青春の果実   作:1年5ミリ

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寝る前布団に入ったら浮かんだ、単なる思いつきです。
なんでブルアカにわかな状態で始めてんだろ...



序章
EPISODE 1 始動 ―プロローグ―


 

 

 

 

 

 

 

差し込む白い光に照らされ、彼は目を覚ました。

 

微かに揺れる地面。ガタンと鳴る鉄の塊の音。

そこが電車の中だと彼が気づくのに、そうそう時間は要らなかった。

 

「―――私のミスでした。」

 

次に聞こえてきたのは...誰かの声。

見ればそこには、1人の少女が座っていた。

長く伸びた、空色の髪。

俯いた顔は、その髪の作った影に隠れよく見えない。

静かな車内は彼と、その少女の2人きりだった。

 

  ――一瞬、景色が変わったかのように見えた。

 

「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況。」

 

彼はまだ知らない。少女の名を。

よく見れば、その横腹は赤く滲んでいた。

代わりに彼女の状況を物語るように、滴るその血が車内の床まで染める。

 

「結局、この結果に辿り着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るなんて。」

 

  ――再び、何かが見える。

 

その光景に唖然として、彼はかける言葉を見つかられなかった。

だが、話していることもやっとなのかも知れない。

自分の知らない、ここまでの旅路ははてしなく長かったのかもしれない。

そう思って、彼は唯一自分にできる"彼女の言葉に耳を傾ける"ことを続けた。

 

「今更図々しいですが、お願いします、先生。」

 

少女は願う。

今尚想い、愛する世界(キヴォトス)のために。

彼女が成し遂げられなかったことを、"大人"である彼に託す。

 

「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。」

 

  ――『遺跡』のような何かは、突然と現れた。

 

 

 

鼓動が高鳴る。

暗い闇の中で、少女とは別の、胸に何かのコアを持ったような光が現れる。

 

―――君は?

 

姿が鮮明になると、こちらをただ見下ろすだけの『巨人』に彼は問いかける。 

だが、それは何も答えようとはしない。

代わりに、彼の手に"光"が集まって――

 

 

 

少女が託したものとは違う、もうひとつの"何か"が、彼の手に握られていた。

 

「何も思い出せなくても、恐らくあなたは同じ状況で、 

 同じ選択をされるでしょうから。」

 

眩しい光が、彼女を照らす。

 

  ――暁の光が、彼に浴びせられる。

 

「ですから...大事なのは経験ではなく、選択。」

 

少女の紡ぎ出す言葉は続く。

握られた『エボルトラスター』が、何かを語りかけるように鼓動を打つ。

 

「あなたにしか出来ない選択の数々。」

 

 

 

...世界に舞う、蒼い光の粒が見えた。

その綺麗で、毒々しい光が、どんどんと人を蝕んでゆく。

世界に、黒い影を落とす。

砂漠が覆う街に。

近代的なビルの立ち並ぶ都市に。

廃墟のような、薄暗い世界に。

大勢の生徒たちが交流を交わす、平和に見える学園に。

 

 

 

止めねばと、彼は思った。

そして同時に、”光”もその心に応えた。

 

「責任を負う者について、話したことがありましたね。」

 

再び、少女が口を開く。

それは同時に、彼女の言葉が終わりへと向かう合図。

新しい『THE NEXT』へと繋ぐため。

 

「あの時の私には分かりませんでしたが…今なら理解できます。」

 

電車は、まるで誰の手も届かないようなところへ行くかのように、止まらず進み続ける。

 

「大人としての、責任と義務。そして、その延長線上にあった―――」

 

――あなたの選択と、“宿命“

 

「それが意味する心延えも。」

 

何故かノイズが走ったような気がして、彼にはその言葉は聞き取れなかった。

 

「ですから、先生。私が信じられる大人である、あなたなら…」

 

だが、少女はそれでも伝える。

伝わせる。

彼女は、未来を変えるためにこうしたのだから。

そして、変わる。

 

「この捻れて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を…」

 

光が、“青色“に染まった。

『準備』は、整った。

 

「そこへつながる選択肢は、きっと見つかるはずです。

 あなたと、ウルトラマンがいるなら。」

 

最後に彼女は、微笑んだ。

ついに、物語は新たな始動を迎える。

死ぬ思いで絞り出した、少女の最後の言葉は...

