愛を拗らせた少女が東方で愛されるだけ(旧:東方転生愛語り) 作:スズキだ
いつも見てくれてありがとうー!
文好きな感情大爆発の回。
普段の2倍長い。
【射命丸文】
ガミガミペコペコそんな言葉が似合う場所で私は怒られていた。平謝りと言いますが、あややや、ちゃんと聞いてるのかっ!なんて、また怒られてしまいましたよ…。それもまあ、出た杭を打たれたと言いますか…、相手にしては行けないものを触ったんでしょう。目の前の幾つもの黒い瞳が私を厳しく睨みつける。
…とはいえ、今回の件はここで打ち切りになるのが目に見えている。彼女は鬼に勝った。そんな相手にノコノコとまた戦いに行くほど天狗は頭が悪くはない。また、勝手に入った彼女に落とし前をつけさせたさはあるのだろうが、相手から先に「チャラ」なんて言われたもんだから涙を飲んで頷くしかない。
まあ、しかしながらその怒りが私に向いてしまってるのだけどね。まあ、私の新聞が原因なのでしょうがないといえば、しょうがないのだけども…。
ああ、そんな声を荒げて掠れ始めてますよ…。
なんて言おうものならまたこの時間が延長されてしまうので黙っている。縦社会というものは厳しいのだ。私はしがないの一般鴉天狗なので黙るしかない。はあ…とはいえ今週の新聞はとても良い出来だったのだ。怒られてるのも含めて落ち込むなあ、、これぐらいで許してもらえて御の字なのですかね?
気分が浮き沈み、ポジティブとネガティブな感情が交互に花開く。思いを馳せながら、思い出す。
ゾッとするような赤い瞳。
「分かってるな射命丸。お前は呼ばれたんだろう。紅魔館に行って内情を把握してこい。そして、何としても不可侵条約を結びつけてくるのだ。破った暁にはこちらに優勢な取り決めも忘れるなよ。以上、下がれ」
「はっ、」
コキコキっ、両手を伸ばして音を鳴らす。同じ体勢でいたから凝り固まった身体が気持ちよく感じた。昼ごろ起きた時間は怒られていた時間含めて終わったのが夕方だった。どこかで誰かの鴉がかあかあと泣いているのが聞こえる。夕焼けを見ながら私は発行所へ向かう。何人かとすれ違い、すれ違った後にくすくすと笑い声が聞こえる。
陰湿なやつらだ。
噂好きな彼女たちはこの件を面白おかしく新聞にするかもしれない。しかしながら、彼女について触れた新聞が今後発行できるかは謎なものですよね。
…また思い出してしまう。赤い瞳を。
夕焼けが真っ赤に染まっているからでしょうか?今日は森さえも赤いからでしょうか…。
いや、違いますね。
違うのです。
きっと、、あの瞳が私だけを見つめていたから、見惚れてしまったんですね。ただ、見惚れてしまった。あやや。
宴会で気軽に声をかけた。スクープの真ん中のような彼女を独占したかった。しかし、帰ってきたのは無視。一度も私を見ることなく名だたる妖怪と人間と話していた。撮った写真は全て横顔か後ろ姿。この屈辱を…そう思って私は何気なく部屋に飾っていた。
花の異変を見た。霊夢と向き合った彼女。いや、実はその前から私は追っかけていたのだ。遠くから何枚も写真を撮った。しかし、気づかれる距離にいてはいけないと何故か思って、話しかけることすらできなかった。だから私は、、遠くから何枚も写真を撮ったのを覚えている。
その写真もまた部屋に飾ってある。小さな彼女、もちろん私を見ることはない。アリスの家から出る彼女、霊夢と話す彼女、花畑にのんびり歩く彼女。彼女の赤い瞳は全て私を写すことはなかった。
印刷所に着く。配るはずだった大量の新聞。受け取って私は外に出る。家の方に向かいつつ、森の小さな空き地のような場所、そこで火を起こす。周りに映えていた花を一つ火の中に入れる。火のタネにもならないその行為、私はその後に新聞を入れる。火は文字を飲み込んでパチリパチリと音を立てて…静かに燃える。
赤い、紅い…火。
赤い瞳…。
森の中でふらふらとだらけて任務についていた私に急遽呼び出しの連絡。焦るように羽を動かし、急な呼び出しに駆けつける。あのルビー・スカーレットが
そして、見つけた彼女は白天狗の犬走椛の上に乗って楽しそうに彼女を見つめている。回らぬ頭。
"私に会いにきたんじゃないんですか?"
