【手直し中】魔法少女リリカルなのは!?「ヘルカイザーと覇王」 作:ヘルカイザー
いや〜デュエルssなのにデュエルすくねぇ〜と自分でも思いますがこう言う物語だからしょうがない。
ではよろしくお願いします。
〜心サイド〜
「涼くん、デュエルしよ♪」
「しない」
即答……涼くんはいつもの如く私の誘いを断る。涼くんの家にお世話になり始めて大体一週間そこら経った、初めの頃に比べれば涼くんも大分私に対してそっけ無くなくなった。でも相変わらず元気がないのは変わらない。それは学校でのイジメが原因だろうと私は思う。勿論私が一緒にいる時はできる限り止めてはいる。だけど私の目の届かない所ではどうしようもない。イジメを受けてる涼くんも反撃しようと思えばできる筈なのに……何も抵抗しない、誰かに助けを求めようともしない。ただ、ただ……一人で傷ついて行くだけ…………
「涼くん明日も学校行くの?私はしばらく休んだ方がいいと思うなぁ〜?」
「行く」
こんな私の提案も涼くんは聞いてくれない。一体何が涼くんをそこまでさせるのか……私には分からない。でも涼くんが死にたい程追い詰められてるのは事実だ。だから早いうちになんとかしないといつまた自殺をしようとするか分からない。けど現状でイジメを無くそうとするのは難しい。学校で私がいくら止めるように言った所では誰も聞いてはくれない、それどころか先生だって見て見ぬふりをしている。こんな事絶対におかしい、だって涼くんは私が今の学校に来るまでずっと一人で耐えていた事になるからだ。
「涼くん苦しくないの?涼くんこの間死のうとしたんだよ?私は涼くんがまた自殺しようとしないか心配なの、だから少し休んで欲しい」
私は両手で涼くんの右手を掴みどうにか分かって貰えないか、休んでくれないか尋ねた。でも次に涼くんが発した言葉は私の予想だにしない言葉だった。と言うより……そんな風に思われていたなんて思いもしなかった。
「大丈夫だよ、今は死のうだなんて考えてない。僕は今学校で一人じゃない。霧谷が……いてくれるから、味方してくれるから……それだけで今は大分救われてる。だからありがとう!」
「涼くん……うん♪いいの、元はと言えば私の所為だから…………」
私に初めての見せてくれた心の底からの笑顔。私はそれを見て自然に涼くんに抱きつく。涼くんが私に救われているそう言われ私も涙が出てきた。そんな風に思われているだけで私も大分救われている。でも私のやるべき事はまだ残っている。私が救われる為にここにいるわけじゃない。涼くんになんとか立ち直って貰って……あの子のお兄さんに謝る事が私にはまだ残っている。けどお兄さんとは中々会えない。いつも行き違いだ。
◇
〜なのはサイド〜
「涼君も温泉行こ?」
「なんだよ……突然」
次の連休すずかちゃんのお家とアリサちゃんのお家そして私のお家で温泉旅行に行く事になった。勿論景君も誘っている。だから後は涼君だけ。この旅行で少しでも涼君には元気になって貰いたい。
「……それじゃ……僕も行ってもいいのかな?」
「え……涼君……今なんて?私達と旅行に行ってくれるの?本当に!?」
「うん……行ってくれるだなんて言わないでよ。僕の方こそ誘ってくれてありがとう。嬉しいよ」
そう言い少し笑ってくれる涼君、やっとだ……やっと涼君の笑顔を見れた。まだ少しぎこちないけど、でもそれでも……確実に昔の涼君の面影を見た。この調子で昔の涼君に戻ってくれれば私も他のみんなも……美花ちゃんだって喜ぶ筈だ。
「なのは?頼みがある……一人……僕の他に連れて行きたい奴がいるんだけど……いいかな?」
「連れて行きたい奴?それって……あの時の子?」
私の問いに涼君は濁さず頷いた、正直私としてはあまり素直に喜べないけど。きっと涼君にとっては大事な子なんだと思うから……今回はその子と仲良くなる意味も込めて私は頷く。この間は初対面で失礼だったし。
「いいよ、みんなの事は心配しないで?私から言っておくから」
「ありがとうなのは」
◇
〜心サイド〜
「涼くん、話ってな〜に?」
今日涼くんが家に帰って来るなり話しがあると言って私をリビングへと呼んだ。でもその顔はなんだか楽しそうで昨日より元気が良くなっている。私はそれが何より嬉しかった。
「なぁ……今度の連休、友達と温泉旅行に行く事になったんだ。だから……霧谷も来ないか?」
「え…………」
びっくりした……涼くんの友達と言えば多分あの子だろう。けどあの子は私の事を敵視している。そんな所に入って行って迷惑にならないだろうか?勿論涼くんに一緒に行って欲しいと言われたのはすごく嬉しかったけど。
「う、嬉しんだけど……この間のあの子が嫌がるんじゃ……」
「なのはの事か?それは大丈夫だ、ちゃんとあいつには言ってある。それとチャンスだと思ってさ」
「チャンス?」
それはなんのチャンスなのだろうか?涼くんの言っている事が私は分からなかった。涼くんの友達に会う事が何のチャンスになるのだろう?