 

「だから先生、どうか―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...先生」

 

 

 

 

 

そこで、突然と彼の居た"世界"は変わった。

何かが、聞こえる。

 

 

 

「...先生」

 

 

 

それはあの少女とは違う、何処か鋭い声。

 

 

「起きてください」

 

 

声が段々と、近づいてくる。

 

「先生!」

 

その言葉で、彼は完全に目を覚ました。

 

 

あのぼんやりとした光とは違う、眩い日光が寝起き彼の瞳を襲う。

瞼を何度か擦り、辺りを見渡した。

そこは前面に貼られた窓から雲の垣間見える、何処かの一室。

さっきのやり取りがまるで夢だったかのように、場所は変わっていた。

 

そして、その眼前にはメガネをかけ、頭に天使の輪のような光を浮かべた、

黒く長い髪を下ろした少女が。

 

▷【“…?“】

 

今の状況に訳がわからず、未だ朦朧とする意識の中で、彼は首を傾げた。

 

「少々お待ちくださいと言いましたのに、お疲れだったみたいですね。

 中々起きないほど熟睡されるとは。」

 

白い制服のような服装で、少し右手で耳を触るような仕草を見せ、少女が語りかけてくる。

 

「…夢でも見ていたようですね。ちゃんと目を覚まして、集中してください。

 もう一度、改めて今の状況をお伝えします。」

 

説明にしてはどこか重たく、強調するような声が響く。

そして少女は、面と向かい合うように彼の真正面のソファに腰をかけた。

慌てて彼も、姿勢を整える。

相当の間だらしない格好で寝ていたのか、どこか背中と腰が痛い。

 

「私は―――」

 

▷【“七神リン、ちゃん…?“】

【“君は?“】

 

あの、()()()()()

すると何故か、彼は知るはずもない少女の名前を言っていた。

 

―――!?

 

発言の直後、我に帰り思わず体が一瞬震える。

 

「あぁ、覚えていましたか。そうです。連邦生徒会所属の幹部、七神リンです。」

 

少し安心したかのように、切迫していたリンの表情が軽くなる。

 

「そしてあなたはおそらく、私たちがここに呼び出した『先生』のようですが…?」

 

先生。そう呼ばれて、さっきの少女の話を思い出して彼は首を縦に振った。

 

「あ、推測系でお話ししたのは、私も先生がここに来た経緯を詳しく知らないからです。」

 

だがすぐにまた、その言葉を受けて彼は首を傾げた。

まぁそうなるか、と息をついて、リンが立ち上がる。

 

「混乱しているようですが、今はあなたにやってほしいことがあります。

 さぁ、まずはついてきてください。」

 

部屋の奥の扉へと、リンが歩き出す。

そうして言われるがままに、彼も立ち上がった。

同時に、懐に“あれ“が入っていることも確認して。

扉が開くと、その先はエレベーターだということが分かった。

彼が入ったことを確認すると、リンがボタンを押しエレベーターが動き出す。

するとその直後、閉ざされた視界が一気に開いた。

それは彼にとって見覚えのあって、新たに目撃する都市。

高層ビルが立ち並び、国にも匹敵するのではないかと言える程の広大な土地。

中心にそびえる、青く点を貫くほどに高い一筋の塔。

それを中心として、世界を何千と覆い尽くす学園。

 

ここは学園都市―――▷【“キヴォトス“】

 

何故か、聞いたことのないその言葉を彼は知っていた。

 

「はい。ようこそ先生。ここキヴォトスは数千の学園が集待ってできている巨大な学園都市です。

 そしてこれから、あなたが働くところでもあります。」

 

知らず知らずの間にその名を呟いていたことを受けて、リンが補足するように話し出す。

 

「きっと先生がいらっしゃったところとは色々と違っていて、

 最初は慣れるのに苦労するまもしれませんが……」

 

 

そうしてリンが説明を続ける中で。

彼は“あるもの“を探そうとていた。

 

蒼く漂う、光の粒子を。

 

“敵“は確かにこの世界に潜んでいる。

更に、それが『大いなる厄災』となる。

だがそう成り果てる前に。

できる限りのことをしなければならないと、彼は自分に言い聞かせた。

何故そうなることを知っているのか、彼はまた分かっていなかったが。

 

