エレナはまぁまぁ自己矛盾してるのでわかりにくい点がありますが後書きで補填します。
感想や評価をもらえると嬉しいのでください……
初めて会った時の印象は今はもう、覚えていない。出会い方としてはまだ普通の方だったと思っている。婚約者が決まり、挨拶をする。そして次期皇帝である皇子を支える。
それが産まれた時からあった。私の役割だった。
産まれた時からすべてが決められていた。家の望む振る舞い、家の望む口調、家の望む貴族達との交流。私が自ら決めたことは何一つない。
それこそがエレナ・ハッシュヴァルトの人生だった。決めたられたレールを歩くだけの人生に不満があった訳では無い。むしろ、恵まれている。明日を食べていけるかもわからない人もいる中で、始めから成功者としての人生を歩めるのだから感謝はあれど不満などあるはずも無かった。
けれど、私と同じ決められた人生を持っているはずのユリウス様は私と大きく違った。勉学は面倒くさい。鍛錬でキルゲにまた負けた。王族の振る舞いが嫌い。いつも何かしらの文句を言っていた気がする。最初は婚約者としての態度で接して来たユリウス様だったがすぐに素に戻って話していた。
不思議だった。何がそんなに不満なのか? 皇帝の地位が約束されているのに何を不満にもつ必要があるのか? 理解出来なかった。
以前、つい聞いてしまったことがある。
なぜそんなにも不満なのかと、皇帝になるために必要なことだから喜んで教育を受けるべきなのではないか? と少し責めるような口調になってしまったのは私の中の何かが否定されたような気がしたからだろう。
そんな私の質問にユリウス様があっけなく答えた。
「そりゃあ、俺が人間だからだよ」
何を言っているのか、わからなかった。だから私は正論を言い放つことしか出来なかった。
「それは強欲なのでは?」
「まぁね。でも欲がないと何も良くならないだろ?」
「腹が減ったから小麦を作る。もっとたくさん食べたいからどうするべきか考える。農作業で腰が痛い。もっと楽をするために新しい道具を作る。
全部、欲があっての行動だ。俺が何の不満も持たずにただ与えられた物を受けとって皇帝になっても、きっと今までが続くだけで帝国を良くしようなんてきっと思えない」
何も言えなかった。反論したいはずなのに言葉が出てこない。
今まで、私の小さな欲はすべて満たされていた。お腹が空けば、食べればいい。眠くなればふかふかのベッドで眠ればいい。不満は、すべて王妃になるために必要なことだと、簡単に飲み込めてしまった。
私は帝国を良くしようなど考えたこともない。これからも与えられた役割をこなすだけだと、それが当たり前だと何の疑問も抱かずにそう思っていた。
私の人生は今日この日、否定された。なんてことのない会話のはずで動揺しても、本来引きずるようなことじゃない。ただ、今まで与えられただけの人生を歩んできた人間はひどく脆かった。
あれから、ユリウス様にどんな顔で会えばいいのかわからなくなり、領地に籠もった。ちょうど帝国はスペル王国と戦争になったらしく、ユリウス様も戦場に赴かれるらしい。
お父様は抗議していたが、私としてはユリウスに会わなくていい理由が出来て、安堵していた。
あれから、自分がわからなくなってしまった。これからどう生きればいいのか。自問自答しても答えは出ない。
ユリウス様の言うことが絶対に正しい訳では無い。強欲で身を滅ぼす者も大勢いるだろう。だから否定するのは簡単なはずだった。
それが出来ないのは、私自身がユリウス様の言っていることを正しいと受け入れてしまっているからだろう。自分の人生が否定されているはずなのにその考えを正しいと思っている私。矛盾したような状況に頭が回らなかった。
「やめよう。考えても答えが出ないなら、考えるだけ無駄」
私はそう言って考える事をやめた。いつものように、見ないフリをし続ける。
それからしばらく経った日、戦争が勝利で終わったとハッシュヴァルト家にも伝わった。しかしユリウス様が敵の襲撃者と戦闘し勝利したものの怪我を負ってしまったそうだ。
流石に心配になった。私は急いで馬車を走らせて帝都に向かった。
