愛を拗らせた少女が東方で愛されるだけ(旧:東方転生愛語り)   作:スズキだ

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紫色のバラが持つ花言葉は、「尊敬」「気品」「誇り」


16 狐疑逡巡

冬に始まった関係は、眠る間も惜しまず続くかと思いきやクイズ番組のタイムリミットのように、唐突に終わった。

なんだその感覚笑

いや、ふとそんな感じに思ったんだけど

 

 

まあ、いいや。

 

 

 

最後まで離されなかった手を誰も見てないのが分かる安心感からか、愛おしく撫でる。暖かさを感じ、抜けられるのに抜けないもどかしさに頬が上がる。

この感覚は初めてだった。

前から、そのずっと前からもそうだった気がする。

なんかこそばゆい。

もう朝ではない、休みの日のような感覚で甘えるようにその手に頬を擦る。撫でられるように自分から進む。

これは感覚的に彼女が起きないとわかる安心感からか…

それとも、今の状況に満足しているからか…

 

私さえも分からないのだ。

 

 

だって、初めてだったから、こんなに()()()()愛をささやかれるのは。

 

 

 

 

旦那様を労る感じはそういうことか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◯◯◯◯◯◯◯女冬眠中◯◯◯◯◯◯

 

 

 

 

元々こっちに来た後は少し()()にやろうと思っていた。

 

 

 

 

 

感覚的にここまで来たら私はお役御免だろうと感じていた。

もしかしたら私がいなくてもなんとかなったとは思ってた。

 

 

だけども、意地であり、エゴで幸せを自分なりに考えて行動してみた。

 

 

 

 

 

 

 

幸せがなかったわけではない。

 

 

愛が見つからないと不貞腐れていたわけではない。

いや、痛みなんてそんな感じた事なかったから

それは正直死ぬほど嫌だったけどさ。

 

 

でもなんかここまでやってきたからいいやと思えた。

 

 

それがスキマだったのかな、愛らしい彼女が言うにはね。

そうだったらしいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、どちらにしろ求めていたことができたから結果として満足している。

 

とはいえ、ここにいても暇だからもう少しいたら抜け出そうかな…。

そう思って

 

()()()()彼女の方を向き

 

 

 

何度も噛んだその肩に口を付ける。

昨夜のように激しく噛むわけではない。

本能というべきか、なんか安心するからタバコのように口をつける。

 

 

 

 

 

そのまま寝ている彼女の腕の間に手を挟み、温かさごと抱きつくように愛を混ぜる。

 

 

ああ、何も考えたくない。

今だけはいいだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【八雲藍】

 

 

 

 

 

 

 

…目の前の何事もなく食卓に混じる妖怪に目を向ける。

最初に会った時は昔会った西洋の貴族のようにしっかりとした整えられた髪は今や刈り上げはそのままにしろぐしやぐしゃに前に垂れることでイメージが変わっている。そもそもピチッと着ていたクラシックな白いブラウスはいつの間にか男性物の着物のような服に変わっているのでイメージが変わってしまった。と言ってもしょうがないだろう。

 

胸元はゆるゆるのくせに、高級であろう羽織まで着ているのだからご主人の愛着具合が垣間見れる。

 

とはいえ、冬というのにいつもより何日も夜更かししていたご主人はやっと眠りにつき、それに伴いこの少女は出てきたのだろう。

 

何も言わずに食卓につき、体操座りでちょこんと私の方を見ていたので、私も何も言わず朝食を準備してしまった。

 

 

春までもうしばらく時間がある。

これはこれはどうしようか。

 

少し冷たくなりつつあるお吸い物を飲みつつ思考を巡らす。

 

 

 

そもそもご主人様の近くに置いて良い存在なのだろうか。

この少女は全てをかき乱す存在になることが垣間見れる。

ご主人様はこの幻想郷に全てをかけて挑んできた。

 

しかし、この数日は全てを投げ打って彼女だけに集中していた。

このまま続くようであればご主人様が困る事態になるのは想像がつく。

 

私自身、そのような経験があるからこそ、理解はできるが正しい行動であるかというと二度とはしないだろう。

 

 

式として冬の間は全てのことを任されている。

しかしながら、この少女に手を出すという事はご主人様と敵対する形であるということだ。

 

全てが終わったあと許してくれるだろうか。

いや、今のままではあなたも幻想郷も全てを投げ打ちそうだ。

 

 

お吸い物にまた口をつける。

ついに冷めてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと、目線を感じ目の前を見ると少女がこちらを覗いている。

上げていた前髪は今は垂れ下がり目の下まで届きそうだ。

その隙間から宝石のような丸い目でこちらを覗く。

 

思わず…

 

 

「…なんだ」

 

 

威圧したような声になる。少女は気にしてないように、後ろに手を回すと紫色の花束を私に差し出した。それは紫の薔薇の花束だった。

 

 

 

一瞬受け取るのを()()()思考がよぎる。

しかし、それも一瞬のこと。

 

「これ枯れないようにいけておいて。せっかく咲かせたのに勿体無いよね。」

 

何気なく、いつも通り、そう伝える彼女に、私はなにを戸惑ったのだろう…?

気品高き紫のバラはご主人様で私自身この花は飾っておきたいと思うぐらい綺麗だ。改めて思い、そう、思い直して受け取る。

 

 

彼女はせきに着いてから初めて、吸血鬼を感じさせるように牙をチラッと見せて爽やかに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こぎしゅんじゅん【狐疑逡巡】 きつねが疑い深いように、なかなか決心がつかず、ぐずぐずしていること。




ってか原作未プレイ中だから設定や話し方や癖などずれてないか心配。
めっちゃウィキとか見てる。
…話変わるけど次あっちに行くのは次は誰だろね(笑)

ラスト誰に落ち着くか(4択ぐらいに絞っていて悩んでます。とはいえどうなるかも楽しみに想像してみてください。ここに選択肢がないゆかりさんは不憫だなあ)

  • 霊夢
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  • 咲夜
  • アリス
  • 幽香
  • パルスィ
  • ルーミア
  • 輝夜
  • ぬえ
  • さとり
  • 青娥
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