キヴォトス存続RTA(any%)   作:暁真

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最終編その6

 

私が捨てた世界の、先生。私が人間だった最後の周の、先生。

 

やり直しはやり直しだと思っていた。私が死ぬたび世界はリセットされるものだと思っていた。

 

けど、リセットじゃなかった。これが、いつのまにか死を軽く考えていた私の招いた……

 

"ナズナ!"

 

「……先生?」

 

 ビンゴ、やはり例に漏れずプレナパテスも時系列スキップイベだったようです。無事先生が合流してくれたのでクロコの謎耐性もこれで貫通可能、シロコもいるので常勝の指揮官も起動、安心してクロコ戦を迎えられますね。

 

"あれは……"

 

「……先生、砂狼シロコ。別時間軸の同一存在」

 

「そして……麗樹ナズナ、こちらの時間軸の記憶を保有する、別時間軸の同一存在」

 

「……」

 

……あのシロコだけなら、まだまやかしだと言い切ることができた。

 

けど……シッテムの箱に、A.R.O.N.A。これだけ揃ってしまえば、認めざるを得ない。

 

私の咎、私が見捨てた世界。滅びたキヴォトスの……先生と、シロコ。

 

……なら、その清算は私がするべきなのだろう。

 

「マン・マシーン」に大きな変化の兆しが見える……

 

とはいえマン・マシーンが下手するとクロコ戦前に変化してしまいそうなのが懸念点です。因果律予測の取得で最低限のケアこそできていますがそれでも確定会心の消滅はこのビルドの根本的な破綻であることには変わりありません、確定会心系列、できれば「揺るがぬ境地」か「ミス・パーフェクト」に変化してほしいところですが……狙えてマン・マシーンと同じくデメリット持ちの「捨て身」「狂気の本能」でしょう。メンタルがマイナス方面に振り切れている場合のスキル変化は決まって碌なことになりません、通常プレイでも大事な要素なのでプレイする場合は覚えておきましょう。

とはいえ変化判定が起きるのは戦闘前です、じゃけんイベント清聴しましょうね~。

 

「……来ちゃったんだ、ナズナ先輩も」

 

「……先輩?」

 

「シロコ……」

 

「どうして来ちゃったのかな、此処に居れば先輩はもう終わりのない救済を続けなくていい。ただ苦しいだけの輪廻をようやく終われる、そのはずなのに」

 

"……どういうことなの?"

 

「……先生、貴方も薄々理解している筈。先輩の行動は「未来予知」というにはあまりにも正確すぎる、起きる事柄、至る結末、介入することによる変化……その全てを余すことなく把握している」

 

「……」

 

「どうしてなのか……その解は一つ」

 

「ナズナ先輩は「麗樹ナズナ」としての人生を永遠に繰り返している……数えるのが億劫になるほどに」

 

"……永遠、に?"

 

「そう……ここから先は本人に話してもらった方がいいんじゃないかな、ナズナ先輩?」

 

……

 

言ったところで大した利益はない。どうせ死ねば……

 

……いや、死ねばこの世界が滅びる。65536個目のキヴォトスで、65535人目の麗樹ナズナを殺して、また救済が始まる。

 

……体が震えてきた。ダメだ、耐えなきゃいけないのに……

 

"……ナズナ?"

 

「……に……が……」

 

「……」

 

何が、わかる……何も知らないくせに、知ったような顔をして!

 

(あ、マン・マシーン消えたなこれ)

 

分かるのか!?死ぬときの悍ましい感覚が!大切な友達との関係がなかったことになる苦痛が!

 

何回も何十回も何百回も失敗して失敗して失敗して死んで死んで死んで死んで……やっと成功したと思ったらまた新たな課題に蹂躙されて、振出しからのやり直し!

 

どれだけやっても結局は無駄で……ずっと4歳から17歳を繰り返して!

