人外狐お姉さん(身長が大きい)大好きな男   作:覚め

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姫「どう?綺麗?」
永琳「なんで服こんなボロボロなんですか」
姫「…」


初会合

姫、と呼ばれる人物はかの有名な美人、輝夜姫であった。妹紅や永琳と同じような種族。黒髪のロングで、美しいと言う文字が似合うのだろうなと思う容姿。正直に言えば、惹かれない。心が動くことさえなかった。断言出来る。八雲藍さんを知らない状態で出会っていても俺は好かなかった。俺の人外狐お姉さん(大きい)という好みのタイプがなくても、惹かれなかったのだろう。

 

「退屈そうね」

 

「正直に言ってしまうとね、俺からすれば永琳さんの方が魅力的だ。美人さんだ。」

 

「は?」

 

「えっ」

 

「だが惹かれる訳じゃない。そんでもって、お前と出会えて良かったと思ってる。何せ俺は、お前を見てはっきりと、死んでも良い恋をしていると断言できたからな。」

 

そう言って荷物を纏める。日々の苦労が報われた、と思った。これで俺は胸を張って八雲藍さんが好きだと叫べる。どんな絶世の美女が来ようとも、俺は八雲藍さんが好きなのだ。ブレザーに竹林の案内を願い、人里にまで戻る。そう言えば御守りの期限が切れていたはずだ。つまりはサバイバル…恋心を実感した次で死ぬのか!?

 

「…で、戻って来たと」

 

「いやー、絶世の美女も八雲藍さんには敵わん」

 

「尖ってるわねー」

 

「あの、ところでお夕飯は」

 

「普通に考えて、いつ戻ってくるかわからない奴に作るご飯なんてある訳ないでしょ」

 

「永琳さんから貰った酒があるけど」

 

「おかえりなさい、二週間もあんな屋敷で疲れたでしょう?お夕飯は今用意するから」

 

「良いよそこまで手のひら返されると逆に嫌だ。」

 

「あっそ。じゃあお酒だけちょうだい」

 

「はいはい」

 

夜中に空を見上げて月を見る。少し欠けた月で、うーん。地味に楕円形、かな?まあそんな月を見て、酒は飲まずに茶を飲む。永琳さんには茶葉も頂いていたのだ。俺は酒があまり飲めないからと茶葉を。と、月を見て茶を飲んでとしていたら月に映る影。俺の目はとうとう月に住むウサギでも見えるようになったのか。

 

「こぉんにちは」

 

「うわっ」

 

「輝夜じゃないの。ここまで飛んで来るなんて、引きこもりの名が廃るわよ。」

 

「彼に伝えたいことがあったのよ。博麗の巫女は黙ってて」

 

「はぁ?」

 

「…今日のことは、絶対に許しません。私よりも永琳が美しいと叫んだ挙句、私を踏み台に恋を確信するなんて!」

 

「すべて事実だ」

 

「あんたマジか」

 

「許しませんからー!!」

 

そう言って、飛んで去っていった。なんだ、随分と可愛らしいプライドがあるのだな。関心して、まあ今夜は寝ようとした時。今度は空間が裂けた。なんなのだ、一体。恋の確信に溺れたいのに、何故こうも邪魔ばかりされるのだ。意味がわからんぞ。八雲紫め…

 

「…良いの?あんな美人さんを踏み台にして。あと何で睨んで来るのよ」

 

「別に。人外狐お姉さん(大きい)以外に心が動かないことを確認したかっただけだし」

 

「以前は下賤な狐に興奮してなかった?」

 

「あれは黒歴史だ。幻想郷に入って直ぐの、まだ落ち着いてなかった頃の過ちだ。今ならば、見ても興奮はしない」

 

「ちなみに、心が動いてたらどうしてたの?」

 

「焼身自殺かな」

 

「え、その右腕で?」

 

「あ、死んだら返さないといけないのか…あの門番の目の前で自害だったか」

 

「意味わかんないわよ…」

 

と言われてまあ。八雲紫さえいなければ土下座してでも対話を求めていた。なんなら謁見でも良いよ。参勤交代みたいに一揆を起こしたりはしないし、なんならそこから下げられても俺は文句言わないよ。謁見の記憶を抱いて焼き死ぬから。伸ばしきれる身の丈にすら合わないのだから、相手を求めること自体おかしいことではあるからね。

 

「そんな身の丈に合わない恋をして、何がしたいの?」

 

「あー…なんだろ、知らん」

 

「聞いた限りだと、会った時点でもう死んでも良いって気概を感じるけど」

 

「カマかけてんの?」

 

正直に言えば、幻想郷に入った当初はそうだった。が、記憶には残っていない初対面の時に意気込みが変わったんだろうか、会いたい、会って会話をしたい、とまあ欲望がでかくなって行った。分不相応な願いであることは承知の上だ。今の外の世界に身分なんて一切無いけど、人外と人という点では十分差があると言える。

 

「何さ、俺の恋路を踏み躙ろうってのか?」

 

「そういう訳じゃ無いわよ。あなたを気にかけてる人が三人はいるんだから、そこから選んでもいいんじゃない?」

 

「八雲藍が同性愛者でない限りはない。」

 

「強情ね…そんなに藍が好きなのには理由があるの?」

 

「好みドストライク。俺の美的感覚の中央に居座ってるのが八雲藍さんですから」

 

「藍も迷惑だと思うけどねぇ」

 

八雲藍さんがどう思うかは知らない。俺が勝手に好きでいる。それより上はありえないし、それより下もない。ただ勝手に好きなだけ。人外狐お姉さん(大きい)がいると聞いた時にはもうそれだけで幸せなくらいには好きなタイプだったからね。惚れないほうがおかしい。中身?中身も好みにしちまえば良い。

 

「そんなあなたに、あることを頼みたいわ」

 

「何?」

 

「守矢神社にお届け物して欲しいのよ。私は入れないから」

 

「何故」

 

「とにかく、これ、渡してくれる?」

 

「…まあ、良いけど」

 

あの緑髪がいる神社か…あいつが博麗神社にいたことから、一神教とかじゃなさそうではあるんだが、他の神社にいる奴入るの許さんみたいな人だったらどうしよう。まあその時はその時だけど。荷物は見た感じではわからない。中身なんだろ。

 

「…重いな」




荷物の中身はなんじゃろな
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