いせかるメンバーにナツキ・スバルの人生上映会を観せる   作:リーグロード

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皆が小説読んでって感想くるけど、ちゃんと読んでるよ。
どこかの話で書いた筈だけど、ウェブ版とアニメ版で書きたい方で書いているだけなので。
けど、アニメや漫画路線で書いてるから、なろう小説と違う展開なので使えていないだけなんだよ!


自称騎士と最優との仲直り

 スバルが何度も足を運んだ洞穴にその男はいる。

 

『──よく、おいでになりました、寵愛の信徒よ。ワタシは魔女教大罪司教『怠惰』担当。ペテルギウス・ロマネコンティ……デス!』

 

「相変わらず気味の悪い野郎だ。場所も相まってオバケにしか見えねえ」

 

 尚文の言う通り、薄暗い洞穴から姿を現す青白い痩身の男の姿はホラーでしかない。

 そんな不気味なペテルギウスに、スバルは怒りも恐れも見せずに、敬虔な魔女教徒の振る舞いで接する。

 

『お初にお目にかかります、大罪司教殿。この度は試練を執り行う直前での合流、誠に汗顔の至りです。ですが、この身、この魂を、此度の試練を行う信徒の末席にお加えくださればこれ以上の栄誉はありません』

 

「本当にスバルの演技力には驚かされる。死に戻りの能力も考えれば、敵国へのスパイ役にも……。いや、駄目だな。優しいアイツには敵に同情して失敗する未来しか見えん」

 

 ターニャは一瞬スバルを帝国のスパイとしてスカウトするかと考えが(よぎ)るも、即座にその案を破棄する。

 スバルは優しい。優しすぎる。自分を殺した相手さえ救わんとするその精神。スパイなどとそんな役回りをさせたら、きっとすぐに潰れてしまうだろう。

 いや、あるいは潰れてオボレテいった結果、非常に恐ろしいスパイ(悪党)になるルートもあるかもしれない。

 

『おぉ、おぉ、なんと素晴らしき志か!なんと澄み切った愛の示し方か!これほど!我が身の怠惰さを呪ったことは記憶にないのデス! アナタの!アナタのような敬虔なる愛の信徒を!これまで同胞と迎え入れずにきたのは魔女教の、ワタシの怠惰が為した不徳に他ならないのデス!あぁ、お許しください!アナタが世界に注ぐ愛の導を、一滴でも見落とすワタシの怠惰をお許しください──!』

 

 ペテルギウスの反省という名の自罰の執行に、気の小さい者は気絶してしまいそうな光景であるが、部屋の効果か、以前の第2章の屋敷でのスバルの惨殺の際にカズマが気を失わなかったのと同様に、誰もペテルギウスが頭を打ち付けて血を吹き荒らす自傷行為を見ても気絶はしなかった。

 

『司教様、おやめください。そのような行い、魔女様もお喜びにはなりません』

 

『あぁ、しかししかししかししかしかしかしかしかしかししししししぃ!ワタシの行いの怠惰さを!愚かしさを!愛に報いれぬ不実さを!お許しいただくには自らを罰し、律するより他に方法がないのデス!』

 

『そんなことはありません。魔女様ならば愛すべき信徒の傷付く姿より、寵愛に報いるよう、試練の遂行をすることを喜ばれるはずです』

 

『──全て、アナタの仰る通りデス』

 

「本当に、アレを見てまだ会話出来るスバルの精神が凄まじいな。俺ならもう一目散に逃げてるわ」

 

「う、うわ~、いくら紅魔族が世間からズレてるという風評があろうとも、アレと比べられたなら私たち紅魔族も十分に常識人ですよ!」

 

 ペテルギウスの行き過ぎた自傷行為にドン引きのカズマ。変人の集まりである紅魔族であるめぐみんも、里の者とペテルギウスを比べてみて、自分達が常識人だと言い飛ばす。

 

『──試練の、話をいたしましょう。合流に当たり、是非ともこの度の活動の目的を──試練のことをお聞かせ願いたいのです、司教様』

 

『──試練。試練!そう、試練デス!試練なのデス!試練を執り行わなければならないのデス!試さなければ、試されなければ、ワタシはそのためにきたのデスから!試すのデス!此度の、新たに存在の発覚した半魔のその身が、魔女を降ろすにふさわしいかどうか試すのデス!器にふさわしき身ならば確保し、そうでないならば不敬な出生の対価を支払わせるのデス!』

