転生したら滅却師だった件   作:抹茶オレン

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世界観が転スラなので仕方なくはあるんですが、BLEACHの雰囲気をもうちょっと出したたいなと思いつつ書いてます。キャラとか本当はもっと出したいんですけど、国営の中心にするのにBLEACHのキャラは全然噛み合わなくて、考えては断念しての繰り返しになっています。ギリギリまで悩みましたが、苦渋の決断で星十字騎士団の殆どはオリキャラに決定しました。BLEACHのキャラをもっと見たかった人はごめんなさい。一応原作と殆ど変わらないのがキルゲともう1人と、原作キャラを参考にした人がエレナともう2人います。
以上、作者の蛇足でした。


不穏な風向き

 厳重な警備がされている銀架城の中でも一際厳重な会議場で、星十字騎士団の面々が集まっていた。

 

 会議場には、大理石で出来た長い長方形のテーブルに大理石で出来た椅子が等間隔に設置されていて、アルファベット順の席になっている

 

「それでは、この場にいないエレナ副団長の代わりとして私、マリー・ハーゲルが進行を努めさせていただきます」

 

 灰髪を黒のリボンで纏め、サファイアのような青い目を持ったメイド服の女性が会議の進行を宣言する。

 

「待て」

 

 しかし、その流れを止める者がいた。赤褐色のワイバーン、レグネジィだ。

 

「ボクは緊急の会議だと聞いて、態々来たんだぞ。なのに半分も集まってないじゃないか」

 

 レグネジィの言う通り、会議に集まったのは6人のみで半分にも満たなかった。緊急な案件に半分も集まらないのは、本来であれば大問題だろう。

 

「あーいいのいいの。私がマリーに言って集めさせたからさ、緊急でも何でもないんだよねぇ」

 

 椅子に肘掛けに頬杖をつきながら、なんてこともないように言うアンネリーゼだが、皇帝直属の星十字騎士団を私用で集めるなど、本来であれば極刑ものの大罪だ。

 

「巫山戯るなよ。ボクは暇じゃないんだお前のおままごとに付き合う気はない」

 

 レグネジィはそう言って会議場から出ていこうとするが、アンネリーゼがそれを許さなかった。

 

「そういえばさレグネジィ、私最近カーテちゃんと仲良くなってさぁ、今度ピクニックに誘おうと思うんだぁ。良いよね?」

 

 アンネリーゼの言葉を聞き、立ち止まるレグネジィ。後ろ姿だけでもわかるほどレグネジィは覇気を醸し出していた。それは部屋の空間が歪む程のもので、レグネジィの怒りの大きさを現していた。

 

「死にたいのなら、そう言え。ボクの群れの餌にしてやる」

 

「ピクニックに誘うだけなのに怖いなぁ。それにさ、レグネジィは弱いから無理だよ」

 

 レグネジィは翼を広げ、牙を剥き出しにして戦闘態勢になるが、アンネリーゼは余裕綽々の様子で煽る始末だ。会議場が一触触発の雰囲気の中で動く者は1人もいない。

 

【レグネジィよりリヒトの風へ。返る銀盤。紐付きの陽。照らせ!】

 

燃ゆる獅子(レグルス)

 

 レグネジィから放たれる暗赤色の光線とアンネリーゼの放つ蒼白の光線がぶつかるその瞬間、突如光が霧散し消えた。

 

 衝突し爆発するわけでもなく、突然消えた光を見て驚きを見せるレグネジィとアンネリーゼに、透き通るような声が届く。

 

「ここは戦う場所ではありませんよ。お互い、矛を納めてください」

 

 会議場の入り口には、白を基調としたかなり大きめのワンピースを着ていて、翡翠色の髪を足元まで無造作に伸ばした女性が立っていた。彼女の周囲には何処からか生える蔓と白い花が咲いていて、神秘的な雰囲気を放っている。

 

「あれ? エイクスの事は呼んだ覚えないんだけどなぁ?」

 

 アンネリーゼからの遠回しの皮肉がエイクスュルニルに突き刺さるが気にする様子もなく、淡々と疑問に答える。

 

「木々がざわめいていましたので、レオナルドにも私から伝えました」

 

 そう言って、レオナルドを見るエイクスュルニル。アンネリーゼもレオナルドの存在には気づいていたが、面白そうだから敢えて放置していたと言うのに、エイクスのせいで完全に台無しになってしまった。

 

「レグネジィ、貴方の気持ちは尊重しますが簡単な挑発に乗らないで下さい」

 

「フンッ、ボクが怒りで目の前が見えなくなっていたとでも言いたいのか? こうでもしないと、あのバカ雌は理解しないだろう。規律を乱す愚図は、死ななきゃ治らないんだよ」

 

「意味がないので控えて下さい」

 

 レグネジィの言い分を問答無用で真っ二つにするエイクスュルニル。一向に進まない話に不満を覚えたのか、レオナルドがマリーに問いかける。

 

