ブルーアーカイブ―連邦の活動記録―   作:一般連邦職員

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透き通る青春をニュース記事にしてみたらだいぶきな臭いものになってしまいました。


序章:キヴォトス動乱篇
混乱と行政官


連邦生徒会共通基幹事務システム、大規模な不具合により停止 連邦生徒会

クロノススクール報道部 4:45 配信  94件

 

 連邦生徒会は3日、共通基幹業務システムに大規模な不具合が発生し、システムが一時的に使えなくなっていると発表した。共通基幹事務システムは今年に入ってから接続不良や頻繁なフリーズが断続的に発生し、申請や学園間のデータの送付に影響が出ていた。

 

 不具合が起きているのは「連邦生徒会共通基幹事務システム」。ネットワークを通じて各種文書の作成や申請、行政上の許認可やオンライン会議の開催など、様々な業務に活用できる。これにより、学籍の紐づけ管理やセントラルネットワークの接続の簡素化を図り各学園の事務の軽減を狙ったものだった。

 

 関係者によると、2週間前ほど前から接続不良やフリーズが各地で発生。各学校ではシステムが使えないため、文書の手書きで代替する▽正常に印刷やデータの保存が出来ない▽申請が出来ないため遠方より連邦生徒会へ赴き直接申請する―――など、業務に支障が広がっていた。

 

 システムは中小規模の学校を中心に導入が進んでおり、今回の不具合に各学校からは悲鳴が上がっている。ある学校の行政官は「既存のデータが使えず、文書作成や申請に倍以上の時間がかかり運営に支障が出ている。治安悪化に伴う生活支援や(ライフラインの)復旧作業などの事務が滞り、そのしわ寄せが生徒や住民に及びつつある。正直限界が来ている」と語る。

 

 連邦生徒会は今回の件を受け、統括室に新たにフォローアップチームを発足し早期解決を目指している。担当者は取材に「システムに不具合が生じているのは事実。各学園の事務に影響が出ているのは大変遺憾」としているが、不具合の原因については明らかにしていない。

 

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ndo*****

ミレニアムが導入を拒否したっていうからどんな地雷システムかと思えば案の定……

 ↪isk***** 

 システム担当者は今頃涙目で対応してるんだろうなぁ

 ↪kra*****

 急な呼び出し、止まらないアラーム発報、掃除のおばさんの抜いたコンセント……うッ頭が

 ↪jrs*****

 コンセント抜くのとエアコン切る清掃業者はマジでいるからな(震え声)

iun*****

無料でサーバー建ててシステムアップデートに保守までやりますよーって触れ込みだったのに結局こうなるんかい

 ↪rtt*****

 中小の自治区支援のつもりがさらに追い込んだだけだったのがなー。こりゃ恨みは深いぞ

 ↪Lap*****

 ワイ自治区行政官、連邦生徒会に見切りをつけてトリニティへ縋り付くことを決意

 ↪ssL*****

 トリニティ連合かミレニアム・ドリームに期待する方がいいって流れが出来つつあるのがなぁ

qnk*****

なんでか知らんが交通システムまで止まってるせいで自分の自治区に帰れないんだけどwww

 ↪vbc*****

 それウチもだわ。まぁどうせ帰れないし連絡もつかんから開き直って温泉行ってくるつもりだけど

 ↪iax*****

 死ぬほど図太い神経してて草

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SRT特殊学園の廃校を決定 連邦生徒会

 KBC政治報道部 15:00 配信  131件

 

 連邦生徒会は4日に開かれた予算委員会で、SRT特殊学園を5月末をもって廃校とすることを正式に決定したと発表した。SRT特殊学園は5月31日付で閉鎖し、在校生は学籍がなくなるが、最長6か月は猶予期間を設けるとしている。SRT特殊学園を巡っては、昨年末に会計検査院が廃止を求める勧告を出したことを受け、ヴァルキューレ警察学校などと統廃合する動きがあった。

 

【関連ニュース】連邦予算を圧迫するSRT特殊学園。会計検査院が廃校を勧告

【報道写真記録】ワカモ逮捕の瞬間

 

●対立する防衛室と財務室

 SRT特殊学園を巡り、SRTを所管する防衛室と財務室の対立が過熱していた。防衛室は連邦生徒会直轄の組織としてSRTの有用性を訴え、特殊作戦を実行できる戦力としてヴァルキューレ警察学校とは違う任務や役割があると主張。昨年の狐坂ワカモの逮捕やゲヘナ学園の内部抗争の鎮圧など、戦力として実績を残している点を踏まえ審議すべきだとして学校の存続を訴えていた。

