ミカ「留学?」   作:森竹

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今回の投稿で、初日が終わるかと思っていたのですが、終わらなかったです……

途中、視点を切り替えて描写してます。


ミカ「……」

 「……なんか納得いかないなぁ?」

 

 ミカが怒っているのには理由があった。

 

 というのも、5人で作業するには明らかにスペースが足りず、先生は別室にあるベッドルームで作業をすることとなり、ミカを含めた残りのみんなはテーブルで作業をしているため、ミカが密かに計画していた先生の隣をキープする作戦が破綻してしまったからだ。

 

 ミカの正面では、イロハがイブキに書類の書き方を教えながら進めており、ミカの隣にいるヒナは、真剣な表情で仕事を進めている。

 

 (あーぁ、こんなはずじゃなかったんだけどなぁ……)

 

 燻った気持ちのまま、書類とにらめっこしているミカに、ヒナが話しかけてくる。

 

 「怒っていないで、手を動かしたらどうかしら? あ、そこの資料取ってもらえないかしら?」

 

 「……どーぞ。」

 

 ミカは不貞腐れながらも、ヒナの言う資料を取って渡した。

 

 「ありがとう。……ねぇ、ミカ? あなたから先生の仕事を手伝うって言っていたんじゃなかったかしら?」

 

 「だって……先生、離れた場所にいるからお話出来ないしさー?」

 

 「なら、さっさと終わらせて、その時間を作ればいいでしょ。」

 

 「……それもそうだね☆ 流石ヒナちゃん! よーし、さっさと仕上げちゃうよー!」

 

 やる気を出し始めたミカを見て、ヒナは軽くため息をつく。

 

 「……まぁ、それでやる気になってくれるのならいいかしらね。」

 

 (さっさと終わらせて、先生とお話……ううん、こんなに頑張ったんだから、ちょっとしたお願いぐらい聞いてもらわないとねっ!)

 

 やる気満々で作業をしているミカに、ヒナはふと気になっていたことを聞いてみることにした。

 

 「良かったら教えてほしいのだけど、どうしてゲヘナの留学に参加したのか、聞いてもいいかしら? ミカって、ゲヘナ嫌いで有名だったから、少し気になったのだけど、何か意識を変える様なことでもあったの?」

 

 「んー? 参加したのは、先生に行ってみない? って聞かれたからだよ? あと、今でもゲヘナは好きじゃないよ?」

 

 ミカの予想外の一言に、少しショックを受けるヒナ。

 

 「えっ……それならなんで?」

 

 ショックを受けたヒナを見て、「違うよ!」と慌てて否定しながらミカは続けて話す。

 

 「……み、みんなのことはゲヘナとして見てないって言うか、友だちだと思ってるからね? ……それでも、少し前の私なら想像すら出来なかったから、ほんの少しだけ、考えが変わってるのかもしれないけどね。」

 

 「……確かに、報告書に記載されている聖園ミカの言動からは考えられないことばかりだものね。今日最初に会った時、正直すごく驚いたもの。」

 

 ヒナの言葉に、ミカは少しだけムッとした。

 

 (……アレ? 今なんでムッとしたんだろ?)

 

 今まで感じたことのなかった苛立ちを分析して、ひとつの答えに気づいた。

 

 (ヒナちゃんにフルネームで呼ばれたの、イヤだったんだ……)

 

 「……ねぇヒナちゃん? そのフルネームで呼ぶのやめて? なんか距離感じてヤダなー。さっきも言ったけど、ヒナちゃんのこと、友だちだと思ってるんだから……」

 

 ミカの一言に、一瞬理解が追いつかなかったヒナ。

 

 それもそうだろう。ゲヘナと名のつくものなら、ゴミかそれ以下と見ていたあの聖園ミカから、こんな可愛らしい要求をされるとは思いもしなかったからだ。

 

 「……そのお願いも、驚きの内容の1つね。わかったわミカ。規則違反さえしないなら、ちゃんと名前で呼んであげる。」

 

 「え〜? そんなことしないよ〜? ……あ、いや、なんでもない……」

 

 (も、もしかして、アレってダメかったかな……?)

