はいこの作品です。原作キャラはまだでません。出したいけどまだオリキャラが続きます。
2025年4月11日 加筆修正
「父上、ユリウスです。入ってもよろしいでしょうか?」
部屋の外から扉をノックする音と、ユリウスの控えめな声が聞こえる。
「入れ」
「失礼します」
「鍛錬中に悪いなユリウス」
「いえ父上がお呼びであればいつでも馳せ参じます」
「そうか、では本題だ。
5年後、超魔導大国の首都ソーマにて各国首脳を集めたパーティーを行うそうだ」
「5年後にですか?」
「そうだ」
父の言葉は静かだが、その裏に潜む警戒心が滲んでいた。胸の奥に冷たい物を感じながら、ユリウスは感じた疑問を問いかける。
「何故5年後なのでしょうか? 大規模なパーティーを開くにしても伝えるのが早すぎるのでは?」
「さてな、私にもわからん。だが各国の人間も招くのだ。なにかあるのは間違いない」
「私を呼んだのは、そのパーティーに自分が参加するからでしょうか?」
「あぁ、パーティーの名目は各国との平和的交流だそうだ。
よくもまぁこんな白々しいパーティーを開けたものだ各国の民に記者や商人を使って不安を煽っているのは超魔導大国だろうに……
父上は苛立ちを隠そうともせずに呟く。父上には何やら野望があるらしく、そのためには超魔導大国が邪魔らしい。正直何をするにしても超魔導大国に勝つのは無理な気がする……
経済、魔法、武力、民の数、どれをとっても負けている。加えてあそこの王は
それ比べうちの国の人口は約500万人がいいとこ首都に住んでるのはその十分の一だ。前世の知識比べれば少ないような気もするが、この世界で人間の立場はあまりいいものではない。風精人よりも寿命が短く、魔法も風精人は生まれながらにして使えるらしい……
何より魔物の存在のせいで生存圏を広げづらい。だから大抵の国は壁を作って閉じこもり他国との貿易などを行いながら生きている。
これだけならまだいいが魔物という人類の脅威がいながら協力出来ないのが人間の定め。小国同士は協力が必要だがだからといって友好的というわけではなく、何かといちゃもんをつけてマウントを取ろうとし自分の国が上だとアピールする。
いちゃもんをつけられた側はいちゃもんを受け入れてしまえば他国に舐められてしまうため、舐められぬように反発し、最終的に戦争に発展したりする。
戦争に勝って国が大きくなればまだいいが、戦争のやり過ぎで国が発展どころか衰退したり、勝ったはいいものを他国が何かと理由をつけて介入し、漁夫の利されたり、挙句の果てには悪魔を召喚しそのまま滅ぼされた国まであるらしい。
この世界の国は総じて歴史が浅く人口も100万といかない小国が多い。
ちなみにうちの国が500万もの人口があるのはキルゲのおかげらしい。キルゲは聖人といって人間の限界を越えた存在らしくこの国に数多の勝利をもたらした英雄ようで、他国でもその名は轟いている。
見た目は20代後半から30代前半に見えるが実は100歳を超えてるのだとか……
「ユリウス……ユリウス!」
豪奢な装飾の施された椅子に座る父上の声に、ユリウスははっと我に返る。
「っ! ……はいッなんでしょう父上!」
「先ほどから呼んでいるが反応が鈍いぞ」
父上の鋭い視線が、冷ややかにユリウスを貫く。
「少し考え事をしていました……」
父上は一拍の沈黙ののち、静かに椅子の背にもたれ、ユリウスに告げる。
「まぁいい、もう一つの本題だ。お前の婚約者が決まった。
ハッシュヴァルト公爵のエレナ・ハッシュヴァルト嬢だ」
ユリウスは目を見開く。婚約、それは王族にとって政治と直結した重荷であることを、彼は誰よりも理解していた。
「ハッシュヴァルト家は文官の家系ですが、よろしいのですか?」
ユリウスの問いかけは冷静を装っていたが、その内心は揺れていた。文官派閥と武官派閥の対立。帝国の未来を左右するほどの不安定な政治構造のなかに、自らが投じられる現実に。
