いせかるメンバーにナツキ・スバルの人生上映会を観せる   作:リーグロード

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上映会第二部
絶望は未だ終わらず


 見知らぬ場所で起きた際のお約束の台詞を呟いてから起きだすスバル。

 一通り体を調べたり動かしたりしてみて、何処にも異常がないのを確認すると、スバルは意識を失う前のことを思い出して確認する。

 

『一回無様に死んで、二回目も果敢に死んで、三回目はわりと完璧な犬死を演じて、四回目は死闘観戦の果てに流れ弾で死亡──的な展開だったけど、命拾ったみたいでよかったよかった。これで死んだらモブ一直線だな俺』

 

「死んだ?あいつは何を言ってるんだ?」

 

「そういえば、尚文達はさっき来たばかりで、前の上映を見逃してたから知らないんでしたね。スバルは死に戻りという能力で既に3回は死んで蘇っているのですよ」

 

「死に戻り!?なにその能力は!?そんなチート──っ!」

 

 めぐみんの説明に意外にもクリスの方が食いつく。

 何か途中まで言いかけていたが、慌てて自分の口に手を持っていって言葉を飲み込んだ。

 

「それじゃあなにか、スバルは殺しても蘇るゾンビみたいな存在ってことか?」

 

「いや、ゾンビとは少々……、いいや、だいぶ違うな。スバルの死に戻りの能力は自身が死んだ瞬間に、ある特定の過去の時間に巻き戻るようだ」

 

「なんだそれは、そんなものチートを越えてもはやバグなんじゃないか?」

 

 アインズの補足説明を聞いて、自分の手に装着している盾の能力よりも使いようによっては遥かに強力な能力に、尚文は羨ましさを滲ませた声で言う。

 

「そんなにいいものではないぞ。はっきり言って、スバルの能力は強力ではあるが、使用者を選ぶといった感じだな」

 

 ターニャの死に戻りに対しての評価は、決して高くはなかった。

 まあ、あんな悲惨な死に方を何度もしているのを見させられたならば、そう思うのも無理はないだろう。

 スバルの死に様を知っている者の何人かが、ターニャの言い分に大きく首を縦に振っていた。

 

「そ、そうか……」

 

 皆の反応に、尚文は己の失言を悟って、慌てて言葉を濁した。

 

『となると、新たな冒険の始まりだな。……いかん、いかんぞ、俺! わくわく以前に面倒くさいと感じるなんて、お前はあのひきこもりの時代に戻るつもりなのかよ!? あんな、ただご飯食べてゲームしてアニメ見て寝たい時間に寝てスレとか覗いて書き込みしてるような……戻りてぇ』

 

「あ~、めっちゃ分かるわ~」

 

 スバルのわりとどうしようもないニート宣言にカズマも同意を示す。

 ただ、その発言に合理主義的思考を持つターニャがゴミ……、あるいは養豚場の豚を見る目でカズマとスバルを見ていた。

 

 やがて、廊下に出て彷徨うも、延々と同じ景色の廊下がループする。

 

「これは、正解の部屋を見つけられなければ出られないといったパターンか?」

 

 ダンジョンとかでよくありそうなギミックに、ユグドラシルでも似たようなダンジョンがあったなと心の中でアインズが呟く。

 

『ループしまくりのあとの罠満載の廊下。こういう典型的なダンジョンイベントって、意外と最初のドアがゴールだったりするよな』

 

『……なんて、心の底から腹の立つ奴なのかしら』

 

 見事に一発で正解を引き当てるスバル。

 

「あっ、ベアトリスちゃん!」

 

 同じ図書委員で友達のような関係を築いているベアトリスの登場にマーレが浮足立つ。

 

『そろそろベティーも限界なのよ。ちょっと思い知らせてやった方がいいような気がするかしら』

 

 スバルの礼を欠いた軽薄な態度に、ベアトリスはイラついてマナを吸い上げ、スバルが床に伏せる。

 

『お前、アレだろ……人間じゃねぇな。この場合、性格的な意味じゃなく』

 

