カンパニー社員の俺は仮面の愚者に人生台無しにされる   作:塊ロック

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お久しぶりです。
なんとかVer3.6のストーリーを読了してキュレネは入手しました。



第8話

 

宇宙ステーション「ヘルタ」。

天才クラブに#81、ヘルタが奇物と呼ばれる様々な代物を収集、管理している宇宙ステーションだ。

 

「うわー、あれが宇宙ステーション……初めて見る〜!」

 

シャトルの窓にへばり付いて、花火ちゃんが歓喜の声をあげる。

本日の業務は……この宇宙ステーション「ヘルタ」にて所長との会談が設定されている。

 

……何故俺が?と言う疑問は置いておいて、お偉いさんの近くに居られるそれなりの地位の正社員が必要であった為だった。

戦闘能力があってそれなりに顔が効く、そんな人間居るかよと笑っていたらまさかの俺だったと言う笑えないオチである。

 

ちなみに花火ちゃんの面倒見てると言ったら連れて来いと言われた。

待てよ、インターンだぞこの子。

 

「今日はここでお仕事なんだね」

「ああ。と言っても俺は特にやることは無いから……まぁ社会見学とでも思って付いてきてくれ。はぐれるなよ」

「じゃあ〜、お兄さんが手を繋いでて欲しいな〜」

「行くぞ」

「あ〜ん!待ってってば〜!」

 

カンパニーの警備員達がそれぞれ配置に着く中、俺達も重役達の列に加わる。

しかし、久しぶりに訪れる事になるとは。

 

「お兄さん、ここに友だちが居るとか?」

「……どうしてそう思った?」

「えー?嬉しそうにしてる」

「……そんな事はない」

 

努めてポーカーフェイスにしていたつもりだったのだが、何故かバレている。

……まぁ、何で俺はちょっと機嫌が良いのか……それは。

 

「ようこそ、カンパニーの皆さん。お久しぶりです」

 

朗らかな女性の声。

宇宙ステーションの玄関に立つ、ピンクの髪をしたシルエット。

今回の会談のお相手、宇宙ステーション「ヘルタ」の所長、アスター。

その人が立っていた。

 

「………………へぇ?」

 

花火ちゃんが俺に意味深な視線を向ける。

悪いかよ。

 

「べっつにー?でも、お兄さん……ああいうのがタイプなんだ」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

会談が特に問題も無く終わり。

「ヘルタ」とスターピースカンパニーの変わらない関係は揺らぐこともなく。

 

俺はちょっとした休憩時間を頂いたので、少し「ヘルタ」を見て回っていた。

もちろん、観光ではなく……目的は別にある。

 

「む」

 

褐色の肌の、白髪の青年がこちらに気付く。

 

「久しぶりだな、アーラン」

「お前か!久しぶりだな」

 

「ヘルタ」の防衛課責任者、アーラン。

彼とは妙なシンパシーを感じ、親しくさせてもらっていた。

 

「今日は仕事か?」

「そんなところだ。お偉いさんの護衛でな」

「こんな所でサボっていて大丈夫なのか?」

「平気さ。大事な仕事は終わって、明日帰るだけなんだから」

「……で、その子は?」

「こんにちは!花火って言います!」

「この子はインターンで来てくれた学生さん。俺が面倒見ることになってな」

「お前が?何を教えるって言うんだよ」

「言い方が酷いな……間違ってないけど」

 

様々なポストを転々として元々の部署の仕事をやってない人間なのは重々承知している。

 

だが、アーランのこうした裏表のないすっきりとした性格は近くに居なかった。

その為、コイツとは素のままの付き合いが出来て気楽なのだ。

 

 

突然鳴り響く警報。

 

俺は咄嗟に拳を構えて花火ちゃんの前に立つ。

 

「何だ!?」

「……反物質レギオン!まだ居たのか!」

 

反物質レギオン。

壊滅の星神、ナヌークに率いられた……宇宙に壊滅をもたらす軍勢。

「使令」クラスの庇護を受けない限り、遭遇すれば死あるのみ。

 

「反物質レギオン……そういや前に襲撃されたって言ってたな」

「あの時は星穹列車が居たが……今回は小規模の様だ」

「通りすがり……ってとこだな」

「腕は、鈍ってないだろうな」

「そっくりそのままお返ししてやるよ」

 