 

『魔女を降ろす?器?……対価?』

 

『孤独を!負感情を!鬱屈としたそれこそが器のありようを!魔女のそれにふさわしからんと高めるのデス!なればこの怠惰な我が身、我が意、我が指先を持って万全に施さなければならない!あぁ!愛に!愛に!報いねば!』

 

「なるほど、リカードの言っていたことの半分は合っていたということか。自身の信奉する魔女、それを降ろす為の器かどうかを試す。ふっ、邪神教のような奴ららしい目的だな。ありふれているとも言える」

 

「まったくだ。そんな情熱があるのならば、もっと生産的なことに使って欲しいものだが、あんな連中が社会貢献など出来るはずもないか……」

 

 ペテルギウスの──魔女教の目的を聞いたアインズがゲームや漫画で使い古された動機だと鼻で笑う。そのアインズの物言いにターニャも魔女教への皮肉混じりに同意する。

 

 やがてベラベラと己の勝手な都合のみを語り尽くしたペテルギウスが懐から一冊の本を取り出す。

 

『──福音の、提示を』

 

 前回はばっちくて捨てたと言って激怒させ、奇襲のタイミングを作り上げたスバルだったが、今回はどうするのか?

 スバルは懐から何かを取り出してペテルギウスの目の前に提示する。

 

『ん?それは──』

 

『見ての通りミーティアです。司教様』

 

 そこに映し出されたのは魔女教の黒装束を着た教徒ではなく、真逆の白の騎士服を纏ったフェリスだった。

 

『では!トラトラトラ』

 

 その謎の呪文みたいな合図を受けたスバルが指を鳴らすと、森の中に身を潜めていたパトラッシュがペテルギウスに思いっきり加速した体当たりをかます。

 

『我、奇襲ニ成功セリ──って意味だよ』

 

「なるほど、伏兵は人ではなく地竜か。これならば殺傷力は少なく、適度なダメージを与えた上で逃走手段にもなる。上手い手を考えたものだ」

 

 スバルが考案したであろう策に、ターニャも素直に賞賛の言葉を贈る。

 地竜であるパトラッシュに全力で体当たりをされたペテルギウスは冗談抜きで10メートル以上吹っ飛び、地面の上を転がるも痛みを感じていないのか、即座に立ち上がって見えざる手による反撃を仕掛ける。

 それをスバルはパトラッシュに跨って逃げる事で回避する。

 

『あり得ない、あってはならない……何故!アナタにワタシの!与えられし寵愛が!怠惰なる権能、見えざる手が見えているのデスか!?』

 

『俺の体にふんだんに臭いつけてってるらしい魔女に聞いてくれよ。おっと、俺と違ってお前は自由に魔女と面会できる許可証は持ってねぇんだったか?』

 

『それはどういう意味デスか……!アナタは、まるで魔女に!サテラと言葉を交わしたことがあるかのように……!』

 

『ハートをギュッと掴まれた仲だよ。文字通り』

 

「スバルも大概口が悪いというか、煽りスキル高いわね。調子に乗った時のウチのカズマさんとどっこいどっこいよ」

 

「おい、なんでそこで俺を引き合いに出した?」

 

「……以前、夜中に私の部屋の前まで忍び込んでトンデモないことを口走ったの誰だったかな?」

 

「なっ!?おい、それはいつまでも意地を張ってたお前が悪いんだろうが!!」

 

 スバルによるペテルギウスへの煽りに、アクアがカズマを引き合いに出して妙な所で感心する。後ついでにダクネスからトンデモないカズマの過去の所業を暴露されて、何も知らない連中がちょっとだけピンク色の空気を感じてそわそわしてしまう。

 

 そうしてスバルに煽られて激昂したペテルギウスは、見えざる手を使って地竜ごとスバルを仕留めにかかる。

 だが、見えていないのならばともかく、見えざる手を視認出来るスバルが操るパトラッシュに追いつける訳もなく、森の中での追いかけっこが始まる。

 

『逃げられるなどと思わないことデス!』

 

「「「「きっ、キッモォォォ!!!」」」」

 