 

 ミカが少し目を逸らしながら言うと、ヒナは苦笑いをする。

 

 「そこは言い切って欲しかったわね。……もしかして、もう何かしたの?」

 

 その言葉に、ビクッとしながら、ミカは正直に話し始めた。

 

 「……今日ね? フウカちゃんをバカにして、給食部のお金まで奪おうとした不良をやっつけようと思って、グーで殴ろうとしたんだけど、狙いがズレて、給食部の床を割っちゃったの……これって、ダメだよね?」

 

 「ごめんね?」と申し訳なさそうな表情で謝るミカに、どうしたら床を叩き割れるのかと苦笑しか出来ないヒナであった。

 

 「……あなたって、本当に凄いわね。」

 

 「それってどういう意味かな!? 私、結構悩んでたんだけど!」

 

 「ごめんなさい。そんな謝り方をされたのは初めてだったから。その時は、イロハもいたのでしょう? それなら、処理は万魔殿に任せればいいもの。あと、ミカもマコトから一時的に万魔殿の生徒としての資格を貰ってるんでしょ? 一般生徒相手ならマズいけど、規則違反をしていた不良生徒を相手に対処したのだから、問題にはならないんじゃないかしら?」 

 

 それを聞いたミカは、胸を撫で下ろした。

 

 「ホント? 良かったー! これでヒナちゃんに嫌われたらどうしようって思っちゃったよ〜」

 

 安堵するミカを、ヒナはずっと観察していたが、本当にコロコロと良く表情が変わるなぁと、自分と対比してしまう。

 

 「あなたって、本当に表情豊かね。……私はそんなに感情表現が上手くないし、少し羨ましいな。」

 

 そう苦笑するヒナだったが、ミカからすれば、充分可愛らしいと思うし、なぜそう卑屈になるのかわからなかった。

 

 「ヒナちゃん? どうしてそんなこと言うの? ヒナちゃんはとってもかわいいじゃん。みんなからも慕われて、先生から信頼されててさー? 私の方が羨ましくなっちゃうよ。」

 

 (私なんて『裏切り者』、『魔女』だからね。自業自得だけど……)

 

 そんな考えが過ったとき、ほんの少しだけ悲しい顔をしたミカを、ヒナは見過ごす事が出来なかった。

 

 「……何かあったの? もし良かったら、話を聞いてもいい? こういうのって、柄じゃないんだけど……」

 

 「あー、えっと……」

 

 (あんな話、ヒナちゃんに知られたくないな……それに、イロハちゃんにも、イブキちゃんも聞かれたくない……)

 

 「……ううん、なんでもないよ。」

 

 ミカは精一杯作り笑顔で誤魔化すことにした。

 

 「……そう? それなら、いいのだけど……」

 

 ヒナはミカの言葉を受け、それ以上、聞かないつもりでいたが、イロハが話を始めた。

 

 「お節介かもしれませんが、万魔殿の情報違いでなければ、きっと、ミカさんを取り巻くトリニティでの環境変化のことで、ミカさんは苦しんでいるんじゃないですか? イブキなら、はしゃぎ疲れてもう眠ってますので安心してください。」

 

 

 

 

 〜ミカ視点〜

 

 

 正直、かなりドキリとした。

 

 まさか、私のことを知られていたなんて、考えもしなかった。

 

 

 

 「……イロハちゃん、知ってたの……?」

 

 

 

 思わず、手が震えてくる。

 

 もし、2人にまで『魔女』だなんて言われたら私はーー

 

 

 「ホント、トリニティはやり方が陰険ですね。確かに、ミカさんは悪いことをしたかもしれないですが、イジメの対象にされるのはおかしくないですか? あと、ミカさんの水着を切り刻んでおいて、それに怒ったミカさんに怯えて、勝手にケガをしたのに、ミカさんにやられたって報告をしていたって調査内容も上がっていたんですけど? なーにが『魔女』ですか。そんなやり方を選んでるあいつらの方が余っ程『魔女』じゃないですか。」

 

 

 なぜか、イロハちゃんが怒っていた。

 