ユリウス様は無事だった。重傷だが命に別条はないとの事だった。
リーゼさんとお見舞いに行ったがひとまずは元気そうだった。
リーゼさんは、ユリウス様に会うまでいつも不安そうにしていたがお見舞いに行ってからは、しばらくくっついており、困惑するユリウス様と安心しきった表情のリーゼさんの様子に思わず笑ってしまった。
私の欲は非常に小さい。なんてことのない小さな幸せで満足してしまうような女だ。これが村娘であれば、何の問題も無かった。
だが私は次期王妃だ。いずれユリウス様を王妃として支えなくてはならない。お父様は私を王妃兼皇帝補佐として使うつもりだ。
今回の戦争で勢いに乗っていた武官派閥はユリウス様のご活躍で勢いが収まり、文官派閥は逆に勢力を大きくしている。皇帝陛下も協力していることからほぼ確実だ。
この事をユリウス様は知らない。皇帝陛下はユリウス様を象徴として、ハッシュヴァルト家が裏で支えるような構図を作っている。
ユリウス様の事を考えるのであればそれが一番いいのかも知れない。しかし今を変えようとせず、消極的な政策しか出来ない私は陛下の思惑に相応しくないだろう。
ユリウス様もそれを望んでいるようには見えない。皇帝陛下に言っていないだけで、ユリウス様はハッシュヴァルト家が王家に関わるのを嫌がっているように見える。私の勘違いかもしれないが妙に自信があった。
ユリウス様はかなり強欲だ。本人に自覚はないかも知れないがメリットがあるとはいえ、自分から戦争に行くのは危険すぎる。
確かに兵士の士気は上がるし、武官派閥への牽制にはなるが皇帝の後継がわざわざ行く必要のない戦場に赴くのは、考えなしと言われてもおかしくない行為だ。
そんな行為を当然のように踏み切り、敵の奇襲を防ぐ活躍をするのがユリウスという男だった。
自ら周りを変えようとするユリウス様に惹かれていた。自分から何かを変えることなど、私には絶対に出来ないことだった。
自分の人生が否定されているのに彼の言う事を正しいと思うのも、ユリウス様に憧れているからだ。
私の中にある小さな欲に宿った物、それは憧れだった。
だから支えたいと思うのだろう。私にはない強欲を支えることでまるで自分の欲が大きくなった気がして嬉しくなる。
この日、私は自分の欲を理解した。
《確認しました
ユニークスキル『
ユリウス様は夢を持った。あの日、帝国が崩壊した日に運命は大きく変わってしまった。私とリーゼは一度死にユリウス様の力で帝都にいた民の魂を犠牲に生き返り力を与えられた。
その後、ユリウス様は行方不明になったが10日ほどで帰ってきた。ユリウス様に呼ばれているとキルゲから聞いたとき、仕事を投げ出してすぐに向かった。
だがユリウス様、否。陛下は自らの名の一部を捨て、ユーハバッハと名乗るようになった。ドーラとキルゲは即座に忠誠を誓ったが私は迷った。私が支えたいのはユリウス様と決めていた。だからこそ陛下に忠誠を誓うのは間違っているのではないかと思った。
だが私はまた選択を放棄した。この代償はいずれ払う事になるだろう。なんとなくわかるのだ。自身の
わかっている。この天秤が傾いた時、私は運命を選択しなくてはならない。
エレナは村娘として産まれたら、村の男と結婚して平凡ながら幸せな日々を送ったでしょう。ですが、ハッシュヴァルトの名がエレナを変えました。
エレナには自分で夢を持つことが出来ません。だからユリウスの夢に期待しました。結果として、ユリウスはユーハバッハになりました。
エレナはユリウスが変わってしまうことを望んでいる訳では無いので動揺しましたが決断するを放棄し、最終的に忠誠を誓いました。
そんな決断が出来ない彼女には、選択しなくてはならない『運命之神』を獲得し、バランスをとり選択の時間をを引き延ばす『世界調和』が与えられます。
彼女の活躍はもっと後にある予定です。一応ヒロイン?
転スラとBLEACHについてどれくらい知っていますか? 転スラ書籍版を1、BLEACHを2と表記します
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