『にーちゃに会ってるわりには気付くのが遅かったのよ』

 

『一個、訂正……性格的にも、お前、人間じゃねぇや……』

 

『気高く貴き存在を、お前の尺度で測るんじゃないのよ、ニンゲン』

 

 そうしてスバルの意識は遠のいていき、画面は暗転していった。

 

「やはり、流れる映像はスバルの見ているものだけを映すようだな」

 

「え?今スバルさん倒れちゃいましたけど、皆さん心配にならないんですか!?」

 

 冷静に分析するアインズと、倒れたスバルに慌てるラフタリア。

 そんなラフタリアにカズマはサムズアップした顔で親指を立てていた。

 

「大丈夫!俺も最初はそんな感じだったけど、これはわりと緩いほうだから!!」

 

「なにが緩いんですか!?」

 

 実際に、ドレインタッチみたいなので吸われて崩れ落ちるのよりも、腸を切り裂かれて倒れる映像の方がショッキングだからカズマの言い分に間違いはない。

 

『あら、目覚めましたわ、姉様』

 

『そうね、目覚めたわね、レム』

 

 スバルが目を覚ますと、目の前に髪の色が違うのと胸のあたりの膨らみが違うこと以外は遜色ない双子のメイドが立っていた。

 

「ちっくしょ──ー!!!」

 

「おわ!?びっくりするじゃないですか、カズマ」

 

「何をそんなに怒ってるのよ、カズマ」

 

 映像を見て急に声を上げたカズマにめぐみんとアクアは驚く。

 周りの者もカズマの急な叫びにどうしたとばかりの視線を送る。

 

「も~、みっともないから座りなさいよ。どうせ、カズマのことだから。「同じ屋敷生活なのに、俺の方と違って本物のメイドなんて羨ましい~!」とかなんでしょ?」

 

「そうだが。俺は!駄女神に頭のおかしい爆裂娘にポンコツクルセイダーだというのに!スバルの方は美人メイドと好きな女の子と一緒の屋敷でキャッキャウフフ!!!とか羨ましいんじゃ~っ!!!」

 

 カズマの魂の叫びとも言うべき叫びに、慣れている皆はやれやれと肩をすくめる。

 

『……もっと大人しく目覚めたりできなかったの?』

 

 部屋の入り口に立っているエミリアにスバルが気がつくと、その服装に親指を立ててGJ!と声を上げる。

 

「ほ、ほぉ~……、エミリアさんマジ天使だな~」

 

「カズマ、あまり女性の服装を見て鼻の下を伸ばすのはよした方がいいですよ」

 

「の、伸ばしてねえよ!てか、それって嫉妬か?だったら、めぐみんも俺を魅了するような服をだな~……」

 

「はいはい、馬鹿なこと言ってないで、黙って見るとしましょう。尚文とラフタリアがフィーロの教育に悪そうだと言いたげな目でカズマのこと見てますよ」

 

「うおっ!」

 

 めぐみんの言う通り、部屋の真ん中に位置する席に座っていた尚文とラフタリアが、フィーロの耳を塞ぎながら、汚らわしいものを見るような目でカズマの事を見ていた。

 

「まったく、スバルもカズマも一体どういう育てられ方をしたんだか……」

 

 尚文はやれやれと溜息をつき、画面へと目を戻す。

 

 そこではエミリアとの会話も終わり、寝巻きからいつものジャージ姿へ着替えて屋敷の庭に出ていた。

 

「すっげぇ~、俺らの屋敷よりも全然大きいし、広いじゃねえか。ひょっとして、アルダープのおっさん家より……いや、ダクネスの実家くらいあんじゃねえか?」

 

「う、うむ、私もスバルが屋敷暮らしとは聞いていたが、よもやこれほどまでの豪邸とは思わなかったぞ」

 

 映像で流れる屋敷のデカさに驚愕するカズマとダクネス。

 2人だけじゃない、アインズ達を除けば、大抵の者が唖然としていた。

 

『珍しい動きしてるけど、なにしてるの?』

 