 なんか昔流行っていたこびとづかんを思い出しそうになるが、顔色の悪いおっさんが掌の上に乗って追いかけてくるのは生理的に受け付けられない嫌悪感があり、カズマたちは思わずといった感じで叫ぶ。

 

 更にペテルギウスだけでなく、隠れていたであろう他の魔女教徒も追いかけっこに参戦する。

 かなりの危機的ピンチな状況だが、パトラッシュはスバルの指示を的確に聞いて縦横無尽にペテルギウスの攻撃を避けまくる。

 しかし、ペテルギウスの攻撃を避けながら逃げるものの、そのせいで段々と他の魔女教徒に追いつかれ始め、ついにはその凶刃がパトラッシュとスバルに差し迫ったその時──

 

『わ──!』

 

『は────!』

 

 前回のループでも見せたミミとティビーによる必殺の咆哮が魔女教徒らを襲った。

 

『お前ら、今俺のことも巻き込むところだったぞ!!でも、ありがとう!死んじゃうかと思った』

 

『どういたしまして!いえぇーい!!』

 

 援軍としてミミとティビーが合流して、ペテルギウスを除いた他の魔女教徒らの相手を任す。

 

『分かりましたです!行くですよ、お姉ちゃん!』

 

『あいあいー!お兄さん、ここで勝ったらカッコイイぞ!!』

 

「勝ったら……っか。まさか本当に勝つ筋道があるのか?」

 

 ミミの声援に親指を立てたスバルを見て、ターニャが訝しんだように勝ち筋があるのではと口にする。

 アルベドとカズマとセバス。この3人による学園でのペテルギウスの目撃情報から、てっきり怠惰の討伐は不可能だと勝手に諦めていたが、スバルの死に戻りを始めとして、カズマらにはアクアの蘇生魔法が、アインズらにも同じように蘇生魔法があるのだと思い出す。

 なぜ今まで蘇生手段があるということを忘れていたのかと自問自答したくなるが、それはターニャの世界に蘇生魔法というものが存在しないからだろうが、今度はカズマやアインズがそれに思い至らなかったことに疑問が湧く。

 

「もしや、この部屋には思考阻害の効果もあるのか?」

 

「……?少佐殿、いかがなさいました?」

 

「ああ、いや、なんでもない」

 

 仮にもし本当に思考阻害の効果があったとしてもそれに気付いたところで、この魔法も使用できない部屋では対策も取れない。

 むしろ、それに気が付いた事を監視されているかどうかは分からないが、部屋の主に悟られるのは不味いとターニャは口を噤んだ。

 自分だけが気が付いた原因として思い当たるフシは、忌々しい存在Xからの加護だが、感情の共感の際に自分はカズマの次に酷かった。そんな自分が気が付いて、アインズが気が付かない筈がないと考えて更なる思考の渦に飲まれる。

 

 実際には、アインズが結構抜けているところもある凡人だから気付いていなかったという事実だが、それを知らないターニャには理解出来ない事だった。

 やがて、思考を中断したターニャは事の事実を見極める為に、この先の展開を何一つ見落とさまいと鑑賞することに意識を集中させる。

 

『福音書には!我が運命の導にはなにも記されていない!ならば、アナタの存在はなんなのか!』

 

『4回繰り返してきたよ。悪夢なら俺の方が死ぬほど見た』

 

『やはり、やはりやはりやはりぃ、アナタは『傲慢』の──』

 

『俺の名前はナツキ・スバル。銀髪のハーフエルフ、エミリアの騎士だ。『傲慢』だかなんだか知らないが、俺の欲しがる看板はそれだけで、あとはいらねぇ』

 

「ほっ、ほぉ~!なんという格好いい名乗り上げ!スバルは実は紅魔族だったのでは!?」

 

 スバルの饒舌な名乗り上げに、めぐみんは頬を赤らめながらヒーローを見るような目で見つめていた。

 

「止めてやれよ。スバルも高校生なんだから痛々しい中二病一族に巻き込んでやるな」

 

 カズマがスバルを哀れんでめぐみんの馬鹿な妄想を止める。

 とはいえ、スバルの言動を格好いいと思ってしまったことも否めないので、微妙な表情で頬をポリポリ掻くしかないカズマだった。

 

 そうしてパトラッシュに乗ったスバルは何処かで見た覚えのある崖の前に飛び出る。

 

「あれ?なんか見覚えのある場所なんですけど……」

 

