私はどういう訳か、母の勧めで、羽沢珈琲店でアルバイトすることになった。
そこで、私と同じく、椎名立希さんも一緒に、
アルバイトすることになっていた。
「椎名立希です。よろしくお願いします…」
「南条純那です…よ、よろしくお願いします…!」
と、立希と純那は、同じクラスに所属しているのだが、
こうやって、会話をするのは、初めての様だ。
「立希ちゃんに純那ちゃん!初めまして!
羽沢つぐみです!今日はよろしくお願いします!」
と、看板娘の羽沢つぐみが挨拶した。
「それじゃあ、まずは掃除のやり方を説明するね」
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします…」
と、立希と純那が言うのだった。
と、立希はモップで床を掃除し、
純那は埃を取るために、乾いた雑巾で拭いていた。
「うん。二人共、よく出来ているよ」
と、つぐみが立希と純那を褒めていた。
「ありがとうございますっ!つぐみさん!」
「あ、ありがとうございます…」
と、純那は淡々とした態度を取ったが、
立希は純那と比べると張り切っていた。
「立希ちゃん。はりきっていますね」
「だって、憧れのバンドの人たちですから!」
(ここまで、キラキラしている、立希ちゃん。
初めて見た。まぁ、今日が初めましてだけどね)
「アフターグロウだったよね?」
「アフターグロウさん!」
「ア、アフターグロウさんが、好きなの?」
「私の憧れそのもの」
「そっか」
これ以上は何も言わなかった。
「純那。これが終わったら、一緒に遊びに行く?」
「別にいいけど?このバイトが終わったらね」
「うん」
立希ちゃんって、ムッとしている割には、
そんなに悪い人じゃ無さそう。
これが、南条純那の意見である。
そして、開店準備をして、
二人は接客を、若宮イヴから学ぶのだった!
「セッキャクのココロエをワタシが、デンジュします!」
「よろしくお願いします」
「タキさん!ジュンナさん!笑顔です!
笑ってみてください!」
二人はぎこちない笑顔を、イヴに見せるが、
相当なダメ出しを喰らうのだった。
その後、二人は、ぎこちない笑いをしつつ、
接客に臨んだ。
もちろん、つぐみが、精一杯フォローするのだった。
「ご注文のココアとカプチーノです…」
「ご注文の抹茶ミルクとキリマンジャロブレンドです…」
と、接客を二人は淡々と進めていった。
コーヒーを淹れたりするのは、つぐみの仕事である。
イヴは洗い物をしつつ、立希と純那を指導していった。
バイトが終わり…
「ミナサン!お疲れさまでした!」
「つ、疲れた…」
「けど、新鮮な体験だ」
と、立希と純那は、それぞれの感想を述べるのだった。