まさか連邦生徒会唯一の男が夜な夜な謎の美少女としてミステリアスムーブかましてるとは誰も予想だにしないだろうなぁ   作:ゆずっこ

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ミステリアース!!!

書きたいことが多すぎたので次回もハネタ視点です。
はやく本編進めたい!!!!!!!!



口が臭いミステリアス美少女とかありえないじゃんね☆

 

 

 ライがミステリアス美少女を遂行することなく紅茶を作り始めてから約10分が過ぎた頃……

 

(結局契約書にサインをしてしまった……せっかくの休日を完全にアビドスに持ってかれるとはなかなかに痛手、とはならないんだよなぁ!)

(意志あるところに道は開ける。俺のミステリアス精神はまだまだ砕けちゃいないんだ…! ミステリアスとは何たるかを見せつけてやるぞ!)

 

 しかし活動的な馬鹿より恐ろしいものは存在しないものである。

 

「今日は……良い天気ね。 まるで蒼穹を覆う闇が散り、光の刃が大地を照らしているかのよう…」

 

 (思慮深そうな顔をしてミステリアスな発言をする*1…これはミステリアス度が高いとは思わないかね????)

 

 それはミステリアスではなくただの厨二病なのでは?

 

「確かに良い天気だよねー。 そんな日にライちゃんとこうして仲良くお話できるだなんてとってもうれしいかな!」

 

 そんなユメはというと、いつも通りのほほんとした雰囲気のまま笑みを浮かべておそらく心の底から思っているであろう事をライの自称ミステリアス発言には言及せずに述べた。

 言及しなかった理由は一つ。あの発言内容を理解できていなかったのである。

 

 つまるところ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()というのが適切だろう。

 

(くっ確かにミステリアス美少女というのは理解のし難い発言、振る舞いをするものだろう……しかしだ、先程の発言は理解のしやすさ云々ではなくそもそも内容を考察する隙間が無いほど突拍子も無く意味のわからない言葉だったということ………つまり意図せずではあるがミステリアスの押しつけになってしまったということだ)

(つい数十分前に独り善がりなミステリアスロールプレイングはしないと誓ったというのに…何たるしくじりだ! もう二度と過ちを繰り返さぬようにしなければならない!)

 

 ミステリアス美少女に関しては真摯なライはこの出来事を糧に相手が理解できるレベルの内容に抑えようと決心するのであった。

 

 

 

「ねえ、ライちゃん。ライちゃんはずっとここにいてくれる?」

 

 ライのやらかしから数十秒の無言の空間が続いた後、急にユメから話しかけられた。

 

「言われなくてもそんなことは分かり切ってることでしょう? あの契約をついさっきしたことを忘れたのかしら」

 

(最初は休日をつぶされるのが嫌だななんて思ってたけど、逆に考えたら毎週末美少女とかかわりが持てるのって最高じゃね?)

 

 このクズ、表では契約だのなんだの言うか心の内では私欲にまみれた思考をしていた。

 

「もちろん忘れたわけじゃないよ! ただ…ライちゃんにはライちゃんのやるべき事があるんじゃないかなって思ったんだ」

 

 ユメはビナーと戦っていた場面でライが助けに来たことを偶然ではなく何らかの目的があると考えたようだった。

 

(やるべき事か……ミステリアス美少女を遂行したい!なんて正直に言う訳にも行かないし、さっきみたく理解出来ない意味深な言葉を言うのも良くないな)

 

 であればどうするのか? ライはこうすることにした。

 

「ごめんなさい。今は…どうしても話せないの。でもこれだけは約束するわ。『私は貴方達から物理的には離れてしまっても心はずっとすぐ傍に居る』って」

 

「そっか……うん、ありがとうライちゃん。こんなに良い人を友達に、顧問に持てて私は幸せ者なんだろうね!」

 

 そう言ってユメは少し涙ぐみながらも可憐な花が開いたかのような笑顔を作る。

 そんなユメにライはというと………

 

(ハァ…………? 可愛すぎるんですけど? 何、ライバルか? ライバルなのか???)

