人外狐お姉さん(身長が大きい)大好きな男   作:覚め

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仕事(ブチギレる)


住職の仕事

「苦労してんね」

 

「分かるかい?分かるなら持ってくる時に騒いでただけと言ってくれたらよかったのに」

 

何やら格好つけた人外が俺と同じ机に頬杖ついて説教を観察している。なんとびっくり、その場には目の前にいたメンバーのうち4名ほどが宴会に参加して無様にも吐瀉物をぶちまけたらしい。よく住職に気づかれなかったな。温泉で顔でも洗ったのか?…え、だったら温泉入れねえじゃん。

 

「…どうした?」

 

「どうしようもない」

 

「結局ハンカチは私のだったわけだ。ご主人にはその点でもお灸を据えなければならない」

 

「安心してほしいが、ハンカチで吐瀉物を拭いたわけではないと思うぞ。多分、俺が拭いた。」

 

「君はそんなに優しいのか?」

 

「好みのタイプに会えた日だからな。」

 

最も手を触られ離され、少しの間その情報の処理にすら時間を使い会話さえできなかったわけだが。いや、人の姿に化けている時の会話を含めれば一応会話は出来ていると言えるのか。そう考えるとやっぱ気分が良くなって来た。まあそれは置いておき。寺に来たのだから何かしてみたいものである。

 

「先ほどから響く轟音の正体は?」

 

「鐘だよ」

 

「…新年にはまだ早いと思うが」

 

「ははっ。私もそう思う。ただの鐘突きじゃないんだ。聖が、酒を呑んだ者で鐘をつくんだ」

 

「は?」

 

つまり轟音とも間違えられるこの音は全て聖白蓮の手によるもので、人外で突かれているものだと言う。はぇ…そんな元人間、ある程度元から化け物じゃないと成り立たないのでは?そもそも人外ですら生きてるか危ういと思うのだが?俺の気のせいでなければ、叫び声は何も聞こえないが??

 

「気絶しただけだ」

 

「えぇ?」

 

「大体二回目の突きで意識を失う」

 

「…そんな力があるのか」

 

「君の右腕を奪ったやつと同じさ」

 

「これは、そうだな。蟹を食うみたいに啜られた」

 

「啜られた?吸血鬼かい?」

 

「客人として招かれてたんだがな。謝罪として腕をもらった」

 

魔法を見せてやると、ここは木造なのだからやめてくれと言われた。こう言うところは普通防火じゃないのか?聞けば一応防火らしい。が、魔法の炎となればどれくらいの火力かわからない、だからやめろと言われた。…待て、普通の炎なら問題ないってことはつまり、一回燃やされかけたのか?

 

「まあ…ね。聖!いつものだ」

 

「あら、もうそんな時間でしたか」

 

「いつもの?」

 

「放火魔さ」

 

「まじかよ」

 

鐘の音は止み、その死体なんだかわからないぐったりとした一輪を寺の中へ連れ込む。こう言ってはあれだが、ぐったりした身体はやっぱり重い。重さがさして変わらんだろう(胸の分だけ重いかもしれない)星さんの身体を運んでいた。人外狐お姉さん(大きい)はもっと重いだろう。その人の体温と重さを知りたくなって来た。

 

「すまないね」

 

「ま、怒らせたのは俺だしな」

 

「そう言うなら一輪の頭を肘置きにするのはやめたらどうだい」

 

「んー、何もせずに神社に帰るのも肩透かしだし、もう片腕でも持って行く?」

 

「巫女が飛んでくるからやめとく」

 

轟音が響き渡る。その音の衝撃で肘がずれ、俺は肘を地面に強くぶつけた。放火魔が成敗された音らしい。つまりほぼ定期的にこの音が聞こえているのか??…鼓膜が破れそうで困るなそれ。まあそれは置いておき。鐘のために叩かれまくったせいか寝かせた住人は夢の中でも頭痛に苦しんでいた。自業自得である。

 

「その右腕…」

 

「住職さんも気になりますか。賢者の石を詰め込んだ亜黄金製の義手です」

 

「賢者の石!?」

 

「はぇ…どこで手に入れたのさ?」

 

「紅魔館。殺されかけた謝罪だって」

 

「まあ…」

 

同情するような目を向けられても困るだけである。何故って?面白いオモチャが右手にあるからだよ。炎出せるし。やり方次第では霧雨魔理沙みたいなビームも撃てるのだろうから、どこかで精進したいものである。精進の意味が合ってるかは知らない。しかし教わる人外は選ばなければなぁ。

 

「外来人なのでしょう?何故外の世界に戻らないのですか?」

 

「人外狐お姉さん(大きい)がいると知ったから」

 

「…じんが…?」

 

「人外狐お姉さん(大きい)」

 

「…??」

 

「待て、私を見られても困る。」

 

「ナズーリンもわからないなんて…」

 

「多分好みの話じゃないか?」

 

「好みが人外…?」

 

過ぎた望みではある。だけども、人外狐お姉さん(大きい)は実在した。八雲藍。その人のことを思い出すだけで当分の疲労は拭える。あんなにも美しい容姿は、幻想郷に入っても見たことはない。それでいて狐である。もはや、嬉しくってしょうがなかった。久々に生きてて楽しいのだ。

 

「なるほど」

 

「でもなぁ…以前、それを話した時には頭がおかしいなんて言われて」

 

「…噂にはなりますが、竹林の中には絶世の美女がいるらしいです。自分の愛を確かめに行ってみては?」

 

「まじすか」

 

「恋は盲目とも言うからね。絶世の美女程度には靡かないはずだ」

 

…それは、人外狐に興奮した俺に効く。やめてもらいたい。しかし。自分の愛を確かめに行くのも悪くはない。帰って巫女さんに話してみるか。巫女さんに話を通してもらって、それを八雲藍さんの飼い主である八雲紫(便宜上こう呼んでいる)にその姿を見せ、判断してもらう。それが良いね。

 

「…え、嫌よ。面倒な」

 

「そんな」

 

「あそこの姫様は結構暇してたはずだから、永琳が通せば行けるわよ」

 

「なるほど」




霊夢「昨日の宴会についてだけどさ」
アリス「え、そんなのあったの?」
霊夢「…」
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