愛を拗らせた少女が東方で愛されるだけ(旧:東方転生愛語り) 作:スズキだ
【八雲紫】
雪が降る、それよりもピンクの桜が降る。
舞い降りる。降ると降りるは同じ漢字なのに印象が違うわね。
そんな言葉を隣の桜のようにピンクの美しい髪を持つ友人に話す。
彼女は、外のある木を見ながら、綺麗ななんて、のほほんとつぶやく。
古くからの私の数少ない友人は、この度異変を起こすことに決めたらしい。私は思ったより時間がかかりそうだと少し焦る気持ちを抑えて話しかける。
「貴方はわかってるはず。あれは、咲かせてはいけないものだと…。こんな春なんか集めても、
彼女は木を見つけたまま、口元を扇子で隠しころころと笑う。
「今までも満たされたことなんてないわ。だとしたら試したいと思うのは普通じゃない?
やってみたいのよ…ただね。」
幻想郷を巻き込んで欲を満たそうなんて、なんて亡霊だ。
そう思わずにはいられない。
きっと、霊夢が解決するだろう。しかし、万が一のことがあってはいけないのでここで見守ることにしたのだ。
藍には既に桜の花の回収を行ってもらってる。
あと気がかりなのは置いてきた私の可愛い少女…
早く終わらせないとと改めて焦る。
しかし、焦ったところでどうすることもできないのが現状だ。
「そういえば久しぶりじゃない紫。なんか慌ててるようだけど、
口元を隠した友人は、私にそう問いかける。
続けて、
「
そう付け加えて。ああ、さすが私の友人というべきか痛いところをついてくる。思わず目線を逸らして木を見る。
私の友人、幽々子はきっと扇子の奥で笑っているのだろう。
はあ、思わずため息が出そうだ。
そのとき、どがーんと遠くから大きな音が聞こえた。
「あらあらお客様かしら」
なんてのんびりいう幽々子。
目の前の門を開けた、赤と白の人間が見えた。
「あら?妖夢は?」
「なんか下でメイド同士、戦ってるわ」
適当に赤の霊夢が話す。
霊夢は、なぜかツボを抱えて威風堂々の出立ちで門の真ん中に立っていた。
…壺
…つぼ??
あれは、うちのじゃない!?!?!!!??
冷や汗がドバッと出る。どうやって心からの叫び声が出そうになるのを押さえつける。目の前には2人しかいない。倒されたのかしら?彼女に気づかないなんてあるのかしら?いや咲夜がいない…まさか、、
嫌な考えが頭をよぎり、回る。
震える声で問いかける
「…霊夢、そのツボどこから持ってきたのかしら?」
「あっ、ゆかり、なんか久しぶりね…。
これは、猫屋敷」
バレてるのかしら、、いやこれはバレてない。猫で回避したのかしら、頭が良い方良い方へと傾く。
いつしか私は立っていたらしい。
少し驚いたように幽々子が私のスカートの裾を引っ張る。
「主人を前に、話を進めないでくれない??」
その言葉に耳を貸さず私はまた質問を重ねる。
「それは誰か守ってなかった?」
「なにー?ゆかりのなのかーー?これは猫妖怪が守ってたぜ!お客様がいるって聞いたけど誰もいなかったけどなー!」
スタンと座り込む。もうこの場から立ち去って家に帰ってしまいたかった。しかし何かを言いたそうに幽々子がスカートの裾を引っ張っている。
私は一度頭をかき、冷静になろうと深呼吸をする。
「全くどうしたのよ…?勝手に取ったんじゃないわ、置いてあったのよ。返さないわよ」
霊夢がふてぶてしい態度でそう呟く。
「あっ、そういえばくろまくはお前なのか?」
白の方の魔理沙が答える。
幽々子は私の裾を掴んだまま答える。
「そうよ。庭のさくらを咲かせてみたくて」
彼女が何度も見つめる目の前には大きな大きな桜の木があった。
彼女たちがその気に近づく、すると、彼女たちが集めていた桜の花びらが気に吸い寄せられるように飛んでいった。
「あっ、ありがとう。もうすぐで開花するから是非見てらっしゃい。」
そうのんびり彼女は答える。霊夢は何か勘付いたのか、持っていたお祓い棒を片手に幽々子に詰め寄る。
「なんか嫌な予感がするから倒すわ。」
花が集まってしまった。もしかしたら、咲夜が最後の花びらを持ってきてしまうかもしれない…。もの凄い帰りたい気持ちを抑えて、止まることにした。いつのまにか隣に来ていた魔理沙が、ゆかり変だぞなんて失礼なことを言っていた。
…本当にそれどころじゃない、早く終わることだけを考えていた。
○○○○○○○○○○○○○○○
そんなやりとりを遙か上から見ている妖怪がいた。
隙間からこっそり覗くように、何かを満足げに見つめている。
あっ、勝負あったな、すごいなあなんて
言葉をひとりでに紡ぎながら。
木の方に目をやると、霊夢たちが話を終えたようだ。
紫は帰るのか…と見守っていたがちゃんと残るようにしたようだ。
イタズラな笑みをニタリと浮かべて隙間は開く。
眼下では、桜が舞い落ちるように綺麗な綺麗な弾幕が花開いていた。
花が開くのはいつでも心地よいものだ。赤く歪んだ心が嬉しそうに晴れ渡り、ドス黒い何かがモヤのように広がる。
ああ、自分のものだったらもっと素敵なんだと思う。
嫉妬深い自分の性質を理解してるからこそ、止められない心を止めないで理解してあげる。
それが私なのだから。
