カンパニー社員の俺は仮面の愚者に人生台無しにされる 作:塊ロック
愉悦の勢力がメインという事で花火やサンポが再登場する事になるんでしょうか。
「おはようございまーす!」
事務所に花火ちゃんの元気な声が響く。
やはり、若い力というのは偉大で花火ちゃんが居ると事務所のメンバーのやる気が一段階上がる。
しかし問題は俺がここに常駐しないので必然的に花火ちゃんがいるのも一瞬なのである。
「おはよう、花火ちゃん」
「おはよ〜」
「……おやすみ」
「寝るなー今から始業だぞー」
事務所の人間も三者三様。
もう慣れたものではあるが、それでも皆やる気は出す。
「おはようございます、お兄さん」
「おはよう、花火ちゃん」
「今日は何するんですか?」
「資材回収とその護衛」
「えっ?」
「今日向かう未開の惑星に眠る資源を確認、回収しつつ原生生物から部隊を護衛する。危ないから今日は別の人のとこに居てね」
「えっ、えぇっ……?」
「じゃ、行ってきます!」
鞄を手に取り防弾防刃ジャケットを着た俺は完全に警備部門の人間である。
俺本当にここに居て良いんだろうか。
「ええぇぇぇぇぇ!?」
花火ちゃんの叫びが聞こえた気がした。
――――――――――
未開の惑星……確か、ヤリーロⅥっていったかな。
「寒っ……!」
猛吹雪。
やばい、寒すぎる。
このジャケット保温効果はまるで高くないから凍えてしまう。
資材回収部隊は既に仕事を始めていたので、俺も鉱石や宝石の反応を探ろう。
(……この辺で良いかな)
露出した岩盤に手を当てる。
岩石の声を聞く。
これが、俺が回収方面でも呼ばれる理由。
操るだけでなく、無機物である鉱石の声を聞くことができる
「あのぉ〜……」
これで位置を探り、採掘することで地味に利益を稼げる。
「お兄さん?ちょっ〜と良いですか、」
なんか、今日はちょっと違うな。
「聞こえてます?」
「聞こえてるよ、誰だアンタ」
「ウワッ!?」
相手を見ないで左手を無造作に後ろへ向ける。
……俺の背後に居た不審者は、岩の手に掴まれて拘束された。
「ひ、ヒィッ!?暴力反対!!」
見たところ……人間のようだが。
ワインレッドのコートに、ダークブルーの髪と……エメラルドの瞳。
顔立ちは整った青年と言った感じだが……この状況でもうっすらと笑っている。
少し底が知れない。
「……原住民か?」
「はぃぃ、そうです!この先のベロブルグって言う街に住んでるんですぅ!」
「ベロブルグ?街があるのか」
「えぇそうです。案内しましょうか?お兄さん」
……なんか、こいつにヘラヘラとお兄さん呼ばわりされるの少し腹が立つな。
普段花火ちゃんにそう呼ばれてるからちょっとダブって見える。
「アンタ、そこの人?」
「ええ、ワタクシ名をサンポと申します。商いなんかをやっておりまして……お安くしておきますよ?」
「なんだ同業者か。俺はスターピースカンパニーの……あー、分かる?」
「ええ、分かりますとも。天外から来たお方ですよね?」
「……この星は、かつて星間での交流があったのか……?」
「ええ、はるか昔はあったそうですが……星核の災害を受けて猛吹雪と氷に包まれ、今のような形となりまして」
「……なるほどな。あ、信用ポイント使える?」
「え?えぇ……大丈夫ですよ」
「はい」
「は?どうしてまた」
「情報料。足りるか?」
「とんでもございません……!僕はただ説明しただけですよ?」
「十分さ。今後ともよろしく」
「……アッハハハハハ!変わった人ですね、お兄さんは」
「そうか?まぁ……花火ちゃんにも言われたしな」
「ハハハ、ゑ゙?」
笑っていたサンポが急に顔を引き攣らせた。
「今……なんと?」
「え?ほかにも言われたなって」
「いえ、そうではなく……誰に?」
「花火って子だけど……知り合いか?」
「本当に花火さん……?黒髪の、特徴的な赤い瞳の?」
「黒の長い綺麗な髪で……言われてみれば確かにあの子の目、特徴的だな」
まるで花弁のようにも見える、不思議な赤い瞳。
「…………お知り合いで?」
「いやこっちのセリフだが」
「はぁー……そうでしたか、お兄さんが持ち主候補でしたか」
「持ち主?」
「こちらの話です。これを」
サンポは、懐からカードを1枚取り出す。
「これは?」
「いつか必要になるものです。勿論、貴方に」
「どうしたんだよ急に」
「友好の証とでも思ってください。お兄さんは……僕達の、同類です」
「………………???」
時系列は星穹列車が舟州へ向かった頃合いになります。
この実地調査とガンズの情報からトパーズが訪れることになります。