「ん〜! 授業終わったぁ〜」
放課後になり、大きく伸びをする。
周りの女子が可愛いとは言えど、授業は疲れるわけで……まあ、後半の授業の記憶は寝ていて、ほとんどないんだけどな!
「一季くんばいばいっ。ちーちゃん帰ろっ」
「あにぃ、待って。ウチもばいばいするから。じゃあ、2人ともまた明日ね〜。バイバイー!」
里琉と千種が笑みを浮かべてこちらに手を振って、教室を出た。
「いやー、甘瀬兄妹は今日も微笑ましいなー」
見ているだけで癒されるよなー。
さて、今からは可愛い女の子たちを眺めつつ、長居しすぎる前に帰ろうとは思うが……今日の放課後はなんだが寄り道したい気分だ。
それも何かこう、食べたい気分!
彼方は今頃、女子たちやファンの子たちに囲まれているだろうし、今のうちに店を決めるかー。
おっ、ここ新しくできたお店か。肉クレープっていうワードかなりそそられるなぁ――
「ねえ、更科君」
「ん? どうした氷川?」
ふと、隣の氷川に声を掛けられてスマホからそっちに目をやる。
そういや、氷川のやつ。いつもならさっさと帰るのに今日はゆったりしているんだな。
まあそんな日があってもいいと思うが。
「今日も佐宮さんと帰るのかしら?」
「まあな。彼方には同伴者をしてもらっているし」
この世界の高校生活では、男子は登下校を含めた学校生活では必ず、女性1人を同伴させることが当たり前。
俺は彼方に同伴者を頼み込んでいるので、俺は彼方と必ず一緒に帰るのが日常なのである。
「ふーん。じゃあ、同伴者が佐宮さんではなかったら一緒に帰らないのかしら?」
「うーん、どうだろうな。俺は彼方が同伴者じゃなくても、一緒に帰れるなら帰りたいとは思うけど……」
彼方とは同伴者以前に、昔からずっと仲良くしている幼馴染だ。
なんというか、隣にいるとやっぱり安心感あるというか、いい意味で気楽に話せる。
けど……。
「彼方の方は……どうなんだろうな」
「と言うと?」
氷川がどこか真面目な雰囲気でジッとした目で俺を見つめる。
「いや、だって……彼方はかっこいいし、『王子様』って呼ばれるぐらいモテモテだろ? 今は同伴者っていう制度で縛っているだけで、彼方自身はたまには他の子と帰りたいとか思っているかもしれないだろ」
それこそ、彼方はファンもいるし、友達も多い。
でも、彼方は俺の同伴者をしているからその子たちとの時間もあっという間に終わってしまう。
女の子たちだって、彼方ともっと時間が欲しいと思っているかも。
「まあ、なんというか……俺が同伴者っていうルールで彼方の行動を縛っているんじゃないかって思っていてな。彼方は気にしなくていいって言うだろうけど、俺としてはアイツの人気っぷりを目の当たりにしていると、どうしてもそう思っちまうというか……。うむー、考えすぎだとは思うんだけどなぁー」
「……」
ぽりぽりと頬を掻きながら、ちらっと氷川を見れば……氷川は目をぱちぱちと瞬きさせながらこちらを見つめていた。
「な、なんだよその目。俺だって彼方のことを気遣ったりするぞっ」
「更科君がそういう人だって言うのは分かっているわ。でも貴方って……鈍感なのか、馬鹿なのか、アホなのか、地雷踏むのが好きなのかよく分からないわね」
「褒められた気が全然しないんだが!?」
やっぱり俺の今の発言そんなにおかしいのかよ!
「ほんと、貴方は危機感がないわね。……むしろ縛っているのは、
氷川がぶつぶつと何かを呟いた。
その表情は呆れ顔だが……どこか真剣さも混じっているような……?
「氷川?」
「いえ、なんでもないわよ。でも、佐宮さんにたまには自由な時間を作ってあげたいならいい案があるわよ」
「ほ、本当か!」
氷川は頭いいし、そういうこと考えるのが得意なのかも!
俺はウキウキした様子で氷川の次の言葉を待っていれば、そんな俺を見て氷川は笑みをひとつ溢して。
「ねぇ、更科君。今日の放課後――私を