 

 それに対し財務室、および各学校の反応は冷ややかだ。連邦予算を圧迫する重装備と、各自治区に干渉することも可能な権力を与えられたSRTは“過剰な戦力”という意見は設立当初から根強くあった。特に、中小各自治区の首脳陣、および警察関係者は連邦生徒会の考え一つで動かせる存在に危機感を隠さない。

 とある学園の行政官は「SRTは連邦の匙加減一つで振るわれる強力な戦力。内政干渉権や治外法権を持つ存在は小さな学校にとっては死神の刃と変わらない。廃止は妥当だ」と話す。

 

 また、会計検査院(GAO)は昨年の監査報告で「当初の想定より低い数字で推移する出動件数は、過剰な内政干渉による反発を恐れた連邦生徒会の運営方針と”政治的配慮”によるもの」と指摘。その結果「予算と権限に対し実績が伴っていない判断した」として、財政制度審議会で廃校を勧告していた。

 

●連邦予算の圧迫

 SRTはその性質上、特殊作戦に従事するため非常に充実した装備を数多くそろえている。だがその高価な機材や訓練の為の予算は毎年連邦生徒会予算を圧迫し続けている。

 連邦生徒会の予算は各自治区の拠出金等によって賄われているが、連邦生徒会は近年赤字の傾向が続いている。巧妙化する犯罪手口や装備の高機能化、高価格化の流れが続いている為だ。負担が増える中、SRT運営の為にさらなる拠出金の増額を要請すれば各自治区の反発は必至だ。

 目に見える財政の健全化か、見えない治安の維持か。今後連邦生徒会は難しい舵取りを強いられるだろう。

 

●宙に浮いたSRTの生徒

 廃校が決定したSRTの在校生の存在はどうなるのだろうか。4日の記者会見で七神リン主席行政官は、当面の間は連邦生徒会の学籍を与え、その間に転校を支援すると説明したが、そのフォローや支援の具体策については「今後さらなる保証を行うことを約束する」と述べるに留まった。

 また財務室の財政官は取材に対し「会計検査院の勧告は以前より出ていた。その時点でSRTを転校する生徒も多数出ており、既に学校教育法に規定される基準を満たしていないことは明らか」として、廃校の妥当性に理解を求めた。

 

●怒りをあらわに

 しかし、異例のスピード審議で決定されたSRTの廃校決定に関係者は戸惑いを隠せない。不知火カヤ防衛室長は「今回の廃校は急に決まったこと。(廃校に関しての)事前の協議や説明はなく、SRTを潰す為だけに開かれた会議といっても過言ではない。防衛室は今回の決定に断固として反対する」と怒りをあらわにした。また、人材資源室の人事担当者は「正直今回の決議は説明不足感がぬぐえない。調停室や防衛室とも連携を密にとり、今後の連邦の対応によっては行政不服審査会への申し立ても視野に入れたい」としてSRTを存続させる意向を見せ、連邦生徒会の中でも意見が分裂している。

 

●各自治区は静観の構え

 各自治区はこのSRT特殊学園を巡る事態の推移を当面静観する構えのようだ。ヴァルキューレ警察学校の企画人事課は「現在我々はSRT生徒に関する指示を受けていない」として発言を避け、各自治区の代表行政官組織も「転校や生徒の受け入れについて各学校の方針を確認できていないためコメントできない」として回答を避けた。

 

 SRT特殊学園を巡っては昨年末から様々な議論が交わされてきたが、今回の決定は事前の協議や説明がなされぬままに実行された感はぬぐえない。連邦生徒会長はこの件に関し沈黙を貫いており、防衛室や統括室の今後の説明に注目が集まる。

 

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oka*****

SRTも金食い虫だからね、しょうがないといえばしょうがないが、ヴァルキューレは御しきれる?

 ↪era***** 

 逆にヴァルキューレ以外にあのプライド高い連中を受け入れたい学校ある?

 ↪jhs*****

 戦力としては欲しいだろうけど、誇りとか矜持もあって受け入れづらい感はあるよな

smx*****

ニュース見てたけど防衛室長のキレ方えぐいな……

 ↪ysb*****

 そりゃ自分の知らんとこで話進んでたら怒るでしょ

 ↪fdz*****

 防衛室のメンツ丸つぶれですから。形だけでも抵抗しておかないと今後舐められる

gal*****

SRTが潰れるのは賛成。連邦生徒会の犬どもに自治区が荒らされることはあってはならない!

