人外狐お姉さん(身長が大きい)大好きな男   作:覚め

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天照大神だって踊られて出て来たんだぜ。
騒げば出てくるだろ。
後誤字報告助かるんだぜ。


誘き出すには

「…なるほど?」

 

「どう言うことですか師匠」

 

「私としても、引き篭もるよりは積極的に外に出て欲しいから…」

 

「えっ」

 

「騒ぐわよ!」

 

「騒いで出て来てもそれから出てくる訳じゃないですよね師匠?」

 

それもそうかと納得し直して座り込む永琳さん。俺がこの屋敷に来てから二週間。何も進展らしい進展はなく、むしろ悪化しているらしかった。一度だけ俺が声をかけたこともあったのだが、『永琳の胸触って帰れ』と言われてしまった。すまないが人外狐お姉さん(大きい)以外に興味はなく、触らないことで帰らないことにした。

 

「正直に言って困ったわね、あの時は」

 

「姫様からは度々、『まだ客人はいるのか』と聞かれます…」

 

「困ったわねぇ」

 

「ブレザーも苦労してんだなぁ」

 

「良い加減名前で呼んでくれませんか?」

 

「俺のことをあだ名で呼べば良い」

 

「このボンクラ!」

 

「鈴仙、流石にそれはダメよ」

 

「ちょ、師匠、薬飲まさないでくださいよ。

ああもうほら

私だけ変な

改行が」

 

「もうちょっといきましょうか」

 

「あ か

ん」

 

…何を言ってるかわからないが、ブレザーの言葉が途切れ途切れになったり変にトーンが下がったりしている。薬ってすげーな。そんなふうにお仕置きに使えるんだ。…お仕置きか?まあお仕置きか。そういえば、この場にはいないがもう1人住人がいた。妖怪兎のてい。てゐと書く。発音はてい、平塚?と聞いたがなんだそれと聞き返されたのでなかったことにする。

 

「…はぁ。どうすれば良いの…」

 

「無理矢理襖開ける?」

 

「そしたら姫様に投げられますよ」

 

「時速は?」

 

「200キロ越え」

 

「やめとくか…」

 

「まあ、考えても仕方はないわ。鈴仙、私達は買い物いきましょうか」

 

「は あ い。 あ、こ れま

だ ?」

 

「…」

 

襖の前に立つ。永琳さんとブレザーが行ったのを確認して、襖の前の床を叩く。反応はない。そこまでして何故俺を拒む。俺は純粋な人外狐お姉さん(大きい)が好きなだけの人間なのだ。片腕は人間じゃないが。俺から人外狐お姉さん(大きい)を取ったら、もはやそれは片腕が金色に光るだけの物体である。

 

「姫様〜」

 

『何』

 

「…そろそろ顔だけでも見せてくれないかなぁって」

 

『嫌よ』

 

「では理由だけでも」

 

『会いたくないから』

 

「…はぁ」

 

全くだ。このまま開けても恐らくは永琳さんの言った通り俺は時速200キロ超えの豪速球になるだろう。あの人多分嘘とか言わないし、そう言うの通じない人だろうし。あのブレザー、苦労する立ち位置でしかないな。てゐとか言うやつはいまだによく分からなん。

 

「…寝るか」

 

襖の前で寝る。本来行儀悪いが、まあいいだろ。でも流石に通路の上で寝るのはアレなので。少し動いて、畳の上へ。うーん、心地のいい…わけではないが。まあ冷たくはない。ずっと寝転んでいると本当に眠くなって来て、気付いたら寝ていた。あれ、寝た記憶ないんだけど?

 

「ん…今何時だ?」

 

時計の針は六時を示していた。永琳さんとブレザーが出て行ったのは三時ほど。つまり俺は3時間ほど寝ていたのだ。もしくは15時間。15時間だった場合は怖いな。もうどうしようもない。

 

「永琳さーん」

 

「…しーっ」

 

「…ああ。」

 

どうやらいないことになったらしい。永琳さんとブレザーは息を潜めて暮らしていた。流石にそこまでされると、こう、罪悪感というものが湧き出てくる。居心地の悪さもだが。何故そうまでして姫様を外へ出そうとするのか?何せ俺は顔は良くない。そんなに躍起になることがあるのか。

 

「…久しぶりに外の世界に出て来て欲しいのよ」

 

「何年出て来てないんだ?」

 

「半年」

 

「半年か」

 

「急に出てこなくなったの。理由はわからないわ」

 

「反抗期では?」

 

「姫様がこんな環境で反抗期起こすんですかね」

 

「起こさねえか」

 

なんて話をしていると、襖が開く音がした。どたどたと忙しい音がして、一瞬、俺の後ろを何かが通った気もした。振り返ると誰も居らず、永琳さんとブレザーが驚いた顔をしているだけだった。俺の後ろを通りかかった何かに驚いているのか、それとも何か。急に振り返ったからか?

 

「…何?」

 

「今のって」

 

「姫様、でしたよね…?」

 

「なんで…」

 

「え、どういうこと?」

 

「なんで下着姿で…??」

 

「…え、本当にどういうこと??」

 

理解が追いつかなかったが、この二週間で聴き慣れた水道の音がし始めた。なんだ、意味がわからないぞ。てゐではないらしいが、やはり気にはなる。そもそも下着姿で何故走っていたのか。そこすらも全くわからないぞ…困ったな?

 

「そう言えば…前見た時の姫様、髪がボサボサだったわ」

 

「…まさか…」

 

「会うんだったら整えてから会いたかった…?でも、半年も出てなかった意味の方がわからないわ…」

 

「永琳ー!髪乾かして〜!」

 

「はい!」

 

「…乙女の純情か…?」

 

それから程なくして。永琳さんが戻って来た。永琳さんはもう安心しきった顔をしており、俺はなんだか。気苦労をずっとしている気がして、なんだか本当に疲れて来た。髪を乾かし終えたであろう永琳さんは機嫌が良く、料理を作ってくると言ってさっさと行ってしまった。

 

「…なんなんだ?」

 

「さあ…?」




次回、姫様登場。

出なかった理由は、面白半分で風呂に入らなかったら蓬莱人はどうなるのかを試してて、予想以上に汚くなった時の訪問だったから。
永琳の目には十分美しかった。
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