いせかるメンバーにナツキ・スバルの人生上映会を観せる   作:リーグロード

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サブタイトルって難しいよね?今回のはちょっと格好つけすぎた感ある。


未だ戦意は折れず、戦えと英雄は進む

 

 スバルがユリウスに殺されて暗転した映像を見続けながら、今回のループで判明した事実からターニャが1つの結論を出す。

 

「しかし、これで分かったのはペテルギウスは見えざる手以外にも憑依の能力を持ち、それが適応するのは指先だけでなく、スバルにも有効だということ。なるほど、これではペテルギウスを殺せんな」

 

「んな!?じゃあ、どうすりゃいいんだよ!」

 

 ターニャの結論に、泣き腫らした目を擦りながらカズマが食ってかかる。

 そんなカズマに、どうするもこうするも、とターニャが言葉を続ける。

 

「ユリウスとヴィルヘルムにペテルギウスら魔女教の足止めを要請して、その間にフェリスと共に行商人に紛れ込んだであろう魔女教の炙り出しと村人らとエミリアの避難を優先するしかあるまい」

 

「じゃあ、魔女教は放置しろってのかよ!?」

 

「現状でそれ以上に有効な策はあるのか?殺しても死なず、仮に指先を全て排除したとしても、スバルが憑依されれば全てが水の泡だ」

 

 ターニャは正論をぶつけながら、カズマの意見を一蹴する。

 ペテルギウスと魔女教のアジトへの奇襲、それが成功したとしても指先が残っていればペテルギウスは復活するし、スバルがいれば憑依されてジ・エンドだ。

 

 だが、今の映像で他にもはっきりしたことがある。

 ペテルギウスは精霊に対して恐怖心を持っている。エミリアを前にした時は興奮が勝っているようだが、それ以外の時は精霊を恐れているのが分かった。

 そして、スバルに憑依した際にユリウスの準精霊であるイアが弾かれた。

 

 それがどうしたと言われればそれまでだが、観察眼のある者はその些細な変化に気が付き、これが攻略の糸口なのでは目を光らせる。

 

『──おい、兄ちゃんどうした?』

 

 死に戻りが発動したスバルの目の前に、顔を覗き込んだリカードの目が映る。

 

『──はっ!?』

 

 どうやらセーブ地点が白鯨討伐の後に変更されているようだ。

 一体どういう条件で死に戻り地点が選ばれているのかは相変わらず謎のままだが、少なくとも白鯨と再び戦わなくてよくなったのは嬉しい誤算だろう。

 

『はむ』

 

『うひゃあぁあ』

 

『ボーっとしてるからイタズラしたら、にゃんて嬉しい反応……』

 

「あれで女なら嬉しいイタズラなんだが、可愛い顔してアレがついてるもんな……」

 

 ブルリとカズマはいつかの紅魔族の里で味わった魔王軍幹部のシルヴィアとの一件を思い出して身震いする。

 

『いや、大丈夫だ。今ので聞きたいことは聞けた。つまり、セーブポイント更新されてくれてたか』

 

 死に戻り発動によるボケのようなものが抜け、スバルはまた果物屋の店主の前から始まるのかと危惧していたが、どうやら杞憂だったようだ。

 

「しかし、本当にどういった基準でセーブポイントが変更されているのか?嫉妬の魔女の気まぐれか、あるいは何かしらの条件があるのか?」

 

 これはおそらくゲームでいうところのフラグ立て的なやつなのだろう。条件を満たしたからセーブポイントが更新されたと、そう考えてよいはずだ。

 現状で考えられる最も高い可能性としては、強敵の撃破。最初の変更はエルザの撃退、次の変更はウルガルムの群れの討伐、そして今回は白鯨の討伐と、明らかにボス格に匹敵する強敵を打ち倒した後に変更されている。

 ただこれは可能性が高いだけで確証には至っていない。それに、こんなものを考えたところで今は意味などないことはアインズにだって分かっている。

 

『実は、魔女教関係のことで新しく気づいたことがある!』

 

「さて、どう伝えるつもりだ?死に戻りが話せない以上は確証も根拠も提示出来ない。新しく気づいたなんて話をどう信じさせる?」

 

「何言ってんのよ、尚文。信じさせるもなにも、スバルの事はもう信じてもらってるんだから、普通に話せばいいだけじゃない?」

 

「いや、お前そんなの……。いや違うな、ああそうだ……。あそこにいる奴らはそういう連中だな」

 

