人外狐お姉さん(身長が大きい)大好きな男   作:覚め

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雑に捨てたねぇ!!
そもそも雑に死んだんだから雑に蘇るよねぇ!


輪廻も倫理も

「…あ、俺の身体だ」

 

死んでから数日。何故かわからんが死後自由に生きていけてるので彷徨いてたらなんかみっけた。目を凝らせば俺であることがすぐにわかり、突撃。入れろよ!俺の身体だぞ!…いやでも待て。消滅しかかってたのに、どうして俺の身体がここにあるんだ?…良いや別に。入れろー!!俺の身体は営業しています!!あ、入れた

 

「うおー!ウワァー!?…あれ、俺だ」

 

「…袿姫様ー!!」

 

「あ、待てこら!俺は不審者じゃない!わかってくれー!」

 

そこにいたのは金髪でツノみたいなものを生やしたよくわからん人。人外じゃないかな?多分。両手に籠手とかつけてるし。なんか武装兵みたいな格好してるな、こいつ。いやでもそんなことより袿姫とか言うやつ呼ばれたくねぇ!葬式予定だから無理やり燃やすねされたら俺死ぬし!

 

「はぁっ…はぁっ…」

 

「何よ磨弓ちゃん…っあ!?なんで私の人型埴輪321号がここに!?まさか…磨弓ちゃんが…!?」

 

「なんか、動き出しました!」

 

「え、なんで??」

 

「…説明、しようか」

 

魂だけで彷徨いてたら偶然俺の体見つけて入れ入れた念じたら入れた。以上、かな。それだけ言うと二人は茫然と立ち尽くした。さて。袿姫様とやらはよくわからん人だ。いやまあ人外なんだけど。青いロングヘアーにエプロンを着ている。三角頭巾も。料理好きなのかな?いやぁ、でもそう言う決めつけは。エプロンは絵の具で汚いし。昔、誰かのアトリエに入った時に嗅いだ絵の具で固まった匂いもするし。

 

「…ふむ。事情は分かった。つまりは、ア○ン○ン的なものだろう?」

 

「…こう言うところにもそう言う本が?」

 

「いや、私は元々ここの神ではないからね。呼ばれて出てきただけ」

 

「ほー…神様なのか」

 

「そうだ。私は寛大な神だから、敬語を使わないのも許してあげよう。仕方がない、仕方がないねぇ…」

 

「こいつちょっと強めに話したら通せそうだな」

 

「そんなことはないです」

 

…さて。俺の体について説明を受けようじゃないか。と、その前に。神様の自語り。埴安神袿姫と言うお方らしい。偶像を作ることができ、それこそ信仰を受け止める器を作れば神も作れるのだとか。だが埴安神サマは地底の畜生界にて信仰を集めているらしい。埴安神サマの信仰も欲しいとのこと。

 

「で、俺は?」

 

「ああ。頭と、頭と繋がってた右腕だけだった死体を見つけてね。試しにこいつを作ってみようと思ったんだ。」

 

「…なんで?」

 

「少し、スランプ気味でね。既存の物から新しい何かを作り出そうとしたわけだ」

 

「その結果俺がこの体に入った、と」

 

「うん。まあ何はともあれ321号のおかげでスランプからは脱せそうだ。オリジナルの体が魂に馴染みやすかったってことは、私の自信に繋がるからね」

 

「…俺は金田圭って名前があるんだが」

 

「おっと、これは。恩人を名前で呼ばないわけにはいかないねぇ。磨弓ちゃん、粘土ジュース」

 

「はい!」

 

話を聞こうか。俺の身体はどうやら作り物らしく、原材料はファインセラミックス。自動修復機能付き。すげーじゃん!と思ったが。なんとびっくり、食事は粘土らしい。内部貯蔵量限界まで食べて、欠けた部分に粘土が行きファインセラミックスとして固まる修復方法らしく。つまり、先ほどの粘土ジュースはガチの粘土ジュースというわけだ。うわ運ばれてきた。

 

「内部貯蔵量限界まで食べると食事はいらない。まあ圭の場合は別、こんなこと初めてだし」

 

「ま、不具合があればここに戻ってくるかな」

 

「…?」

 

「どうした?」

 

「出さないけど?」

 

「何か一つに執着するようには見えないが??」

 

「なんだ、見抜いたのか。ならば仕方がないねぇ…圭、君と言う稀有すぎる実体を手放すと思うかなぁ!?」

 

「そうか。じゃあセラミックス製なのおかしくね?」

 

「磨弓もそう思います」

 

「いやだって、そんなもんわかるわけないでしょ…」

 

確かに。と言うわけで埴安神サマは篭っていった。その間に出口であろう扉を引っ張ったり、磨弓ちゃんとも話したりした。この子、埴安神サマのこととなると饒舌だな。大好きな兄ちゃんのこと話す妹みたい。見たことないけど。まあだがあれだ。一言だけ言うとすれば。粘土ジュースはなんだかんだ言って美味かった。味覚も変わってたってことさ!

 

「で、圭はこれからどうするの?」

 

「どうって…なんか出れないらしいし。俺さ、むっっちゃ好きな人いるんだよね。」

 

「その人に会いに?」

 

「うん。行きたい」

 

「ふーん…許してくれると良いね」

 

「いやいや、お前なんか良い感じになってるけどさ。最初の不審者云々忘れてないからな?」

 

「あ、ごめん」

 

「まったく…まあでも、当分はここから出る方法を探さないとなぁ。きついよなぁ」

 

「わぁ大変」

 

お前も同じような立場のくせにこいつ…。でもまあなんとかなるだろうから、良いんだよな!あーでもあれか。神子は呼んでも来ないんだったな。そう考えるとこの身体も良いもんだな。まあそもそも問題、神子を使わずに俺の知ってるところに出る方法はあるのかわからんが。畜生界って確か地獄だろ?…あれ、輪廻転生仕事してんの?

 

「さて。死ぬ気で出るか」

 

「じゃあ呼んでくるね」

 

「いやいやまあまあ、粘土ジュースでも飲もうよ」

 

「すいません他の埴輪が口つけたジュースはちょっと」

 

「何一丁前に人の感性持ってんだよこの埴輪」




今作の磨弓ちゃんは同じ埴輪にはタメ口なのさ!
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