まさか連邦生徒会唯一の男が夜な夜な謎の美少女としてミステリアスムーブかましてるとは誰も予想だにしないだろうなぁ   作:ゆずっこ

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スランプ気味だったり新作を書いていたりしたため遅れました。

ストーリーガン無視の妄想を書き殴るのも楽しいですね^^



ミステリアス美少女を引き立たせるためなら誘拐くらいしたっていいよねっ!

 

「へ~、つまりラーメン屋で出会ったあの四人組が指名手配だってこと?」

「便利屋68か……ふむ、聞き覚えはあるな」

 

 ラーメン屋でゲヘナの四人組指名手配────便利屋68と出会った翌日、私は対策委員の皆とハネタに情報を共有していた。

 

 

「ん、捕まえてヴァルキューレに突き出すべきだった。懸賞金で借金を返せたのに」

 

「そんな物騒なこと言わないでください、シロコ先輩。見た感じは良い人そうでしたし、何かの勘違いの可能性も……」

 

 怪しげな発言の後、おもむろに銃のメンテナンスを始めたシロコをアヤネが止めに入る。

 

「お店では結構礼儀正しかったし、私もその便利屋しっくすてぃえいと?っていうのは良い人達だと思うんだけど……」

 

"やっぱりセリカもそう思う?"

 

「うん。店員に対してあそこまで丁寧なお客さんって多くはいないからね」

 

 セリカは店員に対して丁寧に接するをアル達は信頼できると考えたらしい。

 

「でもなぁ、表面だけ取り繕うのが得意な人間だって多くいるんだぞ」

 

 例えば悪い大人とかな。と軽く注意するハネタに、セリカは「別にあの人達は大人じゃないんだし……」と不満げに返す。

 

悪い大人、ね……

 

「そうですよ。この前なんか、風水に良いと言われてドライフラワーを買ったり、金運が上昇するゲルマニウム麦飯石ブレスレットを買わされたりしたばっかりじゃないですか」

 

"それ、絶対詐欺商品だと思うんだけど……?"

 

 セリカに関してはその手の商品勧誘には引っ掛からないと思っていため、ノノミに告げられた衝撃の事実により驚きを隠せず心の声がそのまま口に出てしまった。

 

「それ、絶対詐欺商品だと思うんですけど……?」

「それ、絶対詐欺商品だと思うんだが……」

 

 しかし、あまりの胡散臭さに私とアヤネとハネタの考えは完全に一致したようだった。

 

「えっ!?」

 

「その反応、間違いなく騙されてましたよね☆」

 

 もしかしなくてもセリカはすぐに騙されてしまうタイプだろう。

 ……となればどんな使い方をしているのか気になってくる。

 

"ひとつ聞きたいんだけど、そのドライフラワーとブレスレットってどこに…?"

 

「ドライフラワーは玄関に置いて、ブレスレットはいつも鞄につけているけれど……」

 

 セリカは机に掛けられていた鞄をブレスレットが見えるように机の上に置き、持ち上げて見せた。

 

 ブレスレットなのに腕ではなく鞄に付けるとは、一体どんな話を吹き込まれたのだろうか。

 

"ブレスレットなのにどうして鞄に付けているの?"

 

「ふふふ……聞いて驚きなさい! ブレスレットというのは元来いつも持ち歩くものに付ける装飾品なのよ!」

 

"うん。騙されてるね"

 

「間違いなく騙されてますね☆」

 

「セリカちゃん、今度詐欺対策の講習を受けた方が……」

 

「これも嘘なの!? ミレニアムの制服を着てたから信頼してたのに!!」

 

 ミレニアムと言えば抜きん出て科学技術が発展した学園のはず。なぜそんな詐欺商品を売りつけてるんだろう……?

 

 

 そんな疑問が思い浮かんだものの、外からの銃撃音により思考が中断される。

 

「またヘルメット団の襲撃かな~?」

 

「あそこまで木っ端微塵に粉砕されてもなお私たちの学校を襲うなんて……執着心だけはピカイチね」

 

 誰もがヘルメット団による襲撃だと思ったその時、アヤネが声を上げた。

 

「ヘルメット団ではないです…!! あれは……傭兵と、便利屋68!?」

 

"そんなまさか…!"