「言いたいことはわかる。お前の婚約者を巡って文官派閥と武官派閥で真っ二つだったからな。だが問題ない。まだ決めてはいないが、アンネリーゼには武官派閥の誰かの嫁に出そうと思っている」
必要な事であり、義務だとはわかっていても妹のアンネリーゼを駒として扱う言葉に、ユリウスはわずかに眉をひそめそうになるが辛うじてこらえる。
「そうですか…………、ちなみに何故ハッシュヴァルト公爵なのでしょう?」
ユリウスの問いかけに、父上は口元に薄く笑みを浮かべた。だがその瞳には、一切の笑みは宿っていない。
「今は小さないざこざはあるが大きな戦争はおきていない。
だが、武官派閥はキルゲがいるからとまた戦争をおこそうとしてる。勝てるからといって戦争をするのは愚かだ。戦争をするには金も物資も人もいる」
「武官派閥は敗戦国から奪えばいいと思っているようですが……」
「奪ったところですぐに国の利益になるわけではない。ようやく国の地盤が安定してきたのだ。また不安定にされては困る」
その言葉に、ユリウスは意外なものを感じた。父は、もっと拡張主義的な人物だと思っていたのだ。
「意外です。父上は国が大きくなるのを望んでいると思っていました……」
「国が大きくなるのはいいことだ。だが戦争をせずとも国大きくなる。そもそも私が国を大きくしたいのは超魔導大国に勝つためだ」
「勝つ……ですか?」
「あぁ、あの国は風精人の国だ。私はな、人間が弱い存在だと認めたくないのだ」
父の噛み締めるように吐露するような思いに、俺は強く共感した。
この世界の人間は弱い。
それは聖人と言う存在がいても間違いない。
選択を誤れば風精人に、もしくは魔物に、もしくは悪魔に滅ぼされてもおかしくない。
父は足掻いているのだ。人は弱い存在ではないと必死に。
「父上……私は、いや……俺は、強くなります」
「ユリウス?」
戸惑いとともに父上が名を呼ぶ。ユリウスは視線を逸らさずに、胸の内を言葉に変えてぶつけた。
「父上が俺のユニークスキルを封じているのは知っています。でも俺はたとえどんな力だろうと使いこなします。この国を発展させ人間が弱い存在ではないと証明します」
一瞬の沈黙が流れる。父上、アルベルトは、まるで息子の成長を噛み締めるように、穏やかに目を細めた。
「ユリウス……お前の気持ち嬉しく思う。だが気負いすぎるな、まだ
10歳なんだゆっくり成長していけばいい。時が来たらまた聞こう」
父の手が、そっとユリウスの肩に置かれる。その温もりに、ユリウスは自然と力を抜いて、素直に頷いた。
「はい……」
そのまま空気が和らいだ瞬間、父上が冗談めかした口調で続けた。
「まぁ私はまだまだ現役だがな」
「父上……今いいこと言ったんですから水を差すのは辞めてください……」
二人の間にあった緊張がほどける。短くともこんな家族の時間が、ユリウスにとって何よりもかけがえのないものだった。
「フッ……話が逸れてしまったな。明日、ハッシュヴァルト公爵とエレナ嬢がユリウスとの顔合わせに城に来る。エレナ嬢と親交を深めておけ」
「わかりました。準備しておきます」
未来へとつながる運命の歯車が、また一つ音を立てて回り出していた。
《確認しました。ユニークスキル<
翌日、ユリウスはアルベルトと共にハッシュヴァルト公爵の到着を待っていた。
「ユリウス様、服が少し崩れています。直すので少しじっとしてください」
「あぁ、わかった」
今服を直しているのは、ドーラといい俺の専属侍女だ。
侍女と言ってもおそらくただの侍女じゃない。多分、護衛も兼ねてるはずだ。実際に注意深く観察しないと気付かなかったがドーラは足音が全くしない。しかも俺は直感のエクストラスキルがあるのにドーラが後ろから近づくことに気づけなかったりする。
実は凄腕の暗殺者でした。みたいなあるあるだったりするのかな?
