クロスアンジュ 天使と竜の輪舞〜リベレイター〜   作:エルドラス

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最悪の現実

アルゼナルの食堂、そこはドラゴンと戦う兵士達の一時期な休息を取られる場所。

 

リュウマは受け取った食事を持ってテーブルに向かおうとすると、ある場所にアンジュがおり、彼女は食べなれていない食事に喉が通らない様子だった。

 

「どうしましたか?早く食べないと冷めちゃいますよ?」

 

「………」

 

「無視ですか。まあ食べ慣れていない物は中々喉を通らないですよね」

 

その言葉にアンジュはリュウマの方を見て、一方のリュウマは食事を食べて食欲を満たしていた。

 

するとアンジュがリュウマに語りかける。

 

「よく食べられますわよね…それ」

 

「ん?まぁここ数年は一人で旅をしていましたから、食材から調理まで全部一人でこなさなければならないのでそれに比べたらここでの食事は安全で味も栄養もしっかりしてますから美味しいですよ」

 

っとアンジュはリュウマの発言に思わず引いて口を押え、リュウマは思わず「そりゃそうですよね」と小声で言いながら食事を再び食べ始める。

 

そして丁度そこに新人の『ココ』と『ミランダ』が今日の献立を貰っていた。

 

「わあー!プリンだ!」

 

デザートにプリンが渡された事に喜ぶココ、それにミランダは呆れる。

 

「またとっとくの?たかがプリンでお子様だなあ~」

 

「もうお姉さんぶらないでよ。あ、リュウマさんにアンジュさん!」

 

リュウマとアンジュが座っている席を見つけたココとミランダは、一緒に食事をしようとそこに向かおうとしたが―

 

「おや?これはこれは痛姫さま。あんなに何でも出来ちゃうお方が好き嫌い~?」

 

そこにヒルダとロザリー、そしてクリスの三人がやって来てリュウマの隣にロザリー、アンジュの隣にクリスが座って来て、その様子にリュウマは「またか」とやや呆れかえる。

 

「しっかり食べないといざっていう時に戦えないよぉ?」

 

ロザリーはそう言うとアンジュの食事を取って自分の皿に移し、空の皿をアンジュに渡す。

 

「…あなたもよく食べられますわね。それ」

 

っと、そうアンジュが言うとロザリーの手が止まり、それにクリスもアンジュの方を見て睨む。

 

「あらあら、痛姫さまのお口には合いませんでしたかあ?」

 

それに対してヒルダがアンジュの方を向いてまた煽る。

 

「お高くとまってんじゃねえよ!」

 

するとロザリーがアンジュの言葉にキレて、水をアンジュにぶっかけようとする。しかし彼女の反射神経にそれを避けられて、結果彼女に水はかからなかった。

 

「テメエ!」

 

するとロザリーはアンジュの胸ぐらに掴み掛かる。

 

「そこまでです」

 

ガシッ!ドンッ!グイッ!

 

「イタタタタタタ!?」

 

何があったのかと言うと、リュウマがアンジュの胸ぐらを掴んでいたロザリーの手を掴み、そのまま空いていた手でロザリーを机に押さえつけそのまま掴んでいた腕を軽く捻ったのだ。

 

「な!何するんだよ!?」

 

「貴女はこうでもしないと止まらなそうでしたので…」

 

そうレオンはロザリーの腕を離して、ロザリーは腕を抑えながらレオンを睨むのだった。

 

「あんた、痛姫様の味方をするつもり?」

 

っとヒルダがリュウマがアンジュを庇う様な行動に疑問をぶつけ、リュウマはそれに答える。

 

「同じ仲間として争い事を止めただけですよ。仲間同士で争うなんて、悲しいだけですから…」

 

そう言い残しならリュウマは空になった皿を持ってその場を離れて行き、アンジュもその場から離れようとする。

 

「痛姫さま…一つ忠告しておくわ。此処はもうあんたのいた世界じゃない、早く順応しないと…死ぬわよ」

 

ヒルダはアンジュにキツイ一言を言うが、アンジュはその言葉を無視して席を離れた。

 

 

 

 

 

 

そしてリュウマが自室に戻ろうとした時だった。

 

「おーい!リュウマー!」

 