 不安と懸念を顔に滲ませて悩む尚文にアクアがあっけらかんと言い放つ。そんなアクアを見て、尚文はしばしの思考の末、考えを変えたのか呆れた顔で納得したように頷いた。

 

 そう、信じてもらいたから全てを話すのは当然だ。だが、全てを話さなくとも、信じてあげたいと思う者の言葉は信じられる。人とはそういうものだと、尚文はラフタリアやフィーロなど様々な人を通じて知っていた筈だ。

 だから、信じさせようなんて考えるのではなく、ただ信じてもらえるように話すだけだ。

 それをスバルも分かっているのだろう。その場に居る彼らに噓偽りなく、死に戻りで得た情報を伝える。

 

『誰か知っているか……?その……自分の意識を他人に上書きして、精神的に乗っ取るみたいな力を……』

 

『つまり……、大罪司教がそうした異能を用いる可能性があると君は睨んでいる』

 

『そうだ。俺は『憑依』ってよんでいるけど、ほぼ間違いない。奴はそれで生き延びている。あちこちで顔を出す理由もそれで説明がつくだろう』

 

 誰もスバルの言葉に疑いの言葉は掛けなかった。アクアの言った通り、あの場にいる者らはスバルの言葉を信じている。

 その上で、スバルから伝わる情報を元に自分の知っている情報から推測を立てている。

 

『森に潜む『指先』を優先して排除し、『怠惰』と雌雄を決する。──それが結論だ』

 

「へぇ~、あんな目にあったってのに、まだ戦う意思があるんだスバルの奴」

 

「で、でも、お姉ちゃん。ターニャさんが言ってたみたいに、どうやってあの……ペテルギウスだっけ?を倒すの?」

 

「さあね?でもま、あのペテルギウスって奴にアルベドが学園で会ったって言うんなら、倒せてないんじゃないの?」

 

 スバルの未だ戦うという意思表示にアウラが感心した声を上げる。そのアウラにマーレがオドオドと素朴な疑問を口にするが、それに対してはアウラは投げやりに答えた。

 感心してみても、実際にそこまでの興味は持っていないのだろう。マーレも同様で、姉のその返答に「そっか……」とだけ返事して鑑賞に戻る。

 

『あ──……、……あと一個だけ言わなきゃいけないことがある。ごめん。『指先』だけじゃなく、多分、俺も乗り移る対象なんだけど、それについてはどうしたらいいと思う?』

 

『は────!?』

 

 スバルが最後に放り込んだ爆弾発言に、その場は困惑した声に包まれたのだった。

 

「最後にとんでもない爆弾を落としやがったな……」

 

「これ、皆さんも困惑しちゃってますよ。スバルさんが魔女教の関係者だって思われなきゃいいですけど」

 

 尚文とラフタリアがスバルの最後の言葉を聞いて、頭を抱える。

 実際問題、このスバルが憑依対象になっているのをどうにかしなければ、この戦いでの勝利はない。

 

 その後も幾つかの話し合いの末、やるべきことは明確に決まった。後はそれが上手くいくかどうか、行動あるのみだ。

 前回のループと違い、ペテルギウスの復活能力が判明した現状、最優先事項を魔女教の排除ではなく、村人とエミリアの避難に切り替え、白紙の親書の件もラムの千里眼を利用して、謝罪と誤解であるという内容を書いた看板を引っさげて森を駆けずり回り、ヴィルヘルムを単体で先に屋敷に向かわせる事で解決させる。

 

 そして、肝心のスバルはというと……。

 

『──失礼します!!森に潜んだ集団に奇妙な動きが!もう一刻の猶予もありません!!』

 

 白いローブを被り、エミリアとヴィルヘルムの話し合い中に乱入して強引に終了させる。

 

「あれ、スバルだよな?なんでエミリアは気付いてないんだ?」

 

「ふむ、きっとそれはあの白いローブの効果だろ。確かあれには認識阻害の効果が付与されていた筈だ」

 

「それをスバルが持っているのは……」

 

「王都でエミリアが脱ぎ捨てていたのを後生大事に持っていたんだろうな」

 

 カズマの疑問にアイテムコレクターであるアインズがローブの効果を覚えていて、尚文とターニャがそれを所持していた経緯を推測する。

 未練がましいというか、それが功を奏したというか、なんにせよこの時点でスバルはまだエミリアと顔を合わすつもりはないのだろう。

 

『いかがしましょう隊長……!いえ……『剣鬼』ヴィルヘルム殿!!』

 

