消えろ。魔物は全て消えろ。
死んでくれ。邪魔をする偽善者どもめ。
邪魔をするな。私は魔王ではない。
「いいや、お前は魔王だよ。かつて勇者だった者の成れの果てがお前の末路だ」
巫山戯るな。私は、全てを捨ててここにいる。
「そうだな。お前は間違えたんだ。仲間を殺し、たった一人で前だけを見続けた結果だ」
わかったような口を利くな。私は果たさねばならん。これまで糧にしてきた命を無駄にする訳にはいかない。
「いいや、お前はここで死ぬんだ。俺に食われて、糧になるんだ」
私は、死なん。決して……この夢が尽きる事などはない。
「お前の夢は間違っている。人だけが残ってなんになる? 人と魔物は同じだ。共存出来る隣人の筈だ」
アレだけの人間を私怨で殺し、傀儡国家にしておきながら共存? 共栄? 笑わせるのも大概にしろ。所詮貴様は魔物で、私は人間だ。相容れる事などない。
それが現実だ。お前のやっている事は、支配者が変わっただけで根本は何も変わっていない。
「そうか……やっぱりお前は俺の敵だよ。俺の仲間を殺した許されざる存在だ」
何処までも、自己中心的な行動だな。
予言しよう。貴様はいずれ、自らの力が原因で破滅を迎える。
「戯言はもう聞き飽きた。せめて俺の中で、反省しろ」
全てが消えた。忠誠を誓った配下も、大事な存在も、国も、民も、全てだ。
いつもそうだ。肝心な時に力が足りない。アレだけの時を掛けて集めた力もこれでは意味がない。
何よりも癪だった。何処までも自己中心的なアレに、世界があっという間に呑み込まれていく光景を眺めている気分は、最悪の一言だった。
人類はこの程度なのかと、繁栄は? 歴史は? 血と死体の上に出来た人間の国は、たった一つの誤算で台無しだ。
これまでも魔王によって滅びた国は幾度となく見てきた。慣れた筈だ。いつもの事だと、次がある。いつかがあると自分に言い聞かせる。
人は弱い。一人では何も出来ない。ただ、魔王によって生かされているだけの存在だ。
鳥籠の中で与えられた自由を謳歌する幸せな人生。魔王の庇護の元生き、「魔王様万歳!」と喜ぶ民たち。
それは家畜と何が違う?
魔王は良い人? だからなんだ。国家の存在が脅かされて良い理由にはならない。
魔王はそんな事はしない? 保証が何処にある。信用と信頼で世界は成り立たない。
一人の一存で世界がねじ曲がる事などあってはならない。そんな存在は世界には不要だ。
だから消えろ。かつての創造主が創造した存在に殺されたように。
「ユリウス様?」
眼を開けると心配したような表情を浮かべるエレナが見える。
「寝てたのか。俺」
「泣いているのですか?」
「えっ…………」
ユリウスは頬にゆっくりと手を当てると、湿った感触が指に伝わる。
「なんで……」
「お休みになってください。きっと悪夢でも見たのでしょう」
エレナは休むように進言してくる。一瞬断ろうとするが、どうもその気力がわかない。
「そうだな…………そうする。後は頼む」
「お任せください」
ユリウスは何故か重い体でゆっくりと立ち上がり、私室から寝室へと向かって行く。
しかし、部屋を出ようした時思わず口から言葉が出てきた。
「エレナ」
「はい?」
何も考えずに出てきた言葉にユリウスは困惑する。とにかく何か話そうと会話を考えるが、何も出てこない
「あー、そうだな。今週空いている日はあるか?」
「……週末は、空いています………………」
「少し、外に出ないか?」
「……わかり、ました。喜んで…………」
エレナは喜んでいるのか、困惑しているのか微妙な半々の顔をしていた。
何、言ってるんだ俺。本格的におかしくなったのか。
「なんだか、昔を思い出します」
「昔…………か」
エレナの言う昔は、きっとまだ婚約者だった頃の話だろう。
「また、お忍びで街に行きますか?」
「そうだな。そうしよう。偶にはいいだろう」
ユリウスは久し振りに昔の自分に戻ったような気がした。子供のようにはしゃいで、遊んだ毎日の記憶に思い馳せた。
今日は4月1日です。
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