 

「…………なぜだ?」

 

 

 

 

 考え込んでいるハネタを横目に慌てて外に出てみると、そこには見覚えのある四人組と、かなり充実した装備を身に付けた大勢の傭兵たちがこちらに銃を構えている。

 

「あんた達……まさか最初っからこれを理由にアビドスまで!?」

 

 興奮状態にあるセリカは噛みつかんとする勢いでアル達に詰め寄る。

 

「え、ええ! 当然よ!! 意図的な敵情視察ってやつね!!」

 

 アルの発言内容こそ薄情者のそれであるが、声色からはこの状況が完全に想定外の事態であったことを示していた。

 

「誰の依頼なのかは知らないが……ここまで明らかに他校を潰すような行動を起こすようならばこっちにも考えはあるぞ」

 

「ハネタ書記長…!!」

 

 目に見えて顔が青くなったアルは、後ろに控えている三人に耳打ちをする。

 

「連邦生徒会の書記長に危害を加えたなんてことになったら、目を付けられるどころじゃ済まないわ……どうすればいいのかしら……」

 

「今日は一旦引く? そんなことすれば依頼主がカイザーだから何されるか分かったもんじゃないけど」

 

「いいじゃんいいじゃん。行くところまで行っちゃおうよ!」

 

「い、いざとなった時は連邦生徒会ごと爆破すれば……!!」

 

「ぐぬぬ、押しても引いても絶望する未来しか見えないわ……どうすればいいのかしら……」

 

 

 アル達の動向に意識を向けていると、突如遥か彼方から砲撃音が聞こえてきた。

 

「ちょっと!? まだ砲撃の指示は出してないはずでしょう!?」

 

「アルちゃん覚えてないの? 砲撃開始はあらかじめ決められた時間に行うってこと!」

 

「な……なななな、なんですって~~~!?」

 

 一段と情けない声が辺りに響き渡る……なんてことはなく、砲弾が着弾した音により皆は何も聞こえていない様子だった。

 

「あんた達……結局やり合うっていうのね!? 直々に相手をしてあげるんだから、かかって来なさい!!」

 

「ん、先手は譲ってあげた。次はこっちの番」

 

 

「こんな……こんなはずじゃなかったのに…!!」

 

 既に傭兵達と戦い始めているこちら側とは対照的に、少しの間アルは慌てふためいた様子だったが、やがて覚悟を決めたのか銃をしっかりと握り直して引き金に手をかける。

 

"ハネタ! 9時の方向!"

 

「はいよ!」

 

 アルがいの一番に狙ってきたのは、対策委員ではなくハネタだった。

 

 最低限の指示によりハネタを回避させると、今度は黒色のバッグがホシノに向かう。

 

 何が入っているのかは分からないが、放置していても良いことは無いだろう。

 

"ホシノ、バッグから距離をとって!"

 

「りょーかい~」

 

 ホシノは多少の被弾を受けながらもバッグからある程度の距離をとると、先程までホシノがいた空間を焼き尽くすかのような爆発が発生した。

 

「うへ~結構危ないね~~」

 

「ホシノ先輩、そんな呑気に言ってられる場合ですか……」

 

 さすがのホシノでもまともに喰らえばかなりのダメージになると思ったのだろう。アヤネがホログラム越しにジト目で見つめる。

 

 

「この……砲撃がさっきからうざったらしいわね! どうにかしてあっちも叩けないの!?」

 

 今のところは定期的に飛来する砲弾による直接的な被害は出ていないものの、着弾によって発生した砂埃によって視界が制限されるなど、厄介な現象が発生していた。

 

「先生、砲の位置と数を特定できないか?」

 

"わかった。やってみる"

 

 ここからでは視認できない位置にある砲を特定するため、アロナに手を貸してもらうことにした。

 

『正面7km先、5台の155mm榴弾砲を確認しました』

 

"ありがとう。……ハネタ、3km先の5台!"

 

「了解だ。潰してくる」

 

"ちょ、ちょっと!?"