 

先生だって最初は邪魔だと思ってた!数万回のやり直しで確立したやり方を毎回横から破壊して……

 

でもそれが最適解なんだと理解して……私は先生に任せることにした。先生が来るまでの血反吐を吐いて頑張った41980回は……全部、無駄だった……!

 

"……だから、あの時……"

 

もう世界は私を必要としていないのかもしれない、それでも世界を救えば18歳になれるって……大人になれるって信じて、思い出も、友達も、心も捨てて、私は世界を救う礎になろうとした

 

けど、けど……

 

やり直しなんかじゃ、なかった……私が死んだキヴォトスは、滅んで……戻ってるんじゃなくて、普通の人生を歩むはずだった別世界の麗樹ナズナを殺して次の世界に転生して、それをやり直しと思い込んでいただけで……!

 

わたし、は……

 

最低の、殺戮者だ……

 

 

……まともに立つことすら、できない。

 

視界がぼやける、涙なんていつぶりに流した?

 

お前にそんな資格はないだろう、麗樹ナズナ……

 

「……これが真実」

 

「だから私は先輩を終わらせようとしたの、輪廻から外れたこの世界で、もう救済なんてしなくていいように」

 

「未来永劫キヴォトスが救われるなんてことはあり得ない……そしてもしキヴォトスが救われたとしても先輩はまた次の世界で救済を義務付けられる」

 

「それにこんな事実を知ってしまえば先輩はもう戦えない……ここで終わるのが一番の救済だと、そう思わない?」

 

 

"……いいや"

 

"そうは思わないよ、それはナズナの思いを踏みにじることになる"

 

「……」

 

"それに……ナズナが頑張ってきた今までを全部否定してしまうことになる。それだけは絶対にダメだ"

 

 

「……せん、せい?」

 

"ナズナは殺戮者でもなんでもないよ"

 

"自分のせいで世界が滅んだとか……それも違う"

 

「……」

 

"私がキヴォトスに来た理由、分かった気がするよ"

 

"子供にこんな重すぎる責任を背負わせる世界とか……あっちゃダメだからね"

 

"大人のカードを取り出す"

 

……あれ、これレズちゃん戦闘参加できる?この後は多分カルバノグ2章すっ飛ばして百花繚乱だからここで参加しとかないとEX開放が……

 

……先生と、シロコが、先生とシロコと、戦っている。

 

このまま何もしないで見ているわけにはいかない、それは分かってる、でも……

 

……体が動かない、もう、動きたくない。このまま……

 

 

……死ねない(死にたい)

 

ん?

 

……終わらせなきゃ、この世界で。救わなきゃ、この世界を。

 

この長い旅を終わらせるために。救えばきっと、私は終われる。きっと、きっと……

 

……『錯乱』は……解除……されてますよね……?

 

……だから戦おう、世界の(終わる)ために。これ以上、繰り返したくないから。

 

だから……

 

"銃を構える"

 

……消えろ

 

消えろ、イレギュラァァァァァァ()!!!!!!

 

変な方向に吹っ切れちゃった……

 

「マン・マシーン」がその在り方を変える……

 

危惧していた通り此処でマン・マシーンの変化が来てしまいました。比較的確率が高いだろう「捨て身」になってほしいところですが……

 

「マン・マシーン」が「破滅願望」に変化した!

 

引いたのは「破滅願望」、最終与ダメージと最終被ダメージがそれぞれ1.5倍になるスキルです。何が言いたいかはお分かりですね?

 

 

 

 

今この瞬間を以てレズちゃんのビルドは8割がた破綻しました。

 

 

 

 

 

 

 

 




ひみつの手帳 40冊目

いつまでも、いつまでも、4歳から17歳を繰り返してる。
大人になれない。小さいころの夢や憧れなんて、忘れてしまった……そう思い込んでるだけかもだけど。
正直なところもう限界だ、というか今までよく耐えたよね、私。
何もかも忘れて楽になりたい、これ以上は私が私でなくなってしまう。

……ああそっか。

私が人間じゃなくなれば、少しは楽になるのかな?
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