本編から時間飛んでリムル編の幕間です。
クリスマスといえば味雪!!
俺の名前はリムル=テンペスト。ある日この世界にスライムとして転生してきた俺は、何やかんやあって、このジュラ=テンペスト連邦国の王になった。
俺を慕ってくれる魔物達と一緒に、楽しい暮らしを実現できていたんだが……
「見渡す限り一面の……ゆき!ユキ!雪ーー!!」
おかしいだろ!!昨日までいつも通りの晴天、気温もそこまで低くなかったはずなのに、何で急に雪が降ってんだ?
「リムル様!ご無事ですか。」
「おおリグルド!一体この雪景色は何なんだ?何か知っているか?」
「これは『味雪』です。一年に一度、雪国でなくても突然雪が降る事があります。その雪は食べられる雪であり、そのまま食べて楽しんだり、調味料としても活用出来るのです。」
へー、この雪は食べられるのか。早速実食と行きますか!
「いっただきま~す!」
……うん、塩だこれ!!
「しょっぱぁっ!!」
「おお、ここに降っているのは塩雪でしたか!直ちに回収致します!」
「うん?この雪って塩味以外もあるのか?」
(解。味雪には塩、砂糖、酸味、苦味、旨み、辛味など、様々な味のバリエーションがあり、調味料として活用できます。)
(おお!なら沢山集めて保存を……)
(しかし、味雪は雪の性質により、自然の物は一日で完全に溶けて無くなります。)
(マジか!?)
「行くぞリグルド!!溶ける前に味雪を全部集めるぞ!」
「はっ、リムル様!」
「ワフッ、ワオーン!!」
「うおおランガ、味雪を撒き散らすな!」
「ハッ!我が主よ、申し訳ありません。しかしながら、この本能には抗えません!ワオーン!!」
ランガや嵐牙族が撒き散らした味雪を回収する。ここには酸っぱい味雪が降っていたようだ。
(解。味雪に含まれる酸味は、梅干し10個分に相当します。)
(どうりで雪に埋もれてたゴブタが梅干し顔になってた訳だ……)
「クロベエ!畑は無事か?」
「おおリムル様!味雪の事なら心配せんでも、溶ければ畑の肥料になるから問題ねぇ。」
「そうか、それなら良かった。ここにはどんな味の雪が降ったんだ?」
「ここは辛い雪だべ。辛い味雪は酒のツマミにピッタリだぁ!」
味雪は植物に害を与える事がなく、溶ければ旨みを増幅させる肥料になるらしい。……これって本当に雪なのか?冷たいだけの調味料なんじゃないか……
「リムル様、付近の味雪は全て回収いたしました。」
「ありがとうベスター。その手に持っているのは何だ?」
「これは『グルメリュック』です。主な使い道は粉や液体の食材の回収です。量に合わせて素材に使われている樹脂が伸縮するので、見た目以上の食材を回収出来るのですよ。」
「へぇ~、そんな道具があるんだな。それ、量産出来るのか?」
「勿論です。ご希望とあらばすぐに用意いたします。」
ベスター達が回収したのは苦い味雪だった。最初に食べたガビルがのたうち回って気絶するほど苦いらしい。……これ調味料として使えるんだろうか。
「リムル様、回収した苦い味雪を少し研究用に使ってもよろしいでしょうか?」
「それは構わないけど……何に使うんだ?」
「苦い味雪は液体に入れると、不純物を凝固させる事が出来るのです。これがあれば様々な薬の精製が簡単に行えます。」
凄いな味雪。にがりみたいな効果もあるのか。
「リムル様〜♡」
「げっ、シオン!その手に持っているのは……」
「味雪を使って、リムル様の為にお作りしたおにぎりです。どうぞ召し上がってください♡」
「ヴェァァ……」
相変わらずシオンの料理は凄いな……おにぎりが喋ったような気がするし……
「あー、気持ちは嬉しいんだが、実は今お腹いっぱいで……」
「あら……そうですか……」ショボン
「クェェ……」
うっ、落ち込んでしまった……
「では、このおにぎりは『グルメケース』に保存しておきますので、後でお食べください!」
そう言うとシオンはおにぎりをケースに入れる。
「ジュゴァッ」ボタボダ……
「えっ?」
おにぎりがケースの底を溶かしたぁっ!?しかも地面も溶かし始めてるし!!
「あら、底が抜けてしまいました……」
「あの〜シオンさんや、そのおにぎりには味雪以外にナニカ入れたのかい?」
「はい!味雪だけでは美味しくないかと思いまして、『三択ロース』に、隠し味に私の美食能力のエキスを入れました♡」
シオンの美食能力……『
「ダメダメ!そんな物料理に入れちゃいけません!禁止!」
「そんなぁ!強い毒性はなく、中毒になるだけの物ですよ!」
「もっとダメだろ!!即刻廃棄だぁー!!」
「喰ェェェ!!」
……こうして、味雪を巡って色々ありながらも、無事俺達は味雪を全て回収することが出来たのであった。めでたしめでたし!
・『味雪』
この世界では数十年で一度ではなく、一年に一度降る。降る気候条件は未だに判明していない。
原作では甘い雪だが、この世界では塩雪など様々な味のバリエーションがある。
雪の性質により、自然の物は一日で溶けるが、グルメケースなどに保存すれば問題ない。捕獲レベルは1以下。
・『グルメリュック』
特殊な樹脂で出来ていて、粉や液体の食材の回収に向いているケース。
強度も高く、コンソメマグマの回収も可能。ドワルゴンで開発され、世界各地に広まった。
・『グルメケース』
食材の生息地域に合わせて気候を設定することで、中の食材を長期保存出来るケース。これも開発はドワルゴン。
ケースに挿すことで、様々な食材の気候をすぐに設定出来るカセットがあり、ポピュラーな食材は世界各地でカセットが販売されている。
・『三択ロース』
三択問題を出してくる動物。問題に正解してから仕留めると、特上の牛・豚・鶏の味が合わさった豊潤な肉となる。
失敗して仕留めると牛か豚か鶏のどれかの味がする。
近種に『牛豚鳥』がいるが、そちらとは違い環境の整備や、良質なエサを用意しなくてもよく、生息場所も広い。
そのため運よく問題が解ければ良いので、貧乏な美食家に重宝されている。
捕獲レベルは問題を解くなら29。解かずに倒すなら1以下。
・『毒悪魔』
シオンの美食能力。多種多様な毒を生成することができるが、料理の味付けに使われている。
シオン曰く「刺激的な味わいが楽しめます!」との事だが、毒耐性がなければ普通に毒。
料理の際は弱い中毒性のある物を使うので、ベニマル達は食べたくないのに食べないと精神が耐えられなくなるという地獄に追い込まれた。
中毒性は毒耐性があろうと効くのでたちが悪い。