 「……えっ?」

 

 思わず拍子抜けした声が出てしまった。

 

 どうして、そんなに怒ってくれてるんだろう……

 

 「ミカ、そんな扱いを受けてたの? 桐藤ナギサとは付き合いが長いと聞いていたけれど、助けてくれたりしないの?」

 

 気づけばヒナちゃんまで心配してくれている。

 

 「ナギちゃんも心配してくれてるよ? 私がまだトリニティの生徒でいられたのも、セイアちゃんと一緒に、退学しないで済むようにしてくれたんだよ。」

 

 ナギちゃんと、セイアちゃんと仲直りが出来ただけで、私には充分だったから……

 

 「でも、ミカさんはそいつらにやり返していないらしいじゃないですか。 負い目なんて気にしないで、一発かましてやれば、面倒なのは寄ってこなくなるんじゃないですか? 私ならそいつらに虎丸の主砲をお見舞いしますよ。」

 

 「えっと、そういうわけにもいかなくて……私がケガとかさせちゃうと、ナギちゃんたちの想いを無駄にしちゃうから……」

 

 驚きと、羞恥で良くわからなくなってくる。どうして、イロハちゃんは私のことを知っているのに普通に接してくれるんだろう? 

 

 「……いい、ミカ? 何もしないのは一番ダメよ。どうせ一部の生徒なんか、面白そうってだけであなたに石を投げるヤツだっているはずだから。パフォーマンスでもいいから、何かアクションを起こさないといけないわ。」

 

 ヒナちゃんまで真剣な表情になってる……

 

 「……2人は、何とも思わないの? 私のやったことって、ほとんどテロ行為だと思うんだけど……」

 

 ヒナちゃんとイロハちゃんは、互いに顔を見合わせたあと、2人で何か話を始めた。時折首を振ったり驚いたりしてるけど……

 

 ……やっぱり、私は悪い子だからーー

 

 「ミカって、ご飯がマズかったって理由で、お店を爆破したことはある?」

 

 ヒナちゃんがいきなりヘンなことを言い出した。

 

 「え、ないけど……」

 

 「じゃあ、ここから温泉が出るかもって、無許可で地面をドリルや爆弾を使って掘ったことは?」

 

 「それもないよ。そんなことしないよ?」

 

 「なら、人を殺めようとしたことは?」

 

 

 「……」

 

 

 それだけは、否定が出来なかった。

 

 何か言わないといけないのに、言葉が出てこなかった。

 

 だって、私はあの時、確かにあの子を、サオリを……

 

 でも、出来なかった……

 

 

 「……錠前サオリ?」

 

 「えっ!?」

 

 ヒナちゃんから出た名前に、思わず声が出てしまった。

 

 「……サオリのこと、調べたことがあるの。少しだけ私にも因縁のある生徒だったから……」

 

 「なら、知ってるよね? 私は悪い子だから……」

 

 そう言うと、私は顔を伏せた。

 

 2人の顔を見るのが、とても怖くてーー

 

 「その時のこと、少しだけ先生から聞いたの。『ミカは、最初はサオリに危害を加えようとしてたけど、ちゃんと人を許せる子だからね。あの時、ミカがサオリたちを助けるために身体を張って敵を食い止めてくれてたから、全員無事なんだ。』って。私としては、アリウススクワッドを野放しにするのは少し嫌だけど、ミカが過ちを犯さずにいてくれたことが嬉しいわ。だから、そんなに自分を卑下しないで?」

 

 優しい言葉に、恐る恐る視線を上げると、ヒナちゃんが心配そうに私を見ていた。

 

 「違うよ……私、そんなに立派じゃない。だって、私はあの時、本気だったから……でも、サオリの話を聞いた時点で、私にはもう出来なかったの。私がサオリを殺してしまったら、私が幸せになることが出来ないことを、自分自身で証明することになってしまうから、出来なかっただけなの……」

 

 あの時の記憶や、2人に色々と知られ、心配をさせてしまったこと、色々な感情がぐちゃぐちゃになって、気づけば、私はボロボロと泣いていた。

 