アーランが得物である大剣を抜く。

俺も拳を鳴らし、手頃な岩石を召喚する。

 

「花火ちゃんは、下がってて」

「え、お兄さん!?上司の人たちは!?」

「俺はここで、アーランと奴らを叩く」

「む、無茶だって!多いよ!?」

 

俺とアーランの前に、反物質レギオン……ヴォイドレンジャーの群れが次々と現れた。

 

「多い、とさ」

 

アーランに挑発的な笑みを向ける。

 

「ハッ」

 

アーランも笑う。

 

「「上等!!」」

 

二人で見事にハモる。

時間外労働も良いところだが……いい加減むしゃくしゃしていたところだ。

体よく暴れてやろうじゃないか。

 

両腕がブレードの形をしたヴォイドレンジャーが飛び掛ってくる。

 

「顕如磐石!」

 

岩石の防壁を叩きつけてやった。

 

「アーラン!」

「応!」

 

弾かれたヴォイドレンジャーに一閃。

綺麗に両断していく。

 

俺の方も岩石の拳で近寄るヴォイドレンジャーを片っ端から叩き潰していた。

 

「オラァッ!!」

 

硬く握られた拳が、敵を穿っていく。

アーランと並び、敵の攻撃を防ぎ、殴り、また防いでは殴り続けていく。

 

「まだまだ行けるぜアーラン!!」

「お前、本当にサラリーマンかよ!ウチに来い!」

「クビになったら考えとくよ!」

 

アーランとのやりとりもそこそこ、リーダー格の大型、多脚タイプが現れる。

ヴォイドレンジャー·蹂躙と名付けられていた。

数は比較的少ないが、戦士の知性と古獣の強さと機動力を併せ持ち、そのいななきは大量のヴォイドレンジャーを呼び寄せることができる。

つまるところ、今回のボスだ。

 

「獲る……!」

 

俺が拳を振り上げようとしたとき。

 

「あっ!」

 

後ろで、花火ちゃんの声がする。

 

「アーラン!」

「任せろ!だが早急に戻れ!」

 

言葉を交わす前に走り出す。

花火ちゃんを視界に入れるが……彼女は襲われていない。

 

「あっち!」

 

花火ちゃんが指差す方向。

ヴォイドレンジャーに、小さな女の子が襲われていた。

近くにミスマッチなほど大きなハンマーが転がっているが、気にせず俺は飛び出した。

 

「危ない!」

「!」

 

少女に襲いかかるヴォイドレンジャーへ、足に岩石を纏わせた飛び蹴りをぶちかます。

 

「大丈夫か?!」

「……フン。別に壊されても予備があるのに」

「……は?」

「ほら、次が来るよ」

「な、何だよ……!」

 

ブレードを振るヴォイドレンジャーの刃を片腕で弾いて、渾身の左ストレートで頭だけ吹っ飛ばす。

 

「わぁ、相変わらずの馬鹿力」

「あぁもう気が散るな!」

「応援してあげようか?ほらほら、がんばれー」

「お兄さーん!がんばれー!」

「クソっ!ありがとよ!!」

 

ハンマーを拾い直した少女が、踊るように俺の前に出る。

 

「くるくる〜っと」

 

ハンマーを一振り。

ヴォイドレンジャーの群れを一掃した。

 

「は……?」

「早く行って」

「分かってる!」

 

跳躍。

足元に転がるヴォイドレンジャーの残骸を踏み付けて蹂躙へ肉薄する。

 

「背中がぁ!お留守だぜ!」

 

岩石の拳が、蹂躙の背を穿つ。

思わず体勢を崩した蹂躙へ、アーランが剣を振りかぶる。

 

「貴様らに、何倍もの苦痛を……!」

 

まるで、落雷に遭ったかのような轟音と共に……蹂躙と名付けられた怪物は両断された。

 

「やったな」

「まぁな」

 

お互いに拳をぶつけ合う。

取り敢えず、一件落着かな。

 

 




なんだか巷だと花火が消されるとかそう言う話も出てるみたいですね。
政治色が強い国というのも大変ですね……。

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