ボーダーでの俺の物語   作:reqiem

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第十話

試合終了後 —— 黒澤隊 side

「いやぁ〜、やりすぎたかな?」

転送されてきた控え室で、まず最初に声を上げたのは三上だった。

彼女はモニター越しに見ていた試合の余韻が抜けていないようで、興奮と驚きがまだ混ざっている。

「……点差が点差だからね。しかもあの旋空、反則じゃない?」

「うーん、まぁ、そこはなんとも言えん、、、」

 

軽く肩を回しながら答える。

実際、あそこで全員を刈り取れるとは思っていなかった。最低1人は柿崎隊からベイルアウトさせるつもりでやったからな〜

 

「まぁ、とりあえず今日のところはこれで良し。次は……上位の人たちと当たるかもしれないね」

「まぁ、次は迅と一緒にかな、、、?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

柿崎隊 side

ベイルアウトから戻った柿崎隊の控え室は、珍しく静まり返っていた。

まず沈黙を破ったのは照屋だった。

「……あれ、どうやって避ければよかったんでしょうか」

「いや、正直俺にもわからん……」

柿崎は苦い顔で頭を掻く。

「黒澤……あいつ、確実に“B級上位の動き”してる」

「というか……旋空の射程、完全に計算外でしたね……

スコーピオン併用って、あんな伸びるんですか?」

巴が困惑した顔で言う。

「いや、普通は伸びん。

あれは……黒澤が変態じみてるだけだ」

「変態じみてるって……」

「褒め言葉だぞ?」

柿崎はため息をつきながらも笑った。

「ただ、今回の完敗は逆にありがたい。

やられたパターンはハッキリした。

……次に当たるときは、あいつの射程をまず疑うところからだな」

全員がうなずく。

試合は一方的だったが、それでも彼らにとっては大きな収穫だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ……ようやく落ち着いた……」

ランク戦後、トリオン体を解除してソファに沈み込む。

三上はいつものカルピスソーダを片手に、完全に電池切れの顔だ。

 

「何気にランク戦で初めてちゃんとオペレーターした気がするよ、、、」

「あ〜確かにな〜」

 

わいのわいの話していると──

「よー、おつかれさん」

部屋の自動ドアが開いて、迅さんが片手を上げて入ってくる。

いつもの飄々とした雰囲気だけど、口元がちょっと楽しそう。

「やぁ迅さん。見てたでしょ、今日のランク戦」

「まぁね〜」

迅は笑って肩をすくめた。

 

「いやぁ、やっぱり隼人は面白いね。

あれだけスナイパー封じられた状況で、逆に狩りに行くやつはそうそういないよ」

「まぁ、点欲しかったから」

「その“点欲しいから”で三人飛ばすのやめてあげなよ……」

三上は呆れつつも笑っている。

 

迅が隼人の近くに座り、ぽんちあげを食べながら言う。

 

何食ってんだ、俺にもよこせ

 

「それで、次はどうするの?」

次、、、次ねぇ〜

 

「そうそう、先に言っておくけどA級上がるまでは部隊組むけど、そのあとは一緒には無理だよ」

「だよね〜わかってる」

そうなんだよな〜A級に上がった後に部隊メンバーをしっかりと考えていれないとな、、、

忍田さんにもそこらへん頼むって言われちゃってるし、、、

 

「とりあえず、部隊のメンバーは今度入ってくる人を中心に考えるよ、今期中にA級行ってスカウトも有利に持っていきたいし」

 

まぁ、それは後々考えるとして

 

「次はめちゃくちゃ荒れるよな〜」

しっかりと考えないとね

 

ランク戦昼の部

黒澤隊vs嵐山隊vs東隊vs生駒隊

 

うん、結構なクソゲー⭐︎

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

次の日の夕方

 

「……というわけで、次のランク戦はこの4部隊です」

三上がホワイトボードに部隊名を書き出す。

嵐山隊

東隊

生駒隊

黒澤隊

「あのさ三上、俺なんか悪いことした?」

「え、急にどうしたの?」

「ラインナップが嫌がらせみたいなんだけど」

三上は肩をすくめた。

「まぁ……強い隊ばっかり集まったのはたまたまなんだけど、

“勝つのに工夫が必要な相手しかいない”のは事実だね」

「東さんと生駒さんと嵐山さん同時は普通に無理だよ……?」

「でもやるんでしょ?」

「……やります」

三上が笑う。

隼人も椅子の背に寄りかかりながら、深呼吸して頭を整理する。

 

2人がそう言ったタイミングで──

「よー、おつかれさん。混ぜてもらうよ」

ひょこっとドアを開けて、迅さんが自然に入ってくる。

もう“参加するの当たり前”みたいに座り、アイスココアを開封。

「では黒澤隊、今日も元気に作戦会議始めましょう」

「迅さんのテンションが軽い……」

「いやぁ、こういうのは肩の力抜いてやらないとね。

重い顔でやると“未来が重くなる”から」

「出たよ未来視理論……」

三上が呆れながらも笑って席につく。

 

「さて。今回は“戦闘員が迅と隼人の2名”という、

脳筋か頭脳かよくわからない構成なので……」

「いや脳筋ではないだろ」

 

「じゃあ“悪い意味で頭おかしい2人”」

 

「それは否定しないよ」

 

「草」

 

そこから、作戦の議論を重ねていき、、、

 

「まぁ、結論としては

東隊の行動制限をメインで

そこから嵐山隊の裏で横槍狙う。

生駒隊が乱戦したら……迅さんと二人で潰す」

 

「ただ、やっぱり問題なのはマップ選択権が東隊にあることだよね〜」

 

「未来も1つに絞れないね、流石東さん」

 

「よし、まぁ基本の行動は決まった

俺と迅はアドリブ力が強いから、あとは出たところ勝負だな

まぁ、迅が俺の隊にいるってのも相手からしたら予想外だろうから条件としてはむしろこっち有利よ」

まぁ、迅がランク戦に参戦するってだけでもチートだと思うけど、、、

 

迅も満足そうに笑う。

「いいね。それ、未来的にも勝ち筋太いよ」

「じゃあ、そのプランで私の方も接敵ルートと射線管理準備しておきます」

「よろしく、三上」

「はいはい、隊長」

「じゃ、未来でまた会おう」

「あ〜!その締め方ずるいんですよ迅さん!

「未来視使ってる人が言うセリフじゃないよね!」

迅は笑いながらドアの方へ歩く。

「まぁ、未来は決まってるってことさ。

……黒澤隊の勝ちもね」

その言葉に、隼人と三上は自然と笑った。

 

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