 

 あまりに綺麗な笑みを浮かべるユメに半ば嫉妬していた。

 せっかく大好物の美少女が笑いかけてくれているというのに喜ぶどころか悔しがるという人間の傲慢さ……と言うよりはライの傲慢さがが全面に出ているところであろう。

 

 (俺の考案した完璧な作戦、高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応する作戦がまさかこんな手痛い反撃を喰らうとは……ユメめ、なかなかやるようだな)

 

 言うまでもなく、その場で立案された行き当たりばったりな作戦に成功などするわけがなかっただけなのだが。

 

 

「ねっアビドスのこと、全然知らないでしょ? ホシノちゃんと一緒に今度案内してあげる! アビドス水族館に柴関ラーメン、それに今は無いけど…アビドス砂祭りもいつかは一緒にやろうね!」

 

「ええ、もちろんよ。」

 

(水族館…? ふむ、水族館といえば意図的に照明が抑えられた大水槽があるもんだよな……暗く、日常では見ない魚達をバックに神秘的な空間で一人不敵な笑みを浮かべるミステリアス美少女……"これ"だな。カメラでも用意しておくか)

 

 ユメは自分の提案に心を躍らせるライの内心*2に気づいたのか、微笑ましそうな様子を見せた。

 

 (冷静に考えると俺とユメって属性ほとんど被って無いんだよな。だから正直に美少女の可愛さを感じても良いのでは?)

 

 どこか上から目線な胸中は誰にも悟られることないまま、廊下から生徒会室に近づいてくる一人分の足音が聞こえてきた。

 

「ホシノちゃんかな…?」

 

「…この足音、そうみたいね。」

 

(ふっ…俺の完全美少女記憶能力を舐めるなよ。ホシノの足音くらい、あの病院の廊下で一度聞いたから分かってるぜ)

 

―――――ガラガラガラッ!

 

二人の予想は正しかったようで、大きな音を立てて勢いよく扉を開くと同時に見知った顔が覗かせる。

 

「ホシノちゃん!ちょうどいいところに来たね!この人がライちゃんで―――「ユメ、先ほど彼女とは会ったわよ」あれ、そうだったの?」

 

「はい、先ほど砂漠で出会いましたよ。ところで…」

 

 

(言わなくても分かるぞ。さっきの質問の本命――――1週間前、なぜあの場に居合わせたのかについてだろう。)

 

「私がそこにいた理由は……そうね。まだこの場で教えることは出来ないわ」

 

(ふふん、少し悲しげに目を伏せることでこれ以上は追求させまいとする作戦…! やはり俺は学べる美少女、今この場は俺が掌握している!)

 

 確かにホシノはこれ以上追求できそうにない雰囲気になっていた理由として、ライの仕草だけでなくユメの制止するように制止するような目配せも大きいところだったのだが…………ミステリアス美少女狂いはそんなことに気づくことなく思考を始めた。

 

(とりあえずユメと同じ感じで流したけど…ずっとこれ言っててもミステリアス度はかなり低いな。出来る限り早くもっとミステリアースな理由を捏造したいところ。)

 

 ライは自らのミステリアスを磨き、実行に移すための計画を立てながら談笑しているといつの間にか下校のチャイムが鳴り、お開きとなった。

 

「こんな過疎ってる学校でもまともにチャイムは鳴るんだな」

 

 …余計なつぶやきを残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから1週間が経過し、またアビドスに訪れたライはというと……

 

「やるか。アビドスラーメン食べ歩き…!」

 

 ラーメンの食べ歩きをしようとしていた。

 

 ラーメンを食べるだけならば男の状態で食べたって変わらないだろう。

 ではなぜライとしてラーメンを食べに来たのかと言うと……

 

「ミステリアス美少女たるもの、ラーメンであっても食事は優雅に食べられるようにならなければない……これはその修行の一貫だ」

 

 ラーメンの食べ方に優雅も何も無いはずなのだが……謎のこだわりを持っているためであった。

 

「まずはここ、ユメもオススメしてた柴関ラーメンだ」

 

 最初に訪れたのはユメが案内したいと言っていた施設のうちの1つ、柴関ラーメン。

 

「失礼するわ」

 