 

「でも先生なら、心配する必要もそれほどないでしょう。

 あの『連邦生徒会長』が、お選びになった方ですからね。」

 

その名を聞いた瞬間、脳裏に空色の網の少女が浮かぶ。

だがそのうちに、光を見つける前にエレベーターが目的の階層まで到達してしまった。

 

チン、と古臭さを感じる音を鳴らしながら、レセプションルームへの道が開く。

 

「ちょっと待って、代行!見つけた!待ってたわよ!」

 

そうこちらに言い寄ってくる、1人の紺色の紙の少女を前に。

 

「連邦生徒会長を呼んで来て!」

 

早速また、その名前を聞く。

だがその視線は、すぐに見知らぬ彼へと向けられた。

 

「…?隣の大人の方は?」

 

だがその隙を逃さずに、後ろから2人の少女が現れる。

 

「首席行政官、お待ちしておりました。」

 

1人は黒く長い髪に、同じく黒い制服に何かの意匠をつけた子。

 

「連邦生徒会長に会いに来ました。

 風紀委員長が、今の状況について納得のいく回答を要求されています。」

 

もう1人は左腕に『風紀』と大々的に書かれた腕章を身につけた子。

いずれも、リンと同じように頭の上に光の輪のようなものがあった。

 

▷【あれが「ヘイロー」か…】

 

また何故か、知らない言葉が頭に浮かぶ。

 

「あぁ…面倒な人たちに捕まってしまいましたね。」

 

その一方で、リンはため息まじりに肩を落とした。

 

「こんにちは。各学園からわざわざここまで訪問してくださった

 生徒会、風紀委員会、その他時間を持て余している皆さん。

 こんな暇そ…んっん。大事な方々がここを訪ねてきた理由はよく分かっています。」

 

しかしその言葉に皮肉が一瞬回見えながらも、彼女は挨拶を交わす。

 

「今学園都市に起きている混乱を責任を問うために…でしょう?」

 

「そこまで分かってるなら何とかしなさいよ!連邦生徒会なんでしょ!

 数千の学園自治区が、混乱に陥ってるのよ!この前なんか、

 うちの学校の風力発電所がシャットダウンしたんだから!」

 

そう言ってリンに文句を投げつける、「早瀬ユウカ」。

 

「連邦矯正局で停学中の生徒たちについて、一部が脱走したという情報もありました。」

 

冷静に問い詰めてくる、「火宮チナツ」。

 

「スケバンのような不良たちが投稿中のうちの生徒たちを襲う頻度も、

 最近急激に高くなりました。治安の維持が難しくなっています。」

 

新しく現れた銀髪の少女、「守月スズミ」。

 

「戦車やヘリコプターなど、出所の分からない武器の不法流通も2000%以上増加しました。

 これでは正常な学園生活に支障が及びます。」

 

淡々と状況を述べる、スズミと同じ学園の生徒の「羽川ハスミ」。

 

まるで彼とは別の何かが教えてくるかのように。

存在しないはずの記憶のピースを埋めるかのように。

彼は、知るはずもない彼女たちの名前を知っていた。

生徒たちが語る現状も、まるで新しみがないように驚きが浮かばない。

 

「こんな状況で連邦生徒会長は何をしているの?どうして何週間も姿を見せないの?

 今すぐ会わせて!」

 

再びユウカが、質問を投げかける。

すると、それまで黙り込んでいたリンが、重い口を開けるようにある事実を語り始めた。

 

「連邦生徒会長は今、席におりません。正直に言いますと、行方不明になりました。」

 

「…え!?」

 

「!」

 

「やはり、あの噂は…」

 

生徒それぞれが、三者三様の驚きを見せる。

だが驚いたのは、彼も同じだった。

 

「結論から言うと『サンクトゥムタワー』の最終管理者がいなくなったため、

 今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です。認証を迂回できる状況を探していましたが…

 先程まで、そのような方法は見つかっていませんでした。」

 

サンクトゥムタワー。中心に聳えるあの塔かと、彼はすぐに察せた。

 

「それでは、今は方法があると言うことですか、首席行政官?」

 

「はい。この先生こそが、フィクサーになってくれるはずです。」

 

「「!?」

 

