霊感ってカッコ良いか?   作:天海つづみ

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第22話 忌地 結 表 傍若無人

 

 

 

 あれから児島さんは色々動いているらしい、手続きが面倒だと愚痴を言っていると後藤さんから聞いた

 

 あの古い看板の電話番号から分かった事があった

 

 その不動産屋は反社の下部組織で色々話が聞けたらしい(三崎さん辺りが聞きに行かされたんだろう)

 

 最初は別の反社が地主から奪い、バブルにあのビルを建てたそうだ、

 しかしあまりに死人が出るためお祓いをしたが完成直前に放って逃げた、という噂があった

 

 そして格安で転売されて20年程前にラブホを建てたが建設中に死人が続出、やはり完成直前に放って逃げた

 だから不自然にキレイだが住所も電気も無い

 そんな物件を組織の上から押し付けられて迷惑しているそうだ、反社の中でも色々あるのだろう

 

 

「アタシもまた呼ばれるかもしれないねぇ」

 尾形さんのアパートに集まる

「あの、聞きたい事があるんです」

 

「おうw何だい?」

 基本的に俺達に優しいんだよなこの人

 

「何であのビル建てる事ができたんですか?引っ張られる場所なのに」

 

「日本が好景気だった頃外国人労働者が大勢入って来た、そいつら使ったんだろ」

 

「でもよ?大勢死んだら騒ぎになるだろ?」

 

「?、お前等は外国人が遊びに来てるとでも思ってるのか」

 そもそも本国で働き口が無いから日本に来ていた者が多い、不法就労がどれだけ居たか

「それにね、外国人って日本の常識も良識も無い、忌地なんて理解出来ない」

 縁起の悪い土地には大工も土建屋も寄り付かない、験を担ぐから

「いくらでも替えが効いたし、ネットが無いから口コミも無い、実際何人死んだか分からないさ」

 

「地上げ屋……でしたっけ?そう言う人が色々……」

 バブルって華やかだったイメージあるけど何か治安悪くない?

「あれ?でもあのホテルの頃はネットがあったはずじゃ?」

 

「まぁ今となっては有耶無耶さ、確実なのは」

 ヒラヒラする

「コイツ位だね」

 

「婆さん、何だソレ?」

 

 

「不動明王真言の御札さ、周りの畑とかの隅に祠あったろ?」

 

 バブルの時に呼ばれた祓い屋はビルに火を点け供養しようとした

 しかし鉄筋コンクリートで効果が薄い

 だからその祠で周囲を囲い、長い時間を掛けて浄化しようとしているそうだ

「あれだけの凄腕でも浄化出来なかったんだ、あと何年かかるやら」

 

「でも死なない人も居たんですよね?」

 じゃなきゃあんなの建つわけ無い

 

「あぁそうだよ?『引っ張られない』人間ってヤツもいるんだ」

 

「そんなの居るのかよ?!」

 

「居るんだよw」

 自己中心的で図太く図々しい、人の意見などお構いなしで傍若無人

 自己肯定感の塊で自分に絶対の自信を持っている

「こういうヤツは繊細さが無いからね、霊感が無い代わりに霊障も無いw」

 

「俺達は繊細……なの……?」

「そんな気はしねぇけどそうなんだなw」

 

「だから呪いなんかも効きゃしないよ」

 

「!、宮内!!」

「あいつのタイプか!」 

 

「さて、もう帰りな、二度とあそこに行くんじゃないよ?」

 

「最後に良いですか?」

 

「ん?」

 

「あのホテル、ペットボトルとかゴミが無かった事なんですが」

 

「そんな事かい」

 死に近過ぎる場所では飲み食いが出来ないんだ

 

「?、なぜです?」

 

「普通霊より生きてる人間の方が強いんだけどね、逆転してる場所では違う意味になる、

 飲み食いは生きる行為だ、死人達が許さないんだよ」

 

「ゴミがあるほうが安全ってかw」

 

 

 …………………………………………

 

尾形さんは一週間程旅行に行くそうだ

「そんな娘が居るのかいwアンタらの嫁に良いかもしれないねw」

 と不吉な言葉を残して……

 

「まったく面倒です」

 久々に大学に来た児島さん、目の前の大手柄が公表も出来ず少しは落ち込んでいるかと思えば

「良い事を思い付きました」

 あのホテルの駐車場、あの土地まではギリギリ外らしいので児島さんは買い取ってプレハブ小屋を建てようと考えているらしい

 

「引っ越すんですか?」

 本庁まで遠いし駅も遠い、車メインの場所だが?

 

「いえ、誰か監視する者を置けないか考えてます」

 児島さんの頭の中を簡単に要約すれば、あの忌地は犯罪者が見つけるから

『無限に手柄が入る場所』

『手柄ホイホイ』

 になってる訳だ

 本当に出世しか頭に無い、この人も引っ張られない人なんじゃ?

「あくまで保護するのが目的ですよ?」

 

「……まさか俺達に住めって言わないですよね?」

 モノは言い様だな

 

「まさかw未成年の大学生にやらせませんよ?」

 

 どうだか……

 

さっきから木村は黙りっぱなしで足が貧乏ゆすりしている

 理由は

 

「すみません、いらっしゃるなら事前に連絡頂けたらこちらも準備しましたのに♡」

 お盆を抱えた森瀬ちゃんが秘書のように児島さんの横に立っている

「私も何か協力出来ますかぁ?」

 だから声のトーンが違うって

 

「いえいえ、こうして美味しいお茶を頂けるだけで十分ですよ」

 

 

幸せそうな森瀬ちゃん

不機嫌な木村

 

 

 森瀬ちゃん、今体良くあしらわれたんですよ?

 何しろこの前の帰りに

「児島、お前そろそろ結婚考えたらどうだ?親父さんも色々心配してんだろ?」

 助手席の後藤さんが言うと

「暫く女性の事は考えたくありません」

 キッパリ言う児島さん

 

ハニートラップのトラウマがある限り森瀬ちゃんの思いは伝わらないだろう

  

 「さて、次の依頼です」

 

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