「アンネリーゼが私用で集めたのは問題ではある。けどね、どうして君がアンネリーゼに協力するんだいマリー。君は星十字騎士団である前に、陛下直属のメイドだろう?」

 

「私は、皆様に手を貸すことを命じられています。アンネリーゼ様が協力しろと言うのでしたら、従うまでです」

 

 マリーはあくまで従ったまでと言い張った。マリーは騎士団の立場ではなく、メイドであることを優先して行動するためおかしな事はない。

 問題はやはりアンネリーゼの方だろう。

 

「とりあえず話してみたらどうだいアンネリーゼ」

 

「おい、ダ・ヴィンチ」

 

 レオナルドを咎めようとするレグネジィだが、レオナルドとしてはこのまま帰るわけにもいかなかった。

 

「仕方ないだろう。このまま無視しても碌なことにならないと思うよ? ただでさえ、豚頭魔王の事があるんだ。余計なことをされても面倒じゃないか」

 

「チッ」

 

 レオナルドの言うこともわかるのか、舌打ちの末に話を聞く姿勢を見せるレグネジィ。しかし、納得しているという訳ではないようだ。

 

 レオナルドの言っていることは、実質アンネリーゼの我儘を許容するようなものだ。断固拒否の姿勢を取りたいレグネジィとしては、納得出来ないのも仕方のないことだろう。

 

「みんな協力してくれるみたいだし、早く進めようか♪」

 

 アンネリーゼはわかっているのか、敢えて煽っているのか不明だが、上機嫌に話を進めだす。

 

「まず、豚頭魔王の件なんだけどね。星十字騎士団の参加はカエサルとレグネジィだけでしょ? そこにレオナルドも参加して欲しいんだよね」

 

「理由はなんだい? 戦力的に見れば、2人で充分だと思うけど?」

 

 豚頭魔王とその軍勢相手に星十字騎士団は3人も必要ない。戦力的に考えれば、1人で事足りる事だ。この場にいる全員がわかることを堂々と言うアンネリーゼの思惑を、レオナルドは測りかねていた。

 

 マリーはこの件を陛下に必ず報告するはずだ。普通は陛下に問題行動がバレることを避けるはず、それを隠さないという事は、バレても問題ないという事だ。

 

「(アンネリーゼが私を作戦に参加させる理由か…………)」

 

 レオナルドは嫌な予感を覚えていた。このまま素直に受け入れるのは、不味いのではないかと直感的に察した。

 

「豚頭魔王が中央諸国を突っ切って光の帝国に向かってるけどさ、進行方向にある国は全部食い荒らされてるだろうから。もしかしたら覚醒するかもしれないでしょ? 

 レグネジィとカエサルは、それぞれの軍勢を指揮しないといけないから、取り逃がす可能性もあるし、1人くらいフリーの人員がいてもいいでしょ♪」

 

 言うことは、理に適っているように思える。確かに真なる魔王に覚醒した場合、面倒な事態になる事は容易に想像出来る。その為の遊撃というならいる意味はあるだろう。だが、アンネリーゼがこんな真面目な提案をすること自体が胡散臭い。体のいい理由で、お節介払いしているようにしか感じない。

 

「一旦、持ち帰らせて貰えないかな。今、研究が良いとこでね。可能性としてはありそうな話だけど、何処までも可能性の話だからね。少し考えたいんだ」

 

「それで良いよ。あくまで念の為だからね…………」

 

 思ったよりすんなりと受け入れるアンネリーゼに違和感を覚えるが、こっちとしては都合が良いのでレオナルドは触れないようにした。

 

「カエサル、さっきから何も言わないけど君からは何もないのかい?」

 

 この場で一言も話さないカエサルにレオナルドは目を向ける。

 

 

 

「ほ?」

 

 

 

 当のカエサルは、アホな顔をしながらサイコロを積み上げて遊んでいた。

 

「やっぱりそのまま黙っててくれ、ハゲ女誑し借金王」

 

「いきなりの罵倒!?」

 

 レオナルドは普段の陽気さが鳴りを潜め、極寒の視線でカエサルを見る。

 

「酷いじゃないか、レオナルド。一晩しっぽりと楽しんだ仲じゃないか」

 

「そんな事実はないし、君に話かけた私が愚かだったよ。一生口を閉じていると良いよ」

 

 カエサルのセクハラを鋭い口撃で返すレオナルド。ここに桐乃がいればレオナルドの見たこともない氷の無表情に、さぞかし驚いた事だろう。

 

「まだ話終わってないんだけどなぁ。いちゃつかないでよ」

 

「アンネリーゼ、物事には限度があると思うんだ。賢い君ならわかるだろう? 私とこのハゲ女誑し借金王の何処が、いちゃついてる事になるんだい? 