『一度、俺が終わった事のある場所だ。そんでもって、お前にとっても終わりの場所になる』

 

「そうか!あそこってスバルが屋敷での4度目のループの時に覚悟を決めたあの……」

 

 その見覚えのある場所にアクアが首を傾げると、パトラッシュから降りたスバルがちょうどペテルギウスに説明する。

 それを聞いてカズマもその場所がどういった場所だったのかを思い出す。

 

 そうして改めてスバルはペテルギウスと真っ正面から向かい合う。

 ここを奴との決戦の舞台に決めたのだろう。

 

『ここまで誘い込むのがアナタの狙いであれば、何を用意したのデスか?』

 

『決まっている。天敵だよ、俺とお前の共通の──』

 

 そうして見上げた崖の上に立っているのは最優の2つ名を持つユリウスだった。

 

『天敵とは、また随分と言ってくれるものだ』

 

 準精霊の力を借りてなのか、軽減された落下速度で崖の上から飛んで降りてきたユリウスはスバルの前に着地する。

 

『ルグニカ王国近衛騎士団所属、ユリウス・ユークリウス。貴様を斬る、王国の剣だ』

 

『精霊術師、デスか。……どこまでも、本当に、どこまでもぉ』

 

 その名乗り上げよりも、ユリウスの周囲に漂う準精霊に激しい怒りを見せるペテルギウス。

 

「やはり、ペテルギウスは精霊になにかトラウマがあるのか?」

 

「もしくは、見えざる手かあの憑依による復活能力に精霊が邪魔になるのか?」

 

 ペテルギウスの様子から奴と精霊の関わりに疑問を持ったアインズが考え込み、ターニャもまたペテルギウスと精霊の関係を考える。

 見えざる手は情報さえあれば如何様にも対処出来る。だとすれば、考えられるのは後者になるだろう。

 

『やるぜ、ユリウス』

 

『いいのだね?』

 

 その問いかけはここは自分に任せて逃げなくて平気かという意味か、それとも戦う覚悟は十分かという意味か、どちらにせよスバルはユリウスの目を真っ直ぐ見て頷いた。

 

『引けねぇ、曲げねぇ、負けられねぇ。もう誰も、失いたくねぇ』

 

『私は君を、ひどく打ちのめした男だ。あの行いに私なりの理由と意義があったと今も信じているが、それは君にとって関係のない独善的なものに過ぎない。君は私を、信じられるのだろうか』

 

 いきなり何をと思わなくもないが、ユリウスなりの後顧の憂いを絶つ為の問いかけなのだろう。

 

『──俺は、お前が大嫌いだ』

 

『ああ、知っているとも』

 

『手足折られて、頭割られて、永久歯まで根こそぎ歯磨きだ。治ったからいいものの、普通に考えりゃトラウマ確実でお外歩けなくなるレベルだぞ、手加減を知らねぇのか、てめぇ』

 

『言っておくが、だいぶ手を抜いていたよ』

 

『マジでか。手加減してあれか。やっぱお前、最高に嫌な奴だ』

 

「まるで子供の口喧嘩だな……」

 

「だが、あれはスバルの本心であり、後悔でもあり、あの男への信頼でもあるんだろうな──」

 

 スバルとユリウスのやり取りにターニャが呆れた声で感想を口にするが、アインズはスバルの気持ちがよく分かっていた。

 無論、手に取るように分かっている訳ではない。ただ、同じようにいつもいがみ合って喧嘩するギルドメンバー(仲間)がいたからこそ、スバルの気持ちが分かるような気になっているだけだ。

 ただそれはアインズの勘違いではない。

 

『──俺はお前が大嫌いだよ、『最優』の騎士』

 

『────』

 

『だから、お前を信じる。お前がすげぇ騎士だってことを、俺の恥が知ってるからだ。頼むぜ、ユリウス。──俺の全部を、お前に預けっからよ』

 

『ならば私は全霊で、それに応えよう──』

 

 ユリウスの掲げた剣に精霊の光が集う。それは神秘的であり、強力な力を秘めていることが映像越しにも伝わってくる。

 

『──もう、茶番はよろしいデスか?』

 

 長々と2人のやり取りをご丁寧に待っていてくれたのだろう。

 その背から無数に近しい見えざる手を解き放ち、この場において最も厄介なユリウスへとその手を伸ばす。

 