『あん? 準備運動の概念ってないの? 体動かす前にあちこちの筋をほぐしとかねぇと、思わぬとこで靱帯損傷! アキレス腱断裂! とかするぜ』

 

『ふーん、あんまり見たことないかな。でも、確かに体を温めないで急に動かすとケガしやすいものね』

 

『準備運動しねぇのか、この世界の人間は。んじゃ、仕方ない。教えてやろうじゃあーりませんか。俺の故郷に伝わる、由緒正しい準備運動をな!』

 

 そうしてスバル指導のもと、ラジオ体操が始まる。

 

「うげっ、ラジオ体操とか小学生の頃以来だな……」

 

「ラジオ体操……ですか?妙な動きではありますが、運動の前の動きとしては理に適っていると思いますよ?」

 

 運動嫌いのひきこもりであるカズマは、ラジオ体操という響き自体に拒絶反応を示すが、めぐみんは興味深そうに映像の中で動くスバル達の動きを観察する。

 やがて、ラジオ体操も終わり、エミリアも庭に出てきた本来の目的を済まし終えると、双子のメイドがやって来た。

 

『当主、ロズワール様がお戻りになられました。どうかお屋敷へ』

 

『そう。ロズワールが。……じゃ、迎えに行かないとね』

 

『はい。それからお客様も。目が覚めているなら、ご一緒するようにと』

 

「なるほど、ここでロズワール先生が出てくるのか。となると、この屋敷の本来の所有者はロズワール先生ということに……。あの見た目でか!?」

 

 あの道化師みたいな見た目で、この大きさの屋敷を所有できる経済力あるいは権力があることにターニャは驚きを隠せない。

 

「あ~、気持ちはわかるが、あれでも切れ者の部類に属する人だ。そこまで意外ではないだろう」

 

「確かにその通りだが……。あれだぞ!?」

 

「あれだが……!」

 

 納得がいかんとばかりの不満が顔にありありと浮かんでいたターニャに、アインズもターニャの言いたいことは分かると頷く。

 

 そうしてスバルが屋敷の食堂に足を運ぶと、スバルの予想を大きく上回るロズワール(変態)と遭遇した。

 

『あはぁ、目が覚めたんだねぇ。よかったよかったぁ』

 

『ま、まさか……俺が下がらざるを得ないだと!?俺よりキャラが濃いとか尋常じゃねぇ……日常生活に支障きたすぞ!?』

 

「確かに、ロズワール先生のインパクトは忘れたくても忘れられないくらいデカイもんな~」

 

「そうですね。ロズワール先生のような人は我が紅魔族の里に是非ともお招きしたいくらいです!」

 

 ロズワールのキャラの濃さに、カズマとめぐみんがうんうんと頷きあう。

 それからも映像の中では朝食の時間になり、平和な会話が続く。

 

 だがそれは、ロズワールの口から王国の王が不在という情報が出るまでは。

 

「王が不在だと?これは厄介さが大きく上がるが、普通は世継ぎや息子などが後を継ぐだろうに……?」

 

「それが出来ない事情があるとみていいだろうな。まあ、普通はそんな事態など早々あるわけがないが……」

 

「なんにせよ、スバルがこのタイミングで異世界転移したのはタイミングが悪すぎるな」

 

 事の重大さを理解できるターニャ、ダクネス、アインズが、王不在という情報に厄介さを感じる。

 それはスバルも同様に感じたようで、映像の中でふざけた態度を取り続けながらも、真剣にロズワールとの会話から現状を把握する為に頭を必死に回している。

 

『なんで……屋敷の主が、エミリアたんを様付けで呼ぶ?』

 

『当然のことだよ? 自分より、地位の高い方を敬称で呼ぶのはねぇ』

 

『騙そうとか、そういうこと考えてたわけじゃないからね』

 

『──えっと、エミリアたんてばつまり』

 

『今の私の肩書きは、ルグニカ王国第四十二代目の『王候補』のひとり。そこのロズワール辺境伯の後ろ盾で、ね』

 

