TS娘はお菓子なライダー   作:カブライニキ

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しばらくはこっち描きたいかな。


第二話 入学試験はジューシーグミ

 

 

「......」

 

大変です。

 

入学式は無事に乗り越えました。それまでは確かによかったです。

 

 

「もしかして、エンフォート家のご令嬢!?」

 

「あの高名な貴族の!?」

 

魔剣の十人集(アグリアード)を2人も輩出したっていう噂の......!?」

 

 

普通に上級生からも同級生からもめっちゃくちゃ質問責めに遭ってます。

 

てか何だよアグリアードって!?

 

厨二病か!!

 

 

「で、でも、普通に剣も魔法も扱えない落ち溢れですけど.........」

 

 

「何を言ってるんだい!魔法も剣も使えない人なんて沢山居るだろう。」

 

 

「私も剣はからっきしだし魔法も全然使えなーい。」

 

 

あ、普通にめちゃくちゃ良い人たち。

 

くっそ優しい。

 

 

「ここならいつかやりたいこととか見つかるっしょ〜」

 

「得意なところを伸ばすのが肝心だよ」

 

 

うヴォアアアアアア!!!!

 

 

浄化されるッ!汚れた心が浄化さりゅうううううううううう

 

 

 

と、まぁこんな感じで優しい同級生と頼りになる上級生のお陰で何とか生活できそうです。

 

 

そしてみんな精神年齢高すぎ。

 

 

俺がお子ちゃまなんだけど。

 

 

 

「フォッフォッフォ......雑談もそこまでに。そろそろ入学最初の試験としようかの。」

 

 

「げぇーっ......テストー?」

 

 

いつの間にか教卓に座っていた大きなヒゲの老人。

 

多分今のは転移魔法の類だな。

 

お母様も結構使ってたし。

 

 

 

「テスト、と言っても簡単なものじゃよ。魔力を測定し、簡単な魔物と戦う。それだけじゃ。」

 

 

なるほど......やっぱり剣と魔法の世界なだけあって魔物とかいるんだ......

 

 

「ちなみに生き物殺すの怖いよーって人ー」

 

 

倫理ィ!倫理出来上がってんぞ栗原ァァァァ!?

 

 

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

「次!ルナ・エンフォート!」

 

 

「はい」

 

 

取り合えず面白そうなので参加はしてみる。

 

剣の扱い方は独学で覚えたし。

 

 

「まずはこの魔法石に触れ、魔力を流し込んでみなさい。」

 

 

「流し込む?」

 

 

「簡単に言えば自分の中の水をこっちのコップに移し替えるみたいな感覚じゃな。」

 

 

なるほど......

 

 

流し込む......流し込む......

 

 

 

「ながれろー......ながれろー......」

 

 

そうして念じていると、触れていた魔法石が淡い光を出した。

 

 

「オオ!」

 

 

ちょっと光り方は弱いけど光ったぞー!

 

 

 

「信じられん......!」

 

 

「魔力流入度が100%を超えてる!?」

 

 

 

「え?」

 

 

え、俺なんかやっちゃいました?

 

 

「......やはりエンフォート家の血は毎度ワシをおどろかせてくれるな......」

 

 

「んん“?」

 

 

「魔石が一発で光った!?」

 

 

「おい!教師陣を全員呼んで来い!」

 

 

 

「ん“ん“ん“?」

 

 

え......なになになになに怖い怖い怖い......

 

 

「な、なんかやったらダメなことしました......?」

 

 

「いや......自分がどんなことをしたのか......分かっていないのか......?」

 

 

お、クラスの一際でかいメガネの.......何だっけ、名前

 

 

「ああ、急に話しかけてすまなかった。私は『デンマーク』『グリム・デンマーク』だ。」

 

 

「はぁ......えと、ルナ・エンフォートです......」

 

 

良い名前してんなぁ......

 

てか背中にでっけぇ剣持ってるけどこの人も強い系か......?

 

 

 

「まず、君は魔力が道具......つまり今回の魔法石に伝わる時、どんなふうに伝わると思う?」

 

 

「え?そりゃ流した分だけ......」

 

 

「そう、そこがまず我々との違いだ。」

 

 

な、何を言ってるんだこのメガネは......

 

 

「通常、魔力は物に伝わる時、必ず『魔力抵抗』と呼ばれる抵抗が生まれる。」

 

「ほほう?」

 

 

「基本的に人間は魔力を100持っている。まぁ、それは人それぞれあるだろうが基本的にはそうだ。」

 

 

「私1なんですけど......」

 

 

「話は最後まで聞きたまえ......そして、普通ならその100の魔力をその魔石に流し込もうが、そこから生まれる魔力抵抗が魔力を正しく伝えない。」

 

 

「つまり......普通だったらありえないことが、起こった......ってコト!?」

 

 

「そうだ」

 

 

うっそだろ......そんな電気の仕組みみたいな......

