十五分物語(短編集) 作:網浜
この小説は爆発オチです。ご了承ください。
「おい爆発オチだってよ!」
影太は花子に叫びます。顔は引きつり、冷汗が顔面を伝うこと滝の如しです。
それは花子も同じで、焦りを隠しきれない様子で影太に必死に叫び返します。
「爆発落ち! サイテーです! サイテーですよ影太さん!」
「確かにサイテーかもしんねえ。この小説を書いているやつは最低だ。かなりの馬鹿だ。赦しちゃいけねえ。しかし、それはそれとして、爆発落ちなんだ。冒頭でそう告げられたんだ。俺達はそこから逃れられねえんだ。小説の登場人物だからな」
「メタ発言! 安直でつまらない、ゴミみたいなことしてますよわたし達! プライドってものがないんですか」
「ないんだ。仮にあったとて、意味はない。俺達は小説の登場以下略」
「なんという……」
花子は絶句した。爆発落ち。メタ発言。小説の登場人物。多くの事が一気に起こりすぎていた。そしてさらに言うと、今変換がなにかおかしくなっていて、端的に言うとローマ字が大文字になっていてタイプしていて非常に気になる。QWDVJP適当に打ってもこんな感じである。なんとかかんとかロックがかかっているらしい。解き方は前に調べたが忘れた。物忘れの激しい花子である。
「それは私ではないし、なんとかロックに苦しんでるのも私じゃない。この小説を書いてるやつが私に転嫁している……こんな非道が許されていいのか」
「そんなことより花子。爆発落ちだ」
「そんな事ってなんですか。もっと私に共感してください。そんなんだから女の子にモテないんですよ影太さん」
「へぇどうりでもてねぇわけだ。そんなことより爆発おちだよ花子」
影太は爆発落ちに拘ります。ところでさっきの地の文が丁寧語じゃなかったのは「今回は丁寧語にしよう」という当初の想いをちょっとばかり忘れていたからです。でも今から修正していては間に合いません。故に放置します。時間は有限。世界には十五分しかありMせん。今の脱字も仕方ないってもんです。
「爆発落ち……つまり最後は爆発して終わると」
「そうじゃ。爆発してみんな死ぬ」
「なんでおじいさんみたいな語尾に? ていうか死ぬんですか爆発落ちって」
「死ぬ。無残に爆散して散る。故に爆発落ちなのだ」
「こわ」
爆発落ち真実に恐れおののく花子ですが、しかし避けられぬ運命です。覚悟を決めました。
「いや決めてませんけども」
「くっ、俺も覚悟を決めるしかないのか」
「強引に話が進んでいくぅー」
「うおおおおこうなったら俺はおちんちんを露出するぞおおおお」
「突然の猥褻物陳列!」
「うおおおおお俺は全裸で隠語を絶叫しながら往来を行き来するぞぉおおお! ×××! ×××! 俺は変態のキングや!」
「なんたる雑な変態像」
「ふぅー、すっきりした。終わりの時は近いな」
「そうでしょうか」
「近い。そのせいかめっきり地の文も少なくなってきている」
「めんどくさくなっただけでは」
「そしてほら、書き始めて十五分がとうに経過している、そんな気がしないかい」
「しませんけども」
「小説の登場人物にその辺はわかんないかな。我々人類が神の存在を感じることができないのと同じさ」
「宗教に傾倒している人は神の存在を感じてるんじゃないでしょうか」
「感じてない。感じていると言っているのはただひたすらに不敬な嘘つきだ。そいつは神の存在を信じてすらいない。神は死んだ! いない! ××××もいない! あんなの嘘だ!」
「××××はまずいのでは」
「こんなの読む人はいないので何も問題ない! それに爆発するので何も問題ない」
「はあそうですか」
「ふぅーっ、ふぅーっ」
「……」
「はぁーっ、はぁーっ」
「……爆発しませんね」
「しろよぉ! 困るんだよ爆発してくれないとぉ! 俺全裸で奇声発しながらその辺走り回っちゃったんだよぉ!」
「ギャグマンガ日和でこういうお話ありましたね。終末ってやつ」
「パクリか! いいかげんにしろ! ああーっ。爆発! 爆発しろよぉおおお! 世の中全て爆発しちまええええああああ!」
世界はビッグバンと共に始まった。それは終わりの始まりであり、今もなお終わりは続いているのだ。爆発にて始まり、爆発にて終わり続けている。故に、あまねく物語は爆発オチなのである。
なにもおかしくはないね。あ、丁寧語わすれてた。
おかしくはないですね。
完です
ShiftキーとCapsLockキーを同時押しすることで作中のなんとかロック問題は解消するようです(インターネッツ調べ)