 私は清廉潔白さ。日々研究に勤しんでいる私と部下の女性と常日頃遊んでばかりで清廉のせの字すらないこの男と一緒にしないでくれ。

 それで? 私とコレ(ハゲ女誑し借金王)の何処がいちゃついてるのか説明してくれたまえよ。君」

 

 そんなに嫌だったのか早口で否定し始めるレオナルドに、流石のアンネリーゼも少し引きながらも謝罪した。

 

「あ~、ごめんね。冗談だよ。本気でそんな事思ってないってば」

 

「そうかい? それなら良かったよ。あらぬ誤解を受けても嫌だからね。理解してもらえたらなりよりだよ」

 

 アンネリーゼの誤解が解けた事に満足したのか、レオナルドは落ち着きを取り戻す。

 

「まぁまぁ、落ち着きなよ。君は笑ってたほうが可愛いよ」

 

「話を逸らしてすまないね。続けてくれないかい?」

 

 カエサルの口説き文句を遂に無視し始めたレオナルドはアンネリーゼに話を続けるように促した。

 

「二つ目はね。例の件をエリアスに一任しようと思ってるんだ♪」

 

「例の件は星十字騎士団の出番はないはずだよ。聖兵達で良いじゃないか」

 

 必要のない戦力増強に顔を顰めるレオナルドにアンネリーゼがすかさず情報を付け足す。

 

「それがさぁ? 思ってたよりも規模が大きくなりそうなんだよね」

 

「在中している聖兵軍では足りないと?」

 

「それだけ不満があったんでしょ。数はどれくらいだっけ?」

 

 アンネリーゼは詳細を知っているはずのマリーに問いかける。

 

「現状の規模は数万程かと、ただこれは他に広まれば最終的には十万に届く可能性もあります」

 

「見えない不満は何処にでもあるものだね」

 

 マリーの報告は、予想数値よりも悲惨なものだった。レオナルドは何か思うことがあるのか、顔を顰めている。

 

「殆どは扇動されてるだけの烏合でしょ? 幾ら増えようとも変わらないって」

 

「それだけの不満が溜まっている事が問題なんだよ」

 

「不満なんて何処にでもあるものでしょ? 少なくとも、飢えず家も服もある癖に、それ以上を求めるなら自分で手に入れないと駄目でしょ?」

 

「それは極論だよ。私が言っているのは扇動されているとはいえ、反…………」

 

「そこまで」

 

 アンネリーゼとレオナルドの話がヒートアップする所で、エイクスュルニルが間に割って入る。

 

「話が逸れていますよ。今はエリアスに鎮圧を一任させるか否かのはずです」 

 

「そうだね。まずはそこからだ。エリアス、君はどう思うんだい?」

 

 話が逸れていた事を自覚したのか、レオナルドはエリアスに話を振る。

 先程からずっと黙っていたエリアスは、レオナルドの質問でようやく言葉を発した。

 

「私は構いません。その方が市民に被害が出ないでしょうから」

 

「じゃあ決定♪ 話は以上だよ。じゃあね♪」

 

 話が終わったとばかりに、あっという間に去っていくアンネリーゼ。他に不満がある者はいないのか、去っていったアンネリーゼに言及する者はいない。

 

「くだらない話が終わったのならボクは行くぞ。いいなエイクスュルニル」

 

「えぇ、構いませんよ」

 

 次にレグネジィが不機嫌そうに去っていく。律儀にエイクスュルニルに聞く辺りが真面目な彼らしい。

 

「レオナルド、どうかな? これから一緒に食事…………」

 

「レオナルド、少し話があるのですが」

 

「わかったよ。この後予定があるから手短にね」

 

 カエサルの話を遮るように、レオナルドに話しかけるエイクスュルニル。カエサルは酷い扱いを受けて「よよよ」とわざとらしく拗ねているが、レオナルドとエイクスュルニルは無視してその場を離れた。

 

 カエサルもしょんぼりしながら、ゆっくりと会議場から出ていきこの場にはエリアスとマリーだけが残った。

 

 エリアスも立ち上がり会議場を去ろうとするが、マリーから声がかかる。

 

「エリアス様」

 

「何ですか?」

 

「よろしいので?」 

 

「なんのことでしょうか」

 

 マリーの心配を素っ気ない態度で返答するエリアス。マリーはその態度を気にする事なく話を続ける。

 

「陛下はアンネリーゼ様の行動を咎めないでしょう。エリアス様はアンネリーゼ様の人形になるおつもりなのですか?」

 

「被害が少なくなるのであれば、それで構いません。何より私はまだ何も認められていませんから」

 

 エリアスはそう言って会議場を出ていく。会議場は静まり返り、ただ1人だけが残った。

 

 





今回は会議会です。レオナルドと桐乃が喫茶店に行った次の日に会議が起きてます。

次回はまた桐乃視点の話です。まだ種まきの時間です

転スラとBLEACHについてどれくらい知っていますか? 転スラ書籍版を1、BLEACHを2と表記します

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