 ↪wks*****

  でたよ陰謀論者

 ↪mko*****

  お前の自治区に対して価値なんてねーから

 ↪yuc*****

  愛国主義者は自治区におかえりください

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―――18時48分 連邦生徒会中央行政ビル 3F エレベーターホール

 

 

「不知火室長」

 

 エレベーターホールの前にセーラー服姿の生徒がいた。頭には大きな狐耳を持ち、だがそれが目立たぬような立ち振る舞いは訓練を受けた者の動きだった。実際その容姿はカヤ以外には見られることはなかった。音もなく影から出てくる姿に、気づくものは誰もいない。

 

「ユキノ小隊長」

「……我々は、もう」

「聞こえていましたか」

 

 不知火カヤは大きく息を吐いた。

 予算委員会は荒れに荒れた。主に防衛室と財務室の間での言葉の殴り合いは扉を挟んだ廊下にも響きわたっていた。一歩も譲れぬ意見のぶつけ合い、すり合わせ。だがそれでも止めることは出来なかった。

 

「止められませんでした。貴方たちのことを守れなかったこと、大変申し訳ないと思ってます」

「いえ、室長は最善を尽くされたと、我々は理解しております」

「それでも、です。我々行政官はその為に居るのですから」

 

 それでも打てる最善の手を尽くすのが、連邦生徒会執行部員だ。どんな事があろうとも、その歩みを止めることはできない。

 

「防衛室で今から協議を開始します。法解釈や学籍の一時預かりも含めて、貴方たちのことを守ることを誓いましょう。その間にユキノ小隊長はSRTを纏めてください。今は指揮下からの離脱や、世論の反感を買うことだけは避けなければいけません……よろしくお願いします」

 

 綺麗な敬礼ののち、ユキノは音もなく消えた。特殊部隊として、破壊工作や諜報もこなせるユニットとして一流といってもいいFOX小隊、そのユニットリーダーはやはり優秀だ。SRT全隊を纏めるのに彼女以上の適任者は居ないだろう。そんなことを想いながらもカヤは再び息を吐いた。

 SRTの廃校は、所管する防衛室にとってはかなりの痛手だ。連邦生徒会の実質的な戦力がこれで正式に動かすことができなくなった。多少強引な法解釈やごり押しで動かせても、その一撃で状況を変えることは難しいだろう。表に出せる手札としてはもう使えないとみていい。

 これほどまでに有用な戦力を潰すことになることに、怒りと共に無理解な行政官たちにも呆れと憤りを覚える。だがそれで状況は何も変わらない。

 

「……動かなければなりません」

 

 カヤは決して無能ではない。運だけで連邦生徒会執行部員の椅子は座れない。実力と気力、そして状況を判断し、情報を適切に処理し、何よりトップとして判断を下せる能力がなければ防衛室の室長など勤まらない。

 故に、彼女はある決断をした。

 なぜか未だに姿を見せず、事態に一切関与してこない連邦生徒会長。そして防衛室への明らかな敵対と言ってもいいSRTの廃校。同僚である役員と見据えるものは同じはずだが、その手段が異なるというのであれば、そしてその為の手段に力が必要であるのなら。

 

「連邦生徒会長、その後を私が引き継ぎましょう……誰も泣くことのない世界の為、私が」

 

 そう呟く声は誰にも聞こえず。カヤは再び歩き出した。

 

 

 

 

 

 

―――20時11分 連邦生徒会中央行政ビル 7F 主席行政官室

 

 少しだけ光度を落とした部屋で、部屋の主は力の抜けたように椅子に座りこんでいた。役員用に用意された椅子は座り心地もよく、足置きやリクライニングなど、仮眠をとることも十分に可能な機能を備えていた。激務の連邦生徒会の為に用意された椅子は需要に見事に合致していた。

 連邦生徒会統括室、主席行政官である七神リンは、椅子を軽くリクライニングし、つかの間の休息をとっていた。

 だがそれも長くは続かない。軽く瞑った目がノックの音で開かれる。体を起こしつつ、外していた眼鏡を掛けて入室を許可する。

 

「失礼します」

 

 入室してきたのは部下に当たる行政官、その目の下には微かに隈が出来ているのが見えた。

 

「リン主席行政官。いえ、()()()()()()()()

「統括官、まだそう決まったわけではありません」

「しかし、明日の協議で決定することは必然だと思われます。各室長も賛成するとのことです。先ほど不知火防衛室長も賛成に回ると確認がとれました」

「……そうですか」

 

 その報告を聞いて、リンは再び椅子に深く沈み込む。これで最大の懸案事項はひとまず何とかなるという安堵から深く息を吐く。だが行政官はそれを険しい目で見つめていた。

 

