人外狐お姉さん(身長が大きい)大好きな男   作:覚め

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寺、行きます。あそこは人喰いがおらんっつーか、聖のおかげで人喰いしとらんから助かる。


割れた酒瓶の破片

「アンタさ、寺に行くとか言ってたでしょ」

 

「ん、そうだが」

 

「ついでに忘れ物届けてきてくれない?面白いもの見れるしさ」

 

「その面白いものってのはなんだ?酒池肉林に塗れた寺か?」

 

「その反対。」

 

そう言われてでは何が面白いのか不思議に思いながらも足を寺へと進めた。寺の場所は神社からは人里に隠されて見えず、もちろんその向こうにあると言うことだけを教えてもらった。あと御守りと札を護身としてもらい、さっさと足を運ぶのだった。というか魔法が使えるのだから、ある程度は大丈夫だと信じたい。

 

「ここが噂の寺か」

 

巫女さんの話では、忘れ物を届けるには聖白蓮というなんとも古めかしい名前をした住職に渡したら面白いのだと言う。俗に言うアポ無しではあるが…そもそも幻想郷ではどうやって連絡をするのか。手紙か??…待てよ、じゃあ人外狐お姉さん(大きい)も対談以外には手紙くらいしか意思疎通の手がないのか?

 

「あの、どうされました?」

 

「んぁ…ここもか」

 

「はい?」

 

「人外が多いってこと。すみませんが聖白蓮と言う方はいますかね?」

 

「今は留守です。」

 

「そりゃ残念…いつくらいに帰ってくるかわかりますか?」

 

「えーと…」

 

目を泳がせる人外の容姿だけでも覚えておくべきだろうか。犬のような耳をしており、見た目は幼い。暗い緑の髪色をしている。以上

 

「おや、響子。お客人ですか?」

 

「はい!聖様に用事があると」

 

「…そういう話は伺ってませんね」

 

「そりゃそうでしょう。酒の禁止されている寺の住職にはあまり言えない用事ですから。」

 

「へ?」

 

「博麗神社の同居人、金田。よろしく」

 

「あ、はい」

 

とはいえ俺には聖白蓮が誰かわからない。寺の前でその聖白蓮という住職を待つこととした。聞けば尼さんらしく、一目見たらわかるのではと考えたが、なぜか付き添いも尼さんなので絶対にわからないでしょうと言われた。どうして全員尼さんなのか。名のあるやつは全員女の姿形なのか?

 

「猫科か…」

 

先ほど自己紹介をされた寅丸さんを見て、外で看取った猫を思い出す。動物を見た感じは大半知れていたが、寅丸さんを見た感じでは虎だった。つまりは猫科。要するに、連想しただけである。

 

「はい?」

 

「あ、皆様が帰って来ました!」

 

「おや、お客様ですか?そんな話は何も聞いてませんが…」

 

「昨日博麗神社に置いてかれた忘れ物を届けに来たんです」

 

どうぞ上がってくださいと言われ、本堂へ。寺を巡った俺が言うのもなんだが、ここの寺は生きていると言える。外の世界ではもはや寺は形骸化されており、宗教というよりも学問の種だった。そんな種も俺は人外狐お姉さん(大きい)と比べてしまい、種は捨てられているわけだが。

 

「では、この…はんかちと靴が?」

 

「まあそうなる」

 

「何をどうしたら靴を忘れると言うのですか??」

 

「本人に聞いてください」

 

「…」

 

何やら苦虫を噛み潰したような顔で住職は皆を呼び集めた。靴の持ち主と、ハンカチの持ち主を聞き出そうとしたのだ。さて俺はまだ住職に言ってすらない重大な忘れ物があるのだが、どうしたものか。巫女さんに忘れ物の正体を聞いた時、それはもう頭がおかしいとさえ思ったくらいに大事な忘れ物だ。

 

「まったく。どうしたら靴を、しかも片方だけ忘れるの?」

 

「はは、面目もない…」

 

「このはんかちも一輪のもの?」

 

「いいえ、違います。それは私のではありません。」

 

「そう…」

 

やはり当人の記憶は当てにならないな。酒で酔っ払っていたのだから当然か。だがなぁ。あのメンバーのうち何人をこの目で見たか。ていうか、見たことあったか?やべ、俺も酒で少し記憶が飛んでるな。十六夜め、いつかお前も同じ目に合わせてやる。

 

「ついでにこいつも忘れ物です」

 

「あ!!」

 

「ご主人?」

 

「…わ、私の宝塔…」

 

「もう…どうして博麗神社に持っていくの?大事に部屋に置いておくか、持ち歩くにしても括り付けておきなさいって言った覚えがあるけど」

 

「これまた、見つけてくれてありがとうございます」

 

さて。こんなにも大量に変な忘れ物が多いと、昨日博麗神社で何があったのかと聞いてくるのが筋で。そう聞いてくる聖白蓮の顔には、少しの疑問と少しの怒りが見えた。他は知らないものとする。詳細を語るにも俺は詳しくは知らんしな。酒と人外狐お姉さん(大きい)と吐瀉物の処理に記憶力が使われているのだけは確かである。

 

「昨日は…宴会をしてた。そりゃもう、何があったのか知らないけど大騒ぎしてた」

 

「…まさか、お酒は」

 

「出てたよ?酒臭いから俺ほとんど宴会場にいなかったけど、吐瀉物の処理とかはやったな。」

 

「…ふ、2人は、お酒を…」

 

「途中で帰ったとかじゃなければ酔い潰れてましたね。処理してた時はもうほとんど鬼か酒に強い奴か変な奴しかいなかったし」

 

「…わかりました」

 

そう言われて、聖白蓮と見つめ合う。なにやら怒りが沸々と湧いたような顔をして、ため息をついている。誰が参加していたのかと聞かれても、こちらとしては一切わからない。俺は少なくともこの忘れ物を届けに来ただけだからね。宴会もほとんど参加してないし。

 

「…何も、そこまで責めることではないでしょう」

 

「そこまで顔に出ていましたか?」

 

「かなり。まあ俺は寺を巡っただけの人間だけど…いや、聖白蓮も元人間だろうけども…」

 

「まあ、わかるんですか。」

 

「目が見えりゃわかる。話を戻してな。酒を飲んだら飲んだ分だけ構わないようにしたらやめると思うよ」

 

「それはダメです」

 

「でしょーね。




ぬえ「無視、良くない」
響子「無視!!!!!!!!!!!!!良くない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
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