 「そうだったのかもしれないけど、ミカさんが自分でアリウススクワッドの皆を守るって決めて、やり遂げたんですよね? やろうと思ってもなかなか出来ることじゃないですよ。……牢の壁を破壊して脱獄したって話は、褒められないですけどね?」

 

 軽口を交えながら、イロハちゃんは私に笑顔を向けてくれた。

 

 「……どうして、2人とも、私なんかに優しくしてくれるの? こんなに悪いことしてきたのに……」

 

 まだ涙声のまま、2人に思っていたことを聞いてみることにした。

 

 ここまで話して、なんでそばにいてくれるのかわからなくて、聞きたくなった。でも、少し返事が怖いーー

 

 

 「だって、私たちは友だちでしょう?」

 「友だちだと思ってるし、ミカも友だちだと思ってるって、言ってくれたから……」

 

 私の不安とは裏腹に、イロハちゃんは「何を今さら?」みたいな表情で、ヒナちゃんは少し照れた様な表情で言ってくれた。

 

 「……何ですか? まさか私たちじゃ、頼りないって言うんですか?」

 

 「えっ、そうなの? 私、これでも風紀委員会の委員長なのだけれど?」

 

 

 まさか、そんな言葉をくれるだなんて……

 

 胸がいっぱいになり、上手く声を出せずに固まっていると、2人が「大丈夫?」と顔を覗き込んできた。

 

 私は思わず、2人に抱きついてしまった。

 

 「わっ!」

 「きゃっ」

 

 「私、2人に会えて良かった! ずっと、友だちで居てね。」

 

 まだ涙声のままだから少し恥ずかしいけど、ちゃんと伝えたくて、精一杯の感謝を伝えた。

 

 2人は少し戸惑っている様子だったけど、すぐに抱き返してくれた。

 

 こんなに幸せな気分になっていいのかな?

 

 少し不安になりながら、暫くそうしていた。

 

 

 私の端末の通知音が鳴った。

 

 確認すると、ナギちゃんからの着信だった。

 

 「あ、ナギちゃんからだ。……ねぇ? ナギちゃんに2人を紹介してもいいかな?」

 

 2人にそんなお願いをしてみると、構わないと言ってくれたので、早速出ることにした。

 

 「ありがとー! じゃあ、出るね?……あ、ナギちゃん? どうしたの?」

 

 映し出されたのは、いつもの様にティーカップを手に持ったナギちゃんだったけど、なんだか少し疲れてる様に見えた。

 

 『こんばんはミカさん、きっと慣れない場所で1人寂しくしているんじゃないかと思い連絡を……』

 

 「あ、ナギちゃん! 見て見てー! 私、友だちが出来たんだよ! イロハちゃんに、ヒナちゃん!」

 

 2人とも軽く会釈をしてくれた。嬉しくなってナギちゃんに紹介したけど、その前になんかナギちゃんが言ってたような……気のせいだよねっ☆

 

 『ご、ごきげんよう、皆様。……み、ミカさん!? 今はどちらにいらっしゃるんですか!? 寮などでしたら、門限などがありますよねっ?』

 

 あれ? 喜んでくれてないのかな? なんでだろう?

 

 「え、門限? 特に言われてないよ? 今は先生の宿舎で、みんなでお仕事手伝ってたんだけど、少し私の事聞いてもらってたんだー! あ、私の部屋は先生の部屋の横だから安心してね。」

 

 ナギちゃんと喋ってる間に、イロハちゃんがヒナちゃんに何か話をしてる。なんのお話だろう? イロハちゃんはニヤニヤとしているけど、ヒナちゃんは少し顔が赤くなってるような……

 

 『ちょっとミカさんっ! ちゃんと聞いていますかっ!? いくら1人じゃないからって、殿方の部屋に上がり込むなんて、はしたないですよっ!』

 

 なんかナギちゃんが、ティーカップをカチャカチャさせて怒ってる……

 

 私、そんな怒らせるようなことしたっけ?