「リン統括、いえ、代行」

 

 行政官は声に険しさをにじませなる。手元の資料は強く握りしめられた手で今にも潰されそうになっていた。

 

「連邦生徒会長は席にはおられず、行政統治権が失われたことをいつ公表されるのですか。既に我々に統治する力も、権限すらないということも。隠せば隠すほどその歪は溜まる一方です……爆発するのも時間の問題かと思われます」

「……サトミさん、迂闊にそのことを口にするなといったはずですが。いつ、何処で聞かれているかわからないのですよ」

 

 リンは行政官を戒める。だが行政官も負けじとリンを睨み返した。時間にして数秒程だったと思うが、長い時間が経過したように感じられた。

 リンは視線をそらして再び椅子に沈み込む。

 

「貴女の懸念も承知しています。その影響や今の連邦の状態も。しかし今そのことを公表すれば、いたずらに混乱を加速させるだけで、好転することはありません」

「ですが、隠しても事態は悪化する一方です、行政権を失った以上、施策は全て後ろ手に回らざるを得ません、もうこれ以上は持ちません!」

「それでも」

 

 机に歩み寄る行政官は、持っていた書類の束を机に叩きつけた。

 

「リン統括! いい加減に現実を見てはどうですか!」

 

 それは、各自治区の治安状況や、耐えきれず()()()()()()の概要、その後始末などの報告書だった。 

 

「既にキヴォトスは混乱し、崩壊した学校も数多くあります。生徒はゲリラ化したり、暴動も抑えきれなくなってきている。それに対し我々は有効な対策を何一つ出せていない! 出向してきた各学校の行政官もD.U.から退避を始めている有様です。学校からの支持を失いつつある今、もうすぐそこに破滅は迫っている!」

「……今は、耐えてください。客観的に見ても我々は最善を尽くしている。各学校にも説明と支援は継続していますし、首脳陣にも理解していただいてます」

 

 リンは激しく声を上げる行政官を落ち着かせるように声をかける。

 

「それにサンクトゥムタワーの権限についても、近日中に解決できる目途は立っています。詳しくは言えませんが、どうか信じてください」

 

 リンも、簡単に話を信じていもらえるとは思っていなかった。実際に何か目に見える成果を出せているのかといわれれば、確かに疑問を持たざるを得ないのかもしれない。連日連夜、混乱を収めようと手を尽くしても一部署の長に過ぎないリンには限界があった。

 行政官もそのことをよく理解していた。だからこそ、何も出来ない現状に歯がゆさや苛立ちを感じていたのだ。

 

「……私は言いましたからね」

 

 そういって行政官は部屋を立ち去った。一人残されたリンは深く息を吐く。

 

「……会長」

 

 リンは机の電話に手を伸ばし、内線を打ち込んだ。1コールで相手は電話に出る。

 

「もしもし、アユム。夜遅くにごめんなさい。例の計画はどう? ……そう、なら手筈通りに。明日の14時に。えぇ、ありがとう」

 

 手短に話を済ませると、机の後ろの金庫に歩み寄る。キーを入力して、軽い音と共にロックが解除された。中にあったのはカードと10枚程度の紙の束、そして一枚のメモ紙。

 これで何とかなると書き残されたメモと共に失踪直前に残したそれは正直リンには理解できないことの数々が書かれていた。だが、今頼れるのはそれだけ。

 

 そこには”連邦捜査部”との文字が書かれていた。

 

 




クロノススクール報道部
飛ばし記事ばかり書いてるのは雑誌とか書いてる連中で報道部はいたって真面目に仕事してます。なお取材は命懸けのギリギリアウトなラインを責めている模様。編集局は言わずもがな。

KBC
Kivotos Broadcasting Company(キヴォトス・ブロードキャスティング・カンパニー)
キヴォトスの放送ネットワーク最大手。モデルはアメリカのNBC。

キヴォトス・タイムズ
キヴォトスの新聞社。ニューヨーク・タイムズがモデル

合同通信
各自治区の報道機関の協同組合。小さな自治区にも安価な加入料でニュースを配信する。が、最近はネットの勢力に押されがち。キヴォトス全土を覆う報道網を形成。

UP通信社
United Press(合同通信社)
モデルはUPI通信。

ゲヘナ公共放送
何処の学校にも大抵は放送設備と放送委員がいるのかなと思ったり。ゲヘナは主に天気や交通情報、テロ警戒の情報を流したりとなかなか現実的な事を伝えてるイメージ。
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