喉まで出かけた言葉。グッと堪えて言葉をだす。無理に出した言葉は震えて、、そしたら彼女が私を見つめて話し始めたんだった。
火が消えそうだったから、残りの新聞を全部ぶち込む。よく燃える。何故か未練も無かった。
パチリ…心地よく音を出して燃える。
それは新聞が奏でた音ではないと分かっていたけど、新聞が赤く炎で塗り替えられる様が何となく良かったと感じてたんだと思う。
夕焼けも終わり、辺りはだんだんと薄暗く赤い焚き火の色だけが辺りを照らし始めた。
そうだった、今まで椛を見ていた瞳がこちらをくりっと向いて、さっきまで興味を持っていたはずの瞳が私に移り変わった。
私に移り変わったのだ。
何を目的に来たのか、そう聞いてみると新聞の内容についてだった。そこで前回彼女をネタにしたのを思い出した。…やらかした、そう思った。その感情は正しく、木っ端微塵というほど思い知らされた。私は何故か新聞が発行できない。それ以上にただ私を目的とせずにここに彼女がきた理由が"
そう、彼女は私の新聞を見てここにきた。
本来だったらそれでも嬉しいと思えたはず。
しかしながら椛を押し倒す彼女を見てしまった。
だけどその後、私は彼女を見てなかった。
彼女の手が…頬に触れた。
私は焚き火に照らされる私の頬を同じように自分で触る。無意識に近かった。こう触られた…反復するように触った。
そして、私を見つめる彼女と目が合った。
彼女の赤い瞳に私が写った。
口元を
「あっ、そうだ。新聞今度から取りたいわ。なんか色々終わったら会いにきて、待ってるわ。」
最後に彼女は私の新聞を読みたいと言ってくれた。新聞を書き続けてもう何百年かはわからない。だけども、この日ほど感情を揺さぶられる日はなかったはず。
私は赤く燃える焚き火が消えるのをのんびりと待つ。
そして、その後家に飛んだ。
写真が飾ってあった。
彼女の写真だ。
一番うまく撮れた彼女の横顔の写真に指をやる。私がされたようにその頬をゆっくりと撫でる。写真の中の彼女はこちらを振り向くことはない。
だけども私はその写真の前で嗤った。
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レミリアお姉様と夜を共にし、何度目かの朝を迎えた。私が外に出ていたことはバレていたようだけど匂いをクンクンと嗅いだ彼女はにっこりと笑って私を抱きしめた。私はハハっと乾いた笑いを一つ出しながらお姉さまを抱きしめ返す。抱かれたらバレるんだわって学びを一つ得て…。
とはいえ、お姉様の元でしばらく大人しくしてたからか、お姉さまは安心したように夜も一緒にただ寝てくれる。
たまにちょっと過激なチュールで一緒に寝ようとするので度肝を抜かれたりした。あわあわとあわてる私を楽しそうに見つめて笑うお姉様は悪魔だ…。私が真っ赤な顔で食べちゃうぞなんていうと、ベットに身体を預けていやらしく笑ったりするものだから…まあ食べられるのはいつも私なんだけどね。おかしいなあ…。
今日は太陽も元気がないみたいだ。とはいえ雨も降りそうになく、吸血鬼にとっては心地の良い日だった。お姉さまは何か当主として仕事に向かってここにはいない。
なので私は窓を開けて風を感じながら本を読んでいた。四季というものは素晴らしい。風一つで感情を楽しませてくれる。冷たく感じる風が心地よかった。今日は西洋の神様のやらかしみたいな本だった。とはいえある程度の古代の力の歴史について書かれていて面白い。とても古い本で湿気には悪いのだが、魔力で強化されてる本に通用しない。
びゅーん、
風が渦を巻いて、私の元に駆け寄る。薄いレースカーテンが白く窓からはためかせる。私はニタリと笑う。
やっときた、意外と遅かったじゃないか…。
窓や外には射命丸が浮いていた。
私は本をぱたんと閉じる。
「遅いじゃないか…まあ、今日来るセンスは嫌いじゃないよ。話があるんだろう、ここからで悪いが上がってくれ。」
私はそう言ってソファの方に向かう。後ろで降り立った音が聞こえた。律儀に靴を脱ごうとしてたので、そのままでいいと声をかける。本を読んでたメガネをそっとその辺に置く。
先程まで飲んでいた紅茶を片手に、座った射命丸と向き合う。
彼女は身体を少し縮こませたようにちょこんとソファに座った。