 

 最短距離で進むのであれば大勢いる傭兵とアル達の目の前を突っ切る必要がある。よってハネタ一人では無謀かにおもわれたが……既に全員の意識は対策委員のみんなへと向けられていたため難なく通り過ぎていってしまった。

 

「ハネタ……」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

「ミステリアス美少女とは、謎のヴェールに包まれた正体不明の存在であり、孤高に戦う戦乙女である」

 

 先程の真剣な声色のまま、意図の読めない発言をするライ。

 

 そんな彼女はいつもの如くこのままバックレる……なんてことはなく、足取りは着実に榴弾砲の元へと向かっていた。

 

「くくく……ちょーっと待っとれよ。この完璧で究極なミステリアス美少女様がバッチリ決めてやるんだからな」

 

 ライはアハトアハトを構えて、どこか恐ろしいような薄ら笑いを浮かべた。

 

「当然、俺には考えがあって一人でここまで来たんだ……そう、よりミステリアスさを引き立てるための最高の作戦がな!」

 

 一歩進む事に大きくなる砲撃音をよそに、目にも止まらぬ速度で白衣に着替えたライは笑みを絶やさない。

 

 

 

「ふふ、待っていなさい。貴女達全員……私の(実験台)になるのよ」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「なっ……! なぜ敵がここまで!?」

 

 とある砲兵少女は驚く。高い練度と最新装備で固められた傭兵による前線を突破したであろう敵が目の前に現れたからである。

 

 

 しかしよく見てみると敵は一人、それも白衣を着ていることから戦闘要員では無いように見える。

 

「高射砲を素手で持って……なんだ、気でも狂ったのか? ま、良いさ。見るからに弱そうなやつだからな。こっちでも対処はできるだろ」

 

 高射砲を一人で持つことくらい多くはないものの一定数できる人間はいる。その上、あの華奢な体を見るに持つだけで精一杯のはずだ。

 

「過剰かもしれないが……万が一のためだ。こいつでやっておこう」

 

 高射砲を一人で持ち、戦場に移動してくるなど頭のおかしい狂人のやることである。

 だがそんな狂人のことだ。何か隠し玉を持っているかもしれない。

 

 僅かな警戒心と表情に浮き出るほどの慢心を胸に、自らの操作する砲を目の前の敵へと向け、発砲した。

 

「よし、直撃だ! 良くて気絶、悪くて────「隊長! 弾は当たっていません!」ん?」

 

 硝煙と火花により着弾の瞬間こそ見られなかったが、咄嗟に避けた様子も見られないため直撃だと断定する────

 ───────が、ひとつの違和感に気づく。

 

「直撃一歩手前で炸薬が起爆している…?」

 

 まるで弾着の直前に迎撃されたかのような爆煙。そして僅かに聞こえてくる砂を踏み込む音。

 

「もう一発だ! 二号機、やつに向けて発砲し────」

 

 言い終わる前に二号機……いや、二号機"だったもの"の残骸が気絶した砲兵と共に散らばる。

 

「三号機……四号機でも五号機でもいい! 早く誰か……ッ!」

 

 これ以上は言葉が出なかった。出せなかった。

 自分以外の榴弾砲は全て破壊され、自らを隊長と呼び慕う部下もいつの間にか地面に倒れ伏していたのだ。

 

 この威力は間違いなく敵の持っている高射砲によるものだろう。

 もはや仲間はおらず、残ったのは一人では絶対に動かせない榴弾砲のみ。

 

 先に攻撃してきたのは自分達なのだ。もはや逃げようにも逃がしてくれるはずもないだろう。

 

 ────────となれば取るべき行動は一つだけ。

 

こんのぉぉぉぉぉぉ!!!!!!

 

 ある程度の距離があったからこそこちらが一方的にやられたはずだ。

 ならば肉薄して護身用程度に持っていたSMGを至近距離でぶちかませば良いだけの話……のはずだった。

 

「その銃……あの人のものと同じね。……貴女だけは特別、連れて行ってあげるわ」

 

「この野郎! 何が───」

 

 目と鼻の先まで近づき、今だと言わんばかりに引き金に手をかけた瞬間、普通の人ならば高射砲を持つのに精一杯のはずの手がこちらに触れた。

 

「とくべ、……………」

 

 その時から、自分の中の何かが弄られるような感覚と共に意識が遠のくのを感じる。

 そしてそのまま威勢の良かった声はしおれて行き………

 

「良かった。成功ね……安心しなさい。悪いようにはしないわ」

 

 最後に見たのは、こちらを人とは思っていないような冷徹な目をした恐ろしい少女の姿だった。

 

 

 

 

 

   ごめんね。───ちゃん。助けられなかったよ……

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「これで終わりよ!」

 

 セリカの声によって最後まで抗戦していた傭兵の武器が破壊され、戦闘不能に陥ったことが皆に知らされる。

 

「私のデータによれば勝率は91.5%だったのに…!」

「任務失敗か。この様子だと私の……いや、私たちの望みが叶うのはまだまだ先になりそうだなぁ……」

 

 痛手を負い戦闘継続が不可能になった傭兵達は少し気になる言葉を発しながらも撤退する。

 

"望みっていうのはなんなんだろう…?"