「僕の友達……つまりは梅雅景太、美花の兄貴だよ。それからこの間会った高町なのは、彼女は美花の一番の親友だった。霧谷がもし謝りたいと言うのなら謝ってやってくれ。それで許してくれるかは分からない。特に景太は実の家族だしな」
謝れる……そう思った。でも怖い。何をされるか分からないし言われるかも分からない。だけどこれは絶対にしなければならない事だ。それは覚悟した事、涼くんを好きになったあの時から…………
「涼くん、私行く。謝りたい、その二人に…………」
「じゃ……行こう?」
「うん!」
◇
〜すずかサイド〜
「おはよう、涼君。迎えに来たよ!」
「ああ、わざわざありがとうすずか。あ、おはよう」
「うん♪あれ?もしかして……その子が?」
旅行当日私は涼君を迎えに来た。でもそこで見慣れない子が涼君の後ろにいた。多分、なのはちゃんの言っていた涼君が連れて行きたい子だろう。顔立ちは整っていて綺麗だし髪も黒くてサラサラしているのがここからでもなんとなく分かる。凄く可愛い子だ。この子は涼君の何なのだろうか……涼君が連れて行きたいと言う事は涼君はこの子の事が好きなのだろうか?何だかそう思うと物凄くムカムカする。
「あ、あの……霧谷心って言います。よ、よろしく」
「心ちゃんって言うんだ……可愛い名前だね?どうしたの?震えてるよ?」
「すずか?どうしたんだ?何怒ってる?」
「へ?い、いや何でもないよ、さぁ〜行こ?」
つい、嫉妬に任せて心ちゃんを威圧してしまった。ダメだなぁ〜私。そう思いながらそんなこんなで私達は目的地へと向かう。その途中の車では普通に会話が弾み、心ちゃんとは結構仲良くなれた。だけど何処か心ちゃんは落ち着かない様子、緊張してるのかな?とも思える。
「ねぇ〜涼君?涼君はもうデュエルやらないのかな?なのはちゃんが涼君はデュエルできないって言ってたから……どうなのかなぁ〜て?」
涼君の嫌な事にはあまり踏み込みたくはない、でも私達が好きなデュエルを涼君ができる様になればそれはいい事だ。そうすればきっと涼君はもっと元気になれる筈。
「ごめん……やりたくない」
「そっか…………」
残念ながら断られてしまった。だけど涼君の雰囲気的にデュエルが嫌いになった訳じゃなさそうだ。その証拠に涼君の腰にはデッキホルダーが付いている。嫌いになったならデッキなんて持ち歩かない筈だから。そんな事を考えていると目的地の温泉に到着した。話し込んでいると本当にあっと言う間に時間は過ぎる。私達はまず荷物を部屋に運んで温泉に入る事にした。
◇
〜ユーノサイド〜
みんなでお風呂に入ると言うので僕は何も考えずについて行ったがそこで後悔した。なのは達が服を脱ぎ始めたんだ。僕は急いで脱衣所から逃げようとする。しかしアリサがそれを許してくれなかった。僕を捕まえそのままお風呂に連行する。
「あ!ユーノくん!?」
そのまましばらくお風呂で揉みくちゃにされた僕は隙を見て逃げ出した。でも女風呂から出た先に丁度風呂から上がった黒夜がいた。黒夜は僕を見てしゃがむ。
「何だ、もう出たのか?」
「そ、その……うん」
僕が気まずそうに答えると黒夜は立ち上がり何処かへ歩き出す。なんとなく僕は黒夜の後を追いかけ黒夜の肩に乗った。今彼の目からは少し希望が垣間見える。ちょっと前に見た死にたい人の目はもうしていなかった。僕は少し安心し、黒夜に話を振る。念話も試してみたが黒夜には聞こえていなかったので恐らく黒夜に魔法の資質はない。
「君はなのは達の事が嫌いなの?」
「直球だな?まぁ〜なのは達といればそう感じるよな。嫌い……な訳ない。あいつらだけなんだよ……僕が信じてるのは、僕が友達と呼べる奴らはさ」
なのは達だけ?黒夜はなのは達と別の学校に通っている、なのに友達がなのは達だけ?今日初めて見たあの子は入ってるんだろうから黒夜の学校での友達はあの子だけという事になる。なんだろう……この事実に何か引っかかる。黒夜があんな目をしている理由がそこにある気がする。でもそれも解決したのかな?今は大丈夫そうだし。そう思いこれ以上は何も聞かなかった。
◇
〜なのはサイド〜
「涼君、景君と来たけど話って何?」
私と景君はお風呂の後話があると言われ心ちゃんを含む四人で旅館の庭で顔を合わせた。何の話だろう?とは思ったが心ちゃんの気まずそうな表情と涼君の真剣な表情を見たらそれがとても重要な事だと分かる。だから私達は余計な事を言わず話を聞く事にした。