 衝撃の事実に、スバルだけでなく、映像を見ている者ほぼ全員が絶句する。

 

「じゃあ、エミリアって未来の王様……いや、女王様になるかもしんないってことか!?」

 

「なるほど、それは中々……。ですが!王族なんぞ、我が盗賊団の下っ端にもいるんですよ!」

 

「待て、めぐみん!?今なんて言った?まさか、あの御方じゃないよな!?頼む!違うと言ってくれ!!」

 

「ちょっ、どうしたの、ダクネス?」

 

 めぐみんの爆弾発言にダクネスが血相を変える。

 そんなダクネスにアクアが不思議そうに問いかけるが、ダクネスはそれどころではないと軽くいなしてしまう。

 

「ヌゥー、マサカエミリアガ王トナル資格ヲ持ツ者ダトハ……」

 

「そう身構えて考える必要もないでしょう、コキュートス。例え異世界であろうとも、アインズ様以上の王など存在しません。でしたら、他の王なぞ有象無象共の象徴に過ぎませんとも」

 

「そうね。コキュートスの気持ちも分かるけれど、我らが魔導王陛下であらせられるアインズ様こそが王の中の王。至高の御方々の頂点に君臨されし偉大な御方。なれば、その他のことなど一切が些事なのですから」

 

「いや、ちょっと、それは……」

 

 部下たちの厚すぎる信頼にアインズは言い知れぬ気恥ずかしさを覚え、やんわりと否定しようとするも、コキュートスに『オォ……!』と感服したように見上げられ、勢いを失う。

 

「あ~、あのな?確かに私はお前達の王だが……」

 

「はい!アインズ様!」

 

「……いや、いい。この話はまた今度だ」

 

 キラキラとした目で見つめてくるデミウルゴス達の眼差しに負け、アインズが話を切り上げる。

 

「それにしても、驚きです。まさかエミリアさんがそんな雲の上の人だったなんて……」

 

「あの天然な性格で王候補とは、事実は小説よりも奇なりだな」

 

 エミリアが想像以上の大物だと知り、驚きを隠せないヴィーシャとターニャ。

 

「王族か……。正直、あまりいい思い出はないが、エミリアならきっと民にも愛されるいい女王になるだろうな」

 

「ですね!エミリアさんならきっと亜人差別なんかしない、善良な女王様になってくれるはずです!」

 

「2組のお姉ちゃんって、すごい人なの……?」

 

 周りの話を聞いていたフィーロが、いまいち理解できないといった顔で問いかける。

 フィーロの質問にラフタリアが笑顔で「とても凄い人なのよ」と答える。

 

『ま、まさか……王選参加資格の徽章をなくしてたのか!?』

 

『なくしたなんて人聞き悪い! 手癖の悪い子に盗られたの!』

 

『一緒だ──っ!!』

 

「本当に2組のお姉ちゃんって、すごい人なの……?」

 

「あははは……」

 

 さっきと同じ質問だが、映像の中で危機感のなさげなエミリアを見て、乾いた笑みで誤魔化すラフタリアに、フィーロはやっぱりよく分からなかった。

 

『君は私になぁにを望むのかな?現状、私はそれを断れない。君がどんな金銀財宝を望んでも。あるいはもっと別の、酒池肉林的な展開を望んだとしてもだ。徽章の紛失、その事実を隠ぺいするためなら何でもしよう』

 

『褒美は思いのまま!そしてお前はそれを断れない!俺とロズっちの約束だ。破ったら針千本呑ますかんな』

 

「きょうび針千本の約束とか聞かねえぜ、スバル」

 

 カズマが映像の中のスバルの口約束をからかうように呟く。

 

『百本目までに死にそうなお話だねぇ。うん、約束しよう』

 

『男に二言はねぇな!?』

 

『スゴイ言葉だねぇ。なるほど。男は言い訳しないべきだ。二言はない』

 

『じゃ、俺を屋敷で雇ってくれ』

 

「スバルも馬鹿ね。何でも叶えてくれるっていうんだから、お酒飲み放題とか、ゴロゴロし放題を願ってもいいのに!」

 

