いせかるメンバーにナツキ・スバルの人生上映会を観せる   作:リーグロード

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毎日投稿どころか、即日で仕上げたった。
モンスターの力ってやつだね。


異世界転移初日

 

「ナツキ・スバルの人生上映会?」

 

 アインズはアナウンスから聞こえた、これから見せられるもののタイトルに首を傾げると、スクリーンに映像が映し出される。

 

 まず映ったのはいつものジャージ姿のスバルがコンビニで立ち読みしているところだった。

 

「おお、コンビニじゃんか!懐かしいな……」

 

「カズマ!カズマ!あそこは何処なんでしょう?なにやら見慣れない物が沢山陳列されてますが?」

 

「あれは俺の元いた国でコンビニって言う場所で、色んな品物が売ってる店だよ。俺も昔はちょくちょく使ってたんだよな」

 

 懐かしさに思わずカズマが呟き、めぐみんがそれに反応する。

 元日本人のアインズやターニャはあまり反応を見せなかったが、それ以外の者はめぐみん程ではないにしろ、コンビニという未知の場所に興味津々で見ていた。

 

「それにしても、スバルの奴。あれほど疲れ果てたように死んだ顔を見せるとは……」

 

「普段の騒がしい奴からは想像できんな」

 

 アインズの呟きに、ターニャが同意するように頷く。

 事実、スバルの顔はコンビニで立ち読みしているというのに生気がなく、元気がないどころか哀愁が漂っている。

 やがて、本を元の位置に戻すと、適当に商品をレジへと持っていき会計を終わらせる。

 そして、そのままコンビニを出ると、とぼとぼとした様子で帰路につこうとすると、視界がぼやけたのか目を軽く擦る。

 

 その次の瞬間、周囲は夜だったというのに、眩しい陽の光が映し出される。

 

「「「はぁっ?」」」

 

 あまりにも脈絡のないスバルの異世界転移にアインズ、カズマ、ターニャが驚きの声を漏らす。

 他の見ている者達も同様で、それぞれが皆一様に困惑の表情を見せていた。

 

『異世界召喚ってやつ───!?』

 

 そんな皆の困惑を他所に、スクリーンの中のスバルは先程までの悲愴めいた表情とは打って変わって、嬉しそうな顔で天高く両手を上げて狂喜乱舞していた。

 

「いきなり別の異世界へ連れて来られてこの喜びようとは、度し難いな……」

 

「いやいや、ターニャ。年頃の男子高校生が異世界へ連れてこられたら誰だって喜ぶぜ」

 

 スバルの狂喜乱舞の様に、ターニャは呆れるが、同じ男子高校生であるカズマは親近感からフォローをいれる。

 

「しかし、異世界に転移してこの喜びよう。やはりこれは今のスバルのリアルタイムを映したものではなく、文字通りにスバルの人生、それも最初の異世界へ飛ばされた際の旅路を記録したものを上映しているということなのだろう」

 

 冷静に上映されている内容から、アインズはスバルの今の異世界転移がリアルタイムではなく、記録された映像を垂れ流しているものと判断する。

 アインズの推測にカズマ達も納得した表情を見せると、興味深そうにスクリーンへと視線を戻す。

 

 そこから所々のカットを挟みながら、異世界初心者のスバルの問題行動を見させられる。

 

「あちゃ~、何やってんだよスバル」

 

 他人の失敗談ほど面白いものはなく、スバルのやらかしを見て笑いながら今度会ったらこれをネタにいじってやろうとカズマがニヤニヤしていると、スクリーンの中で場面が切り替わる。

 トラブル続きで疲弊したスバルが裏路地で小休止してから立ち上がると、見るからに危なそうなチンピラ3人組とぶつかってしまう。

 

「これは……、マズいな」

 

 案の定、難癖をつけてきたチンピラに最初は動揺していたスバルだったが、異世界へ来たことによるハイテンションで喧嘩を始める。

 

『なんか重力が元の世界の十分の一とかそんな気がしてきた。いける!いけるぜ!バッタバッタなぎ倒して、俺の輝かしい未来の糧にしてやる、経験値共め』

 

「おお、よく言いました!あんな仲間を引き連れてイキってる小物!圧倒的小物!!経験値の足しにもならないカァスゥ!!なんぞぶちのめしてやりましょう!!!」

 

 スバルの啖呵にめぐみんがヒートアップする。

 実際、スバルの戦い振りは悪くなかった。大柄の男に渾身の右ストレートを放ち、相手の前歯が拳に当たって負傷しつつも、仲間がぶん殴られたことに驚いた小柄の男に蹴りを喰らわせる。

 

「ほぉ、素人にしては中々の闘いぶりではないか。スバルの奴め、元の世界では格闘技かなにかかじっていたのか?」

 