「いらっしゃいませー! カウンター席にどうぞー!」

 

入店するとまず、店主らしき人物が元気よく声を上げて席案内をしてきた。

言われるがままに目の前のカウンター席に座り、メニューに目を通すが…

 

(特製と普通のラーメンの違いはなんなんだ…? その上、この大量にあるトッピングの種類も気になるし、かなり迷うな……)

 

 幸いなことに、混んでいる時間でもないためじっくり悩むことにしたのだが……

 

 その時、意外な来客が現れた。

 

(ホシノ!? まさかここに来るとは予想もしてなかったな……)

(だがミステリアス美少女はこの程度では動じない。そう、ミステリアスかつ冷静に話し掛けるのだ…!)

 

「また会ったわね、ホシノちゃん」

 

「ええ、こんなところで会うとは思ってもみませんでしたよ」

「ところで、ライもラーメンを食べるんですね。てっきり良いとこのお嬢様なのでこういう庶民的な食べ物は食べないと思ってました」

 

(良いとこのお嬢様に見えたか! ミステリアス美少女とは少し違う属性ではあるが……似てる部分も多い。褒め言葉として受け取っておこう)

 

「ふふ、貴女からはそう見えたのね」

 

(ふふふ…おっと、他人から認められたのが初めてなせいか笑いが止められないな)

 

 ライはミステリアス美少女らしくない笑みを隠すため、ホシノを直視せずにメニュー表を見て表情を隠すことにした。

 

「はぁ……まあいいです。大将、特製味噌ラーメンと炙りチャーシューのトッピングをお願いします」

 

(慣れた口調で注文する姿…それがこの店の通が選ぶメニューってことか! 俺も同じものを注文するとしよう)

 

「私もホシノちゃんの同じものをお願いするわ」

 

 ライはホシノと同じものを注文することにした……が、後にこれがとんでもない後悔を生むとは予想だにしない選択であったことはまだ知る由もない。

 

 

「私が頼んだラーメンと炙りチャーシューって結構重いんですが…ライは食べ切れるんですか?」

 

「貴女が食べられるのなら、私にも食べられるでしょう?」

 

(別に心配することは無いはずだ。だってその体格で食べ切れるんだろ…?)

 

 ラーメンの量を気にするのも程々に、ライは店内を見渡すことにした。

 

(こういうのを二郎系っていうのかな? 麺が結構太めで普通のラーメン屋では見ないような野菜達、あとはニンニクがたくさん……あれ?ニンニク? ニンニクってあの――――「はい、お待ちどうさん。特製味噌ラーメンと炙りチャーシューだ。」おっと、そんなこと考えてる場合じゃ…ってなんだこれ!!)

 

 目の前に現れたのは山のように盛られた野菜とそこに載せられた手のひら程の面積と1cm以上の厚さがあるチャーシューであった。

 何を隠そうこのラーメン、野菜のせいで肝心の麺やスープ――――ラーメンとしての心臓が完全に覆い隠されて見えなくなっていたのである。

 

「黙っていた私も悪いですが…私が注文したラーメンは結構量が多いんです。食べられそうにないのなら私に――――」

 

(なんだと……これは俺が注文したラーメンだ。さすがに1人で食べきってやる…!)

 

「お気遣いは嬉しいわ。でも自分で注文した食べ物くらい自分で食べ切るのがマナーなのは分かってるから大丈夫よ」

 

 さすがのライ(自己中変態馬鹿)でも最低限度の自分で注文したものは自分で食べるというマナーはわきまえている――――

(ここで易々と他人に飯を明け渡すようなやつなんざ、ミステリアス美少女の風上にも置けない存在に成り下がる…!)