「お前は、少し欲望に忠実すぎだ」

 

「そう言ってカズマも、いざ同じ状況になればアクアと同じような願い事をするんじゃないですか?」

 

「ならお前は、爆裂魔法を好きなだけ撃てる土地をくださ~い!なんてお願いするんだろ!」

 

「ほぉ、それはいい願いですね。ですが、私はそんな土地がなくとも、いつだって!何処にだって!!我が爆裂魔法を放ちますとも!!!」

 

「あらやだ、この子超やばい!」

 

 めぐみんの頭おかしい発言に、カズマが今更ながら引いた態度を取る。

 と、そんな馬鹿話をしている間にも、映像の中では話が進んでいたようだ。

 

 ダボダボの執事服を寸法し直したスバルが、ラムとレムに迷惑を掛けながらも楽しそうに仕事をしている光景が続く。

 異世界初日と違って平和な映像に、ちょっとだけ覚悟していたカズマらの肩の力が抜けていく。

 

「やっぱし、初日があれなだけで、スバルの異世界生活って恵まれているって気がするわ」

 

「確かにね!初日はあれだったけど、今のスバルはとっても楽しそうね!」

 

「私達は見てないけど、そんなにスバルが異世界へ来た日って大変だったの?」

 

 苦々しい顔で話す話すカズマとアクアに、なんとなく気になったクリスが質問する。

 そうしてカズマが異世界初日の話を手短に説明すると、クリスはうへ~っといった顔でドン引きした。

 

「なんすかそれ!腸狩りとか超見たかったっす!」

 

「およしなさい、ルプー!」

 

 カズマの説明に残忍で狡猾な本性を持つルプスレギナが興味を持って興奮する。

 そんなルプスレギナをユリが嗜めるが、右から左に聞き流される。

 

「いやいや、そんないいもんじゃないぞ。実際、頭のイカれたサイコパス女で、スバルなんか3回も腹を切り裂かれたんだからな」

 

「へぇ~!」

 

 カズマの話を聞いて、ルプスレギナが普段の人当たりのいい態度が消え、獲物を狙う狩人のような冷たい目で、にんまりと笑みを浮かべる。

 ルプスレギナの人が変わったかのような様子に、カズマが警戒を露わにする。

 

「よせ、ルプスレギナ。ここではそういった態度は控えろ」

 

「っ!も、申し訳ございませんでした!!」

 

「よい、お前の全てを許そう。すまなかったな、皆」

 

「い、いや別に大して気にしてないから大丈夫だよ」

 

 アインズのとりなしで、ルプスレギナはいつもの態度に戻り、カズマもほっとする。

 そんな微妙な空気の中で、映像の中ではスバルがレムに塩対応されながらも懸命に屋敷の仕事を覚える展開が続いていた。

 

「に、にしても、レムってスバルにいつもべったりだったから、てっきり一目惚れでもしたんじゃないかって思ってたけれど、初対面の頃は全然違ってたんだな」

 

 この微妙な空気を変える為にカズマが話題を上げる。

 

「そんなに意外でもないだろう。むしろ、初対面であんな風にべったりくっついて好き好き言うような奴は、腹の中で何考えてるか分からなくて気味が悪いがな!」

 

「尚文様!それは少し言い過ぎでは?」

 

 女に騙されて冤罪をかけられた尚文には、レムのスバルに対する態度は当然だと言い放つ。

 ラフタリアはそんな尚文に言い過ぎだと注意するが、尚文の生い立ちを誰よりも知っている為、そこまで強くは言えないでいた。

 

「ふむ、ならばここからスバルがどうレムを口説き落としたのか、少々興味が出てくるな」

 

「アインズ様!私はアインズ様に惚れろと言われただけで──」

 

「ぬわあぁぁぁぁ!アルベドはちょっと黙ろうか!」

 

 アインズの不用意な発言に、アルベドが食いついた。

 そんなちょっとした騒動を交えつつも、映像の中では何日も過ぎており、スバルの手はボロボロとなっていた。

 

