かどうかわかりませんからね。」

 

 「別に何も……いえ、なんでもないです。はい……」

 

 2人の圧力に負け、先生はこれ以上言うのを諦めた。

 

 

 その時、一際大きな爆発音がした。

 

 「な、何この音っ!? 近くで爆弾でも使ってるの!?」

 

 驚くミカを尻目に、イロハが万魔殿からの連絡を受けている。その後、面倒そうに皆に告げる。

 

 「はぁ……どうやら、この近くで温泉開発部が騒ぎを起こしているようです。もう風紀委員もいるようですし、迂回して行きませんか?」

 

 「えっ? 温泉? ここ学校の中だよね? ……やっぱりゲヘナって変なヤツばっかりだね。」

 

 ミカにそう言われ、イロハとイブキは少しムッとした顔をする。

 

 「その言い方だと、私たちまでテロリストと同じ括りになるので、やめてくれませんかね?」

 

 「ミカお姉ちゃん! ひどいよ〜! イブキ、そんな風に見られてたの〜!?」

 

 2人に言われ、ミカは申し訳なさそうに向き直る。

 

 「その……言われて気づいたんだけど、2人のことはゲヘナの生徒としてじゃなくて、友達として見てたから、そういうつもりじゃなくて……ご、ごめんね?」

 

 「……まあ、そういうことなら今回は許してあげます。」

 

 「それって、ホントー? 嬉しいなー! イブキ、ミカお姉ちゃん好きー♪」

 

 イロハは少し照れたように目を逸らし、イブキは喜びながらミカに抱きついた。ミカは驚きながらも、イブキを優しく撫でると、今の状況を思い出す。

 

 「あ、ここに温泉開発部が来るかもって話だったよね? その風紀委員だっけ? その人たちだけで制圧出来るの? 私、手伝おうか?」

 

 ミカが提案すると、イブキが元気よく手を挙げて答える。

 

 「はいはーい! イブキもお手伝いするー! 先輩たちのお手伝いしたら、ミカお姉ちゃんもきっと仲良くなれると思うんだー!」

 

 面倒そうにしていたイロハだったが、2人に言われ、渋々といった面持ちで連絡をする。

 

 「……あぁ、行政官ですか? こちら万魔殿のイロハです。そちらは人数、足りてますか? 良かったら加勢します? 手伝いたいって人がいるので、連れて行ってもいいですよ。」

 

 イロハが提案すると、通信先の特徴的な制服を着た生徒の姿が訝しむように話し出す。

 

 『……万魔殿から応援? 珍しいこともあるんですね。でも、正直助かります。今はヒナ委員長が美食研究会のテロ行為に対応していて、手が足りていなかったんです。イオリだけだと、温泉開発部の部長による策略にやられっぱなしで……あっ! これを機にヒナ委員長にまた無理難題を突きつけるつもりじゃあないですよね!?』 

 

 ギャオンと声を上げている行政官と呼ばれた生徒を見て、ミカはイロハに小声で話す。

 

 「ねぇイロハちゃん? あの子、なんでその……横の胸が出てるの? あれがゲヘナだと普通の格好なの?」ヒソヒソ

 

 「いえ、あれは呼吸のためです。あそこを塞ぐと窒息してしまうんです。」ヒソヒソ

 

 『こっ! なんて嘘を教え込んでるんですかっ! ……って、もしかして、み、聖園ミカ!? なんであなたがここに!? イロハさん! 私たちを潰しにかかろうとしてるんですねっ!?』

  

 行政官と呼ばれた子の言葉に、ミカは苛立ちを隠せない。

 

 「……イロハちゃん、通信閉じちゃおうか☆」

 

 ミカは微笑んだままであったが、明らかに目が笑っていない。

 

 「アコ先輩! そんな言い方はダメっ! ミカお姉ちゃんが手伝うって言ってくれたんだよ!」

 

 イブキの言葉に、アコは驚きの表情を浮かべる。

 

 『そんなまさか! ……え、本当なんですか?』

 

 不思議そうな表情を浮かべたアコに、ミカはぶっきらぼうに答える。

 

 「私が行くと迷惑みたいだから、大人しくしておくよ。」

 

 そう言うと、ミカはそっぽを向くが、心配そうな表情をしたイブキがミカの裾を引っ張る。

 

 「ミカお姉ちゃん。行ってあげようよー? アコ先輩も、イオリ先輩も喜ぶよ?」

 

 「う……わ、わかったよ。行くから、そんな顔しないで?」

 

 「……ホント? ありがとうミカお姉ちゃん!」

 

 「アコって子はちょっと気にいらないけど、イブキちゃんのお願いだしね。イロハちゃん、その場所まで案内してくれるかな?」

 

 「……まぁ、いいですよ。それじゃあ、行きましょうか。」

 

 『……ミカさん、ありがとうございます。それでは、よろしくお願いします。』

 

 イロハに先導されながら、アコたち風紀委員の待つ場所に向かうミカたちであった。




次回は温泉開発部と風紀委員の話です。

お気に入り、評価をいただき、ありがとうございます。

活動報告にも貼りましたが、ミカのゲヘナ制服イメージをPixAIに描いてもらいました。
良ければお納めください。

【挿絵表示】


SS、画像ともに、ピクシブにも同じものを上げております。
よろしくお願いします。
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