何事かとリュウマが後ろを向くと、ヴィヴィアンとエルシャがやって来た。

 

「どうしました?ヴィヴィアン、エルシャ」

 

「おお!!あたしの事覚えてくれたんだ~!」

 

「私も嬉しいわ、聞いたわ。少しばかりヒルダちゃんたちともめたって」

 

それにリュウマは呆れた表情で言う。

 

「別にもめた訳じゃないんですけど…、彼女達の方がアンジュに突っかかって行くからそれと止めただけです」

 

「なるほど~?アンジュも孤独だね~? あっ!そうだ!リュウマに聞きたい事があったんだ!」

 

ヴィヴィアンはリュウマに聞きたい事があると聞いてリュウマは首をかしげる。

 

「聞きたい事、ですか?」

 

「リュウマってノーマだって事いつ知ったの? つい最近?」

 

「ああ、それですか。私が自分をノーマだと知ったのは15歳頃、約3年前ですよ。父上から聞かされた話だと私がノーマだと知ったのは生まれた時からだそうだ」

 

「まあ~? でもよく捕まらなかったわね?それまで」

 

エルシャはリュウマがよく捕まらなかった事を聞かれて、それをリュウマは頷きながら言う。

 

「話によると、どうも父上と母上が匿ってくれて、山の山頂近くで隠れて暮らしてたんですよ。私はそこで親から英才教育みたいな教育を受けていたって訳です」

 

「ん?英才教育とは何ぞ?」

 

「学校にも通わず、親からお勉強を教えてもらう事よ」

 

英才教育の意味を知らないヴィヴィアンにエルシャが説明をする。

 

「でもその後旅をしていたって聞いたけど、それは本当なの?」

 

エルシャがリュウマが旅していた事に聞かれて、リュウマはそれに答える。

 

「えぇ、3年間。私はそこで色んな場所を回って、色んな事を教わりました。私が見てきた世界がどれだけ狭かったか、とか」

 

その言葉に二人はリュウマの話を聞いて、その後分かれて戻っていた。

 

そして数時間後…。

 

部屋に戻っていたリュウマは部屋に足りない物を感じて、ジャスミン・モールへと足を運んでいた時だった。

 

突如司令室からアンジュの声が聞こえて来て、リュウマは足を運んだ。

 

入って見るとアンジュはジルに他国の上層部に解放するよう働きかけをと明記した嘆願書を出してくれるようにと頼み込んでいた。

 

「まだ分かっていないの貴方は…」

 

これにはエマも流石に呆れている。

 

「いやはや困ったものですよ。そいつの頭の固さには」

 

そこに、ゾーラが現れ、アンジュの頑固な態度にやれやれとしている。

 

「教育がなってないぞゾーラ」

 

「申し訳ありません指令。だけど男の方は良い順応性じゃないか」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

リュウマはやりづらそうにゾーラに答える。

 

「ではちょっとお借りします。こいつを」

 

「キャ!?ちょ、ちょっと!?」

 

ゾーラは嫌がるアンジュを強引に何処かに連れて行った。

 

リュウマはアンジュを連れて行ったゾーラが何をするか嫌な予感しかしていた。

 

「はいアルゼナル司令室………なんですって!?司令!」

 

「きたか…!」

 

それと同時に司令室のオペレーター達が放送で基地全体に警報を流す。

 

『エマージェンシー!エマージェンシー!第一種攻勢警報発令!』

 

「リュウマ!お前も早く準備しろ!」

 

「了解!出撃します!」

 

リュウマは敬礼して司令室から出て行った。

 

 

 

 

 

「全電源接続!各機、ブレードエンジン始動!弾薬装填を急げ!」

 

格納庫にメカニックらしい少女『メイ』の慌ただしい声が響く。

 

ライダースーツに着替えた第一中隊は出されてきたパラメイルに搭乗する。

 

「アンジュ、貴方は後列一番左のパラメイルに、リュウマは一番右のパラメイルに搭乗するのよ」

 

副長らしくサリアがこれからの作戦を指示する。

 

そしれレオンに与えられた機体は量産型のグレイブ『ノーメイク』と言われる機体だ。

 

『第一中隊は各自準備完了次第対応せよ!』

 