「……美花についての話だ。後は霧谷が話すから」
「心ちゃんが?」
そう言われ私は心ちゃんを見た、すると心ちゃんの顔は気まずそうな表情から決意した表情にかわりその目は覚悟で満たされている。どうして心ちゃんが美花ちゃんと関係あるのだろうと言う当然の疑問は置いて置いて心ちゃんに耳を傾けた、しかしそれは私だけでなく景君も同じだ。
「その……貴方達の大切な人達を……美花さんとその家族を殺したのは私です。謝って済む事じゃないのは分かってます。でも私には謝るしか出来る事がない。だからごめんなさい。今まで……そしてこれからあったかもしれない幸せな未来を壊してごめんなさい」
「心ちゃん顔を上げてくれるかな?」
「え?つっ!?」
その場にパシーンと言う大きな音が響いた。勿論その音の原因を作ったのは私だ。心ちゃんに顔を上げさせその頬を思いっきり叩いた。
「何?……それ……心ちゃんが美花ちゃんを殺したの?涼君から私の大好きな笑顔を奪ったの?」
「なのは、頼むその辺でやめてくれないか?霧谷はあの時正気じゃなかったんだ。だから「だから何!?」……なの……は…………」
「どうして涼君はそんな子庇うの?そいつは美花ちゃんを殺したんだよ!涼君はそいつの所為でデュエルできなくなったんだよ!?なのに…………。……!?まさか……涼君、美花ちゃんの命がかかったデュエル……そもそも勝つ気がなかったの?その子に勝てないから美花ちゃん見捨てたの?だからそんな子庇うの?なら……美花ちゃん殺したの涼君だね」
「っ!?なのはちゃん!?」
「あ……!?あ、その……違うの涼君、今のはその…………」
私は怒りに任せて一番罪がない筈の涼君にまであたってしまった。景君のお陰で我に帰れた、でも言ってしまった言葉は消せない。私は涼君に一番言ってはいけない事を言ってしまった。涼君はそう言われた瞬間拳を握り俯いてしまう。身体はわなわなと震え私には俯いて見えない涼君の顔から涙が光って見えた気がした。
「ははは……違わない、なのは……何も気にすることはない。その通りだ。僕が殺したんだ」
「違う!?ごめん違うの涼君!?今のはそんなつもりなかったの!?あ、涼君!?」
涼君は私達に背を向け何処かに行ってしまった。私はしばらく動揺して固まってしまったがすぐに追いかけた。でも私はこの時心の何処かで分かっていたのかもしれない……涼君との絆はこの時壊れてしまったのだと。
◇
〜心サイド〜
涼君が何処かに行ってしまい、なのはちゃんもその後を追いかける。そして今この場所には美花さんのお兄さんと二人きり。お兄さんはさっきから何も言わない。ただ私を見て何故か笑った。それは少し異様な光景で私は少し怖かった。でもその笑顔は凄く優しい感じがした。
「心ちゃん……僕は許すよ」
「え…………」
「君がどんなに苦しんだかどんな覚悟を背負っていたかは分かった。ごめん、ちょっと勝手に見させて貰ったよ。」
「っ!?景太……君……貴方まさか……」
私は驚く……何故なら目の前の景太君の目は今、黒から金色に変わったからだ。しかもその瞬間精霊の力が信じられない程強大に膨れ上がった。あり得ない、こんなの私以上だ。精霊の力は確かに普通の人間には出来ないことを可能にすることが出来る。けどここまで精密にコントロール出来るなんて。この人は一体…………
「別に不思議がることはない。お前も精霊の力を使える筈だ、それに残念だがこの状態の俺は誤魔化せない。美花を殺った時も精霊の力を使った筈だ。」
おかしい……精霊の力を使っても性格まで変わるなんて事ある訳ない……だって精霊の力はカードを起点として周囲にある精霊の力を自身に宿し放出する事で力を使う事が出来る。けど景太君は違う……この人は自分の中に精霊の力を生み出す核がある。カードの精霊でもない景太君にそれがあるなんてそんな馬鹿な事ある訳…………
「まぁ、種明かしはここまでだな。……さて、僕はそろそろ戻るよ。あ!それとさ、なのはちゃんの事だけど……なのはちゃん美花と凄く仲良かったからさ。だから今はダメでもいつか分かってくれるよ。なのはちゃん、今整理つかないだけだと思うから。それじゃ」
「あ、ありがとう!」
一番許して貰えない筈のお兄さんである景太君に許された事が私は不思議だ。でも私は救われた。その一言で。でもこれで私は罪が消えたとは思わない。これは私が一生背負っていく。殺してしまった三人の人の為にも…………
次回もよろしくお願いします。