貞操逆転世界で危機感0でも案外、平気っぽい   作:陽波ゆうい

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第14話 なんか雰囲気が違う気もするが、平気っぽい?

 クレープを食べ終わり、俺たちは足を進めて……。

 

「おっ、ついたついた」

 

 俺は足を止める。

 

 目の前には、見慣れた建物があった。

 だって、俺の家に着いたからな。

 

「へぇ……ここが更科君の家……。それで、隣が佐宮さんの家ねぇ。加えて、幼馴染で同伴者で……本人は独占欲が強い。そりゃ、他の女の子たちが軽々と間に入れないわけよね……」

 

 氷川が何か呟いていたけど、聞き取れなかった。

 まあ俺が気にすることではないよな。

 

 ということで……無事、家に着いたのだ。

 

 氷川は、同伴者としての役割を終えたということになる。

 

 まあ同伴者としてじゃなくて、単に友達と楽しく帰ったという感じだったけどな。

 

 でも、同伴者としても俺の隣にいてくれたんだ。

 ちゃんとお礼は言わないとなっ。

 

「氷川! 今日は一緒に帰ってくれてありがとうな! クレープも美味しかったっ」

「ええ、私も楽しかったわ。それに、同伴者の件を受けてもらえて良かったわ」

「こっちの台詞でもあるぞ!」

 

『彼方と同伴者を変わって、自由な時間を作ってあげるってことだろ?』

 

 俺たちの本来の目的は、今日のところは達成できなかったけれど……。

 

「また時間があったら、同伴者お願いしてもいいか?」

「ええ。もちろんよ」

 

 氷川は微笑を浮かべながら、頷いてくれた。

 

「ありがとうな、氷川! やっぱり氷川は優しいなっ」

 

 俺はニカッと、笑う。

 

「貴方は……やっぱり危機感を持つべきね」

「ん? 別に俺、襲われそうになってなくね?」

 

 氷川の言うことはよく分からないが、ひとまずそう返す。

 

 すると、氷川が俺から視線をずらした。

 俺も釣られるように視線を追うと……彼方が目に入った。

 

「……」

 

 彼方はというと、腕を組んで俺たちを静かに見守っている様子だった。

 

 彼方は今日は同伴者ではなくて、個人的に一緒に帰ってくれたけど……。

  

 これからは、彼方が同伴者を休みたいと思う時に、氷川に同伴者を頼めばいいよな!

 

 そっちの方が彼方も自由になれていいに違いない……。

 

「なんか、いい感じに話が纏まったみたいだけどさ」

「彼方?」

 

 彼方が腕を組むのをやめて、俺の隣に並んだ。

 

 そして、妙に真剣な眼差しを氷川に向けていて……。

 

「ボクはそう軽々と隣は渡す気はないけど?」

「か、彼方……?」

 

 声色がいつもより低いし、雰囲気も違う気がする。

 どこか不機嫌に見えるような……?

 

「ふふっ」

 

 そんな彼方を前にしても、氷川は少し笑っていた。

 

「貴方のそんな顔が見られるだけで成果があったと思うわ。今日のところは大人しく帰るわね。でも、いつでも狙っているから。私だって……隣にいたいから」

「へぇ……宣戦布告って感じ?」

「ええ。そう受け取ってもらってほしいわね」

「……」

「……」

 

 彼方と氷川が無言で見合っている。

 

 えっ、なに? 

 2人とも何か、争っているの?

 

「じゃあね、更科君。また明日、隣の席で」

「お、おう。また明日な。ありがとうな、氷川〜!」

 

 氷川は自分の家のある方向へ歩いて行ったのだった。

 

「じゃあ俺たちも家に……」

「今日……いや、今すぐに一季の部屋に行ってもいい?」

 

 俺が言い切る前に、彼方がそう言ってきた。

 なんか、随分と食い気味な気もするけど……彼方が家に来る。

 遊ぶのはいつものことだしな。

 

「お、おう。いいけど……」

「ありがとう」

 

 彼方がフッと笑う。

 

「じゃあ早く行こう。君の部屋にね」

「はいはい、ちょっと待ってな。今家の鍵を……」

 

 俺の部屋に来るってことは、ゲームで遊ぶってことだよなぁ。




お久しぶりです。
次回は、凄いことになりそうですね。

「続きが気になる」や「面白い!」と思ってくださった方は、高評価、感想を頂けると更新のモチベに繋がるのでよろしお願いしますm(_ _)m
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