『──アル・クラリスタ』

 

 技を放とうとするユリウス。だがそれよりも先に無数の見えざる手がユリウスを押し潰さんと覆い尽くす。

 その光景に多くの者が悲鳴を上げかけた。しかし、次の瞬間に映る眩い光にその不安は払拭される。

 

 一閃による斬り払いにより、ユリウスに迫っていた見えざる手は全て切り伏せられた。

 

『アナタは、アナタには、見えないはずデス。見えていないはずデス。『見えざる手』が斬られた……! その事実よりも、もっと問題なのはそちらの方デス! 見え、見える、見えるはずが、はずが、はずが、ががが、ない、ない、ないのデス、ないのに、デス、のに、デス』

 

「そ、そうだよ!アレが見えるのはスバルだけの筈!?もしかして、精霊術師にはあの見えざる手が見えるのか!?」

 

 ペテルギウスと同じようにカズマもまたユリウスが自身に迫る見えざる手を斬った事実に驚きの声を上げる。

 どういうことなのかと困惑するが、そのネタバラしはスバルがしてくれた。

 

『見てるのは俺だ、ペテルギウス。お前の『見えざる手』を見てるのは俺だ。ユリウスは、俺の見てる光景を見ているだけ。思った以上に、気持ち悪い感覚だけどな』

 

「なるほど、意思疎通の高等魔法『ネクト』の応用、いや真髄ともいえる利用法か。恐らく本来の使い方とは少し違っているのだろうが、見えざる手対策にはこれ以上ないやり方だろう。まあ、スバル視点からのようだから、実際に体を動かす際の齟齬がありそうだが、そこは流石は最優の騎士と言うべきか」

 

 スバルとユリウスによる見えざる手の攻略方法に感心してみせるアインズ。

 魔法やアイテムなどの自身の関心ごとにおけるものに対しては、アインズの頭の回転力は高く、その魔法のメリットデメリットを見抜く鋭い洞察力を発揮する。

 

 使い方によっては強力な効果を発揮しそうな魔法であるが、それによって自分以外に2人も本来ならば見えない筈の見えざる手を見られるという事態にペテルギウスは激怒した。ペテルギウスにとっての逆鱗に触れる行為、スバルは敢えてそれを決行したのだろう。

 ああしてわざわざネタバラししたのもペテルギウスを怒らせて冷静な判断能力を奪うための作戦の1つ。

 

 あの男は狂っていながらも、その狂気の裏側は何処か冷静であり、怠惰でありながら勤勉な男だった。きっと、本来ならばペテルギウスは前線に立つような人物ではなく、指揮官のような役職こそが向いている人物なのだろう。

 だが、本人の気質と魔女への狂信故に、誰よりも前に出て活躍する。それが今回災いした。

 

 滅茶苦茶に暴れるペテルギウスの見えざる手を回避しながら、スバルがユリウスに決着を急ぐようにと語りかける。

 

『じゃ、お前と気分共有ってのもうんざりだ。──とっとと、終わらせようぜ』

 

『ああ、そうしよう』

 

『君の目で、私が斬ろう。──我が友、ナツキ・スバル』

 

「友ねぇ……、まあ、悪友とか喧嘩友達みたいな関係だな」

 

 ユリウスの友という発言にカズマは、スバルとユリウスに確かな友情があったのだろうという感想を抱く。

 おそらくは友人というよりも戦友に近いのかもしれないが、自分とはジャンルが違うとばかしにユリウスを別枠に置くことで、スバルの学友であるカズマはそう納得し、嫉妬の感情を抑え込んだ。

 

「もう!なに不貞腐れてるのよ!ここは一番盛り上がって騒ぐ場面でしょ!ほら、やっちゃえスバルにユリウス!!!」

 

「そうですよ、カズマ。我々も応援しましょう。ぶっ飛ばすのです、スバルにユリウス!!!」

 

「ふっ、そうだな。ぶちかませぇ!!!スバルぅぅぅ!!!!」

 

 不貞腐れたカズマの背中をアクアとめぐみんが叩いて、カズマもまた吹っ切れたようにスバルとユリウスのラストバトルに盛大な声援を送った。

 




連日投稿疲れた……。

スバルの第二の試練後にIFストーリーを入れる

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