「準備完了!いくぞ!」

 

エマの指示にゾーラ隊長が返答を告げる。

 

「生娘共!少年!、初陣だ!訓練通りにやれば死なずに済む。お前達は最後列から援護隊列を乱さぬよう落ち着いて状況に対処せよ!」

 

「いぇ、イェス!マム!」

 

「了解」

 

ゾーラ隊長の指示にアンジュ以外の皆が了解の意を返した。

 

『全機発進準備完了!誘導員が発進デッキより離脱次第発進どうぞ!』

 

「よし!ゾーラ隊出撃!」

 

オペレーターの発令により誘導員達が離れたのを確認した直後、ゾーラ隊長が号令しベテランパイロット達が一足先に出撃した。

 

リュウマは隣に居るココとミランダの様子を見て、落ち着かない仕草の二人にアドバイスをする。

 

「大丈夫ですよ。ちゃんと訓練通りにすれば行けますから」

 

「は、はい!あの…」

 

「リュウマです。名前は聞いていますよ。ココとミランダですよね? よろしくお願いしますね」

 

「「はい!宜しくお願いします!!」」

 

不安ながらもココ達も出撃をして、最後にレオンが発進する。

 

「ゾーラ隊!リュウマ機、出撃する!」

 

空へと飛び立った第一中隊は指定ポイントに進んでいた。

 

『モノホンのパラメイルはどうだ?振り落とされるんじゃないよ!』

 

「「は、はい!」」

 

「了解!」

 

『目標視認距離まで後一万!』

 

目標ポイントに迫って来た所をオペレーターが良い、そしてゾーラが中隊全員に言う。

 

『よーし!各機、戦闘態勢!フォーメーションを組め!』

 

『イェス!マム!』

 

「了解!」

 

各機が配置について、サリアがリュウマ達に言う。

 

「位置に付いて、リュウマ、アンジュ」

 

「了解しました! アンジュ。聞こえましたか?」

 

サリアの指示にリュウマは承知してアンジュに伝える、…が…

 

『アンジュ機、離脱!』

 

「何?」

 

「チッ!」

 

リュウマはアンジュの行動に思わず唖然し、サリアは舌打ちをして後追いかける。

 

それを見てリュウマもすぐさま後を追う。

 

「アンジュ戻って!もうすぐ戦闘区域なのよ!?」

 

「私の名前はアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギです。私は私のいるべき世界、ミスルギ皇国へと帰るのです!」

 

(こんな時に何を言って!)

 

リュウマはアンジュのとんでもない行動に内心驚く。

 

「持場に早く戻りなさい!でないと貴方を命令違反により今此処で処罰するわよ!」

 

サリアは銃を取り出し、アンジュを脅しにかけるのだが…。

 

「アンジュリーゼ様! 私も、私もミスルギ皇国へと連れて行って下さい!」

 

なんとココがアンジュに近寄り、自分も連れて行ってほしいと頼みに来たのだ。

 

「え!?な!何を言ってるの!? ココ!?」

 

「私も魔法の国に!」

 

「ココ!今はそんな事言っている場合では『キュピーン!』!?クッ!」

 

っとリュウマが言おうとした時にリュウマは何かを感じ取り、上を見ると何か光るものが見え、リュウマはすぐさまココに近寄り、ココを自身の機体に乗せその場から離れる。

 

「リュウマさん!?」

 

その直後、レーザーの様な物がココのパラメイルを破壊し水柱が上がる。

 

リュウマは上空を見ると空間から歪みが発生してそこからドラゴンの群れが出現して来た。

 

『ドラゴン、コンタクト!』

 

「…あれが、ドラゴン」

 

「…な、なんなの?…これ…」

 

リュウマはドラゴンの出現に目を開き、アンジュも酷く混乱していたが、ドラゴンは雄たけびを上げてコチラを睨んでいた。




次回予告

(?)次回はやっと私が出ますよ!

(リュ)意外と早かったですね。

(?)いやいや!他の作品に比べたら私の出番遅いですよ!と、そう言うことなので、次回もお楽しみに。

(リュ)まぁ、活躍するのはその次のお話ですけど…

(?)…え?

次回、覚醒と管理者 前編
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