『──エミリア様』

 

『分かりました。ご厚意ありがたくお受けします』

 

 もはや一刻の猶予も残っていないと、その言葉の節々から匂わせるスバルの言動にエミリアも覚悟を決めたのか、避難する事を決意する。

 

「本当に多芸な奴だ。噓は苦手でも、演技は中々に様になっているではないか」

 

「確か、文化祭の演劇では馬役だったか?他の役柄での演技もこうなっては見てみたい気もするな」

 

「懐かしいな。確かあの時は、デストロイヤーが暴走して大変な事態になっていたが、今のスバルの危機に比べれば、戦力的に随分と楽勝な危機だったな……」

 

 スバルの見事な演技力にターニャが感心したように呟く。

 尚文もそれに同意し、アインズがあの日の文化祭で起きた騒動を思い出しながら、今のスバルの状況と比べてそう評価した。

 

『──ベティーは残るって』

 

『パック!?』

 

 いつの間にか現れたパックに驚くエミリアだが、その言葉の内容にこそ驚いている。

 

「ベアトリスちゃん……」

 

「大丈夫だって。ほらパックも変に避難するよりも、禁書庫にいる方がずっと安全だって言ってるんだし、危険はないんじゃない」

 

「うん……」

 

 そんなアウラの慰めにマーレが頷く。

 

『それにあの子が屋敷と離れられないのは契約の問題。──リア、分かるよね』

 

「契約?ベアトリスは精霊だからそういうのがあっても可笑しくはないが?」

 

「しかしそうなると、今こうして学園に転移させられている現状は大丈夫なのか?」

 

「うむ、確かにそうなるな。契約という以上は、それを破棄した場合、それが事故であったとしても、なんらかのデメリットが発生する可能性がありそうだが?」

 

 パックの語る契約という言葉に尚文が疑問を覚える。そしてそれは尚文だけでなく、ターニャやアインズもまた同じだ。

 詳しい契約内容は分からないが、学園生活で特に何か契約においてのペナルティを受けた様子が無かったことから、既に契約は無くなっている。あるいは、この学園への転移は契約ですら干渉出来ない類の現象であることも考えられる。

 なんにせよ、情報の足らな過ぎる現状では、考えても無駄だということしか結論は出ない。

 

『お姉ちゃん!よろしくお願いします』

 

 避難の為に屋敷から村へ降りてきたエミリアの前に、村の子供達が姿を見せる。

 

『えっと……これって何かの間違いじゃない?』

 

『いいえ……、竜車との兼ね合いで、エミリア様にはこの子たちと乗ってもらう他にありません』

 

 自身の前に現れた子供達に動揺しながら、エミリアは間違いではないかと狼狽えながら訊ねるが、ラムがきっぱりと間違いはないと断言する。

 

『他の竜車に乗せてあげられない?この子たちだってその方が……』

 

『──誰だって自分と乗るのは嫌がるはず……ですか?』

 

「──スバル、お前……」

 

 遠慮するエミリアの背を押すように、ローブを着たままのスバルの登場にカズマが震えるように友人の名を口にする。

 

『嫌われてるんだって、嫌がられてるんだって勝手に思い込んでるだけでは?』

 

『そんなこと……、聞かなくたって分かってるの……』

 

『子供が6人竜車は1台……、ここでつまずいちゃ君の願いをどうやって叶える』

 

「これって……!?」

 

「ああ、王城での式典でエミリアが王になった際の願い。内容は公平であることだったな……。確かに、こんなところで差別を自分から意識しているようでは、公平な世界など夢のまた夢だろうな」

 

 スバルの言葉に、ヴィーシャとターニャが王城での演説の内容を思い出す。

 

「でも、それって凄く大変なことですよ。前のループでもエミリアさんは昨日に村の人らに否定されたっていう話ですし」

 

「人に否定された次の日に人を信じるなんざ、並大抵のメンタルじゃ出来ないだろうよ」

 

 ターニャの厳しい意見にラフタリアと尚文が優しくフォローを入れる。

 

「でもま、大丈夫だろう。スバルは結構エミリアに甘いし優しいけど、ちゃんと険しい道を歩けるように背中を押したり、手を引くような男だぜ」

 

「ですね。まあ、ペトラたちを相手にさせてあげてる時点でちょっぴり甘やかしている気はしますが、スバルなりのスパルタ教育というやつなのでしょう」

 