紅茶のかろうじて残る湯気が私たちの間に白い線を出す。
目の前の彼女が意を決して、と言うように話し始める。
「こちらが新聞です。発行日に今後お届けします。
…それで以前言った話は本当でしょうか…?」
「ああ、私はなるべく嘘をつかないように生きてるんだ。で、今日やってみるかい?」
「……はい。」
「ああ、あと新聞の対価は払うよ。こういうのは払うべきだと思うんだ。」
射命丸はその言葉を聞いて少し緊張を解いたようだ。最初に会った時はふてぶてしく話しかけてきたのに変わりようは凄いななんて思ったりする。…まあ最初の態度より好きな感じではあった。
「じゃあ、、これきてもらえます?」
私は差し出された服を見る。村人のような可愛らしい服装で、赤い浴衣にリボンのような赤い紐を差し出される。私は少し部屋を後にして着替える。少し胸元がたるんでしまったが、ここに藍はいない。咎める者もいないだろう。私は口元にリボンを加えながら意外と器用に着付ける。リボンを少し伸びた髪に巻きつけて、はいっ、村人風コーデの完成!
そう、あの時私が射命丸に提案したのは、私の可愛い写真でも流したらどうだ?って提案だった。紫やお姉様、、あとはアリス?あたりは食い付くんじゃないかな?なんて軽い提案だったが、意外と射命丸はそれでも良いと思ったようだ。
扉を開ける。いつの間にか撮影の準備をしてた射命丸。その姿はやはり本職か、、様になっていた。
わたしは「どう?」なんて気軽に問いかけてみるが、私をぼうっと見つめたまま、ぴたりと固まってしまった。…そんな似合ってないかなとカッコを確認してみるが、時が動き出したように射命丸が準備を続けたのでそのままソファに座った。
コテン?と首を傾げてみたり、上目遣いで見てみたり、してみたが…射命丸は何も言わない。レンズ越しに私を見つめてカシャカシャカシャとただシャッターを切る。そのレンズが私を見つめて…
「おい、近くないか…?」
その距離は私の目しか映らないぞ。そんな距離まで近寄ってた。身体はいつの間にか私の目の前に…。おいおい、なんて問いかけようとしたが、彼女は彼女自身も不思議そうにあたまをひねる。あれ?私がおかしいのか??いや、絶対にそっちがおかしいよ!そう思うけど、角度を変えたり、立ってみたりとかするうちにだんだん近くなるものだから、逆に笑えてきた。
…ん、つまり自然に笑いを引き出す。プロは違うなあ…なんて感心する。
私は心地良くなってソファに寝転ぶ。横からシャッター音が鳴り響く。私は手を伸ばしてよくやったそんな感じで目の前にあった黒い頭を撫でる。
「…終わりです。」
頭を撫でられた射命丸が終わりを告げる。
意外とワクワクになっていた私はもう結構機嫌が良かった。新聞楽しみだな〜なんてそんな感情すら持っていた。
「最後にお願いがあります。」
「なあに、文?」
私は気分よく、マブダチのように声をかける。文なんて呼んじゃって、もうまた遊びにきて欲しいとか思ってた。やっぱ仕事をしてるのってかっこいいよな。私わかるわ。勝手に共感すらあった。
でも急に名前を呼んだからか戸惑うように目をぱちぱちとさせる。
「あや、あっ、あの、もう一度私の頬に手を当ててくれませんか…?」
ああ、まだ最後に撮影が残ってたのね。そう思って私は軽い気持ちで文の頬に手を当てる。白くさらっとした頬が私の指にあたる。その手に手を重ねて、うっとりと…すり寄る彼女。
細く歪んだ目。
うっとりとさせて。
赤い瞳が見つめてくる。
小さい子供にする顔ではなかった。
ほんのりと色気漂う、その表紙を歪ませて笑う。
私がいつか見せた顔のようにチラッと歯を見せて。
開けっぱなしの窓から風が舞い込んだ。熱くなってきた空気を覚ますようにサラッと間を通っていった。
いつの間にか雰囲気が元に戻って文は出て行く。
「また私が新聞を届けます。あっ、新聞以外に見せたいものもあるのでいつかお時間ください。あや、言い忘れてました。森には来ないでください上がうるさくて、、まあ、私が会いにきますから大丈夫です。」
風のようにさる。
私の感情は揺れ動き、ドクンと一つなった。
新聞…あっ、そういえばと彼女が持ってきた新聞を見る。
ニッチすぎて読者層がわからなかった。
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【射命丸文】