「マジか、スバルって実は喧嘩強いキャラだったなんて……」

 

「っしゃあ!!」

 

 格闘技経験者と言われれば納得のスバルの動きに、ターニャが感心しカズマも感嘆の声を上げる。

 拳を振るい、足技を繰り出し、次々とチンピラを打ち倒していく光景は見ていて中々爽快であり、つられて喧嘩っ早いめぐみんがガッツポーズをしながら声援を送る。

 

『やっぱこの世界だと俺は強い設定か!アドレナリンだばだばでこれはもらったー』

 

 残った最後のチンピラを勇ましい態度で倒そうと振り返り、身を屈める。

 すると、チンピラはもはやなりふり構わなくなり、手にきらりと光るナイフを装備する。

 

『すみません俺が全面的に悪かったです許してください命だけは平にご容赦をー!』

 

「んな~!?」

 

 先程までの勢いはどこへやら、情けなく命乞いを始めるスバルに、さっきまで声援を送っていためぐみんが裏切られた顔で固まる。

 

「やはり……か……」

 

「アインズ君はこの展開を予想していたのか」

 

「無論、この手の犯罪者と我々は少々縁があってな。武器の1つや2つは持っていると予想していたが……」

 

 アインズはスクリーンの中のスバルから目を逸らさずに、ターニャの問いに答える。

 カズマやめぐみんが揶揄する通り、スバルの喧嘩の腕はなかなかのものだった。しかし、それはあくまで同じ素手の相手だから通用しただけであり、刃物を持った相手と喧嘩する度胸など、ただの高校生が持っている筈もなく、復活した他のチンピラ2人も加わってリンチが始まる。

 

「うわ~、流石に見てられないわね」

 

「おのれぇ~!私があの場にいたなら、即座にあんな小物なんぞ殴り飛ばしてやるものを~!!!」

 

「っく!あんな武器を持ったチンピラに囲まれて殴る蹴るの暴行を受けるなど!!!羨ましいぃぃぃ!!!」

 

「お前、それ絶対にスバルの前で口にすんじゃねえぞ」

 

 カズマ達はスクリーンの中で行われるスバルへの暴行に対して、それぞれが反応を見せる。

 

『ちょっとどけどけどけ!そこの奴ら、ホントに邪魔!』

 

 そんな絶体絶命のピンチなところに、突如路地裏に飛び込んできた高い声が乱入する。

 

「あれは確か、隣の1組にいたフェルトだったか?」

 

「そのように記憶しております、アインズ様」

 

 アインズの呟きに、アルベドが同意するように答える。

 そのまま事の成り行きを見守っていると、フェルトはスバルを助けずに通り過ぎてしまった。

 

『なんかすげー現場だけどゴメンな!アタシ忙しいんだ!強く生きてくれ!』

 

『ってええ!?マジで!?』

 

「いやいや、そこは普通助ける場面だろぉ!?」

 

 まさかの展開にカズマが思わずツッコミを入れてしまう。

 しかし、無情にもスクリーンの中ではフェルトはスバル達の合間を縫って通り抜け、凄まじい跳躍力で壁を越えてあっという間に見えなくなってしまった。

 

『今ので毒気が抜かれて気が変わったりしませんかね!?』

 

『むしろ水差されて気分を害したぜ。楽に逝けると思うなよ』

 

 助かる場面かと思いきや、さっきよりも深刻な事態へと発展する。

 

「おいおい、これマジでやばいんじゃないか!?」

 

「落ち着けカズマ。これは今までのスバルの人生を上映したものだろう。ならば、我々と出会った際にスバルは五体満足だったのだ。どうにかして助かるのだろう」

 

「ターニャの言う通りだ。このままスバルが死ぬようなことがあれば、我々とは学校で会うことなどない筈だからな」

 

「そ、それもそうか……」

 

 慌てるカズマをアインズとターニャの2人が宥める。

 落ち着きを取り戻したカズマがスクリーンに向き直り、この後の展開にドキドキハラハラしながら見守ろうとしたところで、隣に座るめぐみんが不安そうにカズマの手を握る。

 

「スバルは、大丈夫……ですよね?」

 

「っ!!あ、当たり前だろ。アインズやターニャが言ってたように、きっとここから無事に切り抜けられるさ」

 

 不安に瞳を揺らすめぐみんを安心させるようにカズマが手を握り返す。

 その次の瞬間、スクリーンの中でスバルに凶刃が振り下ろされようとする前に、突然現れた銀髪の人影がその凶行に割り込んだ。

 

『──そこまでよ、悪党』

 

 銀鈴の声音で勇ましく現れたのはエミリアだった。

 

 

 

4章でのスバル視点外の放送

  • エミリアの試練
  • ラムの告白
  • ガーフィールとエルザのバトル
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