「どうされました? 私の顔に何かついていましたか?」
「いやそういうわけじゃないけど、ドーラって俺の専属侍女なってからどのくらい経つんだっけ?」
「ユリウス様が生まれてからなので10年近く経ちます」
「生まれてからずっとだったんだ…………」
「アルベルト様からはユリウス様に忠誠を誓うよう言われていますので何でもお申し付けください」
「えっ……そうだったのか?」
いきなりでてきた新事実に思わず父上に聞いてしまう。すると父上は当然と言わんばかりに言った。
「お前は王になるのだから当然だろうに、今のうち慣れておけ」
「わかり……ました」
すると侍女が大広間に入ってきて父上に言った。
「アルベルト様、ハッシュヴァルト公爵が到着致しました」
「案内しろ」
「かしこまりました」
父上の言葉に侍女は深々と礼をして下がっていった。
数分後、重厚な扉の向こうから現れたのは、貫禄のある体格と濃い金髪と髭を湛えた男。その隣に並ぶ少女は、年相応のあどけなさを残しながらも、大人びた気品があった。淡い水色のドレスが、彼女の黄金の髪と見事に調和している。
娘を連れてきたやって来た公爵が、父上に挨拶をする。
「これはこれはご無沙汰しております。アルベルト様にユリウス様、この度は我が娘エレナを婚約者にしていただきありがとう御座います」
「有難いのは此方の方だハッシュヴァルト公爵、エレナ嬢はとても優秀と聞いているよ」
「おやエレナの噂が王都にも伝わっておりましたか、父親としてはうれしい限りです。エレナお前も挨拶を」
「お初にお目にかかります。アルベルト様、ユリウス様、エレナ・ハッシュヴァルトと申します不束者でどうかよろしくお願い致します」
父上が俺の方に視線を向けてきた。挨拶しろってことか。
「初めまして、私はユリウス。エレナ嬢と会えたこと嬉しく思う」
「まぁ、エレナ嬢などではなくエレナとお呼びください」
「わかったエレナ、これからよろしく」
「はいよろしくお願いします。ユリウス様」
相手は公爵令嬢な為、言葉遣いをいつもよりも硬くして形式的な挨拶を交わす。この口調は好きではないが、仕方ない。これも義務だ。
「ユリウス、初めてあったんだ。2人で色々話してみろ」
父上はユリウスとエレナが挨拶を交わす頃合いを見計らって、二人きりにするように誘導する。公爵側もそれを理解しているのか、特に口を挟むことはない。
「わかりました父上、行こうかエレナ」
「はい 楽しみですわ」
こうして俺とエレナは庭園に移動し、ガジーボで紅茶飲みながら会話を楽しんでいた。
「へぇ、エレナは普段から公爵の手伝いをしているのか」
「はい、去年から父の仕事を手伝っています。ユリウス様は普段何をなされているのですか?」
「俺は主に勉学と鍛錬だな。たまに大図書館に行ったりしてるよ」
「まぁ! 大図書館ですかどのような本を読まれるのですか?」
「魔法や精霊の本を主に読んでるよ。特に精霊に関しては色々興味があるんだ。いずれ上位精霊を召喚してみたいよ」
「ユリウス様ならきっとできますわ。ユリウスは非常にお強いと聞いていますし、勇者になれるのではないですか?」
「それは言いすぎだよ。そう言うエレナも優秀だって噂だよ」
「ユリウス様ほどではありませんわ。手伝いだけで手一杯です」
ユリウスとエレナは普段の生活から趣味の話まで、至って普通の会話が続いていく。婚約者といえ、これは政略結婚。二人の距離は近くとも遠くもない距離感の会話だった。
だが、ユリウスは普通の貴族の会話は嫌いなタイプ人間だ。そんな人間がつまらない会話で終わらせるはずもなく…………
「忙しいと遊べないんじゃないか?」
「仕方ありませんわ。それが公爵の娘として生まれた責務です」
「…………じゃあ、少し遊びに行くか」
「えっ?」
エレナは俺の返答に予想していなかったのかきょとんとした顔で驚いている。その反応に思わず笑いそうになるがぐっとこらえてドーラを呼ぶ。
「ドーラ、少し街に行く着替えを2人分用意してくれ」
「かしこまりました」
「エレナ様はこちらに」
もう1人の侍女がエレナを連れていくエレナは困惑しながらついていった。そうして着替えた俺とエレナ(ドーラ)は城の隠し通路を使って街の方まで遊びに来ていた。
「あの……ユリウス様、これはマズイのではないですか?」
「大丈夫だよ。よくやってるし」
「それは、何も大丈夫な理由にならないのでは…………」
「まぁ気にしなくていいよ。父上もわかってて見逃してるし公爵の方には黙っとけばバレないよ」
「私、お父様に隠し事したことないのに…………」
「じゃあこれが2人の初めての秘密ってことで」
ユリウスの言葉に、エレナは一瞬顔をキョトンとさせたが、すぐに顔を綻ばせ微笑む。
「初めての……秘密……フフッそうですわね。内緒にしてくださいねユリウス様?」
挨拶した時よりも、何処か態度が柔らかくなったような気がする。俺はそれを嬉しく思い迷わず返す。
「もちろん」
「あの……私もいるんですが……」
西側諸国が発展することができてるのルミナス教とヴェルドラの封印が大きそうですよね。
ルミナス教のおかげで神聖魔法が使えて魔物相手に強く出れますし、東の帝国はヴェルドラがジュラの大森林に封印されたことでわ警戒して攻めてこないですし、まぁルミナス教がない頃の小国はこんなもんだろうって感じの独自解釈が入ってます。
超魔導大国の首都が数の人口が十万人なのはどっかの公式設定だったはず間違ってたらごめんなさい。
転スラとBLEACHについてどれくらい知っていますか? 転スラ書籍版を1、BLEACHを2と表記します
-
1と2を知っている
-
1は知らないが2は知っている
-
1は知っているが2は知らない
-
1も知らないし2も知らない