人外狐お姉さん(身長が大きい)大好きな男   作:覚め

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なのに人外狐お姉さん(身長が大きい)はいない。
世界はどうなってんだ??


鬼がいる

「小さい子ですね」

 

「そうとわかっていながらなぜ敬語を?」

 

「なんちゃって敬語は万物に通じる。それに…人外は見た目がアテにならないんでね」

 

見たところこの人は完全に人外。つーか多分ツノ生えてるし…ユニコーンの擬人化か?他にツノ生やしてる人外いたか?…鬼?鬼か!?日本三大妖怪の一つ、鬼!くっ、こいつぁ人外狐お姉さん(身長が大きい)に会える確率が上がって来たな…オラわくわくして来たぞ。

 

「私は伊吹萃香。まー…酒呑童子の名前の方が知られてるか?」

 

「マ…ジ!?」

 

「お、知ってんの?良いね、その反応」

 

「玉藻前も確か妖狐だから…人外狐お姉さんまで近い…!」

 

「…言っておくけど。お前の思い浮かべてる人外狐お姉さんって、お前のこと食うぞ?」

 

「人外狐お姉さんの眼前で死ねる…!?」

 

なんて言う可能性。これはもう、美味しくなるように生きるしかなくなったのでは?しかしそうと決まれば余計に食われるわけにはいかない。俺の死因は老衰か人外狐お姉さん(身長が大きい)に食べられることと、今決まったのだ。それはそうと、知り合いのようなことを言ってるなこの鬼…

 

「もしや身近に人外狐お姉さんがいる鬼なのか??」

 

「…おい霊夢ー!こいつやばい!頭おかしい!」

 

「でしょーね」

 

「お、なんだ後方彼女面か?」

 

「何それ?」

 

まあ、そんなことは置いておき。鬼も見つけ、次第に幻想郷にも順応して来たのではなかろうか。妖怪?知らない存在ですね。人外狐お姉さん(身長が大きい)以外の妖怪はただの人外です。ただの人外に興味はありません。しかし、どうやって人外狐お姉さん(身長が大きい)に出会えば良いのか。というか行動範囲だな。その範囲に出過ぎるとストーカーとして離すことも叶わない。見かけたのなら先ずは観察…いや、ダメだ。そんなことをしたら本当のストーカーじゃないか。

 

「…」

 

「お、雰囲気違うねー。何?なんかあった?」

 

「人外狐お姉さんは…もしや御守りを持っていたら近付かないのでは…?」

 

「いや、その御守り力のある奴には無駄だから」

 

「ほっ」

 

「何せ私が近づけてるんだからな!」

 

「あ、ほんとだ」

 

散歩がてら人里へ向かうことにした。鬼もついてくるらしい。なんだか、保護者をされているような気がする。まあそれは良しとして。人外狐お姉さんと出会う為には俺の行動範囲をまず広げなければならない。要は、里と神社を行き来しまくるのだ。堂々と里へ入り、歩き回る。

 

「…やっぱり人外多いですよねー」

 

「お前さ、周りの目とか気にならないの?」

 

酒呑童子を膝に置いて団子を食べる。巫女さんから貰った金だ。うーん、外の世界よりやや美味。ま、団子自体食べるのが久しぶりなわけだが。しかしだ。何で皆がこっちを見るんだか。俺じゃなかったら黙ってどっか行くぞ。マジで。元から人の目も気にせず生きてた俺だから耐えれてるね。

 

「鬼を膝に乗せてればそんな目で見られるのも当然だろ」

 

「おや、人外にしては人らしい発言。哀れ」

 

「はぁ?」

 

なんとなく視界の端にあった油揚げの店を見る。そういえば、狐は油揚げが好きなんて話もあった。ならば俺の探している人外狐お姉さん(大きい)ももしかしたらそこに通うかもしれない。しかし存在が認知できていない今、そんなことをしてみたらもう…まだ見ぬ相手にストーカー行為なんて、もってのほかである。

 

「…っ!!」

 

「お、どした?」

 

「あ、あれ…あれは…」

 

何やら人外を隠すつもりのない翼を生やしたアレの、その隣いる奴!!人外狐(小さい)では!?…っ!!くそ、くそぅ!惜しい!とんでもなく惜しい!しかもなんだアレは!ここ人里で人外を隠さないって、なぁ!!…なぁ!?翼を生やした奴もおかしい!!

 

「…落ち着いた」

 

「ありゃ大天狗だな。名前は忘れたけど」

 

「天狗もいるのか」

 

「まあな。いやしかし…お前、あんな狐にも反応するのか?」

 

「…はい」

 

「お前の膝の上はちよっとやめとくわ」

 

くっ…アレはもう、見るからにお姉さんではないのに。何故俺はあの狐で…情けない。今日はもう帰ろう。なんだろう、この気持ちは。NTRを見たような、見なかったような。どんな気持ちで帰れば良いのか。明日はまた御守りを売るのに。くっ…うっうっ。

 

「…」

 

「ねえ、何があったの?」

 

「こいつ、ちっこい狐にまで反応してな」

 

「ちっこい狐に?」

 

「私を膝に乗せながら…こう、後は察してくれ」

 

なんだか、もう全てを投げ捨てたい気分だ。霧雨魔理沙は今日も来るらしい。完全に終わりだ。もう自己嫌悪凄まじい。あれだ、もう外の世界に帰ろうか。帰って寝よう。そうしたら、多分全て忘れるはずだ。そう、そうに違いない。

 

「巫女さぁん…」

 

「聞いたわよ」

 

「もう一思いに殺して欲しい…」

 

「そんなに思い詰めることないでしょ。萃香を上に乗せて興奮するのは流石に駄目だと思うけど」

 

「言わないでぇ…」

 

「アンタには紫を驚かせる手伝いしてもらうんだから、さっさと立ち直って」

 

「それが終わったら殺して…」

 

「そんなに覚悟決めること?」

 

生きてるのに殺されてる気分だ。時間が解決するのは人間関係であり、傷であり、今の俺のような精神的な痛みは治さない。適切に治さなければこの傷は深く残る。もはや、人外狐お姉さん(大きい)に会っても治ることのない傷。むしろ、自分で勝手に傷を深めていくだけだ。

 

「…」

 

「意外と繊細なんだな」

 

「霧雨魔理沙か」

 

「悪いが私も聞かせてもらった」

 

「…あー、そう」

 

「慰めてやろうって霊夢が躍起になってんのに、損だな」

 

「気持ちが乱高下…」




相方が落ち込んでて不安よな。
次回、霊夢動く。
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