人外狐お姉さん(身長が大きい)大好きな男   作:覚め

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天子「桃だよ桃。世界は桃食った方が強いんだからさ」
華扇「なんだこいつ!?」


桃食え

「天子のところ?…まー、んー。連れて行っても良いぞ」

 

と言うわけで、霧雨魔理沙に連れられて天子とやらのところへ。ここには食うだけで強くなる桃があるらしいな、くれ!天子とやらを呼んでもらい、霧雨魔理沙はどっか行った。初対面の人から物を要求される天子とやらの身になれば、霧雨魔理沙もここにいようと言う気になるはずなのに。思いやりが足らない。

 

「桃?良いわよ、何個食べる?」

 

「えっ」

 

桃は何個でも食って良いぞされ、とりあえず二個食ってみる。大して美味くはないが…こんなの食ってるだけで力がつくとは、天子もその種族も怠惰なんだな。でも俺強くなった気がしないぞ。なんかこう、実感が湧く程度には強くなると思ったのに。二個食ってみたけど本当になんの変化もなし。なんだこの桃?

 

「そりゃそうでしょ。貴方は握力上がった時に自覚できるの?」

 

「それもそうか」

 

「私たちの主食ってこれしかないから飽きてるのよね。等価交換で良いからさ、なんかない?」

 

「つっても、なぁ…甘味でも食う?」

 

「団子とかのこと?」

 

「そうそう。」

 

「食べる!」

 

さて。霧雨魔理沙は天子とやらの従者と喋っているのだが。まあいいや無視しよ。まあそう言うわけで地上に降り立つ。甘味処かぁ…華扇さんが食ってたアレで良いかな?まあ文句はないだろ。えーと、確か聖白蓮と神子が演説してた場所だから…ここか。聖白蓮がいるわ。顔隠すか。変な勘違いあったら怖いからなぁ。

 

「これだ」

 

「ふーん…果物だらけね」

 

「でりしゃすぱふぇ…なんで全部ひらがななんだ??」

 

「外の世界の言葉は大抵こうでしょ。知らなかったの?」

 

「知らん。が、まあ華扇さんが食べてたのはこれ」

 

「華扇…ねぇ。まあ良いわ、これ食べましょ」

 

「俺は食えんがまあ多分美味いんだろ」

 

注文から5分。演説の声が止まったような静かさを感じつつ待つが…天子が中々に大人しい。霧雨魔理沙曰く天人は退屈な生活を送っているらしいので、もしかしたらこの状況に慣れているのかも知れない。待ちの時間も苦にしないとはすごいなこいつ。

 

「ねえ」

 

「何さ」

 

「ずーっとこっち見てるけど、知り合い?」

 

「聖さんか…うん。そうだよ」

 

「なんでこっちのことをじーっと見てくるの?気になるわぁ」

 

「…」

 

どうやら聖白蓮とにらめっこをしていたようだ。俺は依然として顔を背けている。頑なに顔を向けないでいると注文が来た。でりしゃすぱふぇ…デカいな。値段もそれ相応に高かった。帰った時の巫女さんに戦々恐々とするも、そもそも外に行って知らんやつを連れ帰る時点でか。怒られないようにだけはしよう。

 

「美味しい!」

 

「そうなのか」

 

「果物が多いとか思ってたけど、これクリームの方が足りないわよ!」

 

「確かに美味そうだな」

 

「食べられない貴方が可哀想なくらいには美味しいわよ」

 

「…それでもこの桃は食えるぞ」

 

「私たちからしたら、結構お腹に溜まるのにね」

 

「不思議〜」

 

グッと力を入れてみる。全然力が入らないのか、桃は軋む音すらしない。そもそもなのだが、俺は右腕が亜黄金製で、頭は人体で、それ以外は死体のこの身体で桃を食べても意味はあるのか?強くなっても頭だけじゃないか?…右腕はともかく、死体は強くなるって概念あるのか??えー、不安になってきた

 

「そんな事例、天人にはないわ」

 

「だよねぇ」

 

「…それにしても、感じてた違和感はそれなのね」

 

「なんだお前、お前も目がいいのか?」

 

「そうじゃないけど?あ、いやでも目ではあるのかな」

 

「?」

 

「気質を見極めることができるんだけどさ。貴方、身体のほとんどに気質らしいものが見当たらないし、その上右腕からは別の気質だもん」

 

「頭からは?」

 

「…よくわからない煙?」

 

ふと自分が陰ってることに気がつく。後ろを見るとなんだかよくわからん顔をした聖さん。なんだかよくない雰囲気を感じる。さっさと撤退したいな、天子まだ食ってんのかはよ食え。そうして俺を抱き抱えて神社まで走ってほしい。少し気まずいんだよ!

 

「金田さん」

「何?」

 

「随分と多くの女性と歩くのですね?」

 

「え、モテるの…?」

 

「モテるモテない以前に俺は八雲藍さん一筋だ。そこに変わりはない」

 

「いえ、この場合は多くの女性を取っ替え引っ替えしていることが問題なのです」

 

「…まじ?」

 

「私の知る限りでは四人ほどいますが?ね

 

「えーと…巫女さんに輝夜、咲夜とも歩くし…あー天子もか。じゃあ四人だ」

 

「あれ、私が聞いた華扇って人は?」

 

「あ、忘れてた」

 

そこからお説教が始まった。天子が飯食ってる間、その足元で俺は正座ができないので楽な姿勢でお説教を喰らう構図だ。俺がいったい何をどうやらかして、どんなふうなミスをしでかしたのか。聖さんがそこら辺きっちりした人だったと言うだけなのか、それとも不倫浮気絶対許さないって人なのか。

 

「…全く。本心から一途を叫べるのは良いですが、一途の想いを持ってくれている相手に嫌われてしまいますよ」

 

「八雲藍さんに嫌われる…!?」

 

「いやそうじゃなくて…」

 

「真面目に誠実に生きるか…」

 

「その身体で真面目に誠実には無理よ。右腕の気質が邪魔しすぎてるし」

 

「右腕の一部素材にはなぁ…」

 

「あら、気付いてるのね。ならなんで取らないの?」

 

「取ると片腕動かんのさ」

 

「女の人を侍らすことは片腕だけでも十分でしょう?」

 

「何言ってんだお前…」




聖「片腕だけでも人を愛せる!」
金田「両腕でその人を感じたい人間です」
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