「この方が?」

 

▷【私?】

 

予想もできないところで、彼に会話のスポットが当たる。

 

「ちょっと待って。そういえばこの先生は一体どなた?どうしてここにいるの?」

 

「キヴォトスではないところから来た方のようですが…先生だったのですね。」

 

そんなの聞いてない、と自分に視線に戸惑う彼。

だがそれなのに、慣れた事のように心は全く驚いてはいなかった。

 

「はい。こちらの先生は、これからキヴォトスの先生として働く方であり、

 連邦生徒会長が特別に指名した方です。」

 

一旦心のなかで状況を整理し、彼は生徒たちに向き合う。

すると何故かすんなりと、この状況を受け入れた自分がいた。

 

「行方不明の連邦生徒会長が指名?ますますこんがらがってきたじゃない…」

 

まずはこちらを凝視する、ユウカへと向かう。

 

▷【…やぁ、こんにちは。】

 

突然彼が話しかけてきたこともあってしどろもどろになりながら、

ユウカは挨拶を交わそうとする。

 

「こ、こんにちは先生。私は―――」

 

▷【ミレニアムサイエンススクール…?のユウカだね?よろしく。】

 

「え?」

 

同時に彼も「あれ?」と思考が固まる。

しかしそれを遮るように、今度はリンの言葉が。

 

「すみませんがお話はそこまでで。本題に戻ります。

 先生は元々、連邦生徒会長が立ち上げた、

 “ある部活“の担当顧問としてこちらに来ることになりました。」

 

「その部活とは…?」

 

▷【連邦捜査部『シャーレ』だね。】

 

スズミの質問に、彼は答えた。

知るはずもない部の名前を。

 

「?名前はまだ言っていなかったと思うのですが…?」

 

彼の言葉に唖然として、リンが尋ねてくる。

そこで彼も再び我に帰って、またも知らない言葉を発していたことに気づいた。

あーその、これは…と、彼は言い訳しようとするが...

 

「まぁとにもかくにも、今重要なのはそのシャーレの部室です。

 ここから離れたあの外郭…」

 

そして、リンが再び話し始めたその時だった―――

 

 

 

再び、鼓動が高鳴る。

 

 

―――!

 

これから向かおうとする場所へ、道標(みちしるべ)が浮かぶ。

約30km離れた外郭地区にある、"シャーレの部室"。

その周辺で今、矯正局を抜け出した生徒が争いを起こしている。

 

そしてそこに着々と集まってきている、あの蒼い光と。

 

争いが生む、人々の恐怖の念。

 

厄災(ビースト)』が生まれる、最悪の状況が整っていた。

 

更に地下にある「あれ」が、その厄災に狙われていることも。

 

彼に語りかける。エボルトラスターが。

“巨人“が。

時間がない。今すぐ出なければ間に合わない。

 

 

「先生…?」

 

再びリンの言葉で、彼は現実に引き戻される。

 

▷【行こう。シャーレの部室へ。】

 

「え?」

 

彼の言葉に、リンは状況を飲み込めずに聞き返す。

彼女はちょうど、外郭地区の乱闘騒ぎの知らせを聞いたばかりだった。

 

▷【ヘリは使えない。でも行かないと手遅れになる。】

 

まるで未来が見えたかのように、言葉は続く。

すると彼は、目の前の4人の少女たちにも目を向けた。

 

「先生…?」

 

【みんな、ついてきてくれる?】

▷【ちょっと付き合ってくれるね?】

 

「「「「?」」」」

 

そう言うと彼は、いきなり外へと繋がる扉へと駆け出す。

 

「先生!?」

 

慌てて少女たちも、その背中を追いかける。

 

その時も、彼の懐の中で"光"は頻りに輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

―――これは、この物語の始発点の、ほんの一部。

これから始まるのは、希望と、絶望の話。

そして、その中で紡がれる、『絆』の話。

 

運命は巡った。

 

光は、受け継がれた。




このペースじゃ本番の戦闘パートは相当後になりそうです。
ンアーッ!メインストーリーのゲマトリアの会話が意味不明すぎますぅ!
マジでこれの二次創作で高評価叩き出してる人達はどうしてんだ...
最終章に描きたいもの全部ぶち込む感じなのに道のりが遠い...
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