 

ま、まぁ、きっとお母様とお姉様は当たり前のようにできるんだろーなー、HAHAHA

 

 

 

「そろそろ試験が始まるようだ。善戦を期待する」

 

「ありがとねメガネくん」

 

 

「メガネ......くん?」

 

 

メガネくんと話していると、さっきのヒゲの先生とプラスで爽やかな感じの先生が来た。

 

 

「通常の試験ならわしが担当するのだが、事情が事情なのでな。」

 

 

「ええ、構いませんよ。」

 

 

他にも教師の人たちとか上級生の先輩.........ってお姉様ァァァァ!?

 

 

 

「......あっ」

 

 

「あ、あははははは.........」

 

 

こっちがお姉様に気づくと嬉しそうに手を振ってくれる。

 

やめちくり......これから醜態を晒すかもしれないってのに......

 

 

「魔力抵抗のレジスト......」

 

 

「いいや、完全な無効化だった。」

 

 

その一言で試験会場が一気にざわつく。

 

イヤッ!お姉様までそんな期待にみちた目で見ないでッ!

 

 

「なら、上級くらいなら構いませんね?」

 

 

「ああ、じゃが危険だと判断すればすぐに中止するように」

 

 

「それはもちろんです。」

 

 

やめて!!最初はスライムと戦わせてッ!

 

 

「えーと、初めましてエンフォートさん。私は『リーン』『リーン・クレジェント』と言います。今回は貴女の試験官を務めさせてもらいますね」

 

 

「よ、よろしくお願いします......」

 

 

リーン先生か......

 

爽やかイケメンだなぁ......

 

 

「じゃあ早速始めようか。私も最近実力を出せていなくてね。全力で来てほしい。」

 

 

「へ?」

 

 

この人は何を言って.......

 

 

「では、試験内容を説明する!試験時間は三十分!被試験者であるエンフォートが試験官であるクレジェント先生の持つケイン()を奪うことが試験合格の条件である。尚、今試験での合格では『優秀賞(エクスカリバー)』の授与も考えているとのことだ。」

 

 

な、何っ!?

 

 

こんなところで学園生活の目標が見えた!

 

 

 

___『エクスカリバー』

 

エドワード魔術学校で優秀な生徒だけに授与される七つの剣。

 

その7つ全てを手に入れたものは『マスター』という最上級の学生証を得ることができる。

 

 

 

第一の聖剣(ファースト)を手に入れられればこれからの学校生活は安泰の極み......!

 

 

しょーがねぇ、ここでいっちょ最終手段のお披露目といきましょうかぁ!

 

 

 

 

「では、試験開始!」

 

 

勢いよく旗が下され、試験が開始される。

 

 

 

「じゃあまずはこの子にしようか」

 

 

そう言ってリーン先生は杖をカンカンと地面を叩く。

 

 

すると、先生の足元に魔法陣が現れる。

 

 

「『蜘蛛ノ子(アラクネ)』」

 

 

 

その魔法陣から俺の背丈を二倍ほど超える大きな蜘蛛型の魔獣が現れる。

 

 

「初戦からアラクネかよ......!」

 

 

「ね、ねぇ、あの新入生危ないんじゃ......」

 

 

確かにこいつはキモいし等級も二級に位置する結構危ないやつだ。

 

 

 

「あ、あの......フレナ様......」

 

 

「大丈夫よ。あの子はきっとやってみせるから」

 

 

 

お姉様も紅茶を飲みながらそんなことを言っているが手が震えすぎて口に入る前に紅茶がこぼれている。

 

 

 

「もうやって良いんですか?」

 

 

 

「いつでも______

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グギャァァァァァァァ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

突如、何かがルナの腹部から飛び出した。

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

(今のはっ!剣!?)