 カズマとめぐみんがそう締めくくると、確かにその通りだなと皆が頷いた。

 前回のループでペトラがエミリアを嫌うどころか、慕っている姿を既に見ているから、竜車に同乗することに反対はしないだろうことは明白だ。

 

『ペトラ、君はあのお姉さんと一緒の竜車は嫌か?』

 

『そんなことないよっ!』

 

『え?』

 

『顔は見えなかったけど、お姉ちゃんがスバルと楽しそうに話してるの見てたもん。お姉ちゃん一緒に乗ろ……!』

 

『うん……!』

 

 差し出されたペトラの手を薄っすらと涙を流しながらエミリアが握る。

 そして、エミリアは子供達と一緒に竜車に乗るのだった。

 

「これは優しい世界ね!」

 

「ああ、差別なく自分の見たもので判断する。子供の無邪気さは時に残酷ではあるものの、純粋な分、時に大人よりも正しい判断を下す。子供にとっては世界とはそういうモノだ」

 

「ええ、そうですね。……ふふ、ああいう光景を見ていると心が洗われますね」

 

 その光景にアクアは女神らしく微笑み、ダクネスが普段らしからぬ騎士らしい発言をして、ヴィーシャがしみじみと同意する。

 そんな尊い世界を守る為に、スバルは魔女教という害悪を潰さんと森に走る。

 

『──なるほど、周りとの連絡手段だけ謎だったけど、つくづく『ミーティア』って便利なもんだ』

 

『お前は──!?』

 

「なるほど、異世界にも遠距離通信装置のようなものも存在しているのか」

 

「いやいや、呼び名が堅苦しいぜ、ターニャ。普通に携帯でいいだろ?」

 

「それだと意味が通じない者がこの部屋にはいるだろ」

 

 魔女教の持っている手鏡みたいな物を見て、ターニャが異世界の通信装置か?と呟く。その答えにカズマがツッコミを入れるも、携帯なんて日本からの転生者しか知らない単語を口にしても伝わらないだろうと返される。

 事実、ターニャの隣に座るヴィーシャが「……携帯?ああ!スバルさんが最初から持っていた!あれ?でもそれって白鯨を知らせる魔法器とかなんとか?」と思い出して若干あやふやながら理解しているが、途中から部屋に来た1組のラフタリアとフィーロは?を浮かべている。

 

『早い話、お前がスパイだったのはバレバレだったんだよ。見つけた方法は企業秘密な!』

 

「やはり、直接的な脅威はなくとも、情報戦において死に戻りはかなりの脅威ですね」

 

「だな。正体不明が強みの魔女教も、スバルが相手なら形無しだ。それに加えて──」

 

『──で、魔女教の連絡係のお前に罠をはった。──2時間、お前は2時間遅れのスケジュールを仲間に報告した』

 

「こうして簡単に罠にハメることが出来る。魔女教も罠を張ることはあっても、その逆の経験はそうないだろう」

 

「ですね。まあ、我々ナザリックであるのならば、例え死に戻りの力を知らずとも、情報を一切掴ませることなく事を運ばせますが……。今のところ対立する気はありませんし、無用の心配ですね」

 

 デミウルゴスと尚文による死に戻りの力の価値、そしてそれの有用性の話題はそこで終わる。

 まあ、最後にデミウルゴスが若干不安になるようなことを呟いていたが、恐ろしいので誰もその発言に突っ込むことはなかった。

 

『──何もかも先回りされて潰される。その恐ろしさを存分に味あわせてやるぜ!!』

 

 そのスバルの言葉に死に戻りの力の恐ろしさが表れている。

 

「にしても、本当にスバルって成長つうか強くなってるよな。まあ、実力的にって訳じゃなくて人間的にって意味だけど」

 

「カズマの言う通り、最初の頃と比べて随分と大きくなったものです。特に、あの王城での大きな失態以降は酷いものでしたが、レムの激励からの盛り返しは紅魔族的にも非常にカッコよかったですからね!」

 

 そのカズマの感想に、めぐみんが我が事のように胸を張って同意する。

 

『あなた達に精霊の祝福がありますように……』

 

『ご武運を──』

 

「ヴィルヘルムの爺さんはエミリアの護衛についたか……」

 

「魔女教がまだ残ってるんだ。護衛に腕利きの1人は必要だろう。まあ、そのお陰でペテルギウス戦は苦戦しそうだがな」

 