 

「どうせ金持ちになりたいとかでしょ? そんなことより、あそこにいる便利屋はどうする?」

 

 視線の先には腕を組みながら吹っ切れたような表情のアル。そしてこの状況になってもなおまだ楽しげにしているムツキやため息をつくカヨコ、目線を右往左往させながら慌てた様子のハルカがいた。

 

「ん、身ぐるみ剥ぎ取って借金返済の足しにすべき」

 

「さすがにそこまでする必要は無いんじゃないかと……戦闘を開始した時もまだ何か言いたげな様子でしたし、1度お話してみませんか?」

 

 確かに傭兵達が撤退した今ならまともに話せるかもしれない……

 

 そう思いみんなでアルの元へ……みんなで?

 

 少し思い返してみると、あと一人……ハネタが居ないことに気づいた。

 

"砲に向かったハネタは大丈夫かな……?"

 

「確かにね~、おじさんがちょっと見に行こっか?」

 

 うわ言のように発したハネタへの心配をホシノが拾う。

 

"そうだね……うん、お願いしようかな"

 

 キヴォトス外の人間である私が数キロの道のりを今すぐ向かうのは困難だけれど…ホシノならばあっという間だろう。

 

 そのためハネタのことはホシノに任せて、便利屋68と話すことした。

 

 

 

「ふふふ……流石は先生ね。見事な指揮能力、恐れ入ったわ!」

 

 近づいてみると、こちらから話しかける前にアルから私へ称えるかのような言葉をかけられた。

 

"戦ったのは私じゃなくて対策委員のみんなだけどね"

 

「そうかな~? 傭兵との戦闘を無傷で捌ききった上で、私たちが下手に動けないよう制御しきっていた腕は見事なものだと思うよ~~」

 

 

 苦笑する私に、アルに続いてムツキも言葉をかける。

 

 ……どうしてここに残ろうと思ったんだろう?

 

 

「アルちゃん、撤退しなくて良かったの?」

 

「だって……あそこでみすぼらしく撤退してたら全然アウトローじゃないわ! それなら腕を組んで敵を称える立ち回りの方がアウトローっぽいのよ!」

 

「そうして油断したところを爆破するんですよね! それならば私が身を挺して……!!」

 

「ここでそれはまずいわ…! とにかく、今は敵対せずに誤解を解かないと!」

 

「……社長、それが逃げずに残る本当の理由じゃない?」

 

 小声で会話しているため誰にも聞こえていないつもりなのだろうが、銃声も砲撃音も聞こえない砂漠ではアル達の声がよく聞こえる。

 

 

「アウトローだか誤解だか知らないけど、これはどういうつもりしっかり答えてもらうわよ!!」

 

 

「わかってるわ……話はカイザーからの依頼まで遡るのだけれど…………」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 砂に残ったハネタの靴跡を追い、砂漠を進む。

 

 

「人並みには戦えそうだから何とかなりそうだけど……一応、ね……」

 

 その心情は、まあ大丈夫だろうという確証のない信頼と僅かな不安が渦巻いていた。

 

 

「……これって」

 

 追っていたはずの靴跡が途絶え、見慣れない靴跡が地平線へと続く。

 

 いや、本当は見たことがある。それは二年前のあの日──────

 

「ライ!?」

 

 途端に不安が心の中へと広がり、広大な砂漠を駆け出す。

 

 

「なっ…どうして…!!」

 

 全速力で走り抜いて見えたもの。それは────

 

 

  ハネタが持っていたはずの銃を片手に、一人の傭兵を抱えるライの姿であった。

 

 

 

 

 

 





掲示板方式を導入する可能性があることをここに記しておきます。

やるとしたら先生(プレイヤー)視点かなぁ
ミステリアス度を向上させるための補助器具的な感じで使いたいところですね

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