 月夜の夜にエミリアと2人きりとなり、ロマンチックな空気にあてられたのか、雑談に花を咲かせている途中でスバルが切り込む。

 

『そだ。よかったら明日とか、俺と一緒にガキどもにリベンジ……もといラブラブデート……もとい、可愛い小動物見学に行かね?』

 

『何回も言い直したわね。……でも、うん、私は』

 

『仕方ないなぁ、私の勉強がひと段落して、ちゃんとスバルがお屋敷の仕事が終わったら、って条件だからね』

 

「けっ!スバルの野郎!美少女とデートとか羨ましいイベント起こしやがって!」

 

 映像を見ていたカズマがギリギリと歯を食いしばる。

 この先、エミリアだけじゃなくてレムまで落としての両手に花状態になるのかと嫉妬を込めて睨むも、画面の中のスバルはウキウキ状態で自分の部屋に戻ろうとしている。

 

『うーい、ちゃんと寝たかよ、ロリっ子。あんまし遅くまで起きてると、成長ホルモンが分泌されなくて小さいままになんぞ』

 

『……当たり前のように『扉渡り』を破るようになりやがったのよ』

 

 自分の部屋のように足を踏み入れるスバルに嫌悪感たっぷりに睨みつけるベアトリス。

 

『ちょっと、なにか用事があってきたんじゃなかったのかしら?』

 

『んにゃ、別に。寝るから挨拶しようと思っただけ。ドア三つぐらい開けていなかったら諦めようと思ったけど、一発目で見っけたから』

 

『相変わらずどんな勘してるのよ、こいつ……』

 

 いつもと変わらない馬鹿なやり取りをやって、最後に怒ったベアトリスに魔法で吹き飛ばされる。

 ただ、いつもと違ったのは、吹き飛したベアトリスの言葉。

 

『──ベティーには関係のないことよ』

 

 っと、寂しげな声それだけが気掛かりだった。

 

「ベアトリスちゃん……」

 

 普段では絶対に見せないような弱った顔を見たマーレが心配そうに彼女の名を呟く。

 

『そう、ナツキ・スバル──今日、男になります!』

 

 デートに浮かれたスバルが元気よく起床する。

 すると、目の前には何故か双子のメイドが並んで立っていた。

 

『なーんーだーよー!いたのかよー!恥ずかしいじゃねぇか、声かけろよ!うわ、うわ、うーわー、マジ恥ずかしー!』

 

 恥ずかしい所を見られたとばかしに、スバルは布団を被って悶える。

 

「これは!?一体何故?」

 

「ほお、こうなりますか……」

 

「へっ?なに、どうしたんだ2人共?」

 

 ターニャとデミウルゴスがスバルの違和感に真っ先に気がついた。

 その2人の反応に、カズマが首を傾げる。

 だが、それに答えずとも、答え合わせの時間はすぐにやってくる。

 

『姉様、姉様、なんだかずいぶんと親しげな挨拶されましたわ』

 

『レム、レム、なんだかやたらと馴れ馴れしい挨拶をされたわ』

 

「これは……」

 

「まさか、こいつがそうなのか……?」

 

 双子のメイドの台詞に、今度はアインズと尚文が気がついた。

 

「お、おいおい、皆してなんだよ。一体なにが……」

 

 映像の中でスバルが絆創膏の貼られてない自分の左手に気が付いた。

 そこまでいけば、カズマも4人が辿り着いた映像の中の真実に辿り着く。

 

「う、噓だろ……、死に戻った……?」

 

『どうして……戻ったんだ!?』

 

 カズマの震えた声に合わせるように、映像の中のスバルもまた、声を震わせながら叫ぶ。

 

 

 再び、絶望のループが始まる。

 

 

 




皆感想で未来の話ばっかで、本文について触れてこないけど、感想送るほどの内容じゃないのか!?
曇らせが足りないのだろうか!?

4章でのスバル視点外の放送

  • エミリアの試練
  • ラムの告白
  • ガーフィールとエルザのバトル
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