 

 

リーンは少し視線をずらし、後方に刺さった何かを見る。

 

 

 

 

「おお〜避けるの上手いなぁ」

 

 

口振から見てもルナがあれを投擲したのは確定。

だが、その素振りも腕を動かしたような動きも全く見られなかった。

 

 

だというのにアラクネを粉砕した上でリーン自身すらも狙った。

 

 

 

「......どうやら私は君を過小評価してたみたいですね。」

 

 

「いや、普通にあの蜘蛛は固かったですよ。でもあと三体出しといたら便利だったかな〜って」

 

 

見ればルナは制服をずらし、腹部から謎の赤い口のようなものを覗かせている。

 

 

フレナからも感じた、『絶対的な強者の風格』

 

 

 

「では、もう少し本気で行かせていましょう」

 

 

そう言ってリーンは自身のギアを数段上げる。

 

 

 

「『獄炎蜥蜴(サラマンダー)』」

 

「『氷冷人形(アイスゴーレム)』」

 

 

 

召喚されたのは二体の炎と冷の魔獣。

 

リーンのいつものテンプレートだ。

 

 

逆に言えば、ルナを実際の敵として標的に入れている。

 

 

 

「上級魔獣を一気に二体も!?」

 

 

「リーン先生本気だぞ!」

 

 

ガヤが上級生下級生関係なくざわつき始める。

 

 

「っ.........」ガタッ

 

 

「落ち着いてくださいフレナ様!見守るという話は!?」

 

 

「誰か鞘に剣をしまわせろ!」

 

 

無論、フレナもほぼ立ち上がってはいたが。

 

 

 

「何あれカッケェ。フレイザードじゃん」

 

 

本人は呑気だが。

 

 

 

「実際、どうしますかエンフォートさん?これ以上の戦闘行為は危険ですよ。」

 

 

「戦わないとエクスカリバーもらえないんで」

 

 

「ははっ......向上心があるのは良いことですね.........では......」

 

 

 

 

リーンは杖を構え、ルナは何やら袋を取り出す。

 

 

 

「じゃあこっちも色々使わせてもらいますよ」

 

 

 

そう言ってルナは袋の中身をぶちまける。

 

 

 

「っ!『絶対零度(ニブルヘイム)』!!」

 

 

 

リーン自身も先ほどの剣を受けて相手の攻撃を待つような男ではない。

 

 

即座にアイスゴーレムへ攻撃指示を放つ。

 

 

だが、

 

 

 

「あっぶねぇ」

 

 

袋の中身から飛び出したのはお菓子の梱包部袋を模したような小さな生物。

 

 

「妖精?」

 

 

例年稀に妖精使いは存在するが、あれは妖精というより_____

 

 

 

「魔物......?」

 

 

「せーかい」

 

 

そしてルナは七歳の小さな体躯を生かし、絶対零度の氷の雨を避け切る。

 

 

その上でさっき放った剣を回収しつつ、炎を纏っている割には柔らかそうなサラマンダーから攻撃する。

 

 

 

「どりゃ」

 

 

 

『グルァァ!!』

 

 

ギリギリのところでサラマンダーはその剣を避け切る。

 

ルナも一度さっきの魔物たちのところまで後退する。

 

 

 

『グミっ!グミグミ!』

 

 

 

「よしよし、ちゃんと使ってやるからな。」

 

 

そう言って俺は声をあげていたゴチぞうを手に取る。

 

 

こいつの再現自体は簡単だったが、いかんせんこっちの世界にグミとか甘味類が少ないのが難儀だった。

 

 

そして、ルナの腹部の口を手でこじ開ける。

 

 

 

(動きが止まった......?今のうちに攻撃を......!)

 

 

その瞬間をリーンが見逃す訳もなく、再度遠距離攻撃の準備をする。

 

 

 

 

 

 

『グミー』

 

 

『イートグミ!イートグミ!』

 

 

 

こじ開けた腹部に直接ゴチぞうを装填すると、ルナの『ガヴ』から音楽が流れ始めた。

 

 

 

「なぜに音楽!?」

 

 

「やめろ!深く気にしたら持っていかれるぞ!」

 

 

確かに俺は剣の才もなければ魔術の才もない。

 

 

だが、その分前世で培った知識と技能、そして_____

 

 

 

「特撮があるッ!」

 

 

 

そのまま側面部のハンドルを回し、グミのゴチぞうを喰む。

 

 

まだまだ体は幼女だが、それは魔力で補え!

 

 

 

左手を眼前に移動させ、そのまま一気に爪のように指を曲げながら顔を横切らせる。

 

 

 

 

「変身』

 

 

 

 

ルナの眼が紫に怪しく光り、顔の横まで運んだ手でボタンを力強く叩く。

 

 

 

 

 

『ウワァァァァァァ!!!』

 

 

 

 

ルナの周りに浮かんだグミのような魔力の塊が体に纏わりつく。

 

 

その衝撃で一瞬意識が途切れ、地面にぶつかる瞬間で覚醒し、片足を前に出すことによって地面との衝突を防ぐ。

 

 

 

 

『ポッピングミ ジューシー!』

 

 

 

 

 

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