人外狐お姉さん(身長が大きい)大好きな男   作:覚め

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宇佐見「何もしたくない??なんで??」
金田「…前の宴会以降、八雲藍さんに会えてない」


死人

「わ、宗教勧誘だ」

 

幻想郷に来て二回目だ。しかも両方共に何の宗教かわからない。片方は辛うじて仏教と分かる、つーか聖白蓮さんだ。が、他は知らん。何があった。変に二つに尖った髪の毛にヘッドフォン、ノースリーブ。そんでその腰に引き下げてる刀があってどうやって人里に入れたの?俺なんか、この右腕一つで精密とまでは言わんが数人がかりでお話しされたからな。意味わからん。けっ、これが差別かよ。

 

「…それに比べて。あなたはよく食べる」

 

「な、悪いですか!?」

 

「いや、悪くはない。ただ、恥ずかしく思って顔を赤らめるなら慎むべきだとは思う」

 

全身をピンク系統の色で包んだこの華扇という人外に連れられて来ている人里で、何をどうしてか、宗教勧誘を見世物にして飯を食っている。そもそも甘味処の真ん前でやるな。普通にうるさい。守矢あたりも同じことをしているのか?あいつら、そんなことができる時点で人の心を理解できてないと思う。

 

「やめてください、私の心に刺さる」

 

「そう?」

 

「では、私はもう行きますので」

 

「…アンタナニイッテンノ」

 

「私は…その、2人で来れば何も言われないと思ったから連れて来たんです。」

 

「お前さぁ…」

 

「割と気にするんですよ私は!」

 

そう言って本当に去って行った、え、マジか。こういうのでマジで何もせずに終わりって、あるんか。まあ良いけどさ。俺も寄りたい場所がある訳じゃない。甘味処の長椅子から腰を上げて、さっさと俺も去ろう。なんだかさっき宗教勧誘してた片割れがこちらをじーっと見ていることは無視しよう。

 

「君…私達の教えに興味はないかな?」

 

「ないです」

 

「そうか…それはかなしい。でも、大丈夫だ。君と私は、そう遠くない内にまた会えるだろうからね」

 

「俺は占いをほぼ全て打ち破った人間だぞ。医者の余命宣告も破った上で病気を治してるし」

 

ま、嘘だが。そんなやつを張り切って人里の外へ出る。博麗印の御守りのおかげで、煽らない限りは襲われない。ただ襲われないだけで、周りに妖怪は近付く。多分、妖怪からすれば嫌な臭いを放ちながらナワバリを歩き回る変な奴だと思われてるのだろう。歩みを進める。華扇さんに誘われて、宗教勧誘に絡まれ…あまり良い日ではなかった。俺は不幸は重なると考えるタチだが、どうやらもっと重ねられるらしい。

 

「青娥がいないなー」

 

「うわぁ…」

 

目の前には肌の色がもう人外だった。更に言えば頭に札。両腕を前に突き出している姿は…キョンシーだった。

 

「せーがを知ってるかー?」

 

「知らん。が、俺に近付くな。普通に怖い」

 

「そーかー…その右腕でかー?」

 

「心臓は人間さ」

 

「お、そーかぁ」

 

青娥とやらを探しているキョンシーが何やら目の色を変えたように近づこうとして来る。まずいな。こいつ、俺のこと食う気では?後退り、距離を詰められ、ああもうあと三歩あればまだ逃げる希望があったが。炎を出して威嚇することも考えたが、そもそもキョンシーってお日様の下で動ける死体だろ?…燃えるのか?そして燃えなかった場合、こいつはそれを理解してるのか?

 

「ぅあっ」

 

「んー…おまえ、あんまりうまくないなー」

 

脚を食べられた。嘘でしょこれでも結構大事に育てて来た脚なんだけど!?いかん、痛みが酷すぎてもう痛く無くなって来た。そのまま腹を少し削る形で喰われた。その場に恐らくは青娥と呼ばれる人物。もはや俺も意識がぼーっとして来た。なんだろ、痛みもないのに意識が消えていくの、変だわ。

 

「…この右腕、博麗神社の同居人ね〜…治して退治を勘弁してもらいましょう」

 

「おー」

 

次に目が覚めた時にはよく知らん場所にいた。一番近いのは、なんだろう。パルテノン神殿か?まあ、西洋の神殿と言えばそれっぽい感じな、よくわからない建物の中にいた。喰われた記憶のある部位は肌の色が少し気色悪くなるだけで済んでおり、あー、でもなんか体温がその部位だけない。ならもう壊死してるんじゃ…

 

「脚も生えてる…どうなってんだ?」

 

「あら、目が覚めたのね」

 

「…夢じゃなかったか〜」

 

「夢じゃなかったのよー」

 

全体的に青い人に説明を受けた。全体的に青い人のペットである芳香が俺の脚を食い腹を削ったと。その脚と腹はどうやらそこら辺のよく知らん人間から取った腹と脚であり、腹はまだしも脚の可動域はかなり狭まっているらしい。腹の鮮度は良かったが脚の鮮度はあまりよくなかったらしい。マジか、驚きだな。

 

「鮮度の問題なのか、それ」

 

「ええ。もういきなり芳香ちゃんが人を食い荒らして来るんだからもうびっくりしちゃって…」

 

「…はぁ」

 

「だから私がその施術を施したって訳。あんまり無理しないでね?」

 

「はいはい…それで?ここどこ?」

 

「霊廟よ」

 

「…?」

 

というわけで。霊廟の案内を受ける。物部という人外の話や、蘇我という亡霊の話。神子というこれまた人外だがこの霊廟の主人であり強大な力を持っている者の話。その容姿を聞いて、段々と帰りたくなって来た。金色の髪、ヘッドフォン。美しい人外で、ノースリーブ。いや、俺が幻想郷に来て日が浅いだけで他にもそういう奴はいると信じたい。

 

「…マジかぁ」

 

「ね、言っただろう。私と君は近い内に会うと」

 

「まあ、お会いしたことが?」

 

「ああ。数日前にね」

 

「…待て、待て待て。俺とアンタが会った時から何日なんだ?」

 

「ん?あー…何日だったかな?たしか、前回の勧誘は…屠自古〜!」

 

「五日前ですよ、太子様」

 

「ああ、そうだった。五日前だ」




巫女さん「あいつまた消えやがった!!」
華扇「私は知らない!!」
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