会えたら良いね
「…」
「…」
どうしてこんなことになったのか。俺は今、よくわからない変な服(巫女服か?)の人に正座して向き合っており、よくわからず見下ろされ続けている。何かあったのか、俺は何をしたんだ。あれか、目覚めたらここら辺で寝てたことか。いや今の時期春だしそれくらいの人間はいるだろ。じゃあ違うか
「…」
アレなんかすごい沈黙長くない?あーいま舌打ちした?寝転んでたのがそんなに嫌なの?まあ神社だしな気持ちはわかるわ。でも俺よくわかんねえよ‥寝て起きたらここにいたんだよぉ…俺が何したってんだよ…
「アンタ、外来人?」
「…」
「ねえ」
「あ、はい」
「ちょっと」
言葉の意味がわからない。ガイライジン?渡来人の亜種か?渡来人なのか?寝て起きてここに来たから…言葉があるかは知らんが分類的には睡眠でここに来た人…睡来人ってとこかな?多分違うわ。
「多分…そう」
「あ、そうなの。ここで寝てた理由は?」
「あ、そういやここどこなんですか?家で寝てたらここに来たんですけど」
「…は?」
「あれ、俺今なんて言った?」
「寝てたらここに…?」
「神様が俺をここに導いた以外で来る理由ないし」
「…あー、説明はしとく」
ふむふむ。ここは幻想郷、非常識イズ常識な世界。幻想郷から見た外の世界が俺のいた世界で、幻想郷には妖怪がいると。妖怪は人を食うこと。ここに来る条件として、『結界のバグに巻き込まれる』、『誰からも忘れられる』、『必要とされなくなる』があるらしい。
「心当たりは?」
「…いやぁ…あ、妖怪ってどんな形してるんですか?」
「妖怪…色々よ。例えば兎の奴とか、牛みたいな姿とか…そいつらが人間に化けてる時もあるけど」
「人間に化けるってことは人語を解するってこと?」
「そうよ。まあ頭が良い妖怪じゃなくて強い妖怪ね。」
「じゃあ、人外が言語を解するということですか?」
「…そうだけど?」
「人外狐お姉さんいるかも知れないってことですか??」
「そう受け取りたいならそうしなさい」
俺は歓喜した。必ず人外狐お姉さんを見つけ出さねばならぬと。俺は幻想郷を詳しく知らない。だけども、人外お姉さんに対する執着心は、他を凌駕するほどに好きであった。人外狐お姉さん(身長が大きい)…お、おい、まさか実在したのか…!?人外狐お姉さん(身長が大きい)が、この理想郷では実在すると…言うのか…!?嗚呼、神、神に感謝を…
「俺が…神に対して何をできただろうか…」
「…どう、する?その気になれば直ぐに外に帰せるけど」
「帰る理由がないです」
「あっそ」
「くっ、人外狐お姉さん(身長が大きい)に出会えるかもしれない世界となると…住処を決めねば」
「…(引)」
俺の人生はここから始まると言うことなのだ。そうだ、そうでなければ有り得ない。神が俺を選んだ理由も何もわからないが、とにかく!この世界で生きていれば何分の1か知らんが人外狐お姉さん(身長が大きい)に会えるってことだろ。五十年経つまでは待つ。それ以降は上手い飯食い漁る。ヨシ!
「あ、そうだ。言い忘れてたんだけど」
「?」
「ここ出たら人喰いの妖怪出てくるから」
「人外狐お姉さん以外?」
「そもそも狐自体少ないのよ」
「…ぇ…」
「私の知り合いに1人いるけど…そいつはそもそもアンタに興味なさそうだし」
「あ、あぅあ、あぇ?」
「あ、やばい壊れた」
人喰いに買われる危険を冒さなければ、人外狐お姉さん(身長が大きい)に会えない。人外狐お姉さん(身長が大きい)に会いたいと思わなければ、人喰いに食われない。くっ、どうすれば良い。そうか、神は俺を余興として楽しもうとしているのか!?
「お、お姉さんに会いたい…人外狐で…身長の大きい…」
仕方なく寝転び、うわーと愚痴る。正確に言えば人外狐お姉さん(身長が大きい)に会えなくて何もできない無力さと、しかし元の世界に帰るなどと言う愚行に選択肢が揺らぐ自分への嫌悪感で何もしたくない。大きな弊害だ…
「神社で煩悩を垂れ流さないで。寺なら許す」
「レーイムちゃん!」
「わっ」
「うわなんだこの金髪」
「…誰?貴女の男?」
「いや…そう言えば名前も知らないわ」
とりあえず説明する。俺の名前は…名前は…どうしよう。今更だがこいつらが変な新興宗教とかだったら本名言わない方がいいよな?適当な名前言うか…
「
「…ふーん?」
「警戒してるのはいいけどさぁ」
「名前くらい嘘言わなくても良いんじゃないかしら」
嘘でしょなんでバレてんの?いやおかしいって、おかしい。でも確かに本名名乗らなかったのはこっちが悪いわ。うん、確かにそうだな。でも名前は尋ねた方が言うもんだろ!とちゃぶ台を叩きたかったが、手を上げる際にちゃぶ台に手をぶつけて痛いのでやめた。
「私は博麗霊夢。巫女やってるわ」
「…私は、名前聞いてないから…」
「おいなんだあの変な金髪は」
「言わないんだったらどっか行きなさい」
「はーい」
変な空間を開き、どこかへ消え去った。それを見て、俺も名前を明かすとしよう。えーと…今度はどんな嘘を吐こうかな…いや、あの感じだと吐いた瞬間バレるっぽいし。
「…
「職業は?」
「あー…学生かな」
「?」
「…正直に言うね。人外狐お姉さん(身長が大きい)大好きって学舎で叫んでたら退学処分喰らって…無職になるのかな?」
「バカでしょ、アンタ」
そんな学舎あるのかって?
知らん