先ほど撮ったカメラの写真を急いで現像に出す。そして、筆をとり『号外』と書き込む。そして私は眠るのも惜しんで描き続けた。いつの間にか朝日が出ていたらしい。真っ赤な朝日だ。写真を取り出す。よく写った彼女の姿。大きな丸い目をくりくりとさせてとても楽しそうにはにかむ。この写真を見て、この森を半壊させた大妖怪と思うものはいないだろう。
しかし、しまったなとも思う。天狗は幼子が好きだ。好きな格好を持ってきてなんて言うから、その格好を持って行ってしまった。彼女はその辺にいたら簡単に攫われてしまうだろう。そんなかわいさが一瞬でわかる写真だった。天狗界隈でも売れるに違いない。
だから私は、彼女が一番綺麗に撮れた写真ではなく、横顔のような少し途切れた写真を使う。そして赤い目だけ映った写真と綺麗に撮れた彼女の写真を壁に飾る。その目は私を見つめていた。
…心地よい。
嬉しい、嬉しい!そんな感情が心に花を咲かせる。
あやや、これはいけないと止める心があるのが分かっているが、もう止まらないことを知っていた。だからこの写真のように心を隠す。自分の部屋だけに隠す。
それぐらいは許されるでしょう?
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【号外!】
「なにこれ…なによこれ!!!?!!??私の愛おしいルビーちゃんがなんか弱小新聞に写ってるんだけど!?!」
「今日もうるさいなあ紫は…」
「だまれニート!居させてあげるだけ感謝しなさい。ねえ、みて、やっぱ見なくて良いわ。私もう少し集めてくるわ新聞。」
「本当にうるさい…ってかもう少しちゃんと取れなかったのかよ、半分切れてるじゃないか、目線もこっち向いてないし…」
「でも可愛い…!可愛いでしょう!!!やるじゃないのこの新聞も、ちょうど燃やすのに良かったけど、今回は初めて新聞として読んでやるわ!ああ、、久しぶりに会えたねルビーちゃん♡」
「まじキモい…。」
文が意外と持ってたドス黒い感情みたいな所が皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいと思いつつ、また文ちゃんの事は書くつもりです。彼女の優秀さは私はとても好んでいまして、思考や考え方など、、その果てしなく濁った想いをどこかで吐き出して欲しいと思います。
とはいえ文ちゃん編一旦終了です。
第二章より見たい話があれば教えてください!(短期間アンケート)
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宴会で愛に揉める
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地霊伝(さとり)
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幽々子に会いに行く
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霊夢に捕まる
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魔理沙vsアリス
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ゆかりん再登場
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文との絡み
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レミリアとのデート
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咲夜へのご褒美
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ルーミアとの会合
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藍様情緒爆発
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その他コメント欄にて、グッときたら即採用