 怪我をしているとはいえ、剣鬼の2つ名を持つヴィルヘルムの実力はトップクラスだ。見えざる手もその情報さえ持っていれば対処出来る稀有な人材であり、尚文が残念がるのも当然ではあるが、ターニャの言う通り、エミリアの護衛にこれ程までに相応しい者もいないだろう。

 

『おかえり、どうだった?』

 

『居所が割れてる連中の所に奇襲やぞ!しくじったら傭兵引退するわ!!』

 

 血塗れになった武器を担いだリカードが意気揚々と合流した。どうやら魔女教への奇襲は成功したみたいだ。

 リカードが魔女教から奪い取ったであろう通信用のミーティアをスバルに投げ渡す。

 

『目的のモンもこの通り!これで奴らの連絡網は潰れたやろう』

 

『ひゃっはー!皆殺しだぁー!!』

 

『人聞き悪い事は言わないですよ。ちゃ~んと捕虜も取りましたです!』

 

「あのちっこいの、本当に可愛い顔して言うことがおっかないというか世紀末なんだよな」

 

「でも、あのくらい可愛いものじゃない。なんだか怒った時のめぐみんみたいで!」

 

「おい、アクア!それは私がおっかないという意味ですか?」

 

「え?だってカズマさんや街の皆がめぐみんのこと頭のおかしい爆裂娘って呼んだ時とそっくりよ?」

 

「むぐっ!?」

 

 カズマの何気ない一言にアクアが悪気もなく答える。それを聞いためぐみんが喧嘩を買いかけたが、まったく悪気のない一言で何も言えなくなってしまい顔を赤くする。

 

『捕虜?』

 

 そうして家畜みたく吊るされて持ってこられたのはボロボロになったオットーだった。

 

『ぶっ、あっはっはっは!お前、いないと思ったら捕まってたのかよ、オットー!』

 

『助けてくれてありがとうございます……って、素直に言いたくない気分なんですが、チクショー!!!』

 

「あの男もまた随分と不憫な奴だな。結局スバルと関わらずとも魔女教に出会うなど、不幸を通り越して哀れだな」

 

「前々回のループで白鯨に襲われた後に魔女教に殺されたアイツを見て内心で自業自得だなんて思ってはいたが、ここまでくると流石の俺も同情する」

 

 映像に不憫な形で登場したオットーを見て、ターニャと尚文がらしくもなく同情をしてしまった。

 スバルが関わっても関わらずとも魔女教に出会う運命のオットー。彼は一体、どんな星の元に生まれればこのような事態になるのだろうか?

 

 ひとしきりオットーの醜態をスバルが笑い終わった後、からかい口調で事情聴取を済ます。

 聞けば聞くほど哀れではあったものの、死に戻りの力でオットーの事情を知るスバルの視点から考えてもその内容に嘘偽りの類はなさそうだった。

 

『知人との再会だったのだろう?もう十分、旧交は温められたのかい?』

 

『馬鹿笑いして馬鹿話して、その裏っ側になんにも隠してないかじろじろ覗き見てきたんだぜ。我ながら性格悪すぎて馬鹿になった気分だよ』

 

「ん~?ねえ、なんで急にスバルの性格が悪いって話になるの?」

 

「あぁん?そりゃ、あれじゃねえか。あのオットーって奴を笑ったからとか?いや、裏側とかジロジロ覗き見るとか言ってたし……。おい、ターニャ!アインズ!」

 

 アクアの疑問にカズマもよく分かっていないようで、頭のいい2人に助けを求める。

 

「はぁ~、お前らな……。簡潔に言えば、スバルはオットーが魔女教ではないかと疑っていたという訳だ。あの行商人に魔女教が紛れ込んでいた以上は、オットーもその容疑者の1人になる。まあ、お前らにとっては学園にスバルの仲間として転移してきたという、アイツが魔女教ではないという事前知識を持っていたからこそ、その発想が出てこなかったのだろうがな」

 

「「あ~、なるほど!」」

 

 ターニャの呆れた物言いにカズマとアクアが納得する。ちなみに、アインズも実は名前を呼ばれて不安だったので、ターニャが率先して説明してくれたことに内心でホッとひと息ついたとか。

 

『んじゃ、やろうぜ、みんな。頼りにしてっから、力貸してくれ──!』

 

 魔女教怠惰攻略戦が始動する。

 

 




ここまでピッコマで無料で漫画見れてたからスムーズに台詞を書けてたけど、この先は有料になってるので、これからはアニメでのリスニングテストだ!やったねー!!!(やけっぱち)

スバルの第二の試練後にIFストーリーを入れる

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