人外狐お姉さん(身長が大きい)大好きな男   作:覚め

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摩多羅「…紫が変なことしてる…」


サブリミナル逃げ道

「それで、預言者消えたけど」

 

「…紅魔館も安全じゃなかったのね」

 

「結果的には、な?これじゃ本当に霊廟行きが確定だぜ」

 

神子が頭の中にちらつく。博麗神社にいるそうだが、今も呼べば出てくるだろう。なぜ俺がこんな目に遭ってるんだ。おかしいだろう。最近では俺の目も役に立たなくなったし。こりゃ、レミリア嬢の言う通りに動くかもしれん。霊廟は嫌だからな。守矢か永遠亭か。八雲藍さんと出会うための試練であればいいが…

 

「ま、人里なら安全よ」

 

「里には攻撃的な妖怪はいないけど…夜は出歩けないのよ」

 

「夜には出ていかなければならない?」

 

「そうよ」

 

「…妹君の様子次第だな。永遠亭は空いてるだろうが…」

 

「私が宥めてみせるわ」

 

「どこで意気込んでるのお前」

 

とにかく。ここなら安全なのでとほっつき歩く。なけなしの金で十六夜咲夜に奢ったり、逆に奢られたり。俺の余命が10日間であることを告げられた日と同じ日に十六夜咲夜は十日間の休暇をもらっていたらしい。死に際までこいつがいると考えられるな。まあでも、強い奴が守るんだから俺も安心できますと。

 

「…とかやってたらもう夜だ」

 

「見て来たんだけど、妹様はなんか暴れた跡があるだけで妹様見つけられなかったわ」

 

「え?もう人里出てるよな俺達」

 

「お嬢様が宥めた、と思いたいけど…お嬢様も見当たらなかったし」

 

「あ、これやべえじゃん」

 

十六夜咲夜に服を引っ張られる。俺がつい先刻いた場所に傘が突き刺さる。腹の底から体温が消えて行く感覚を体温のない死体の腹で感じつつ転がる。あーもう、どうしてこんなことになってるのか。またもや服を引っ張られる。今度はレミリア嬢にだ。また俺がいた場所には、深く深く根付いていたような幼子が。もちろんこいつはかの妹君である。

 

「ちっくしょーなんでこんなことに」

 

「あら、知らないの?」

 

「何かあるのかしら?」

 

「貴方殺すと、人間が十人ももらえるのよ。殺すもよし、食べるもよし、管理人の公認よ」

 

「貴方何したのよ」

 

「知らん知らんマジで知らんて」

 

「そう言うわけだから、さっさと死になさい」

 

「私も、たまには生の血が吸いたいな!」

 

つまりは、俺の首に懸賞があるというわけだ。誰だよそんなことした奴。八雲紫か?八雲紫か。俺の目が神子の耳並みに訓練されていればこの未来が見えたのかもしれんが、俺には見えん。レミリア嬢がいるからって安心できるわけでもないのに、なぜだかもっと事態が悪化する気がしてならない。人間常々こう言う予感は当たるものだが、どうだろうか。

 

「〜っ…すまん、力抜いてくれ!」

 

「わっ」

 

「きゃっ」

 

目の前に霊廟への逃げ道を作り、十六夜咲夜とレミリア嬢を押し込む。俺だけは逃すまいと風見幽香と妹君がこちらに来るが、俺はさっさと空を飛んで撤退。二人が通ったら逃げ道閉じたんだもん、仕方ないだろ。炎魔法でどうにか推進力を作ってはいる。風見幽香はついて来れなさそうだがフランドールが中々な速度で俺を捕まえに来ている。森の中で木々を避けながらもついてくる。

 

「くっそ」

 

「待ってよ!貴方の血少ないんだから、なるべく壊したくないの!!」

 

「いやいやいや死にたくねえって」

 

今から博麗神社に行ったら神子さんに迷惑かけるよなぁ…てことはあれか。自力で振り切るのか。無理じゃねえかな。とかなんとかやってたら妖怪の山に来た。せめて酒呑童子がいれば…あいやでも、まずはフランドールを振り切るか。魔力が尽きる様子もないから多分いけると思う。お日様が出てくればフランドールも消えるのかなぁ。

 

「朝まで待てば勝てるとか思ってる?残念!!」

 

「読まれてんじゃん!えーい、神眼『爆☆殺』」

 

「うわっ服が」

 

「今のうちにっ」

 

「お久しぶり、ね?」

 

「っわぁ…」

 

風見幽香に行手を阻まれた。まずいなこれ、俺もう勝ち目ないんじゃないか?フランドールは服を千切って少し露出度を増す代わりに炎を切り離しやがった。いかんこれ、ガチで死んだ。まずい本当にどうすればいいんだ。つーか風見幽香は人間十人で何がしたいんだ。フランドールは吸血なのに風見幽香は何かはっきりとしたものがわからん!

 

「じゃあね。マスター…」

 

「スパーク!!ってな?」

 

「霧雨!?」

 

「ま、私の家の近くでビュンビュン空気切ってたらわかるさ」

 

「…なんだろ、勝てる気がしない」

 

「魔理沙が一人増えたくらいで。何も変わらないのよ」

 

「とか言われてるぜ」

 

「星と炎を混ぜて出すかぁ」

 

「どうなんの?」

 

「私のマスパの周りを炎でこう、ぐるぐるーっと」

 

こいつ霊廟にぶち込もうかな。どうしようかな。いや流石に霊廟をゴミ箱みたいに使うのはダメか。じゃあこの霧雨魔理沙どうしよう?…どーもせん。さっさと逃げるか。霧雨魔理沙を包むように炎を出して逃げ!炎龍やってみたいけど二人には効果ないだろうし。逃げるが勝ちなんだよなこれ。あ、そうだ天子頼っても良いか。起きてるか知らんけど。いやでもあそこまで飛ばないわ。

 

「積極的に俺を狙うだなんて、なんで野蛮な奴らなんだ…永遠亭に逃げ込むか」

 

「あら〜」

 

「うわ誰だお前」

 

全体的に青い。青蛾さんより薄い青だが、なぜか足の色も薄い。こう、足の向こうが透けて見える気がする。そして人外。つまりこいつは人外。周りには幽霊のような塊をふよふよと浮かせており、まー要するにこいつは幽霊だ。絶対そう。

 

「私は西行寺幽々子。貴方には死んでもらうから」

 

「何と交換なのさ?」

 

「美味しいスイーツをいつでも取り寄せられること」




言わせといて『こいつ飯で人殺すか…?』とか思った。
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