咲夜が階段を上がってきた。飛ばずに上がってきたらしい。
それをみた紫は、彼女が花びらを集めてないと理解し、隙間を開こうと_____
その瞬間
「約束は守るよ」
私はどこかに声をかけ、そっと光を開いた。
何かは約束を喜ぶかのように花を咲かせた。
○○○○○○○○○○○○○
【八雲紫】
「なにこれ、貴方何をしてるの?!??」
霊夢が叫び出す。満開になった桜はピンクなんかじゃなく、黒く、黒く、当たったら命でも刈り取るような危ない力があるものへと変わった。
その一番近くにいた幽々子は焦ったように、あれ、違う、、
呆然と佇む。
隙間で帰ろうとしていた紫も呆然としていた。
霊夢の勝利、それで何事もなく終わるはずだった物語がまた花咲いたのである。何故、おかしい。足りなかったはず、
しかし、今は考えてる場合じゃない。
隣にいた魔理沙を隙間に入れ遠くに追いやる、そして霊夢のもとに隙間で移動する。この子が封印しなければ、とりあえず彼女を守らなければ、そう勢いよく駆け寄るも、緩やかながら、数多く舞い散る黒い桜に思うように動けない。
霊夢は避けながら、危ない時は結界で防いでいる。しかし、その結界もそろそろそこを尽きるだろう。
どうするべきか…
無理やり行くしかないのか、、
そんなとき、遠くから アッ っと
声がした。
○○○○○○○○○○○
【十六夜咲夜】
追いついたときには、幻想的な光景を出していた桜の木が、今やドス暗く何かを出すように、喚くように、泣いているように苦しく蠢いていた。
そこに憎い隙間妖怪がいようとも、彼女に近づけないほど高密度で当たったらやばいと身体が感じる桜の花が舞い降りる。
比較的遠くにいる私でさえ、避けるのに精一杯だった。
ふと、頭上から何かの気配を感じた。それは神のような神々しい眩しい、そんな気配だった。
思わず気を取られた、その瞬間______
目の前にドス黒い桜の花が
当たる、目をつぶってしまった。
しかし、その後何も起こらず
おそる
おそる
目を開ける。
すると私の目の前を黒い桜の花びらではなく、ひらりひらりと白い花が浮かんでいた。
それはとても綺麗で、神秘的で、、いつか聞いた讃美歌が頭の中をよぎるような世界だった。
ふとポケットが膨らむ。手を入れるとその隙間から溢れるように白い花びらが舞い散った。それは、私が道中に少しだけ集めていた花びらだった。
桜の花びらと違い、それは数があるものではなかった。
そして黒い桜の花びらにまぎれるように桜の木に向かってふらふらふらふらと飛んでいった。
一つ、その白い花びらが誰にも気づかれずに桜の木の幹に触れたとき、唐突にこの事変は終わった。
誰も理解せぬまま終わった。
いや理解したものがひとりいた。それは遙か上空の隙間から笑う悪魔だけだった。しかし、、、その姿は悪魔だったのだろうか?
全てが終わったあと、紫は急いで隙間に入った。
宴会にも出ぬまま急いで向かった。
彼女は朝と変わらぬ様子で、いや布団だけは新しいものになって、すやすやと変わらず寝ていたのだった。
最後に三千字、、、
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ラスト誰に落ち着くか(4択ぐらいに絞っていて悩んでます。とはいえどうなるかも楽しみに想像してみてください。ここに選択肢がないゆかりさんは不憫だなあ)
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霊夢
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レミリア
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咲夜
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アリス
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幽香
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パルスィ
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ルーミア
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輝夜
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ぬえ
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文
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さとり
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青娥
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諏訪子