証明……じゃあ、こういうのはどうかな?全く触らないで、この木を倒す。そうしたら、あなたもきっと、信じてくれるでしょ?
確かに……もし本当にできたら、信じてあげる。
でも、結構力も使うし……信じてもらうだけなのも、ちょっと寂しいわね。
さて。パンを食べ終わった二人は、公園を出ました。パン屋さんから先も、周りの様子を見てみることにしたのです。
二人は楽しそうに、スキップしています。さっきまでは体力が保たなかったことを、エリーはもう忘れていました。とにかく、お友達のアヤと一緒にいれることが、本当に嬉しかったのです。でも今は、なんだかパン以外のものが食べたいような……。
「ねえ、エリー! あそこにお魚屋さんがあるの!」
「お魚屋さん!? わたし、お魚大好き!」
二人は走り出しました。信号を越え、橋を越え、すぐに、お魚屋さんの前に着きます。そこでは、いかつい顔のおじさんが、声を張り上げていました。
「新鮮な鮭、入ってるよー!」
お店には、いろんな魚が並んでおり、これもまた、まるで輝いているかのように見えます。でも何故か、エリーは、これじゃない、と思っていました。
「お嬢ちゃんたち、魚、いらないかい!」
おじさんは二人に話しかけます。エリーは店の中を見て、顔を顰めました。
「うーん。おじさん、ごめんなさい。わたし、お魚は苦手で……。」
「えっ、あなたもそうだったの? 実は私も、苦手なのよ。」
エリーはおじさんに謝りました。アヤも、最近は好きなんだけどね、と言った後で、しっかり謝ります。おじさんは笑って、また遊びに来てくれよな、と言いました。エリーはお魚が苦手でしたが、彼女が一番好きだったかもしれない匂いは、お魚屋さんからも香っているような気がしていました。
しかし、エリーはおじさんの後ろ姿を見て、またぎょっとします。なんとおじさんの背中には、大きな切り傷があったのです。赤黒く染まったそこからは、肉や白い何か──つまり、背骨などが飛び出しています。まるで、体内に手を突っ込まれて、いろいろなものを引きずり出されたようでした。
あれ? でも、背中に傷があることの、何がおかしいんでしょう。エリーはどうして自分が驚いたのかわからず、思わず首をかしげました。
「エリー? 何か気になることでもあったの?」
「いや、なんでもないよ。」
変なエリー。呟きながら、アヤはふふふっ、と笑います。今度は、エリーが首を傾げる番でした。
「ううん、なんでもない。わたしにも、そんな時期があったような気がしたのよ。まあ、覚えてるってわけでもないから、気にしなくていいわ。」
「そっか……なんだか、よかったあ。」
「よかったって、どういうこと?」
「だって、友達と一緒だなんて、嬉しいじゃん!」
そう言うと、エリーは笑いました。つられて、アヤももう一度、笑います。
そうです。二人はおともだちなんだから、同じだったら、嬉しいんです。そこにおかしいことなんて、何一つ、ありません。