 なんてことはなく、クズはクズらしい自己中な理由でマナーを守ることにしていた。

 

「へ?」

 

 呆気に取られたようなホシノの声の後、ライはラーメンを啜り始めるのではなく埋もれている麺を上に引っ張り出して野菜の上に乗せることにした。

 

「うへ〜…」

 

 この声にライへの意外性がこもっていたのか、またしても呆気に取られていたのか、判別する方法は無かったがそのまま野菜から食べ進めることにした。

 

(店によっては麺が粉っぽかったりするんだが…柴関ラーメンはそんなこと無くてちゃんと食べ応えがあって良いな……今度普通にハネタとして来よう)

 

「お客さん、そんなに放置してたら麺が伸びちまうよ」

 

「す、すみません…」

 

 黙々と食べていたライに目を取られていたホシノは店主に少し注意されてしまったようだ。

 だがライはそんな事を気にもとめずに食べ進めて、結果的にホシノとほぼ同時に完食し店を出ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あのラーメン美味かったな……それにライの状態なら汁が自分に向かって跳ねて来ないから汚れを心配しなくて良いし、やっぱりミステリアス美少女は世界を救うんだ!)

 

 思考が飛躍しすぎてる上にラーメンの汁が跳ねなかったのは神秘のおかげである。

 

(だがそんなことは今どうでも良い…大事なのは今からやることだ)

 

「貴女の聞きたがっていた『なぜ私があの場所に都合良く居合わせたのか。』という疑問についてなのだけれど」

 

 ホシノと共に店を出てから少し歩いたところでホシノの方へ向き直り、話を切り出す。

 

「…話す気になったということですか?」

 

(よしよし、食い付いてきたな……ここからは俺の独壇場だ!)

 

「ええ。……私は、どこかの学園の生徒では無くて、とある組織に所属しているエージェントよ」

 

「組織…?エージェント…?」

 

 唐突のカミングアウトにより思考が纏まらない様子でオウム返しをするホシノを見て、ライは内心ニッコニコである。

 

(今こそ俺がこの一週間で考えた作戦……具体的にそれっぽいことを言ってはぐらかす作戦を実行する時…!)

 

「それについて詳しくは言えないわ…でも、あの大きい白蛇一一一ビナーを討伐するように命令を受けて来たのよ」

 

()()()()()()()()()。今の俺は舌が回りすぎてるのか?)

 

「ビナー…?それがあなた達となんの関係があるというんですか?」

 

「そうね………キヴォトスの平和のためよ」

 

 ライの発言中ホシノはうつむいてわなわなと震え、言い終わるころには勢いよく顔を上げてまくしたてるように大声で心の内を打ち明けた。

 

「でもそんなこと言ったって、アビドスには数え切れない程の借金があって、砂嵐のせいで家を追われた人だって大勢居るんですよ!?この状況が続いても尚、キヴォトスは平和になれると言い切れるんですか!?」

 

(まずい、地雷だったか…? とりあえず口を動かさねば。さもなくば貴重なミステリアスムーブを披露できるポイントを失いかねん!!!)

 

「安心なさい。――――絶対にこのアビドスは今よりもっとずっと良くなるはずよ」

 

(頼む頼む頼むせっかく孤高のミステリアス美少女だけじゃなくて新しい道も開拓できそうなんだ神様仏様ホシノ様――――――)

 

 

 ホシノは少しの間考え込んでから、前向きな答えを出すことにしたようだった。

 

「分かりました。小野川ライ、あなたの言葉を信じることにします。だからその言葉、絶対に反故にしないでくださいね」

 

ッ――――――!!!!!!!!! ヨシ!!!!!これも日ごろの行いの良さのおかげだろ!!!!!見ていてくれたんだな美少女神様!!!!!!!!!!!!!

 

 神が本当に日頃の行いを見ていたのであれば今この場で射殺されてもおかしくはなかっただろうが……そういう意味での神はいなかったらしい。

 

(作戦がうまくいきすぎて笑みが止まらねえ…! 気持ち悪い笑顔が表に出る前にさっさとここは撤退させてもらうとしよう)

 

 

 こうしてライはそそくさとその場から去ることにした…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、なんか口の中が……ってこれニンニクか!!!!うわぁ…ミステリアス美少女からニンニク臭なんて嫌すぎる。ライとしてラーメン食うのは絶対にやめておこう…」

 

 ――――ミステリアスポイント、マイナス100点。

*1
内容は晴れていることを表しただけである

*2
心を躍らせている方向は思っているのと違う





すまんかった。
最初ら辺とかちょっと雑すぎたわね

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