 

 そんなことを考えてたら、イロハちゃんたちが話し始めた。

 

 「どうもこんばんは。桐藤ナギサさん? こうやって話をするのは会議の時以来ですよね? 私は棗イロハです。」

 

 「ゲヘナ学園、風紀委員会委員長の空崎ヒナよ。よろしく。」

 

 2人は自己紹介をしながら、私の少し前に並ぶように立った。後ろから2人を見ると、本当にもふもふとしてる。触ったら怒られるかな?

 

 『もしかして、お二人がミカさんを誘ったんですか!? ミカさんにそういう良くないことを教えないでくださいっ!』

 

 ……なんかナギちゃんがママみたいなこといい出したじゃんね?

 

 「いや、私が……」

 

 「それがどうかしたんですか〜? 私たちとミカさんは、こーんなに仲良しだから、色々教えてあげたいだけなんですけど、何か問題でもありました

〜?」

 

 そんなことを言いながら、イロハちゃんが私に抱きついてきた。

 

 「そ、そうよ。わ、私たちが手取り足取り教えてあげるんだから……」

 

 なんか棒読み気味なヒナちゃんも、私に抱きついてきた。

 

 「イロハちゃん? ヒナちゃん?」

 

 混乱する私を置いて、さらに話を進める。

 

 「ねぇミカさ〜ん? こんな堅物は放っておいて、私たちと遊びませんか〜? むしろ、このままゲヘナに転校しちゃいましょ〜?」

 

 「き、きっと楽しいわ……」

 

 うん、たぶんヒナちゃん、イロハちゃんに言わされてるね? 赤くなっててかわいいもん。

 

 流石にナギちゃんだって、演技だって気づくと思うんだけど……

 

 『な、何をしようっていうんですか!? ミカっ! もういいから、その人たちと別れて、トリニティに戻ってきなさいっ!』

 

 ナギちゃん……? 嘘じゃんね……?

 

 「ナギちゃん? まだ初日だし、この2人はとっても良い人たちだから、大丈夫だよ?」

 

 『す、既に洗脳されている……? せ、セイアさーんっ! み、ミカがーっ!』

 

 そういうと、通信が切れてしまった。

 

 「うーん、ヒナ委員長、演技固すぎません?」

 

 「だって、こんなことしたことないもの……」

 

 「ねぇ2人とも? どうして急にこんなことしたの?」

 

 私は2人に当然の疑問を聞いてみることにした。

 

 「これでミカさんがトリニティに帰っても、いつも以上にミカさんを気にかけてくれる人が出来たじゃないですか。ただ、保護者の様な感じの事を言っていたのは少し想定外でしたけどね。」

 

 「ミカがゲヘナにいる間は、私たちが付いているわ。……私は仕事もあるから、ずっとは居てあげられないけど……」

 

 「イロハちゃん、ヒナちゃん、そこまで考えてくれてたの……?」

 

 作戦内容は置いておいて、友だちになったばかりの私のために、ここまでしてくれるなんて……

 

 「私、とっても嬉しいよ!」

 

 私は精一杯、2人に感謝を伝えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、トリニティでは、ナギサがティーカップを震わせていた。

 

 「私、とても悔しいです!」

 

 「なんだい藪から棒に? もう夜だろう? ……いや、いい。どうせミカの話だろう? 大方、既に友人が出来ていて、それを見せつけられたとか、そういうところだろう?」

 

 「いいえ、アレは洗脳に違いありませんっ! どうしましょうセイアさんっ! このままでは天真爛漫なミカさんが、非行生徒になってしまいますっ!」

 

 「アレだ。君はもっと余裕を持ち給えよ。」

 

 「私は至って冷静ですっ!!」

 

 「誰かナギサを部屋まで送ってやってくれないか?」

 

 「セイアさんっ!」

 

 「わかったわかった。なら、次は私が連絡してみるから、それでいいだろう?」

 

 「はいっ、お願いしますね、セイアさん!」

 

 「はぁ……これが一カ月続くのかい? ミカ、早く帰ってきてくれ……」 

 

 




推しと推しが色々してるシーンを書いてみました。

私の文でどこまで伝わるかはわからないのが心残りです。
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